狂雷と一緒!   作:霧ケ峰リョク

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今回はちょっと時間が掛かりました。
出来れば会議まで行きたかったんですが流石に無理やで…………。
ちなみに三次創作作者の謎の食通様から許可をいただき【終末が来たりし世に英傑の旗を掲げよ】のキャラを使わせていただきます。
誠にありがとうございます。


転生者立花響の友情

 現在、海上を航海している巨大な船、それはガイア連合が所有するものだった。

 この船は今や日本という国以外の場所、過激派以外の勢力にとって必須と言っても過言では無い。

 だからこそメシア教過激派の連中に狙われるのも当然の事だった。

 

「神の名の下に、貴様に罰を下す!」

「ハレェルヤァ!! は,はハレハレハレハレ…………ハレェルヤァアアアアアアアアアアアアアアッ!!」

 

 大天使達が狂ったように雄叫びを上げながら船に攻撃を仕掛けて来る。

 それを見て思わず溜め息を吐く。何で日本に向かう途中の船旅で、こうも大天使に襲われなければならないのか。

 心の中でそう思いながら甲板の上で跳躍する。

 

「本当に最悪だ」

「プギっ」

「ミギィアアア!!」

 

 大気を蹴る事で飛行し、流れ作業のように大天使達の首を刎ねる。

 首を失った天使達の胴体は悶え苦しむようにのたうち回り、頭部からは悍ましい叫び声が上がる。

 悪魔は首を失っても人間と違ってすぐ死ぬわけじゃない。

 その為、残った残骸にアンティクトンを放ち、この世から消し飛ばす。

 

「おのれ、よくも我が同胞を――――!!」

 

 さっきのアンティクトンの範囲内に居なかった、遠巻きに眺めていた大天使達が攻撃を仕掛けて来る。

 仕掛けて来た三体の内の二体が鎖を使い、オレの腕を片方ずつ縛り上げる。

 そして残った最後の一体が剣を持ち、オレに向かって突進して来た。

 

「報いを受けろ!!」

 

 本当に同じ事しか言わないなこいつ等。

 心底呆れながら両腕の鎖を引っ張り、抑え込んでいた天使二体を向かって来る天使に対しぶつけた。

 

「ぐあっ!?」

 

 身体をサンドイッチのように潰された大天使の断末魔が聞こえる。

 普段ならばこのままアンティクトンを放って倒す。だけど、今のオレには仲魔が居る。

 

「オラオラオラァ!! ケラウノス!!」

 

 ゼウスが一纏めになった大天使達にケラウノスを浴びせる。

 雷神の雷とアダマスの鎌による攻撃の嵐。それをまともに受けた大天使達はこの世に残る事無く消滅した。

 

「ディアムリタ。綱吉、回復しましたわ」

「ありがとうデメテル。よし、追撃といこうか!」

 

 デメテルのバフを受け取り、残った大天使達の掃討にあたる。

 

「デメテル、バフをお願い。アルテミスは遠くに居る天使達の狙撃をお願い」

「分かりましたわ! ラスタキャンディ!」

「了解したサマナー! 銀河烈星拳!」

 

 つい先日解放し、デメテルがバフを積み、ギリシャ支部から旅立つ前に異界に挑んで解放し、新たに仲魔となった女神アルテミスの攻撃が天使の群れに襲い掛かる。

 アルテミスの攻撃が直撃し、次々と天使達が息絶えていく。

 

「何か前にも見たことあるぞこの光景」

 

 空から雪のように降っていく天使達を眺めながらそう呟く。

 

「それにしてもこれが仲魔というやつか」

 

 腕に着けているスマホ、もとい悪魔召喚プログラムに視線を向ける。

 今まで一人で戦って来たからこそよく理解出来る。

 オレ一人でも全員倒せないわけじゃ無い。だけど、どうしてもその分だけ消耗してしまうし、何より時間が掛かる。

 だが仲魔が居ればある程度任せる事が出来るし、時間も短く出来る。消耗だって少なくて済むし、戦える時間だって長くなる。懸念があるとしたらこの悪魔召喚プログラムがガイア連合の手で改良されたものでなく、マンセマットが改造したものだということだろうか。

 本当の事を言えばそんな劇物を使いたいとは思わない。だけど自分のレベルに近い仲魔を使う事が出来るというのはあまりにも魅力的だった。ガイア連合製のは悪魔召喚プログラムは間違いなく安全だが、現時点では高レベルの仲魔を召喚する事は出来ない。

 反逆等といった危険性があったとしても、オレの場合はこっちを使うしかなかった。

 そのおかげでたった三日間でアルテミスを解放するだけでなく、ヘスティアをも解放する事が出来た。

 とはいえ、これはあのマンセマット製なのだ。

 

「日本に着いたら技術部に見てもらわなくちゃ」

 

 一応罠は仕掛けていないと言っていたが、全く信頼できない。

 そう考えながら大気を蹴って船に戻る。

 

「ただいまー」

「ただいまー、じゃねぇよ」

 

 船の甲板に着地すると船員の一人がオレを見てそう言った。

 彼はガイア連合に所属する転生者でもある。

 

「えっ、何お前。今普通に空を跳んでなかったか?」

「別に不思議じゃないでしょ。ショタオジとか普通に飛んでるんだし」

「化け物を比較対象にすんじゃねぇよ。やっぱ幹部やってる奴等は人間辞めてるわ」

 

 失礼な、ショタオジ程人間辞めてるわけじゃないよ。

 そう反論したくなる気持ちを何とか堪える。

 分かっている。ギリシャ支部で天使狩りしまくった結果、レベルが上がりまくって強くなったのは。そのおかげで当時は連発出来なかったアンティクトンも今では呼吸をするかの如く連発できるようになった。

 でもショタオジと同類にするな。オレはあそこまで化け物じゃない。

 

「それにしても神星ローマ帝国ってなんだよ。神星って」

「ゼウス達にとって良いかなって思って。ほら、ギリシャ神話って星座と深く関係してるし」

「俺はてっきり中二病を再発したのかと思ったぞ。お前もちょうど中二だし」

「ふざけろ」

 

 それを言うのなら転生者なんて全員中二病みたいなもんだろう。

 北米の狩人とか、英国のアーサー・エヴァンスとか、オレも含めてだけど全員漫画やアニメのキャラにそっくりなんだから。

 まぁ、ここまで来ちゃうと全然笑えないのだけど。

 

「っと、アカシャアーツ」

 

 転生者である連合メンバーと軽口を叩きながら剣を振るい、地平線の彼方から此方を攻撃をしようとしてくる大天使を狙撃する。

 アカシャアーツが直撃した大天使はそのまま海面に落下する。

 

「…………やっぱり幹部の連中ってショタオジと大差無いわ」

「なんでや」

 

 それがこの船が日本に到着する三日間の間に起こった出来事だった。

 

   +++

 

 転生者、立花響にとって学校生活というものは苦痛の一言に尽きる。

 と、いうのも今生の両親とは反りが合わず、なんやかんやあって全寮制の女子中学校に入れられたのだから。

 尤も、今生の両親の言いたい事も分かる。

 普通に考えれば真面目に生きてほしいだろうし、普通に結婚してもらいたい。それで出来る事ならちゃんとした人と結婚してもらいたいといったところだろう。と、いうか実際にそう言われた。

 だがここは女神転生の世界なのだ。普通の生活なんて絶対に無いし、未来は確実に終末だ。

 そして何よりも自分の前世は元男なのだ。両親の言う通り普通の結婚とか絶対に受け入れられなかった。

 救いがあるとしたら、自分の理解者である転生者仲間が居た事だろうか。

 尤も、両親はその転生者仲間の事を快く思っておらず、この全寮制女子中学校に放り込んだわけだが。

 

「本当に最悪だよ」

 

 おかげで中々レベルを上げる機会に恵まれない。

 響はそう呟きながら毎日居座るベンチの上で黄昏ていた。

 お小遣いは全部親に管理されてしまい中々自由に行動出来ないし、異界に潜り込む機会も無いしお金を稼ぐことも出来ない。

 その為、貴重な休みはこの学校の寮で暮らすしかなかった。

 三日間の貴重な連休も全て寮の中で暮らすという、はっきり言って牢屋暮らしだ

 

「でも、今日は違う」

 

 イタリアに行っていたあいつが戻って来るのだ。

 正確には色々と用事があって戻って来ただけで、一週間以内には戻ってしまうらしいが、そのついでに一緒に行動する事になった。

 しかも三日間のお金も用立ててくれるという、本当に感謝しかない。

 自分は最高の親友をもった。今度この借りは必ず返さなければ。

 

「あ、あの…………」

 

 そう考えながら空を見上げていると響の耳に自分に話しかける声が聞こえた。

 視線を其方に向けると、そこには一人の少女が立っていた。

 確か、宮崎のどかという名前だっただろうか。自分のルームメイトの少女だ。

 

「何?」

「え、えっと、その…………」

「そんなゴマゴマとしてたら何を言ってるのか分からない。はっきり言って」

「ご、ごめんなさい。実は、先生が書類運びを手伝ってほしいって」

「…………私、休みなんだけど」

「…………ごめんなさい」

「ああ、ごめんね。貴女には言っていないよ。そもそも休日の生徒にそんな事を頼む教師の方が間違っているから」

 

 そもそも外に出ていないだろうからって考えで休日の生徒にそんな事を任せるな。

 口に出してそう言いたくなるものの、言ったら言ったで自分を責めるかもしれない。

 

「まぁ直接私に頼まれても無理だったけどね。今日はデートの予定だったし」

「え、デート…………?」

「そう、デート」

「ぱ、パパ活はダメだよ?」

「お前は私をどう思ってるんだ」

 

 流石にこれは怒っても良い筈だ。

 そう考えていると今度は一人の女子生徒が複数人の男女をぞろぞろと引き連れて現れた。

 

「おい、ちょっと面貸せや」

「…………本当に毎日毎日無駄な努力ばっかりして、飽きないなぁ」

「本当にうざったいなぁ…………」

 

 あまりレベルを上げていないとはいえ、覚醒者は常人よりも遥かに強い。

 どれだけ数が居ようが一般人が何人居ようとも問題無い。

 とはいえ、流石にこの人数は鬱陶しい。そろそろ痛い目に合わせた方が良いだろうか。

 それぐらいならばガイア連合の運営も文句を言わない筈だ。

 

「よし、全員痛い目にあわせてやるから覚悟し――――」

「あ、居た居た。響ー!」

 

 面倒だから全員纏めて叩き潰そう、そう考えて実行しようとした瞬間、自分を呼ぶ声が響く。

 声がした方向に視線を向ける。そこには茶髪の癖っ毛の親友、沢田綱吉の姿がそこにあった。

 親友の姿を視認した瞬間、響の脳内から不良達の事は消え、物凄い速度で綱吉の所まで移動し勢いよく抱き着いた。

 

「遅い!! でも久しぶり!!」

 

 ギューっと響は綱吉の身体を強く抱き締める。

 その時の顔は普段の響を知っている者なら信じられないぐらい、誰もが見惚れるくらいの笑顔だった。




響の視点書くの苦労する…………。
ちなみに響は綱吉と一緒に風呂入るの抵抗ありません。
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