核で一度滅んだ世界に転生した瞬間なんか死んだ件について 作:rikka
「あぁ、よかったロスト。まだ出発する前だったね?」
出発まであと二時間ほどという所で、クリケットの姐さんに呼びかけられた。
メイクで隠れているが、よく見ると隈が出来ている。
規則正しい姐さんにしては珍しい……。
「アンタに渡したい物があってね。ほら、コイツを持っていきな」
そう言ってクリケット姐さんが渡してきたのは、拳銃だ。
だが愛用している10mm拳銃とは全く違う。
「44マグナム?」
「スーパーミュータントとやり合ったって聞いてからずっと手を加えていたのさ。今の10mmやライフルじゃあ無理でも、コイツならばあの分厚い緑の筋肉だって一発でぶち抜ける。まぁ、代わりにただですらデカい反動がさらにデカくなったけど……アンタの腕なら余裕で使いこなせるだろ?」
「姐さん!」
ホントにハグしていいか!?
この間の報酬代わりの装備といい今回といい、ホントに俺がこういうのあればいいなぁってモノを完璧に持ってきてくれる!!
姐さんホント最高だ!
「それで? カーラに同行するって言ってたけどルートは?」
「あぁ、とりあえずはグッドネイバーまで行く形になる」
「てことはまっすぐ南下して、グッドネイバーで荷下ろしや商売、補充をしたら今度は西に直進って所か」
「あぁ、前とは違うルートだからまた厄介な奴がいるかもしれない。正直、助かったよ姐さん」
マジで。
威力の高い銃が欲しいと思ってた所だった。
最初はそれこそコンバットショットガンを軽量化したモノ……それが無理ならダブルバレルのショットガンを短く切り詰めた物を注文しようと思ってたんだが……もっといいベストなチョイスをしてくれるとは。
(ショットガン吊るすよりも断然軽いし、今の装備にそのまま加えても行動が鈍るほどじゃない)
「アンタは滅多にいない最上客だからね。はい、とりあえずの弾20発。それで使ってみて、今回の行商から帰ってきたら感想を聞かせてくれ」
「ありがとう。で、いくら?」
「今回はサービス。ただ戻って改造する時の代金とそれからの弾代はいただくさ」
「言い値を払わせてもらうさ」
いやもう世話になりすぎてるしボッタクリ価格でも文句ないさ。
だけどクリケットの姐さん、基本適正価格かちょいと安くでしか売ってくれないからなぁ。
いっそのこと、今度デカく稼いだ時に投資という形でキャップ押し付けるか。
「あぁ、それとアンタにお客が来てるよ」
「俺に?」
「友達だとさ。アンタとお似合いの女だよ。ミニガンなんて分かってるじゃないか」
……ミニガン?
「やぁ、ロスト。久しぶりだね」
姐さんの後ろから、すごく久々に聞いた声がする。
「グローリーさん!」
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「へぇ、ロストの言ってた恩人かい。確かに強そうだ」
「そう言ってもらえると嬉しいな。パイパー・ライト。パブリック・オカレンシズはいつも読ませてもらってるよ」
「やれやれ、気楽な一人旅も随分騒がしくなったもんだ」
「騒がしくてすみませんね、カーラさん。まぁ、少なくとも銀髪の彼女はかなりの腕利きです。道中の安全は保障しますよ」
「はっ。あったばかりの人間を信用する奴はすぐに死体になってそこらに転がる。私が信用しているのはお前の腕と実績だ」
グッドネイバーへの道中に、グローリーさんという予想外の同行者が出来た。
なんでも、こちらまで俺の様子を見に来てくれたんだとか。
そのまま話してると、ちょうどグローリーさんも俺の様子を確認した後はグッドネイバーに向かう所だったらしく、途中まで俺達の旅に同行することになった。
「……なんというか、自分、よくそこまで信頼されてますね? まだこなした仕事なんて数回なのに」
「あぁ、お前は例の行商で逃げなかったからな。致命的な状況でも絶対に逃げないと分かっている奴は、信頼されるに決まっている。特に、バンカーヒルのガードが役立たずになるような状況を切り抜けた奴はな」
この人、地味に発言が辛辣だなぁ。
多少歳を取ってるが綺麗な人に分類されると思うんだが……。
まぁ、そう言って褒めたら爆笑されたけど。
「あぁ、私も君のうわさを聞いて驚いたよ。まさか、そこまで君の腕が立つとはね」
「自分も正直驚いています。……いやまぁ、あんなアホみたいにヤバい状況だったから、自分の身体を酷使するしかなかったんですが」
今でこそバンカーヒルでの生活には満足しているし、このままこの路線でやっていこうとは思ってはいるが、案外あのままグローリーさんの所の世話になっても上手くやって行けたかもしれない。
「確かに、あの地下水道でのドンパチは凄かった。ガンマンと呼ばれるだけはある」
なんでお前がちょっと誇らしそうなんだよパイパー。
「あぁ、それでカーラさん」
「名前に一々余計なものは付けなくていい」
「……わかった、カーラ。具体的に、ジャンク品の売れ行きというか、どういう事に使われているか聞きたかったんだ」
他の商品はもう何に使うかなんて一目瞭然なんだけど、ジャンク品だけはピンとこない。
「ああ? ああ、そうだな。……先日お前が立ち寄ったvault81なんかだと、一番需要があるのは工具やネジだ」
「工具?」
「そうだ。戦前の建物を探るとレンチやドライバーなんて簡単に出てくる。で、地下の連中はそれが大量に必要なんだとさ」
「……意外と詳しい所まであっさり教えてくれますね」
「あぁ、真似してもいいよ。奴らはとにかくそれらが大量に必要らしくてね。高値でいくらでも買い取ってくれるよ」
まじかぁ。
というか、そんなに工具って見つかるもんなのか。
良い事聞いたわ。
「ま、興味があるなら実際に持ち込んでみるといい。そして他のジャンクだが……まぁ、要するに分解できるものは大体人気だ。複雑な動きをする昔のおもちゃとか、あとは……昔の機械のパーツ部品なんかね」
「Vault81は昔の技術が残っている。だから、そういう物の利用法もたくさんある。……それで需要があるということか」
「あぁ、だからVault81はキャラバン隊に人気なのさ。大抵のものは買い取ってくれるし、逆に商品の補充に立ち寄る奴もいる。アンタが会ったかは知らないけど、フレッド・オコネルとか、向こう側で売り物が無くなったらVaultに行くようにしている」
うーむ、逆に言うとそういう技術がない大半はほとんどのスクラップ品に価値を見出さないって事か。
……商品としちゃあ、ちっとキツいか。
「ダイヤモンドシティだと、戦前の品だとそのまま使う物がよく買われてるね」
「使う物? っていうと……?」
少し考え込んでいると、パイパーが横から入ってきた。
「ほら、例えばアルファベットが6面に書かれている四角い積み木とか、車のおもちゃ……あとはまぁ、ボールペンとかどこかの農場が売ってきた余り物の食糧とか」
「あー、やっぱそういう系か」
となると、どこかに拾い集めに行く必要があるなぁ。
前にルーカスと話したように、やっぱり仲間が必要だなぁ。
「なんだいロスト。君の独立計画の話かい?」
「えぇ、まぁ。ただ、まだ具体的なものが思いついてなくて」
「何を売っていくか、かい?」
「……モノを売って生きるか、モノを育てて生きるか……それか、猟師? として生きるか、決めかねてて」
「ヘイ、ロスト。ガンマンらしく銃の腕前一本で生きるんじゃないのか?」
馬鹿野郎パイパーお前! 弾薬の補充だけでもどれだけ大変だと思ってんだ!
クリケット姐さんに頼りっきりならやれるかもしれんけども!
「正直、傭兵みたいな生き方はちょっとなぁ。襲ってくる奴はキチンと頭吹っ飛ばしてやるけど、こっちから殺しに行くのは……いやガンナーはともかくレイダーならいいか。邪魔だし気が付いたら湧いてるし、むしろ積極的に間引いた方がいいのか?」
「君は……、しばらく見ないうちにずいぶんと連邦に染まったな」
「……できるだけそれについては考えないようにしていたのに、とうとう言っちゃってくれましたねグローリーさん」
でも実際、レイダーは無駄に血肉や臓物で遊んで面倒な野生動物や虫を寄せかねないし、積極的に排除して拠点は片づけて玩具にされた遺体は燃やして片づけたいんだよなぁ。
もうね、意識的にはちょっと前まで現代社会に生きてた人間だから、できるだけこう、汚れていないというか汚染されていないスペースを確保したいというか……。
ぶっちゃけ、住処になっていて居心地は悪くないんだけどバンカーヒルも結構劣悪な環境だから色々手を加えたいしなぁ。
うん、そうだ。
「でもまぁ、バンカーヒルで生活して色々と見て……やってみたいことは増えましたね」
「そうか」
「それはなによりだよ、ロスト」
※44マグナム
威力こそ高いが当然単発だし装弾数は少ないし、店で買える弾も少ない。おまけにリロードがちょっと長い。
ぶっちゃけ趣味の人が使う銃だけど自分は好き。
ただし、これを完全に使いこなそうとすると多分8割の人はVATSビルドになる気がする。
これをバニラでいいから最速で手に入れたいという人がいるなら、サンクチュアリの対岸を縁に沿って歩きましょう。
なぜか起動しているポンプ。そのコードを辿ると一応拾えます
なお、弾は()
今から初のサバイバルモードやろうとかと思ってるんですが、たまに道を歩いてるとまだユニーク買ってないキャラバンの死体が転がっていることがまれによくあるとか聞かされて震えている