進撃の巨人2~名もなき兵士という名の悪魔~   作:Nera上等兵

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130話 エルヴィン団長の特攻作戦を笑う悪魔たち

人はいつか死ぬ。

誰もがその常識から目を逸らして生きている。

笑ったり泣いたり怒ったりしてもいつか訪れる結末。

だからこそ、目の前に【死】という現実が迫ってきている惨状は兵士たちを怯えさせた。

 

 

「やだやだ……」

 

 

エレンと同じ104期南方訓練兵団出身のサンドラ・ホルムは怯えていた。

50mの壁側に寄っても、まだ生き残れる自信が無い。

投石の度に目の前にある旧市街地が大きく破壊されて上空から結晶の雨が降り注いでいる。

これで生き残れる訳がないと嫌でも分かっている。

 

 

「嫌ぁあっ!!まだ死にたくないぃ!!」

 

 

なんでトロスト区防衛戦と奪還作戦に参加して気付かなかったのだろう。

なんで自分は生き残れると思ったのだろう。

なんでフローラですら生還しなかったウォール・マリアに来てしまったのだろう。

ありとあらゆる後悔がサンドラの肉体と精神を蝕んでしまった。

 

 

「サンドラ!まだ諦めるな!!」

 

 

同じく自分も死ぬと自覚しているゴードンは泣き叫んでいるサンドラを励ましていた。

それをやったところで何も変わらないと分かっている。

だが、発狂して周りの兵士に危害を与える危険性がある以上、正気を保たせる必要があった。

 

 

「オイ走れ!!射線の死角になる民家に移動しろ!!走れ!!」

 

 

リヴァイ兵長も怯えている兵士たちに檄を飛ばした。

それを見てサンドラは人類最強の男に縋る!

 

 

「兵長!!助けてください!!まだ死にたくない!!」

「サンドラ!!やめろ!!」

 

 

唯一の希望に向けて抱きつこうとするサンドラはゴードンに羽交い締めにされた。

それでも穴という穴から液体を撒き散らす彼女は無様にリヴァイに頼ろうとした。

 

 

「まだ死にたくないなら命令通りに動け!!」

 

 

エレンと同期の女兵士が失禁しながら泣き叫んでいる姿はリヴァイから見てもきつかった。

まだ未来がある若者をここで死なせる事しかできない現実に!

周りを見渡しても、彼女と同じ様に縋りたいという兵士しか居なかった。

だが、少しでも生き残らせる為には命令を聴かせるしかなかった。

 

 

「申し訳ございません。すぐに移動させます!おいフロック!手を貸せ!!」

 

 

兵長に謝ったゴードンは、サンドラを移動させる為にフロックに助けを求めた。

しかし、彼は両手で頭を押さえてその場でうずくまっていた。

 

 

「立て!死にたいのか!?」

「ひいいいいい!!」

 

 

フロック・フォルスターは、兵長の怒声を聞いて立ち上がった。

それでも誰かの背後を見て動くのが限界であり、もはや兵士として機能してなかった。

 

 

「エルヴィン団長!!」

 

 

誰かが叫んだ声を聴いてリヴァイが振り向くとそこには、顔が青ざめたエルヴィンが居た。

あの様子では、碌な策が聴けないと分かっていた。

投石どころか、大量の硬質化の結晶の雨と爆発する流れ星をぶっ放されている有様だ。

しかも、能力者である獣の巨人以外は、永遠にそれを続けられるというおまけ付きだ。

 

 

「エルヴィン……何か…策はあるか?」

 

 

だが、生きている以上、嫌でも前に進まなければならない。

次の策を求めてリヴァイは、糞をもらしそうに見えるエルヴィンに質問をするしかなかった。

 

 

「ああ…」

 

 

リヴァイの質問を受けたエルヴィン・スミスは50mの壁を一瞬だけ見た。

あの壁の向こうには、あれほど自分が待ち望んだ物が眠っている。

しかし、それを見るのは許されない。

再び向き合ったエルヴィンの顔は、さきほどと違って吹っ切れた様であった。

 

 

「ミケ副団長、調査兵団の生存者を集めて整列させてくれないか?」

「承知した」

 

 

エルヴィン団長の命令の意図を知っているミケ副団長は動き出す。

命令によって泣いたり悲鳴を出す兵士たちが動いてリヴァイとエルヴィンは2人っきりになった。

ようやく本音を告げられる環境になったと実感したリヴァイは口を開いた。

 

 

「エルヴィン…反撃の手数が残ってねぇって言うなら敗走の準備をするぞ」

 

 

何も返答をもらえなかったリヴァイは、最善と思われる決断をした。

 

 

「巨人化したエレンにお前を含む何名かを乗せて逃げてもらう。それで良いな?」

 

 

変異種の大群に包囲されている以上、馬で逃げたところで逃げきれない。

それどころか、それこそ奴らの思うつぼである。

では、どうするか?

自分たちを囮にして奴らの目的であるエレンが逃げ切れば良い。

 

 

「幸いにもエルティアナ連隊長が責任を取ってくれるそうだ。良かったな、逃げる口実ができて」

 

 

ここでウォール・マリア奪還作戦の責任者が逃亡すれば死罪は免れない。

だが、事前にエルティアナ連隊長が責任を取ってくれると言質を取ってある。

それを兵団政権に報告している以上、元から負傷兵のエルヴィンが逃げても問題は無かった。

 

 

「お前とエレンさえ生還すれば、調査兵団は何度でも建て直せる」

「リヴァイはどうする?」

「俺か?長年に渡って望んでいた目的を達成したんだ。もう悔いはねぇ…」

 

 

ケニー・アッカーマンとの再会を望んでいたリヴァイは最後に彼にお礼を言えた。

それだけで満足であり、あとはエルヴィンに従うだけの人生を満喫していた。

 

 

「そうそう、リーブスの旦那に『紅茶はもう要らねぇ』とお前の口で伝えてやってくれ」

 

 

いや、紅茶を楽しんでいたリヴァイは最後に世話になったリーブス会長に礼を言いたい。

それができないので代わりにエルヴィンにやってもらう事にした。

その約束をすれば、きっと彼は生き残ってくれると本気で信じていた。

 

 

「どうせ老い先短い人生だ。せいぜい自分の為に使わせてもらうぞ」

 

 

もしかしたら兵士全員を散開させれば、誰か1人でも逃げきれるかもしれない。

エルティアナ女史に相談すればきっと承認を得られる。

兵士長という役職では、部隊全員を指揮できないので彼は彼女に頼る事にした。

 

 

「本当にそれで良いのか?」

「ん?」

「反撃の手立てが何も無ければな…そうなるかもな」

 

 

エルヴィンに何か策があるようだ。

だが、リヴァイは期待していない。

 

 

「……何故、それを言わない?何故、クソみてぇな面をして黙っている?」

 

 

さきほどのミケ副団長の行動から察しがついている。

目の前の男が調査兵団を率いて玉砕覚悟で獣の巨人に突っ込むと…。

 

 

「…この作戦が上手く行けば、お前は獣の巨人を仕留める事ができるかもしれない」

 

 

ああ、そうだ。

いつだってそうだ。

 

 

「ここに居る調査兵と私の命を捧げればな……」

 

 

エルヴィン・スミスといつも真正面で向き合ってきたリヴァイは気付いていた。

いつも自分の命と兵士たちの命をチップにして博打をするしかできねぇって事に…。

 

 

「負傷兵如きが調子に乗るな。兵士にバレる前にさっさと逃げちまえ」

「ああ、そうだ。俺は逃げる事は出来る。だが、それは出来ない」

「何故だ?」

「私だけが敵前逃亡をして泣き叫んでいる兵士たちがそれに納得できるか?私なら納得できない。そうさ、玉砕覚悟で勝機に賭ける戦法ならここまで彼らを導いて来た私がやるしかないんだ」

 

 

ノブレス・オブリージュという単語を聞いた事があるだろうか。

膨大な財産や権力、そして社会的地位を持つ者は、相応の責任と義務が伴うと!

ただの牧場のお手伝い状態だったヒストリアが女王の道を選んだように!

エルヴィンは、この窮地を招いた責任を取って調査兵団全員で獣の巨人に突っ込むつもりだ。

 

 

「その作戦を実行するには、希望を夢見て調査兵団に転属してきた兵士に『ここで死んでくれ』と一流の詐欺師の様に体のいい方便を並べる必要がある。その役目は私しかいない…」

 

 

エルヴィン・スミスには、やり残した事がたくさん残っている。

だが、残酷な世界を体現した非情な現実は、それを許さない。

早期にこの世の理を察したキース・シャーディス前団長の判断は賢明だった。

彼から特別な人間と評されたエルヴィンは、腹を括るしかなかった。

 

 

「私は、集団の先頭を走って……真っ先に死ぬだろう。地下室にある秘密を知る事もなくな…」

 

 

嫌だった。

ここで無様に死ぬ事は……本当は、泣き叫ぶ兵士たちの様に責務を投げたかった。

それが許されないので…エルヴィンは夢を諦めるしかできなかった。

 

 

「……は?」

 

 

それに対してリヴァイは本気でキレた。

今まで自分の夢の為にいろんな物を犠牲にした詐欺師が人生を放棄した様に感じたのだ。

 

 

「ハァ…」

 

 

なによりエルヴィンの顔からして絶対に成功しないと表情に出ていた。

当の本人は、近くにあった木箱に座って俯いた。

 

 

「おい…」

 

 

その顔を見下ろしたリヴァイは、さきほどの怒りが消し飛んだ。

 

 

「俺は…このまま……地下室に行きたい」

 

 

そこに居たのは、調査兵団の長ではなく自分の欲望に忠実な1人の人間であった。

彼こそ、こんな作戦などまっぴらごめんだったのだ。

 

 

「俺が今までやって来たのも『自分の人生の答え合わせ』ができると思っていたからだ」

 

 

一個人になったエルヴィンは語る。

自分の人生に意味があったのかと…。

 

 

「…何度も…死んだ方がマシだと思った。楽だと思った。ゆっくり休めると思った」

 

 

同期や仲間、後輩が死ぬ度にエルヴィンは悪魔を演じなければならなかった。

大切な物を捨てられなければ、何かを変える事は出来ない。

そう考えて彼は、私情を殺して全てを捨ててまで生きて来た。

 

 

「それでも…父との夢が頭にチラついて俺に『進め』と頭の中で(ささや)くんだ…」

 

 

彼が更に苦しんだのは、自分の夢が本当に叶ってしまうという現実だった。

王政府を武力で政権交代させた時に民衆の記憶が改竄されていたと知った。

巨人の正体は人間であり、壁の外にも人間が居ると知った。

実際に壁の外からグリシャ・イェーガーがやって来て地下室に何かを隠したと知ってしまった。

――皮肉にも、今年になってエルヴィンの夢はどんどん現実味を帯びてしまったのだ。

 

 

「そして今、手を伸ばせば、届く所に答えがあるんだ」

 

 

誰もが放棄したパズルを組み立てていたエルヴィンは欠けていたピースを発見した。

何度も複数のピースを回転させたり入れ替えたりして欠けた場所を埋めていた。

そして長年の苦労と成果もあり、エルヴィンの頭の中には、パズル自体は完成していた。

あとは、エレンの実家の地下室で脳内のパズルの答え合わせをするだけだった。

 

 

「……すぐそこにあるんだ」

 

 

今ならエレンを掴まえて実家に案内してもらい、秘密をこの目で見る事も出来た。

今まで自分が建てた仮説は全て正しかったのか…と。

 

 

「むしろ答えを知れるならウォール・マリア奪還作戦が失敗しても良いと考えていた」

 

 

そもそも、エルヴィン・スミスは、ウォール・マリア奪還作戦などどうでもよかった。

一個人の興味本位で答え合わせをしたいからこの作戦を考えたまであった。

 

 

「…だが、リヴァイ。俺にはそれを選択できなかったんだ。なんでか分かるか?」

 

 

ようやく内心を打ち明けられると知ったエルヴィンは自分の考えをリヴァイに述べた。

 

 

「お前には視えるはずだ…俺たちの仲間(今までの犠牲者たち)が……」

 

 

それができなかったのは、自分のせいではない。

死んでいった犠牲者たちが待ち望んでいるのだ。

 

 

「仲間たちは俺らを見ているんだ。捧げた心臓がどうなったか知りたいんだ……」

 

 

エルヴィンの足元には今まで犠牲になった者たちの屍の山がある。

彼らは、ずっと自分を見つめていた。

自分たちが捧げた心臓はどうなったのか知りたがっているのだ。

あのフローラですらきっとその屍の山の中に居る事だろう。

 

 

「まだ戦いは終わっていないからな」

 

 

心臓を捧げた兵士たちは決して見逃さない。

それだけではなくストヘス区で犠牲になった民衆や内戦で発生した死者も居る。

この犠牲で何も変われないなど死者が納得できるはずが無かった。

 

 

「全て…俺の妄想だったのか…子供じみた妄想に過ぎないのか…」

 

 

自分の夢を否定しないといけないエルヴィンは最後にリヴァイに後押しして欲しかった。

だからこそこうやって本音を告げたのだ。

自分に代わって見届ける者が居なければ、それこそ無駄死にだと理解しているからだ。

 

 

「ああ、そうだな。お前はよく頑張った」

 

 

リヴァイ・アッカーマンは、目の前に居る男に同情した。

今まで彼のおかげで過ごした人生はきっと忘れない。

そしてこれからも自分が死ぬまで決して忘れないだろう。

何名、何十名の兵士を看取って遺志を継いできたからこそ…進み続けるのだ。

 

 

「俺は選ぶぞ」

 

 

またしても選択する羽目になったリヴァイだが、選択肢は決まっている。

 

 

「夢を諦めて死んでくれ。皆を地獄に導け。その代わりに獣の巨人は必ず俺が仕留める」

 

 

リヴァイの決断にようやくエルヴィンは笑う事ができた。

ようやく自分の夢にケリをつける事ができたのだから。

 

 

「俺たちは囮として玉砕する。その間に馬を借りて獣の巨人を奇襲してくれ」

「承知した」

 

 

残念ながらエルティアナ女史を呼びに行っている暇がない。

それどころか、ここまでの大惨事になって姿を現さない時点で死んでいるかもしれない。

リヴァイは、調査兵団の全員の心臓を天秤にかけて獣の巨人だけを殺すと決めた。

その後は、知らん。

おそらく変異種の群れに襲撃されて無様に殺される事だろう。

 

 

「その代わり、エルティアナ独立愚連隊の連中にはエレンたちを連れて逃げてもらうからな」

「ああ、そうしてくれ」

 

 

主力の調査兵団を監視する名目でエルティアナは部隊を派遣していた。

なので彼らには逃げてもらう事にした。

自分の後釜と決めていたオルオを班長にしたのも、自分と別の道を進んでもらいたかったからだ。

 

 

「俺の生きざまを見届けてくれよ?」

「せいぜい作戦中に脱糞しねぇようにそこでやっておけ」

「断る。俺は俺のやりたいようにやる」

「……ああ、勝手にしろ」

 

 

覚悟を決めたリヴァイとエルヴィンは、辛うじて整列していた兵士たちの眼前まで歩いた。

そこに居た兵士たちは不安で押し潰されそうになっているただの人間だった。

 

 

『みんな……俺の我儘に最後まで付き合ってくれ…』

 

 

それを今からエルヴィンは、悪魔となり、彼らを【死を恐れぬ軍隊】に仕立て上げるのだ。

自慢の口先三寸で兵士をその気にする事が最後に残された使命だと実感した!

 

 

「これより最終作戦を実行する!!総員聴け!!」

 

 

エルヴィン・スミスの発言によって少しだけ兵士たちに希望が見えた様な表情をした。

 

 

「総員による騎馬突撃を獣の巨人に向かって仕掛ける!当然、我々は奴らにとって格好の的だ!」

 

 

次に放った一言によって兵士たちの希望が絶望へと変わる。

最初から絶望より、一瞬だけ希望が見えた後から絶望に落とされるほど過酷なものはない。

地獄の底から蜘蛛の糸で這い上がって来た亡者たちは地上に出れると歓喜していた。

なのに神さまの気まぐれで糸を断ち切られて真っ逆さまに落ちる際に匹敵する絶望感だろう。

 

 

『すまない……』

 

 

リヴァイは心の中で犠牲になる兵士たちに謝罪した。

それを知ってか知らぬか詐欺師は、更に妄言を重ねて説得力を増そうと試みていた。

 

 

「我々は、一斉に信煙弾を発射し、少しでも命中率を下げるのだ!!」

 

 

誰もが明らかにおかしい作戦だと理解していた。

だって獣の巨人による投石どころか、石の雨と光弾による爆発まであるのだから。

しかも、奴らに近づくほどそれが飛んでくる事になる。

長年に渡りエルヴィンの指示を信頼してきたミケ・ザカリアスですら異論を唱えたいくらいだ。

 

 

「そして我々が囮になる間にリヴァイ兵長が獣の巨人を討ち取る!!以上が作戦だ!!」

 

 

そんな事、不可能なのは誰もが分かっていた。

だが、それ以外に一発逆転できるチャンスが無い事も分かっていた。

 

 

「…うっ!」

 

 

最前列で整列していた104期調査兵のサンドラ二等兵に異変が生じた。

いきなり腹の中から熱い何かが湧き上がって来て口元までやって来たのだ。

 

 

お"え"ぇっ…

 

 

必死に両手を抑えようとしたが、止められずにその場でしゃがみ込んで吐いてしまった。

生暖かい吐瀉物(としゃぶつ)が地面を汚すが、それでも彼女は吐くのをやめられなかった。

ついに大便以外を垂らした彼女は震えが止まらずに過呼吸になった。

すぐに連鎖すると思われたその時!

エルヴィンは呆然とする兵士たちに現実を告げた!

 

 

「ここに突っ立っても死ぬだけだ!!少しでも生き残りたいならすぐさま準備に取り掛かれ!!」

 

 

ここでポイントなのは、兵士に考える暇を与えない事。

誰もが生きたいのに「死ね」という命令など聞き入れる訳が無い。

しかし、正常な状態ではないならば、それを実行できてしまうのが人間が持つ愚かな(さが)である。

 

 

「総員!乗馬せよ!!生き残りたいなら命令に従え!!」

 

 

すかさずミケ副団長の怒鳴り声によって、実行しないといけないという強迫観念に囚われた。

少なくとも訓練兵団で私情を一度、捨てさせられた彼らは、自分のやるべき事をしようと考えた。

しかし、変わり者と評されたフロック・フォルスターだけは真理を突いた質問をした。

 

 

「……お、俺たちは…今から死ぬんですか?」

「そうだ」

 

 

死という現実から逃れたいフロックは、エルヴィンに質問したが、あっさりと死を肯定された。

 

 

「…どうせ死ぬなら、何かをして死ねという事ですか?」

「そうだ」

 

 

このまま死ぬか、特攻して死ぬか、それとも最後まで城塞都市に籠城して死ぬか。

自分の手元には、死という選択肢しか残っていない。

それでも、何かあるのかとフロックは目の前の上官に問い詰めたかった。

 

 

「いや、どうせ死ぬなら命令を背こうとも、犬死しようとも…何も変わらないんですよね?」

「全くその通りだ。人はいつか死ぬ、それが常識だ。誰か私の意見を否定できる者は居るか?」

 

 

生物である以上、死は必ず到来する。

いや、物質ですら破損したりするのでこの世には絶対は無い。

本来なら不死身であるはずの巨人ですらうなじを攻撃されれば死ぬのだ。

誰もエルヴィンの発言に否定できる訳が無かった。

 

 

「どんなに夢や希望があっても、幸福な人生を送れたとしても、人はいずれ死ぬ!絶対にな!!」

 

 

【生】は【死】を内包して泡の様に存在している。

肉体が完全に機能を停止する事でようやく生から開放されて死が飛び出てくるのだ。

 

 

「ならば人生に意味はないのか?そもそも生まれて来た事に意味は無かったのか?」

 

 

では、何の為に生きているのだろうか。

子孫を増やす為?母親が産まれてくるのを望んだせい?夢があるから?生きているから?

決して答えなど出る訳がない。

 

 

「死んだ仲間もそうなのか?今まで死んでいった兵士たちは無意味だったのか?」

 

 

死んだ者たちは決して現世には戻って来ない。

それが唯一の常識であり、この世の理である。

では、どうせ死ぬのに生きる意味はあるのだろうか。

家族が居ても、このご時世では一瞬で命を落とすならそもそも生きて無ければいい。

死ねば、これ以上苦しまないなら生きている必要性はどこにあるのだろうか。

 

 

いや違う!!犠牲者たちに意味を与えるのは我々だ!!

 

 

死者は何もできないが、生者なら何かをする事ができる。

戦死した兵士の遺志を継いだり、彼らの遺体を埋葬したりと生きていればいくらでもできる!

そう、生者は、止まった時間に囚われた死者の願いを継ぐ為に存在しているのだ!!

それが長年、犠牲者の屍の山と向き合って悩み抜いて来たエルヴィンが出した答えだった!!

 

 

あの勇敢な死を!!哀れな死者を!!想う事ができるのは生者である我々だけだ!!

 

 

死が無駄であってはならない。

トロスト区防衛戦と奪還作戦で命を落とした兵士たちは無駄死にだったか?

否!彼らの想いに応えたエレン・イェーガーと仲間たちが壁の穴を塞いだ!

104期南方訓練兵や駐屯兵の捧げた心臓は確かに存在した意味があった!!

 

 

我々はここで死に!!次の生者に意味を託す!!決して無駄にはしない!!

 

 

では、このウォール・マリア奪還作戦では無駄死で終わるのだろうか。

応援してくれた民衆や見送ってくれた家族が納得できる訳がない。

戦いを諦めて無駄死にするなど誰もが絶対に許す訳がないのだ!

もし、失敗しても民衆は更なる兵士の一団を送り込んでくるだけだ!!

自分の命惜しさに兵団政権を揺らして無理やり戦力を送って来る事だろう!!

 

 

それこそ唯一!!この残酷な世界に抗う術なのだ!!決して命を無駄にするな!!

 

 

これから行う騎兵による一斉攻撃は無駄ではない!

自分の夢の為に大切な物を犠牲にし続けた男は、最後に自分の心臓を捧げる所存である!

そして彼らにも続いて欲しいと彼は断言した!!

再び悪魔になった彼は、自分を信じて生きた証を残そうと…。

 

 

「見て見て!調査兵団が無駄死にしようとしてる!!やっぱ、こいつらダメね!」

 

 

調査兵たちの気持ちが1つになろうとした時、空気をぶち壊した奴が居た。

エルティアナ連隊長の副官であるラナイ・マクロンである。

 

 

「おう!頑張って無駄死にして来いよ!」

「俺たちは安全地帯で見守ってるからな!」

「せいぜい生きた証を残してくれよー!」

 

 

中央第一憲兵団出身の将兵たちは、調査兵団の作戦を馬鹿にしていた。

ここで特攻を覚悟した調査兵たちは気付いた。

『なんで俺たちだけで特攻しないといけないんだ!?』と…。

 

 

『あの馬鹿共!!水を差しやがったなァ!?』

 

 

せっかく苦渋の決断をしたエルヴィンの意志を踏み躙った。

その事実は、リヴァイに殺意すら抱かせた。

特にあれだけ調査兵団を苦しめた中央憲兵がまたしても自分たちを嗤う現実に耐え切れなかった。

自分たちを馬鹿にされたリヴァイは、作戦を台無しにした女将官に質問を繰り出した!

 

 

「ラナイ・マクロン!!何の真似だ!?」

「何の真似?無駄死にする調査兵団を笑いに来ただけよ?それ以外ある?」

 

 

わざわざ「無駄死」と断言したラナイは、調査兵団の決意を他人事で見ていた。

かつて自身が在籍していたとはいえ、第三者から見ると本当に狂犬集団だと感じている。

 

 

「フロック!あなたの意見は正しいよ!絶対に無駄死にだと思うよ!!」

 

 

それどころか、遥か格下の存在であるフロック二等兵の意見を肯定していた。

しかし、フロックはそれどころではない。

 

 

「え?ええ?」

 

 

なんでいきなり空気を変えたのか理解できなかった。

だって、どうしようもないから特攻作戦をやろうと覚悟したのだ。

なのにいきなり現実に戻されても、ここで無駄死にするしかないと分かっていた。

 

 

「サンドラ!ゴードン!!あなたたちも特攻作戦がおかしいと思うよね!!」

 

 

ラナイの発言を聴いて立ち上がったサンドラは必死に頭を縦に振ってゴードンも無言で肯定した。

 

 

「ああ、確かに!」

「何か手があるなら絶対やりたくない手だね」

 

 

調査兵団に転属してきた兵士どころか、ディルク分隊長やマレーネ班長も同意した。

そのせいでエルヴィン・スミスの演説は完全に無駄で終わってしまった。

 

 

「こいつら…!」

 

 

呆然とするエルヴィンを見てリヴァイは奴らに殴り掛かろうとした!

 

 

「ねえ、みんな!今度こそ私の正体が分かるよねー!ほら、お下げを作れば分かるでしょ!」

 

 

ところが、ラナイは自身の黒髪をそれぞれ握って擬似的なお下げを作っていた。

これを見てリヴァイは本気で困惑した。

こいつ、マジで一体、何をしたいのかと…。

 

 

「え?知らん」

「ええっ!?」

 

 

真っ先にそれに反応したフロックは、思った事をそのまま口にした。

その反応は予想外だったのか、ラナイと名乗っていた女駐屯兵は本気で驚愕した。

 

 

「ゴードン!!サンドラ!!あなたたちなら私が分かるでしょ!?」

「すまない、上官殿とは面識がないと存じ上げます」

「そうよ、私たちは一切知らないわ!」

ええっーー!!!

 

 

調査兵団の部隊の後方では、地獄が広がっていた。

なのにそれを見ているはずの彼女は、自分の正体に気付かない事が重要だったのだろう。

本気で絶叫し、悲しかったのか涙まで出ている有様だ。

 

 

「何してるの!!」

「あだっ!?」

 

 

その時、外套のフードを深く被った女憲兵が物陰から飛び出してきた。

そして正体をバラそうとした女駐屯兵の頭を小突いた。

予想外の攻撃でびっくりしたのか、ラナイと名乗っていた女は本気で痛がって悶絶している。

 

 

「全く…この異常事態で何をやってるの!!」

「だって!だってぇ!!」

「はいはい、分かった。後で話を聴くから後にして!!」

 

 

抗議する女駐屯兵を無視した104期女憲兵は、調査兵団の隊列と向き合った。

そして絶望している兵士たちから目当ての人物を発見し、人差し指を向けた!

 

 

「マルロ!!あんた何やってんの!?」

「……えっ?」

 

 

突然、自分の名を呼ばれたマルロ・フロイデンベルクは困惑した。

そのおかげで、さきほどまで死地に行くという想いはどこかに消し飛んだ。

 

 

「腐敗した憲兵団を建て直すんじゃなかったの!?何、犬死しようとしてんの!?」

「え?誰だ…?」

 

 

外套を纏った女兵士に罵倒される理由が分からないマルロの様子に激怒したのか。

女憲兵はフードを力強く捲って自身の顔を同期に見せつけた!

 

 

「ヒ、ヒッチ!?」

「ようやく分かったか唐変木!!この私を忘れるとは良い度胸をしてるわね!!」

 

 

104期憲兵のヒッチ・ドリスは、マルロの調査兵団転属を止められずに後悔していた。

紫のアネモネを購入して兵舎で彼の帰還を信じようとしたが無理だった。

だから彼女は、あの分からず屋が何をしでかすか心配してずっと陰から見張っていたのだ!

 

 

「ううっ…なんでヒッチはバレて顔出ししている私は同期にバレてないの…」

 

 

ラナイ・マクロンを名乗っていた女駐屯兵は涙目になっていた。

親友はあっさりと正体を見破られたのにずっと素顔を晒してバレない自分との差に泣いていた。

それほど地味な女の子だったのかと…死んでその程度で終わった女の子なのかと…。

 

 

「お前たち何をしている……」

 

 

そこに反撃の準備を整えたエルティアナ連隊長が到着した。

だが、いつもの様に緑色の外套を纏っていなかった。

黒色の外套を纏っていつもの様にフードを被り、見た事が無い鞘と立体機動装置を付けていた。

しかし、顔面に巻かれている包帯が皮肉にもエルティアナと判断できる材料となっている。

 

 

「姉さま~!!ゴードンやサンドラが私の正体にまだ気付かないの!!」

「馬鹿マルロ!!なんでいつもあんたは犬死しようとするの!!」

「……事情がさっぱり分からん。何をやっているんだこいつらは…?」

 

 

そんな彼女は、寵臣が泣いていたり、ヒッチが正体をバラして叱責しているのを見て困惑した。

 

 

「聴いてください!!調査兵団が特攻作戦を実行するので笑いに来たんです!」

「ふーん、じゃあ、貴公が全部悪いな。調査兵団に謝罪しておきなさい」

「ええぇ!?」

 

 

エルティアナだけは味方してくれると思っていた彼女は椅子を外されて驚いていた。

だが、調査兵団からすれば他人事ではない!

 

 

「エルティアナ連隊長!!今までどこに居た!?」

 

 

呆然としていたリヴァイ兵士長は、他人事の様に出現したエルティアナの意図を訊こうとした。

エルヴィンが兵士を率いて特攻する作戦以外の案を考えさせる為のヒントを得ようとしたのだ。

 

 

「ん?砲撃の準備をしてただけだ」

「砲撃?届くわけねぇだろ!!それにどこに砲があるっていうんだ!?」

 

 

人類が運用している前装式の大砲は、射程距離は長いが命中精度が低く巨人の足止め用であった。

後装式の大砲は、巨人に照準を合わせて砲撃できるが、更に命中精度が悪く射程距離も短い。

ましてや騎兵だけでここに来た以上、そんな砲など無いはずだった!

シガンシナ区にも大砲はあるだろうが、その程度の砲で勝てる訳が無い。

 

 

「お前!!さっきから何を隠している!!」

「私が隠してる?ああ、隠してるな……ふふふ」

 

 

エルティアナ女史が自分たちに何か重要な事を隠しているのをリヴァイは知っている。

しかし、この惨状になってもなお、自分たちに秘密にしている状況に激怒した!

人類最強の男の激高した叫びを聞いてエルティアナは鈴を転がす様に笑った。

 

 

「え?なんだ?」

「私たち、助かるの…?」

 

 

さきほどまでエルヴィン団長の演説で死を覚悟していたゴードンとサンドラは希望が出て来た。

他の兵士たちも顔を見合わせて連隊長に何か策があるのだと期待し始めた。

兵士どころか自分自身も死地に向かわせおうとしたエルヴィン・スミスですらそう思った。

 

 

「早くしろ!!このままだと全滅するぞ!?」

「リヴァイ兵士長、あまり怒り過ぎるとその素敵なお顔に皺ができてしまいますわよ」

「なっ…!」

 

 

とにかく策を聴きたいリヴァイが急かすと、エルティアナはお嬢様言葉で返答をした。

気高き女騎士のような力強い発言ではなく誰かに謙虚するような女口調は彼の調子を狂わせた。

 

 

「皆々様、改めましてお久しぶりですわね。相変わらずお元気そうで安心致しましたわ」

 

 

エルティアナは改めて特攻する予定だった兵士たちに挨拶を交わしてお辞儀をした。

そして黒色のフードを力強く外すとその衝撃で栗色の髪の毛が勢い良く飛び出してきた。

彼女は邪魔になった三つ編みのお下げを手で払うと風でなびいて定位置に戻った。

 

 

「まあ、冗談を言っている場合じゃございませんわね。さっさと秘密を暴露しますわ」

 

 

エルティアナと名乗って来た女は、顔面に巻いた包帯を引き千切り始めた。

乙女の顔にできてしまった負傷痕を隠すはずの包帯がボロボロと地面に落ちていく。

 

 

「まさか、お前…」

 

 

リヴァイ兵長は、今まで自分と接してきたエルティアナ女史の正体にようやく気付いた。

エルヴィン団長もミケ副団長も、この場に居る調査兵の誰もが予想していなかった。

 

 

「エルティアナ・ヴェルダンディもといフローラ・エリクシアが奴らを焼き尽くしてあげます!」

 

 

エルティアナに化けていたフローラ・エリクシアは、自分の素顔を晒してもう一度笑ってみせた。

自分の生み出した策と新型兵器で獣の巨人と変異種の群れを焼き尽くしてやると宣言した!

その後方にフローラ配下の元中央第一憲兵団の兵士とクロルバ区の駐屯兵たちが待機していた。

 

 

「……フ、フローラ?本物のエルティアナ連隊長は…どこにいらっしゃるんだ?」

 

 

未だに目の前の光景が信じられないエルヴィンは、本物のエルティアナの居場所を知ろうとした。

今まで真摯に相談に乗ってくれた女将校の安否を心配していたのだ。

 

 

「…えっ?エルティアナ監査副長ならクロルバ区の病院でずっと療養中ですわよ?」

 

 

その疑問に対してフローラは、衝撃的な事実をエルヴィン団長に告げた。

 

 

「ユトピア区壁外で発生した巨人との戦闘で、脊髄を損傷されて下半身と右腕が麻痺してますので動ける訳ありませんわよ。…もしかして玉座の間に居たわたくしを()()と勘違いしてませんか?」

 

 

王政府の高官に対して反逆をしようとしたザックレーの傍に副官に変装したフローラが居た。

それだけではなく、ずっとエルティアナを演じたフローラは調査兵団を支え続けていたのだ。

 

 

「な、何でエルティアナに化けてやがった!?」

「あれ?総統閣下の芸術をお見せした時に説明しましたわよ?言葉不足なのはありましたけど…」

 

 

驚愕するリヴァイの質問に対してフローラは、ちゃんと事情を説明をしたと言い返した。

しれっとフローラは、彼らに自分がエルティアナとして活動している理由も伝えていたのだ。

変装に気付かない調査兵団の団長と兵士長がエルティアナの発言として勘違いしただけだった。

 

 

「エルティアナ監査副長からザックレー総統閣下の夢を見届けて欲しい…とお願いされましたので手を貸していただけですわよ?まあ、そのせいで影武者として活動する羽目になりましたが…」

 

 

動けないエルティアナ女史のお願いでフローラはザックレー総統の為に力を貸していただけだ。

自分の力になってくれると宣言した中央憲兵を自分の手で殺す羽目になるとは思わなかったが…。

 

 

「ふふふ、ここまで騙されるとは思いませんでしたけどね。演劇でもやってみましょうか?」

 

 

もちろん、自分の演技で関係者以外の兵士や民衆が騙されていたのは知っている。

散々コキ使ってくれた調査兵団に対するちょっとした憂さ晴らしに過ぎない。

 

 

「獣の巨人と変異種全てを焼き尽くしてやる演劇をしてみせましょう…!あははははは!」

 

 

物理的な八つ当たりなら敵対する巨人化能力者と巨人共で充分である。

フローラという乙女の仮面を外した悪魔は、これから発生する光景を楽しみにしていた。

さきほど違って目の前の惨劇を目にしてもなお、高笑いするその姿は、悪魔そのものだった。

 

 

「ミーナ!いつまで落ち込んでるの!?後で相談に乗ってあげるから立ちなさい!」

「フローラ……分かったよ」

 

 

それはともかく親友がいつまでも落ち込んでいるのを放置するつもりは無かった。

ラナイ・マクロンに化けていたミーナ・カロライナは、涙を拭いて立ち上がる。

それを中央第一憲兵団出身の兵士たちは戸惑い半分、笑い半分で見守っていた。

 

 

「エルティアナ……いえ、フローラ連隊長、そろそろお時間です」

 

 

少しだけ前に進んできたカーフェン分隊長の発言を聴いてフローラは頷いた。

 

 

「では皆様にもお力添えして頂きましょう。少しでも生き残りたいなら…ね?」

 

 

フローラ・エリクシアは、エルヴィン団長が立案した特攻作戦を否定していない。

むしろ、やってもらいたいからこそ両手を叩いて満面の笑みで特攻する兵士たちに向き合った。

瞳孔を限界まで広げて笑うフローラの姿にエルヴィンは見覚えがある。

 

 

『ああ、思い出したよ……フローラはこういう奴だった…』

 

 

調査兵団に志願した104期訓練兵23名に向けてエルヴィンが演説している時だった。

悪魔になろうと成り切っている彼に対してフローラはその笑みを見せていた。

自分が放った悪魔の囁きを本気で馬鹿にしたような本物の悪魔の様な笑みだった。

 

 

「さあ、髭もじゃ野郎に本当の地獄を叩き込んでやりましょうか!」

 

 

――この日、ジーク・イェーガーはフローラのせいで3回目の惨敗をする羽目になった。

しかし、それすらも更なる地獄の釜の蓋が開くきっかけに過ぎなかったと誰も予想できなかった。

 

 

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