真・恋姫☨夢想 革命 張郃転生伝   作:青二蒼

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時系列見直してたらややこしいことになってきた。

オリキャラさらに参入。
思ったより袁紹って有名武将を抱えてたんですね。


八章:黄巾の乱が始まるのこと

 時は後漢末期と言ったところで遂に黄巾党が本格的に世に現れ始めた。

 我が袁紹軍も朝廷と繋がりが深い太守ということで積極的にこれの鎮圧に追われています。

 話し方が少し違うって?

 心の中でも女性らしくいようと少し意識しています。

 張郃こと空です。

 いや、自分でもどうかと思う部分はあるが、肉体は精神に引っ張られるというやつですかね。

 案外すんなりと意識が変わる感じがしています。

 そんな中で袁紹軍にも変化が出てきました。

「姓を朱、名は霊……これよりは冀州牧である袁紹様を君主として麾下(きか)に加わらせて頂きます」

「……姓は(きく)、名は義。よろしく」

 新たな武将が我が袁紹軍に加わったのだ。この世界の例に漏れずニ人とも女性である。

 朱霊……名前は聞いたことはある。確か曹操のところの人だった印象だが、袁紹のところにいた時期があったのだろうか?

 なお、功績とかは一切知らない。

 容姿については名前に(あか)とあるからか髪は赤く、ツーサイドアップにしている。そして少し気の強そうな印象を受ける切れ目。華奢(きゃしゃ)な体躯ではあるが、雰囲気は一介の将であるそれである。

 そして麴義……袁紹軍の数少ない勇猛な将だった程度にしか覚えていない。

 そんな彼女はこの世界の許褚(きょちょ)並みに小さい。しかし、見た目では判断してはいけないのがこの世界。

 印象としては、ぽやっとした感じで気さくそうな雰囲気だ。

 髪は銀色で後ろを三編みで結わえており、犬耳みたいに飛び出してハネた髪が横にある。

 目尻は優しげな感じで、勇猛な将という雰囲気は朱霊に対してあまり感じない。

 うーん、袁紹陣営の戦力が段々と厚くなっていく。

 果たして歴史通りに官渡の戦いが運ぶのか分からなくなってきました。

 我が筆頭軍師が、いつもどおりに気怠げな感じで報告する。

「ということで、此方(こなた)が人材を見繕ってきたのでございます」

「なんですって?! あの面倒くさがりの小夜(シャオイェ)さんが行動をするなんて! 何か悪い物でも食べましたの?!」

「……悪いことならいつでも起きてるのでございます。ともかく、話を戻すのでございますが朱霊殿と麴義殿はお嬢様の名声を聞き仕官に応じた部分もあるのでございます」

 無理矢理に話を戻したな。

 麗羽様の名声って大体は小夜と真直(まぁち)の功績な気もするが、突っ込んではいけませんね。

 小夜も"名声を聞いて応じた部分"もあると言ってるので、名声だけで仕官を決めた訳ではないのでしょう。

 そんな小夜の言葉の綾的な表現に気付かず、麗羽様は機嫌を良くする。

「あら、それは素晴らしい話ですわね。まあ、名家であるわたくしには元から名声はあったのですけれど、更に高まってるということですわね! おーっほっほっほ! おーっほっほっほ! では、朱霊さんに麴義さん。我が陣営での働き、期待していますわよ」

『はっ!』

 軍師陣は小夜の言い回しに気付いているため、桂藍(けいらん)さん以外は微妙な顔。

 まあ、私も気付いてますけど。

「下がってよろしいですわよ。それでは、小夜さん朝議を始めて下さいな」

 朱霊と麴義が下がって配置についたところで小夜は話を始める。

「さて、早速でございますが。黄巾の賊が以前よりも活発化しており官軍を含め、各州や群は対応を追われている状況でございます。主に北部に集中してるのであります」

 と端的に小夜は状況を説明する。

「今のところ内政は安定しており、麗羽様を頼る諸侯もおります。名声が高まってるのは間違いないでしょう」

 と真直(まぁち)

 現状を確認するように報告するのはいいですけどその言い方は麗羽様が、

「ふふふ、やはりわたくしの名声は高まってるようですわね。この調子で黄巾だか雑巾だか分かりませんけれども主上様のためにも華麗に優雅に蹴散らして差し上げましょう」

 ほら、やっぱり調子にノッた。

『…………』

 その麗羽様の様子に朱霊が微妙な顔してる。

 麴義はぽや~として何も考えてなさそうな感じではあるが、早くも去りそうなフラグが立ちまくってます。

「はい、お嬢様の威光にドン引きでございましょうが出来れば慣れて欲しいのでございます」

「あら、小夜さんが珍しく褒めてくださるとは珍しいですわね」

「別に褒めてねーです」

 流石の小夜も麗羽の独自解釈にちょっと呆れてる。

「あー、朱霊さん。麗羽様に関してはあまり気にしないで下さい」

 と、俺も朱霊の心情を汲み取ってフォローする。

 朱霊は私の言葉に冷静に返す。

「自分達の君主なのに扱い雑すぎじゃない?」

「まともに相手すれば手痛い目に遭いますので」

「……仕官先、間違えたかしら」

 うーん……真っ当な反応で困る。

 麗羽様は確かに教養はあるのに残念なお嬢様ではあるが、妙に支えてあげないといけないという保護欲的なものがある。

 そんな中でも現実的な提案を突きつけるネコミミ頭巾(妹)。

「私としては去るのをオススメするけどね」

「桂花さん、今は猫の手も借りたいんです。それほど余裕はありませんし」

「百の優秀な臣下を迎えても君主がアレな時は無理なものは無理よ」

 妙に格言みたいな言い回しをする桂花。

 まあ、それはこの先どうにか出来るかどうか分かりませんが出来る限りは何とかしてみましょう。

 

 

 朝議が終了して、今後の方針という程ではないが各群の太守と連携を密にしていくという方向性は固まりました。

 あとはどうなるやらです。

 城を案内するように麗羽様から仰せつかり、朱霊と麴義を伴って移動する。

「ちょっとあそこ、妙に金ピカ過ぎる気がするんですけど」

「ああ……麗羽様の趣味です。私もよく分かりません」

 朱霊が城の庭に出ての第一声。

 金ピカの東屋を見ては流石にツッコまざるを得ないでしょうね。

「ところで、あんたやるわね。使い手と見るわ」

 と朱霊は私を見て、唐突に力量を見抜くように言った。

 使い手、まあ……今となっては使い手と評価されても仕方ないですね。

 その謝辞を素直に受け取っておき、相手を褒めておく。

「それはどうもです。朱霊さんも良い腕をしてると見ます」

「あら、言うわね」

 快活な感じでニッカリと笑う朱霊。

 気持ちのいい笑顔ですね。今のところは悪い印象を受けません。

「それはそうと、お二方に名乗りを済ませていませんでしたね。私は姓を張、名は郃、(あざな)儁乂(しゅんがい)と申します」

 と、拳と手を合わせて一礼する。

「これはご丁寧に、感謝するわ」

「感謝〜、よろしくね〜」

 朱霊も拳と手を返礼をし、便乗する形で麴義も間延びした口調で返礼してくれる。

「挨拶は済ませたし、突然だけど一つ手合わせ願いましょうか」

 肩に担いでいた三尖刀を唐突に構えだす朱霊。

 あれですか……武にて語るとかそういう感じ。

 てっきり某無双シリーズだけの肉体言語だと思ってましたが、あるんですねこの世界でも。

「力量でしたら大体分かるのでは?」

「いいじゃない。力量は分かっても相性まで分からないでしょ?」

「それは一理ありますね」

 これから共に戦場に出る相手の実力を測るのは悪いことではない。

 仕方ない、付き合いますか。

 模擬戦とは言え命のやり取りが軽過ぎる気もするが、考えてはいけませんね。

 悠然とお互いに距離を取り、私も鉤爪を構える。

 ん〜、冗談じゃなく朱霊の実力は高い。

 構えからして隙があまりない。

 名のある武将なので当たり前ですけど。

 私はそのまま麴義にお願いする。

「麴義さん、立ち会いと合図をお願いします」

「ほーい、それじゃあ~……始め〜!」

「――せいや!」

 始めと言われた瞬間、朱霊が一声と共に急速に距離を詰めると同時に放たれる三尖刀の突き。

 あっぶな……!?

 おっと、思わず素が出てしまいました。

 寸のところで軽く体を側面に向けて回避。

 三尖刀の下から鉤爪を潜り込ませて、迎え撃つ。

 当てるつもりはないが、狙い的には脇腹を抉るような位置。

 しかし、それを彼女は飛んでかわした。

 そのまま三尖刀と共に前へ転がるように飛び込み、体と三尖刀を回して側面から薙ぎ払ってくる。

 私も反転して鉤爪で迫るそれを上へと打ち払い、距離を詰めようと動くが、三尖刀を一瞬を引いていた朱霊。

 柄を短く持ったかと思うとそのまま突き出し、突き出した反動と重さで突いてきた。

「はい、はい、はい!」 

 そのまま今度は柄を長く持ってそのまま連続突き。

 猪々子の大振りとは違う攻め。

 長物の間合いから詰めれない。

 鉤爪で打ち払いながら下がり、

「せいや!」

 途中で朱霊が足払いを仕掛けてきた。

 勝負を焦りましたかね。ともかくチャンスです。

 前に出て、払おうとした三尖刀を踏みつけ跳ぶ。

 回転しながら頭上を飛び越え、着地したところで両腕を交差して飛び込み、切り払うように腕を広げたところで、ギィンと金属音。

 いつの間にか武器を手元に引き寄せて防御していた。

 鉤爪をすぐさま上下にずらし、無理矢理回転させるように腕を開いた。

「やっば」

 朱霊の焦りの声。

 三尖刀が手元から離れるが、その回転を殺さずすぐさま空中で掴み直し回し続け、突き出された私の鉤爪を弾く。

 私はそのまま鉤爪を右に左に薙ぎ払うように交互に鉤爪を振るう。

 今度は向こうが防戦し始め大振りで爪を弾いた。

 弾かれたのを利用して、くるりと回り鉤爪をそのまま打ち落とす。

 そしてピタリとお互い寸止め。

 私は首元、朱霊は胴を薙ぎ払う直前。

「やるわね」

「危ないところですけどね」

 お互いに称賛して、武器を下ろす。

 やっぱり、正面での戦いは苦手ですね。

 大振り相手なら上手く立ち回れますけど、技術的な戦い方をする相手にはより経験を詰まないと大変そうです。

「変わった武器を使うわね。それにまるで舞のような足捌き」

「分かるんですね」

「何となくね。あんた程の実力者なら真名を預けてもいいわ」

 さっぱりした感じでまたニッカリと明るく笑う朱霊。

「それは光栄です」

「あたしは美紅(メイホン)。美しい紅で美紅」

「ソラと書いて(くう)です」

 と、朱霊――美紅と親睦が深まった。

「ニ人ともやるね〜」

 麴義は、マイペースな感じで近付いてくる。

 麴義に対して美紅は腕っ節が気になるようです。

「あんたもやる方じゃないの?」

「ん〜、インはそういうの苦手〜。異民族退治なら得意だよ~」

「……もう分かったわ、大体」

 異民族退治が得意と聞いて美紅は、それ以上聞くのを止めました。

 異民族……聞いた話では北には匈奴(きょうど)とか五胡(ごこ)など漢王朝に属さない部族だとか。

 それと異民族を破れる武将は少ないとも聞いたことがあります。

 それだけ異民族の戦法に苦しめられているということでしょうか? ここら辺はよく分からないですね。

 しかし、どこから来たかは分かるため一応は確認のために尋ねる。

「異民族ということは、涼州の?」

「うん。インは(きょう)族とよく戦ってたから〜」

 やっぱりですか。

 涼州はずっと西にある州で、かの有名な董卓や馬超の出身地。

 そして一番、異民族と身近(物理的)に接しているところです。つまりは世紀末的な感じで(いさか)いは絶えないとか。

「小夜からは、インの知識と戦法が必要になるって言われた〜」

 また、何手先か手を打ってますね小夜さん。

 しかも既に真名を預けてるみたいですし。

「あ、真名は銀鈴(インリン)〜。よろしく〜」

 しれっと真名を預けましたねこの子。

「それと、お腹すいたね~」

 マイペースですか。

 確かに昼時ですけど。

「では、街の案内もしておきましょう。美味しいところは知っています」

「それは助かるわ。お願いしようかしら」

 私の提案に美紅は頼みにする。

 食事する場所は大事ですからね。

 

 

 ということで(ぎょう)の街に繰り出した我々。

 その途中で異様な光景に出会う。

「麴義様!」

 門を出たところで幾人かの兵が控えていた。

 名前を呼んで(ひざま)ずいているところを見るに銀鈴の兵であるらしい。

 しかし――

(屈強ですね)

 一般の兵とは思えないくらい筋骨隆々で、鱗状の鎧を身にまとい(かぶと)まで着けている。

 一目で重装備であると分かります。

「お疲れ〜。挨拶は終わったから、何人か待機させて自由にしていいよ〜」

「ありがとうございます!」

「下がっていいよ~」

「はっ!」

 と、穏やかな口調ながら威圧感のある言葉。

 そのまま銀鈴の兵は言葉を受けて去っていく。

 中学生くらいの少女にガタイの良い男が命令されてるのは何ともシュールです。

「お待たせ〜。じゃあいこっか〜」

「あんたの兵……随分と鍛えられてるわね」

「うん、自慢の兵だよ〜。異民族を追い払ってきた猛者(もさ)だからね〜」

 美紅の言葉に笑顔で言う銀鈴は、本当に自慢気に話す。

 確かにあの兵は歴戦の雰囲気が出てた。

 もし戦ったら、十数人相手するだけでも苦労しそうな感じです。

 一体、軍師陣は何を考えているのやら、ですね。

 彼女らを迎えて黄巾の乱は新たな局面を迎える。

 




朱霊……魏の曹操から三代に掛けて魏を支えた歴戦の将。こちらも正史と演義で扱いに差がある。当初は袁紹傘下であったが途中で曹操の器量に惚れ込み、鞍替えした。詳しい理由は不明だが、魏の五将軍に並ぶ程にその功績は大きく張郃らと同様に死後には祀られた。

麴義……袁紹陣営の数少ない猛将。涼州の出身と見られており異民族である羌族の戦いに精通しており、八百の兵で五万の公孫賛軍を迎え撃つとかいう、ヤバい人。異民族を撃退できる数少ない将。彼の兵はいずれも精強で袁紹もその兵を欲しがったとか。しかし、麴義を後の禍根になると予測して切ったが結果的に配下は公孫賛に寝返る。対騎馬戦においてはスペシャリストであったらしい。
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