進撃の巨人2~名もなき兵士という名の悪魔~   作:Nera上等兵

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6話 戦え!!

「何故、撤退していないの…」

 

ミカサ・アッカーマンは、屋根の上に人だかりを見つけた。

撤退の鐘の音は聞こえたはずであり壁上に避難しないのに疑問に思った。

とりあえず、情報を得られるのはありがたい。

とにかく、エレンの居場所を訊き出すために現場に急行した。

 

 

----

 

 

「クソが!補給班の連中、本部に立て籠りやがって!」

「どうしよう、もうガスがないのに…」

 

 

新兵である訓練兵たちはガス切れで動けなくなっていた。

ようやく撤退の命令が出たのにガス補給班が任務を放棄したせいで、ガス切れで動けなくなった。

充分なガスを補充していないと50mの壁は登れないのである。

唯一の補給場所である兵団本部の建物を見ると巨人が群がっている状況だ。

 

 

「ははは、せっかく撤退できるのにガス切れだとはな」

「一か八か本部に突っ込んでみねえーか!?このまま逃げていたらガス欠で動けなくなるぞ!」

「で?今の兵力でどうやってやるんだ?先輩たちは全滅してここに居るのは腰抜けだけだ」

「それは…」

 

とにかく状況を打開したいコニー・スプリンガーであったが、どうすることもできなかった。

何度も彼に呼びかけられているジャン・キルシュタインは既に戦意を喪失していた。

フローラが囮になったおかげで九死に一生を得たが、巨人から逃げ回ったせいでガス欠が近い。

 

 

「おそらくガス補給室にも小型巨人が侵入してるぜ。決死の作戦をやったところで…」

「でも、ここに留まっていても巨人を集めるだけだ!足掻くべきだ!」

「じゃあ、フローラみたいにお前が囮になって巨人の注意を惹けよ!その間にみんな仲良くガスを補給しにいくから」

「お前!!囮にしたあいつを見捨てた癖によくも堂々と生きてられるな!!」

 

 

コニーは激怒してジャンの胸ぐらを掴んだが助けなかった時点で、お前も同罪と言わんばかりの態度をしていた。

身長が小さいおかげで丸坊主をわしゃわしゃと掴んで遊べるほどだ。

 

 

「私が先陣を引き受けます!みなさんが力を合わせればきっとできますよ!」

「どうせ、無駄死にだ」

「勝手にやってろ」

 

 

サシャ・ブラウスが必死に本部急襲作戦の協力者を募っているが誰一人賛同しなかった。

この場に居る訓練兵は34人。

本部に居た時には、200人近い規模であったのにたった数時間でこの有様だ。

 

 

「ライナー、どうする?」

「もう少し、人が集まんないとダメだろう。おいベルトルト、良い案ないか?」

「無理だよ。この手勢じゃなんともできない」

「もう終わりだよ…このまま街から出れずに死ぬんだ」

「マルコ、蹴られたくなかったらそのまま静かにして」

 

 

ライナー班は唯一、複数の巨人を討伐した班である。

しかし、フローラをコニー班に救援を向かわせた後、班が孤立しているのに気付き、中衛部に戻ると地獄絵図であった。

よくもまあ、呑気に巨人のキルスコアを競いあったものだなと後から震えてしまう状況だった。

成績順で、2位、3位、4位、7位、13位で構成された訓練兵の中で最強の班もガス切れで身動きがとれなくなっていた。

 

 

「お前ら!何体巨人を討伐したんだ?俺らは6体だ」

「はああ?1体討伐した班の方が珍しいぞ!?」

「そういえば、成績トップクラスの連中だったな!お前らが率先して兵団本部に行けよ!」

「「「そうだ!そうだ!!」」」

「しまった…がっ!」

 

 

失言をして注目されてしまった顔が真っ青になったライナーをアニが殴り倒した。

その様子を慌てふためいて歩き回るだけのベルトルト。

マルコはもう、心が折れかけていた。

 

 

「バカだね、これで私たちが行く羽目になるじゃないか」

「…だって、ふがっ!」

「うるさい黙ってろ」

 

 

この頭兵士のライナーに付き合っていたら命がいくらあっても足りないな。

いっそのこと、こいつらを見捨てて逃げ出してやろうか。

アニ・レオンハートは、不機嫌ながらも戦士と人間の狭間で揺れていた。

 

 

「お願いだ!誰か助けてくれ!ハンナの血が止まんないんだ!!」

「もう手遅れだ!諦めろこのクソ野郎!」

「ふざけんな!ハンナはまだ生きている!!生きているんだあああ!」

 

 

兵団本部でもバカ夫婦の異名だった片割れのフランツ・ケフカは恋人の止血をしていた。

ハンナ・ディアマントの左脚のふくらはぎが食い破れたようで消失していたのだ。

だから彼は、左膝をしっかり紐で縛り止血したのだが、流血が止まらない。

 

誰かに助けを求めても無視をするなんて薄情の奴らだと感じている。

もっとも、彼女の胸から上は喰い千切られて存在しないのだが。

 

 

「まさに人生の終わりが近づいているようだ。ああこんなことなら…」

 

 

ミカサに告白すればよかったな。

そう考えていたジャンの目の前にミカサの姿が移った。

 

 

「ミカサ!?おまえ、後方に居たんじゃないのか!?」

「心配で駆けつけてきたの!ところでエレンを知らない!?」

「あの死に急ぎ野郎の事だ!まだ最前線で巨人でも狩ってるじゃねえのか」

「そうだといいんだけど、胸騒ぎがして…」

 

 

とりあえず、ここで彼女の好感度を稼ぐのも悪くないな。

思い立ったら即実行できる男と自認しているジャンはすぐさま計画を始動させた!

 

 

「おい!34班を見た奴は居るか!?」

「いや…知らない」

「逃げるので精一杯だったし」

「ここに居ないって事は、そういう事だろう」

 

 

こうしてジャンの始動させたミカサ好感度UP作戦は無残にも失敗したのであった。

 

 

「すまん、誰も知らないようだ」

「ここには居ないの?」

「ああ、ここに居るのはガス切れで動けない腰抜けだけだ」

「そう…」

「ガス管理ができる有能な班は既に安全地帯に行ってるさ。あいつらは無理そうだが…」

 

 

ミカサからすればエレン以外どうでもよかった。

ここに居ないのなら別の場所を探すだけである。

 

 

「うわああああああ!」

 

 

静寂とした空気を切り裂く悲鳴に何事かと視線を向ける一同。

訓練兵の1人が複数の巨人に囲まれて叫んでいる。

自分の時と違って、ガス噴射機構が微かに動いているのを望遠鏡で確認したジャンは確信した。

これは、完全にガス欠で立体起動装置が機能していないと。

 

 

「今助けるぞトム!」

「リーダーを見捨てるほど薄情じゃないわ!」

「バカ!よせ!!」

 

 

ジャンの制止を振り切って同期の顔馴染みが飛び出していった。

そして間もなく3人は巨人の餌として貪られた。

不幸中の幸いなのは、彼らが囮になってくれたおかげで巨人たちが遠くに行ったことか。

 

 

「あれが俺たちの未来か」

「そうみたいね」

「ミカサなら助けられただろう?」

「貴重なガスを消費したくない」

「だよなー」

 

 

ミカサのやる気なさにもうダメだ助からねえ。

あーあー、結局フローラの犠牲は無駄になるのか。

せめて、彼女と和解してから死にたかった。

以前やったようにジャンは抵抗を諦めて瞼を閉じた。

 

 

「あっーーー!そこに居ましたのね!」

 

 

ついにこの世に存在しない奴の幻聴まで聞こえてきた彼は更に意識を闇へと沈めた。

 

 

「呑気に寝てるんじゃないわよ!」

「ぶはっ!?」

 

 

手加減無しの平手打ちにむりやり現世に呼び戻されたジャン。

出迎えたのは、囮にした瞬間、全力で見捨てたはずのフローラであった。

 

 

「おお!?…よおフローラ!生きていたのか!立体起動を叩き込んだ甲斐があったってもんだぜ」

「そ う ね!その点については感謝してるわ!!でもねー!」

「大変だ!巨人が来たぞおおおお!!」

「きゃあああああ!!」

 

 

フローラに問い詰められる前に絶好の機会で巨人がきてくれたものだ。

いや、充分まずい事態だが、それより彼女の方が怖かったのだ。

まだ、遠くに居るように見えるが相手は巨人、遠近感がおかしくなっているかもしれない。

 

 

「そんな訳だ。後でみっちり怒られるからさ!今は見逃してくれないか」

「しょうがないわね。アルミン、ミーナ、ダズ!ここでお別れよ!」

「待てよぉおおお!お前が居ないと生き残れる気がしねぇんだよぉおおお!」

「嘘でしょ!?私を見捨てないでえええええ!」

「めそめそするなら後にして!動けないんだけど!?」

 

 

フローラ班は無事に味方と合流したので班の解散を命じたフローラに対して、ダズとミーナは泣きながら班長の腰に抱き着いてきた。

彼女からすれば一時的な班編成であったが、ダズたちからすれば恒久的な班だと思っていたようだ。

少なくとも彼らからすればフローラは、クリスタ以上の女神であるのは間違いないだろう。

 

 

「アルミン!?」

 

 

一方ミカサは、アルミンの名を聞いてエレンと同じ34班に所属していたのを思い出した。

そしてフローラの背後に隠れるように縮こまっている彼の姿を見つけた。

 

 

「あっ」

 

 

アルミンはミカサを見つけて凍り付いた。

自分が巨人に吞まれた時、死んでおけばよかったと後悔するほどに。

 

 

「アルミン、怪我はない?」

「うん…」

「エレンはどこ?」

 

 

だけど、エレンに代わって生き残ってしまった以上、報告する義務がある。

自分が説明を果たさなければ、助けてくれたフローラと死んでいった班員たちに顔向けできない。

涙が溢れてきて言葉が喉につっかえて震えながらも大きく口を開けた。

 

 

「僕たち…訓練兵 34班、エレン・イェーガー、トーマス・ワグナー、ナック・ティアス、ミリウス・ゼルムスキー」

「以上4名は、使命を全うして…壮絶な最期を遂げました…」

 

 

ミカサは自身を構築している世界が崩れ落ちる音が聴こえた気がした。

もう一度見たアルミンの表情から嘘でない事を知る。

全てが真っ暗になりこの世は残酷だという事を改めて知った。

 

 

「ごめんなさいミカサ、わたくしが駆けつけた時には…エレンの死体は確認できなかったけどおそらく…」

 

 

まだ頭で整理がつかないうちにフローラは、エレン以外の遺品を見せてくれた。

つまり、彼女が必死に戦ってきた証であり、アルミンたちの命の恩人に他ならない。

 

 

「…そう、でもアルミンとミーナは、貴女が助けてくれたのね」

「えぇ、恐怖で震えていた二人とオマケを連れてなんとかここまで来れたわ」

「ありがとうフローラ。」

 

 

同じシガンシナ区出身で、一時はエレンに着く害虫だと思っていた女。

今では、4人で語り合えるほど仲良しになった友人である。

ウォール・マリアが陥落した日、それ以前の記憶をなくした彼女に思い出話をするのが日課になったほどだ。

 

 

「お前ら!巨人が来てるんだぞ!?何をぼさっとしてるんだ!?」

「ですって」

「フローラ、あの巨人たちをやれる?」

「貴女こそ」

「「ふふふ!」」

 

 

怒りのボルテージが限界を超えていた彼女たちからすれば、巨人などちょうどいいサンドバックであった。

彼女から放たれる異様な雰囲気に逃げる事を忘れた男共は、ただ震えているしかできない。

 

 

「駆逐してやりますわ!」

「潰す!!」

 

 

2人は、屋根から飛び出して巨人の群れに向かっていった。

 

 

「俺ぇ、絶対にシガンシナ区出身の女と結婚しないと誓うぞぉ」

「ダズ、お前」

「コニー、お願いだから今の事を忘れてくれ」

「いや…お前と同感だよ」

 

 

ダズとコニーは、シガンシナ区出身の女と絶対に結婚しないことを共に誓った。

 

 

----

 

 

フローラとミカサは、先鋒に居た7m級の巨人を見事なコンビネーションでうなじどころか首を切り落とした。

すぐさま、彼女達は片手で合図をしてミカサは群れの後方を、フローラは訓練兵たちに近い屋根に陣取った。

 

 

「物足りませんわ!もっと来ていただかないと…」

 

 

バカ正直に真正面で対決したフローラ。

もはや、巨人より立体起動による負担の方が脅威になっていた。

両手で掴もうとする巨人を見て左側にあった建物にアンカーを射出した。

巨人の方に身体を向けるように身体のひねり具合を調整しながら首にアンカー刺して高速で巻き取る勢いでうなじを切り落とす。

 

 

「次は…!」

 

 

目の前に向かって来る巨人を見据えて別の屋根にアンカーを刺そうとした。

ところが人外の“声”が背後から聴こえてフローラは高所に右アンカーだけ射出した。

 

右側に横転しワイヤーを巻き上げて、崩れ落ちる巨人から脱出したと同時に飛び込んできた4m級巨人の衝突をギリギリ回避する。

オーバーシュートさせた巨人に左アンカーを刺すと同時に右アンカーを外して高速で巻き取った。

状況が逆転したフローラは、落下速度と回転を利用してうなじを切り落とし、目の前に迫ってきた巨人の眼球にアンカーを刺した。

両方の視力を突然失った巨人はパニックになったが彼女は隙を見逃さずうなじを斬り落とし一撃離脱した。

 

 

「すげぇ…」

「マジかよあいつら」

「つーか、エレンを殺されたミカサはともかくなんでフローラまで覚醒してるんだ?」

 

 

諦めムードで傍観していた訓練兵たちであったが、わずか数分で7体の巨人を討伐した彼女たちに驚いた。

ミカサが大切なエレンを殺害されて、激怒したのは嫌でも分かる。

じゃあなんでフローラは、あのミカサと互角になるまで覚醒したのか。

明らかに死角から飛び込んできた奇行種を回避して背後にまわってうなじを斬るまで20秒もかかっていなかった。

そこまで覚醒した要因が絶対にあるはずだ。

 

 

「おい…なんでこっちを見るんだ…」

「だってな…あいつ」

「だよな…」

 

 

そういえば、ジャンがボロクソにフローラを侮辱していたな。

記憶の隅から思い出した一同の視線を集めた当事者の彼は、耐え切れずに震え始めた。

 

 

「ジャン。正直に話してみろ」

「俺たちも一緒に謝ってやるよ…お前フローラになんかしたな!?」

「罵倒しただけで巨人を狩る鬼神にはならんぞ!?まさかお前、恐怖のあまり凌辱したのか!?」

「うわ…最低!きもっ!」

 

 

噂が噂を呼び瞬く間にジャンの評価が地に落ちていく。

これ以上の身の覚えのない噂を広げないように彼は自分の罪をカミングアウトする事にした。

 

 

「俺の立体起動装置を修理するまでフローラに囮になってもらったんだ!でも10体の巨人が群がった彼女を見て諦めたんだ!」

「俺は!彼女が存分に時間を稼いで死んでくれと!囮になった彼女を見捨てて逃げ出したんだ!!他は何もやってねええ!!」

 

 

あれだけ騒がしかった外野は沈黙した。

ジャンは第104期訓練兵団の卒業生の女と結婚できる可能性は0に近かったが、この時ついに0になった瞬間である。

女に頼っておきながらも目標を達成したらポイ捨てる男に誰がときめくというのか。

 

 

「あいつら!兵団本部に向かったぞ!?群がる巨人を二人で排除する気か!?」

 

 

ライナーの指摘を受けて衝撃を受ける一同。

 

 

「おいお前ら!あいつら二人だけで戦わせるって学んだか!?お前ら本当に腰抜けになっちまうぞ!!」

「ジャン!お前だけには言われたくねーよ!!」

「俺はあいつらに助けてもらってガスを補給しに行く!じゃあなお前ら!」

「やーい弱虫!家畜未満の腰抜け!」

 

 

ジャンは彼女達の方に駆け出してサシャが口だけの腰抜け共を煽って走る。

 

 

「バカにしやがって!!」

「やってやるぞ!!」

「「「おう!!!」」」

 

 

覚悟を決めた訓練兵はそのまま駆け出して残った腰抜けは、その後1人残らず巨人の胃袋に収まった。

 

 

----

 

 

「ミカサに続け!」

「すげぇなあいつ、どんだけ早く移動できるんだ」

「違う…」

 

 

コニーは、ミカサの圧倒的機動力に感心していたが、アルミンだけは彼女の危うさを見抜いた。

直前まで、フローラの背を見てきたのもあり同じ強者でもガスを蒸かし過ぎているのが見て取れた。

やはり、冷静さを失い動揺を行動で消そうとする彼女がとても心配である。

 

 

「あっ…!」

 

 

アルミンの不安は的中してミカサはガス欠により落下していった。

コニーとアルミンは彼女の元に急いだ。

 

 

「ハァハァ…また大切な物を失った」

 

 

ミカサは運よく助かったものの呆然としていた。

この世界は残酷だ。

でも美しくもある。

強者が弱者を喰らい生き延びていく世界。

自分もまた、その食物連鎖に組み込まれた人間の1人に過ぎないのだ。

 

 

目の前に15m級の巨人がこちらを見て微笑んでいる。

あれが私の死であろう。

本当に良い人生だった。

 

 

「戦え!!戦え!!」

 

 

この時、ミカサにエレンの声が聴こえてきた。

脳内には、必死な叫び声が聴こえてくる。

彼が殺されたかけた時に叫んだ言葉だ。

あの時、彼女は戦ったから生き延びることができた。

 

 

「ごめんエレン!私はもう諦めない!!」

 

 

ガスが切れたがまだ剣がある!

死んでしまったらそれで終わりだ!

だからこそ生き残って見せる!!

 

 

「うああああああ!!!!」

 

 

しかし、ミカサの刃が巨人に届くことは無かった。

何故なら、立ち向かった相手が別の巨人にぶっ飛ばされたからだ。

 

 

「嘘…!」

 

 

新手の巨人が咆哮しながら巨人を殺していた。

エレンの言い放った戦え!!

それを忠実に実行しているかのように。

 

 

「大丈夫なのミカサ!?」

「なんだ!?巨人が巨人を襲っているのか!?」

 

 

ミカサに追いついてきたコニーとアルミンは、巨人が巨人を襲撃するという前代未聞の現場を目撃した。

 

 

「どうせ奇行種だろう!こんな奴が1人居たっておかしくねえーよ」

「ちょっと待って!あの巨人、弱点を理解してるよ!?」

 

 

アルミンの一言で二人は巨人の方をみる。

うなじを損傷したのか黒ずんで蒸発する巨人を無視して新手の巨人に向かっていく奇行種の姿であった。

 

 

「なんだあいつ、俺たちを狙わないのか」

「人間を襲わない奇行種か…そうだ、良い事を思いついた!」

 

 

アルミンは瞬時に名案を思い浮かんだ。

決して勝率が良い作戦ではなかったが、このまま進んでも巨人に喰われることを考えればマシな案である。

 

 

「座学トップの軍師さんよ!この状況を突破できる名案を思い浮かべたのか」

「自信がないけどやるしかない!」

「ふふふ、期待してるわ」

 

 

アルミンは、ミカサ達に作戦を簡潔に説明した。

 

 

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