あゝ楽しんであれ、もんくえ世界津々浦々   作:点=嘘

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第64話

 

 がらり、ごろり、

 かたかた、かたこと……

 

 草木も眠る丑三つ時。荒れた野道を削りながら独りでに進む車椅子の車輪の微かな音が、ひんやりと湿った空気の中へ溶け込むように響いていた。

 

 ここはヤマタイ地方。

 

 背面に積み込まれた荷物と共に吊り下がる箱型のカンテラが、孤独な男の進む道を薄く照らしている。ヤマタイへの道を阻む過酷な山越えを果たしたばかりである筈の男の顔にはさしたる達成感のようなものが見て取れない。

 

 なぜなら男は、強い。

 

 本来の目的を果たす唯一の手段であった(まつりごと)から否応もなく引き剥がされたという事実は、あまりにも大きな代償だ。

 その代わりに与えられたのは己の研究と研鑽のみに文字通りの”全て”を費やすことだけが許された、それ以外のことが何も存在しない日々。

 

 弱り果てた肉体と逆比例するかのように──敵を倒し旅を続ける為だけに長年鍛え上げられた魔力の総量は、今や妖魔にすら匹敵していた。

 

 今の男にとって、野良の妖怪が稀に彷徨(うろつ)く程度の山道を越える事など造作もない話だった。ましてや、その稀な遭遇すら、()()()()()()()()()()()()()()()()()()とあっては。

 

「! ………… 」

 

 そして、その遮断を抜けてきた気配に男は首を上げた。

 現状で保有する最強の駒であるウィルム娘。それは相手を攻撃するだけでも傷を負う男に代わって数多の近付いてくる魔物を殲滅し続けてきたが──今回の相手は、どうやら隠形(おんぎょう)の使い手か。手ずから張っていた魔法の感知にはこのように掛かる一方で、朧げな屍体の意識では気が付くのが遅れてしまっていたようだ。

 

 相手の気配に焦りや緊張は見られない。遥か上空を旋回する屍竜に気が付いているかは怪しいところだ。しかし……呼び戻すまでには時間を要する。ここで迅速に”対処”しなければならない。

 

 薄く息を吐きながら。男は黒色の手袋に覆われた指を、そっと短杖に這わせていった。

 

 

 

 ◼️◼️◼️

 

 

 

 低く、低く体を伏せて。

 

 背の高い草に紛れるようにしながら、遠見の術が掛けられた筒を覗き込む一つの影。

 幾分か露出度の高めな忍者装束を身に纏う中背の女。暗い灰色の毛を蓄える豊かな尻尾と獣耳が、紛れもない人外の証拠としてゆらゆらと揺れていた。

 

「……やはり、あいつでござるか?」

 

 薄く抑えた小声で呟く。

 

 遠見の筒からすっと目を離した女の双眸は厳しい眼光を宿していた。両手で何通りかの印を組み、気を練り上げることで何かしらの術を組んでいく──

 

(まずは尋問か。手始めに二度や三度ばかり吐精に至らせて従順にさせるでござる……)

 

 忍法の行使を手早く済ませた娘は再び筒に目を通す。あとは相手の様子を窺い、襲いかかる機会を待つばかりだ──……

 

(……?)

 

 ぼんやりとした明かりが静かに下げられた車椅子。目標は体の不自由な男だと見たが──その上には誰もいなかった。

 

 そう、誰もいない。

 

 乗り捨てられた車椅子と、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「うっ──」

 

 

 

ずごごああッ!!

 

 

 

 ──唐突に隆起した周囲の地面が、津波のように娘を飲み込んだ。

 

 仮にそこで立ち上がっていようと頭の先まで悠々と包み込んでしまうであろう規模の大質量が無慈悲に、無防備な体勢を圧殺する。

 大波と化した土砂のうねりが動きを鎮め──パラパラと小石のこぼれ落ちる音が響くようになった頃には、何も無かった平らな草地に小高い築山が屹立するまでになっていた。

 

「だァるまさんが、こーろんだ……ってか」

 

 たった今まで娘がいた場所の更に後方へ下手人たる”賢者”が降り立つ。双月影(ふたつ つきかげ)──影に潜り、影から影を飛び越える狼の魔法。こちら側にとってはもはや呆れるほどに手垢の付いた術だが、それだけに奇襲は洗練されていた。

 

「悪いな……あんなもんに乗ってはいるが、脚は不自由って訳でも何でもないんだ」

 

 言葉の通りに、男は二本の足でしっかりと地面を踏み締めて立っていた。

 とはいえ、叩いた軽口ほどには余裕のない状況でもあった。

 

 ()()()()()()

 

 幾らかの雑草や土の中に埋まっていた虫けらを巻き込んで潰した反動が既に”症状”となって現れ、今ではおよそ左半身の体組織周辺を大きく強張らせる結果になっている。

 全力で運動した翌日の筋肉痛を数倍に強めた程度の苦痛──が、それでも、魔物を一匹手に掛けた際の反動とは程遠い。恐らくは傷一つさえ負わせられていないだろうと感覚で分かっていた。

 

「……まるで霧に揉まれたかのような気配……これは只者ではござらぬな」

 

 しゅたっ──と、軽い身のこなしで土塊の山に着地した娘が声を発する。

 

「しかし今宵が月光の差さざる新月の夜とはいえ、大地の術で我が身を捉えようとは。

拙者が、六条家の妖狐と知っての傲慢か……!!」

 

 

 


 

 斥忍五尾が現れた!

 


 

 

 

(……ござる口調の忍者狐か……やれやれ、それらしくなってきたって訳だ)

 

 その尾の本数が多いほどに強力な力を持つ証拠となる妖狐にあって、対峙する相手の尾の数は五本。知識にある限りでは中々に手強い相手のはずだ。

 しかも、この五尾は何故だか()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()ようだ。単に先手を打たれたからというには些か違和感があるが──

 

「何をブツブツ言っているでござる、こちらから行かせて貰うぞ……!」

 

「まあ待て、物事には順序って物がある」

 

 とは言ったものの、男はどの道この妖狐を生きて返すつもりが無い。身を隠すことを大きな目的の一つとしてヤマタイにまで訪れたのに、組織立って行動する魔物の代表格である妖狐などに顔を見られては堪らない。

 

「良い夜だな。確かに月が出ていないのはお前らにとって据わりの悪い事なのかも知れんが、澄んだ空気と、よく晴れた空だ」

 

「……っ?」

 

「狐ほどには夜目の効かない俺ですら、星の光を辺りに感じる。光があたれば影を生む。これほど体をガタつかせてまで……うず高く、山を積んだ甲斐があるというものだ」

 

 ぶつぶつと不気味なほど一方的に喋り続ける男は──ふらり、体の力を抜いた。

 まるで重力に身を任せて、受け身などを取ろうともせず。

 

 そのまま、()()()()()()()()()()()()()()

 

万象に等しく不意なる定め、魂の灯を吹き消さん……我が一声にて……

 

 ただし、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()姿()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 狐は、己の足元に広がる影に何かが──二重に、重なっているのを垣間見た。背中に押し当てられた杖の感覚。

 

 “背後”から、囁かれる呪文。

 

 

デス(息絶えよ)

 

 

 気が。暖かいものが、何かが吐く息と共にするすると流れ出させられていく。

 緩慢な動きで後ろを振り返った先にいる男は、既に背を向けて歩き始めている。

 即座にその場で膝を突いた妖狐は、酷く無様に、顔を地面の土に擦り付けていた。

 

 

 


 

 

 

 魔力により構築されていた山が朽ち始める。ざらざらと崩壊していく斜面を滑り降りていく俺は、錬金製のケースを懐から取り出していた。

 

 即死呪文はその名前とは裏腹に”本当の死”までの僅かなタイムラグがある。それまではいわゆる仮死状態──というより、適切な蘇生処置を素早く施せば復活の見込みがある”だけ”の状態が間に挟まる。

 だからつまり、俺の手による殺害の事実が確定するその瞬間に訪れるであろう”症状”を緩和するために、今から投薬の準備をしておかなければならないのだ。

 

 ──完全なる死を迎えてしまった生命を生き返らせる方法というものは、魔法などという異界の論理がありふれたこの世界の中においてもおよそ”不可能”に近いと断じていい数少ない事物である。

 その論理の一端を正しく学びつつあるからこそ、生、そして死という、動かしがたい現実の重さを背負いながら俺はこの道を歩き続けている。

 

 それが酷い欺瞞に過ぎないのだとしても。”覚悟”というものを殺しに欠く事だけは決して無いと断言する。

 軽々しい判断で行使した呪文では、断じて無い。

 

 

 

「……?」

 

 

 しかし、妙だ。呪文としての手応えは確かにあったはずなのに、俺だけには把握できる”破壊”の感覚がなかなか訪れない。

 今や山が崩れたことで草が飲み込まれ土の露出する平地となった、地面に倒れ込む五つ尾の妖狐──もはや疑いは明らかだった。

 

 

「……抵抗、されたか?」

 

 

 ビシュッ!! と跳ね起きざまに腕を振り抜いて放たれた何らかの投擲を俺は冷静に見切る。

 杖先を向け発生させた力場が形を捻じ曲げ、受け止めたのは──おいおい、棒手裏剣ってやつか。それに良く見りゃ何か塗ってやがる。

 

「毒針に刺されて死にかける経験は生憎と間に合ってる。人生で二度も味わいたいとは思えんな」

 

「ぐぐっ……」

 

 肩で息をしながらこちらを睨み付けてくる五尾……口の端から涎を垂らし僅かに瞳孔を開いている。これは、覚醒作用のある薬物でも咄嗟に口にしたか。意図は異なるであろうとはいえ、奇しくも俺と同じような用意をしていたとはな。

 

「はぁー……はぁー……一族秘伝の丸薬、に……助けられたでござるか……」

 

「大したものだ」

 

 衣服の中を探った俺は、細く折れた紙巻きを指に挟んだ。唇にくわえたそれが、ほんの一瞬揺れる。

 

「咄嗟の判断や薬の効き目を言ってるんじゃない、お前自身の意志の力が並大抵ではないと言っているんだ。あそこまで手応えを感じさせた所から、まさか戻ってこられるとは」

 

 次の瞬間、先端に小さな紅が灯る。吸い込まれた空気に応じて火は僅かに強まり、灰色の煙が静かに立ち上る。

 俺はそのまま煙草の煙を短く吐き、目を細めた。

 

「一体何が、魔物であるお前をそうまでさせる」

 

「……友の為だ。我が友情に報いる為だ」

 

「そうか」

 

 それ以上の事情は聞かない。聞く必要も無い。

 

 また一つ。この俺が世界に刻み付けた傷として、それを背負いながら歩んでいくと決めた道筋の記憶に書き加えるだけだ。

 その上で始末を付ける。

 今まで何度も、何度も、同様に繰り返してきた事だ。

 

「む……」

 

 再び息の根を止めるべく一歩を踏み出す。と同時、俺は()()()()()にようやく気が付いた。

 

「探し物は、コレでござるか……」

 

 濡れ羽鴉の腕飾り。確かに身に付けていた場所から消え、目の前の五尾が手にしていたそれは、魔術『双月影(ふたつ つきかげ)』の発動に使用する魔道具であった。

 

「二度も使われた術の依代ぐらいは見破れる……その上で、呪いを掛ける為あそこまで拙者に近付いたのは失策でござったな……手技は拙者の得意分野でござる故」

 

 全く鮮やかだ。あの土壇場で俺に一切気付かれることなくそんな真似をやってのけるとは、やはり本物の忍者という奴は惚れ惚れするような技を隠し持っているものらしい。

 

 残念だ。

 

 こんな時では無かったら、本当に面白い出会いとなっていただろうに……

 

「時間切れだな」

 

 

 

ずドンッ!!

 

 

 

「……なっ、に!?」

 

 地鳴りのような音が俺の遥か後方から響き渡る。何百キロもの重量を持つ生体が豪速で地面に激突した音だ。

 ウィルム娘の死体(ゾンビ)。着地地点はかなりズレたようだが問題は無かろう。

 

「それと最後に言っておくが──そいつは今や補助輪に過ぎん。影の魔法はもう完全に修得した。杖さえあれば問題なく使える上にだ、手間と隙こそ普段以上だが……こんな『応用』も出来ない事ではない」

 

 ほんの僅かな煙草の火。その明かりから俺の背後に生じた、影とすら呼ぶことのできない靄のような明暗の違い。

 それがゆっくりと()()()()()()()()。深く、広く、そして大きな影へと拡がり続けている。

 

 


 

 

 一方で──呼び寄せた時点で俺がいた場所である車椅子の近くに着地したのであろう『それ』が、カンテラの影に躊躇なく飛び込んだ。

 

「ぐるるるる……」

 

 影同士。既にそれらを繋ぐ道は遠隔で開かれ、俺の影へと繋がっている。

 

 


 

 

「さよならだ。後は()()に相手をしてもらえ」

 

 爆音。

 

 死肉の喉より轟く咆哮が、しんとした夜の星空へ叩き付けられるように響き渡っていく。

 

ふしゅ……ぐるるるるるるあら!!!!

 

「……!! ……!?」

 

 びしっ、びしびしびしびしっ──何かの縫い目が千切れるような音を立て、顎先から下腹部までの巨大な継ぎ目、”手術の跡”が開かれる。

 

うばぁ、あ゛あ゛ー……

 

 目を覆いたくなるほどの触手が、屍竜の体内からまろび出る。

 体の一部を触媒として置換される搾取生物、その中身を垣間見せるように。ばぐん、ばぐんっ! と──肉体の割れ目が横に閉じては開いてを繰り返している。その度に粘度の高い物質が両側へと橋をかけるように、白い糸を引いていた。

 

「何だ……何なのでござるか、()()は、一体!?」

 

「ころ、すうう」

 

 虚ろな両目。にじり寄る竜脚。一見すると緩慢に思えるその動作が──まるで質の悪い冗談に感じられるほどの速度で。身体を躍動させて飛び掛かったのだと気が付いた時には、妖狐との距離が一瞬にして詰められていた。

 

「っ、し──」

 

 格闘の心得は十分にあるのだろう、生物の急所を的確に狙い澄ました何発もの拳打がウィルム娘の肉体へ瞬時に叩き込まれていくが。

 

「きかねえ、よ」

 

「っ!!?」

 

 その攻撃を、まるで一切無視するかのように。獰猛な爪を握り込んで振り上げられた一発の拳が──

 

 ごちゅ、っと。

 妖狐の体を、とてつもない速度で殴り潰した。

 

「ぶっ──」

 

 防御は適切に行なわれていた。土の魔力をその身に宿す高度な防御法だ。数十メートルは水平に叩き飛ばされても不思議ではない所を、その場に崩れ落ちるばかりで済んでいる事実は称賛されるべき事なのだろう。

 

 だが……その上で、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 悲惨だ。

 相手がまだ勝負を諦めていないという事実が、傍目から見ると痛々しく映るほどに。

 

「は、あああッ!!」

 

 妖狐は腰の後ろに帯びていた忍者刀を素早く抜き、触手の蠢く肉体の内部に突き立てる。拳が効かぬなら。体内ならば。一縷の望みをかけて繰り出されたのであろう渾身の刺突は──刃が届く直前、空中にピタリと静止した。

 

「うっ──」

 

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 開いては閉じてを繰り返す切開された肉体の両側──そこには、()()()()()()()()()()()()()()()。アラクネ種の織りなす強靭な糸。そしてその性質は単なる物質的な領域に止まらない。

 

ぶォン──

 

 絡め取られた刀が、その姿を消滅させた。

 

 妖狐が抜き放った武器は既にこの次元のどこにも存在しない。時空を紡ぐアラクネの魔力が構築する、ほんの僅かにズレた位相の時空間に飲み込まれたのだ。

 本物が獲物を閉じ込める際に創り出す”巣”よりは遥かに狭い僅かな空間だが──性質の分析と再現はとっくの昔に終わらせている。

 

 そして最後に。刀を失い戸惑う五尾の体を、ウィルム娘の双腕が掴む。右肩と、左側の腰を、逃げられないように、しっかりと。

 五尾も、暗闇で遅れながらもようやく気が付いた事だろう。死体の性質に近似した、竜鱗と爪に覆われたその両腕が──

 

 異常なほど、ぼろぼろと干からびて見える事に。

 

「が、あああぁぁ!?」

 

「ふしゅ、ふしゅる……いのち、えきたい……うまそうだぁぁ、啜らせろぉぉ……」

 

 痛ましくひび割れ、灰色に朽ちかけた鱗の腕が瑞々しい妖狐の柔肌にずぶりとめり込む。ずくっずくっ……と恐ろしい速度で体内の血液を吸い取っているのだ。

 吸血鬼の腕。

 それが彼女に施した力。あの連中の研究も今や殆どを完了させた所だ。

 

「ぁ……うぁぁ……」

 

「……終わったな」

 

 触魔導、吸血鬼の腕、アラクネの時空糸。他にも様々な処置を一つの肉体に施してきた。

 素体の能力が優れていたからなのか。このウィルム娘は恐ろしい量の改造を次々と受け入れ──混合(キメラ)ゾンビ、とでも形容するべき存在に仕立て上げられている。

 

 死者の体をこれほどまでに冒涜する事が出来るとは自分でも最初は思わなかった。

 

 自分の、いわば魂の形とでも言うべきモノ。最初に旅を始めた、道を歩き始めたあの時から。あの頃の俺から今や、どれだけのものが変わっていったのだろう。

 

 この旅が終わった後。俺たちの目的を果たせられたのなら、その後。

 それまでの旅路をふと振り返った俺が見る光景は、代償は、背負っていた業は。果たしてどれ程になるのだろう。

 

 確実に言える事は、それを考える時は今では無いという事。

 強く、確かに歩き続けていなければならない。

 

 次の一歩を。

 

 

 

「待ちなさい」

 

 

 

 ずしん、と巨体の斃れる音が響く。

 

 体の制御を失ったウィルム娘が五尾の体を離したのだ。一枚の呪符を額に貼り付けられて痙攣している──言うまでもないが、無我夢中で獲物にかぶり付く隙を狙ったとしても簡単な事ではない。

 

 そんな真似を通り過ぎざまに為した新手の魔族。尾は()()──ふわりとした金毛を宿し、人型の両腕と上半身に四脚の獣身を備えた妖狐だった。

 倒れていない状態のウィルム娘にも引けを取らない体高と気迫を滲ませる忍者装束のそれに、五尾は掠れた声で呼び掛けた。

 

「当主、様……」

 

狐吠(こほえ)。ここは私に任せ、お前は体を休めなさい」

 




ちなみにですが、というかほんと今更かよって話なんですがR-18枠について少し。

あれはxx.5話みたいに書いてあるだけあって本筋にガッツリ関わってる話が多いので、エッチ目的を抜きにしても基本的に目を通しておくことが推奨となります。実用性の欠片もない拙い文章かもしれませんで申し訳ないのですが、原作が原作ですので都合上どうしても欠かせないという面もあり…
ですから特に前回とかだと、どうしても脳を破壊されたくなくて読み飛ばされたみたいな方が仮にいらっしゃった場合後々の認識に齟齬が出てきてしまう可能性があります。ご了承ください。

なのでどうぞ、読み飛ばされてしまった方は安心して脳の刑務作業にお戻りください。
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