とても励みになります。
休みが増えるので更新が捗る・・・といいなあ(願望)
【伊吹雄利】
俺は放課後の空き教室で、今日も今日とてサマナー修行に励んでいた。
神主の公開している阿頼耶流のサマナー教材のおかげで、おおまかな方向性は掴んでいた。その後に葛葉からもらったノートで呪術と召喚術の基礎を勉強し、今は葛葉の指導で訓練をしているところだ。
背中に子供のような妖怪であるオバリヨンを背負ったうえで全身の霊力を循環させている。オバリヨンは
この状態で霊力の循環を続けるコツが、今日やっとつかむことができた。
[幽鬼:オバリヨン]
いわゆる、おんぶオバケ。
道を歩いていると「おばりょん(おぶって)」と声をかけてきて、背中に乗せるとどんどん重くなっていくという、日本古来からいる妖怪。
自分が強くなっている実感があると楽しくて、修行にも熱が入る。
そのおかげか、手のひらの上にちょっとした属性魔法を発生させられるようになった。
「……おぬし、本当に先日まで一般人だったのか?習得の速度が尋常ではないぞ」
「教材と先生がいいからだよ。それにこの程度じゃ、魔法を使えるようになったとは言えないだろ」
「ワシが術を覚えるのに、何年かかったと思っているのじゃ……。まあよい。その様子なら、悪魔退治を実践できる日も近いであろう」
「悪魔退治か。楽しみだなあ」
強くなるには、実戦経験を積むのが効率的だ。
葛葉一族には実戦修行ができる土地があるらしいので、そこを使わせてもらえるよう申請してくれているのだとか。
マジ感謝である。
「なあ伊吹よ、話題が変わるが、明日の休みは空いておるか?」
葛葉が、なんでもない話のように切り出してきた。
「明日?土日なら両方空いているけど、何かあるのか?」
「うむ、ワシはまだこの辺りについて詳しくないからのう。案内を頼もうと思っているのじゃ。無理にとは言わんのだが」
「それなら喜んで案内するよ。毎日訓練につきあってくれてるから、何かお礼をしたいとも思っていたんだ」
「よし、ならば葦土駅で待ち合わせでよいな?先に着いた方が
そう言って、うれしそうにスマホを見せつけてくる。
クラスメイトの女子に色々と教わったようで、葛葉はスマホを使いこなせるようになっていた。
その後、家に帰ってから思ったのだが、ひょっとしてデートの約束をしたということなのではなかろうか。
翌日の朝10時。
葦土駅に着いた俺はけっこうドキドキしていた。
服装は、タンスにしまい込んでいたキレイなものを引っ張り出して準備した。
親にデートなのかとからかわれ、たぶんそうだと答えると紙幣を渡してくれた。
感謝。
待ち合わせ場所に着いたことをスマホで送ると、すぐ後ろで電子音が鳴った。
振り返るとそこには、私服姿の葛葉小夜がいた。
ものすごく意外なことに、葛葉はこれからジョギングにでも行きそうなスポーティーな格好をしていた。
鮮やかな色の動きやすい上下で、背中には小さなリュックを背負っている。
髪も高い位置でポニーテールにしていて、いつもと雰囲気がものすごく違う。
和服かあるいは制服の可能性が高いと考えていたせいで、数秒動きが止まってしまった。
「……」
「……」
「……あ、おはよう葛葉。えと、かわいい私服だな」
「ありがとう。行こう」
通常モードのクールな葛葉が微笑むと、その威力はバツグンだ。
またも動きが止まってしまい、置いて行かれそうになったのであわてて後を追った。
「動きやすそうな服装だけど、えーと、……運動は得意なのか?」
「あまり得意じゃない。だからこそこの格好」
なるほど。つまり葛葉は今日は運動かそれに近いことをするつもりで、こんな格好をしてきたということか。
……もしかして今日はデートじゃなくて、修行だったりします?
「迷いなく歩いてるけど、目的地はどこか聞いてもいいか?」
恐る恐るたずねると、葛葉は足を止めた。
「葦土沼の遊水池。そこに人面魚が出るって噂になってた」
「人面魚?」
最初に頭に浮かんだのは、マイクを通して会話ができる毒舌な魚のゲームだった。
だが、ここで言われているのは本来の意味である、頭の模様が人の顔に見える鯉のことだろう。
『それそれ、ボクが聞いてきたヤツだよ』
葛葉が背負っているリュックの中から声がした。カバーが開いて、中から青い肌の子供ような顔がのぞく。
[妖魔:アガシオン]
人間に使役される使い魔。精霊。
主に壺や瓶の中、あるいは指輪や護符に封じられている。
『おかけんの人たちが話してた。あしどぬまのゆうすいこうえんに、じんめんぎょが出る。それは行方不明になった人たちで、ぬまのあくまが人間を魚に変えているんだって』
「行方不明者が増えてるのは本当。周辺の寺社から、調査依頼が来た」
葛葉が、少ない言葉で補足する。
どうやら今日の目的は、葛葉家から回された仕事らしい。
「つまり、人面魚の噂が正しいかはともかく、悪魔が関わっているかどうかを調べるってことか」
そう聞くと、葛葉は大きくうなずいた。
葦土沼の遊水公園は、駅から5キロほど歩いたところにある。幾本も流れる川が入り組んでいて、渡る橋を間違えると
地図アプリがあれば心配はないと思ったのだが、葛葉は地図を見るのが苦手なようだった。
なので昨日頼まれたとおり俺が先導して、遊水公園へとたどり着いた。
「ぱっと見、平和な光景だな」
休日の遊水公園は穏やかな空気に満ちていた。
遊歩道ではジョギングや犬の散歩をしている人がいて、広場では子供たちが楽しそうに遊んでいる。
悪魔や怪物などの気配とはほど遠い場所に見える。
「……向こう」
葛葉が周囲を見回してから、川の本流の方へと向かっていった。
荒川に繋がるこの公園には、その名の由来でもある葦の生い茂る水辺が長く続いている。
葛葉は上流方向の端まで行くと、安全柵の上から川をのぞき込んだ。
隣に並んで川を見る。
青々と茂る葦の足下には茶色く枯れた部分が広がり、水面はわずかしか見えない。
いったい何があるのかと葛葉の視線を追うと、水面にぷくぷくと泡が浮かび、そこからイヌガミが顔を出した。
イヌガミが枯れた葦の上にくわえていたモノを置く。
それは魚の死骸のように見えた。
「ただの魚に見えるけど、そうじゃないんだろうなあ」
『その通りダ。今からひっくり返すが、びっくりして声を出すなヨ』
イヌガミが魚をひっくり返す。
それは一言でいえば異形だった。魚の頭があるはずの部分は奇妙に膨らみ、人間の頭蓋骨のようになっている。
魚の皮膚は骨に押されて薄く伸び、異常な変化が起こったことを示している。
骨だけ見れば、人面魚だと間違われるかもしれない。
それは人間が魚になったわけではなく、魚の頭部が人間のそれに変化させられ、その途中で耐えきれずに死んだのだろう。
自然にありえることではない。だがどうやって、どうしてこんなことになっているのだろうか。
『こんなものが、下の方にいくつもあったゼ。味はイマイチだったナ』
「こんなの喰うなよ。腹こわすぞ」
イヌガミが異形化した魚をくわえて歩道へ登ってきた。
葛葉がリュックを開けて、タッパーを取り出した。
「なるほど、サンプルを回収するのか。ついでに俺も写真を撮っていいか?」
「……ん」
サイズ比較のために片方の靴を脱いで並べて、魚の写真を撮る。
写真を掲示板の【悪魔関連報告スレ】にコメント共に貼り付けると、すぐさま反応があった。
【悪魔関連報告スレ】
547:名無しの葛葉フレンズ
××県の葦土遊水公園にて葛葉が受けた依頼である、人面魚の噂の調査に同行しました。
現地の川で、頭蓋骨の半分が変形した魚を発見しました。
つ画像
【http:/xxx】
548:名無しの転生者
>>547 報告乙
549:名無しの転生者
>>547 報告乙
550:名無しの転生者
>>547 よくできた偽物か?靴のサイズいくつよ。
552:名無しの転生者
>>547 報告乙です。確認しました。
>>550 荒川下流域で同様の発見報告が数件あります。本物と断定してよいかと。
553:名無しの葛葉フレンズ
>>550 本物です。靴は27です。魚のサイズは30センチちょっとですね。
554:名無しの転生者
>>547 朝食のアジの開きが食えんくなった。訴訟。
556:名無しの転生者
>>554 飯食いながらこんなスレを見たオマエが悪い。敗訴。
557:名無しの転生者
魚の異形化は最近報告が入り始めたばかりなので、情報が少ないのです。
さらなる情報提供が求められます。
荒川流域周辺住人は、特に協力をお願いします。
558:名無しの転生者
>>557 こちら荒川上流住民。今まさに地域の人たちと河川の清掃やっているが、異形化してる死骸は見つかってない。
559:名無しの転生者
>>557 こちら荒川河口住人。小動物の頭蓋骨っぽいものが見つかるようになった件を調査中。もしかしたら同じものかもしれない。
つ画像
【http:/xxx】
560:名無しの転生者
>>547 >>559 似てる?……似てなくなくない?
561:名無しの転生者
>>559 似てる希ガス。個体差の範囲内と言えるかも。数はどのくらいだ?
562:名無しの転生者
>>561 先週までに3つ見つかって、昨日もう一個が見つかった。野良悪魔が発生したか調査を依頼された。
563:名無しの葛葉フレンズ
>>561 葛葉の使い魔によれば、水中にいくつもあるらしいです。
564:名無しの転生者
>>563 マ?
565:名無しの転生者
>>563 いくつも?それマ?
566:名無しの転生者
>>563 それマ?
567:名無しの葛葉フレンズ
>>564 >>565 >>566 マです。
568:名無しの転生者
つ 葦土沼遊水公園周辺マップ
【http:/xxx】
569:名無しの転生者
葦土沼周辺は土壌が酸性だから昔からの骨は残りにくい……って解説する間もなく新情報が出てくるなあオイ。
570:名無しの転生者
これ葦土沼の近くに原因あるんじゃね?葛葉フレンズ出動じゃね?
571:名無しの転生者
>>570 気が早すぎだろ。事件の元凶がすぐ近くにあるとか、そんなに都合良くいくわけないだろ。
572:名無しの転生者
>>568 の地図見てたんだが、公園の上流にヤベーものを見つけたんだが?
573:名無しの転生者
>>572 どれだ?
574:名無しの転生者
>>572 ジュネスデパート……は流石に遠いか。
575:名無しの転生者
>>572 俺には見えないぞ。もったいぶらないで教えてくれ。
576:名無しの転生者
>>572 見つけた!【霊長類知能総合研究所】!略して【霊長知能総研】だ!!
577:名無しの転生者
>>576 それis何?
578:名無しの転生者
>>576 あった!これか!ソウルハッカーズに出てきたダンジョンか!
579:名無しの転生者
>>577 デビルサマナー・ソウルハッカーズに同名のダンジョンが出てくる。小学生向けのクイズがギミックとして配置されている。
マッドサイエンティストが改造した珍獣がボスで、同じく小学生向けのなぞなぞを出してくる。
580:名無しの葛葉フレンズ
>>579 あったなあ、そういうの。でもそれが原因とはまだ断定できないのでは?
581:名無しの転生者
>>580 霊長知能総研についてちょっと調べたが支援団体が【箱船動物協会】だゾ。
582:名無しの転生者
>>581 うわあ、名前からして嫌な予感がひしひしと伝わってくるなあ。
583:名無しの葛葉フレンズ
>>581 それってもしかして
584:名無しの転生者
>>583 もちろん【メシア教会】の下部組織のひとつだ。
585:名無しの葛葉フレンズ
情報提供は終わったので帰りますね。お疲れ様でした。
586:名無しの転生者
>>585 オイオイ、逃げるな
587:名無しの転生者
>>585 スレ民からは逃げられない。
588:名無しの転生者
>>585 逃 が さ ん
589:名無しの転生者
>>585 しかし、回り込まれてしまった!
590:名無しの葛葉フレンズ
>>586 ~ >>589 許してください!なんでもしますから!!
591:名無しの転生者
>>590 ん?
592:名無しの転生者
>>590 ん?
593:名無しの転生者
>>590 ん?
594:名無しの転生者
>>590 ん?今なんでもって言ったな?
595:名無しの転生者
>>590 ん?今、なんでもって言ったな?
596:名無しの転生者
先輩わきすぎィ!
599:名無しの転生者
>>590 ネタはともかく、現在一番近いのは葛葉フレンズなので基礎調査をお願いしますね。応援も向かわせますので、安心して行ってきてください。
600:名無しの転生者
>>590 逝ってよし!
601:名無しの転生者
>>600 ヨシ!
603:名無しの転生者
>>600 ヨシ!……いやいや、よくない。
605:名無しの葛葉フレンズ
>>599 葛葉に話をしたら、向こうは乗り気なようです。というわけで逝ってきます。応援マジでよろしくお願いします。
606:名無しの転生者
>>605 がんばれ♡がんばれ♡
607:名無しの転生者
>>605 がんばれ♡がんばれ♡
608:名無しの転生者
>>605 がんばれ♡がんばれ♡
610:名無しの葛葉フレンズ
このスレこんなんばっかだな!!!!!