この言葉の意味は果たして…
『スペシャルウィーク先頭に立った!スペシャルウィーク先頭だ!スペシャルウィーク先頭!内から〇〇!内から〇〇!スペシャルウィークスペシャルウィーク!さらに寄ってくる〇〇!〇〇飛んできている!先頭はしかしスペシャルウィークだ!スペシャルウィークだ!〇〇!〇〇!先頭は13番スペシャルウィークだ!!
やはり日本総大将スペシャルウィークが勝ちました!
勝ちタイム2分25秒5!武豊!ジャパンカップ初制覇!日本総大将スペシャルウィークが世界を前に堂々と!堂々とジャパンカップを勝利です!……』
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「ん、んぅ~…。」
うららかな春の光が差し込む朝
日本トレーニングセンター学園 栗東寮
その中の一室
わたし、スペシャルウィークは目を覚ましました。
「あれ…?さっきまでレース場にいたような…。あぁ、夢か~。」
大歓声に包まれ、勝利したという感覚がありながらどこかぼやけたレース場。
その歓声が夢であることに気づくのにそう時間はかかりませんでした。
「はぁ~、なんかいい夢見ちゃったな~。」
とってもいい気分のままうとうとしていると
「……pちゃん。スぺちゃん!」
「うわぁ!!」
「スぺちゃん、早く準備しないと遅刻よ?」
「え?あ~~~!!!」
時計の針は始業まであと10分を指していた。
「私は先に行ってるね。」
「ひ~!!せっかくいい気分だったのに~!」
⏱
「スぺちゃんおはよ~。今日もギリギリだね~。」
最初に挨拶してくれたのは同じクラスのセイウンスカイさん。
レース運びが上手でトリックスターと呼ばれています。
「おはようございますスカイさん!ちょっと寝坊しちゃって…。」
「この時期の二度寝は気持ちいいよね~。私も起きるの大変だったもん。」
「スぺちゃん!おはようございマース!」
「スぺちゃん、おはようございます~。」
元気いっぱいで挨拶してくれたのはエルちゃん。
ターフの上の怪鳥と呼ばれ、私と日本ダービーで同着での一着を取ったライバルです。
もう一人はグラスちゃん
おしとやかで優しい子だけど、レースでは鬼気迫るものを感じる強敵でライバルです。
「うむむ?スぺちゃん遅刻ギリギリだったのになんかバレバレの顔してマスねー。」
「エル?それを言うなら『晴れ晴れした』ですよ?」
「oh!それデース!それで~、なんかいいことでもあったんデスかー?」
「えーと、それはね~。」
「こらー、おまえらー。席に着けー。」
話してるうちに先生が来てたようです。
「また後で話すね!」
「わっかりマシター!」
「楽しみですね~。」
⏱
「それで、なにがあったんデスか?」
「特に何かあったってわけじゃないんですけど、朝からいい夢を見たんです!」
「どのような夢だったんですか?」
「えーと、何かのレースで一着を取ったって夢なんですけど、その時の歓声がエルちゃんとの日本ダービーと同じくらいで、とっても大変だったけどとっても気持ちのいいレースをしたんです。」
「へ~、それはいい夢だね~。」
「あ、でもなんか走ってる時の視点が違ったり、聞いたことないような名前、ちょうど普通の人と同じように苗字と名前がわたしの名前と一緒に呼ばれてたんです。」
「ん~、それは不思議な夢ですね~。」
「これってアレじゃないデスか?ほら、ウマ娘はときに数奇で、ときに輝かしい歴史を持つ別世界の名前を持って生まれてくるとかなんとかってやつデス。」
「なるほどね~。その別世界のスぺちゃんが走ったレースの記憶が夢として出てきたって感じかな~?」
「そんなことあるんですか?」
「でも、『ウマ娘』という存在には分かってない事も沢山ありますし、そういうことが起こったとしても不思議じゃありませんね~。」
「まぁ、そんなことよくわからないし~?とっても気持ちのいい夢が見れたってことでいいんじゃない?」
「そうですね!こんな気持ちのいいレースしたいな~!」
「おお!アタシも負けてられまセン!」
「ええ、次戦う機会があれば私が勝ちます。」
「セイちゃんはゆるっとしてたいな~。ま、負ける気もないけど。」
「あ、そろそろトレーニングの時間だ。それじゃあ、わたしは行くね!バイバーイ!」
「「「頑張ってね~(下さい)(クダサイ!)」」」
⏱
「おーし、スぺ!準備運動とアップ終わったな?そしたら、2500mのタイムを計るぞ!」
「分かりました!」
「有馬記念が終わって次のレースを決めなきゃいけないから、それの参考にするために100%じゃなくてもいいからある程度しっかり走ってくれ。」
「はい!」
「スぺちゃん、頑張ってね。」
「スズカさん!ありがとうございます!」
「準備良いかー?それじゃ、よーい、スタート!」
(いつもの感じ。最初は少し抑えて周りを見る。もしスカイさんやエルちゃん、グラスちゃんが一緒に走ってるなら、スカイさんは前の方で逃げてる。エルちゃんグラスちゃんはわたしと同じ差しが得意だから大体同じ位置。プレッシャーを与えられるけどまだ我慢我慢…。)
そうして、実戦をイメージしながら1000mを過ぎたところで
ズルッ
「うわぁ!」
ズテーン
「スぺ(ちゃん)!!?」
「あいったた…。」
どうやらコケちゃったみたいです。
「おい!スぺ!?大丈夫か!?」
トレーナーさんとスズカさんが真っ青な顔して駆け寄ってきてくれました。
ウマ娘は時速60kmで走ることが出来ますが、それだけ速いのでコケただけでも大惨事になることだってあります。
でも、今回は
「はい、大丈夫です。ちょっと足を滑らせちゃって…。
あ、でも足も挫いてないし、受け身をうまく取れたから頭も打ってないです。」
「他に痛いところは!?」
「んーと、左を下にして受け身を取ったので左腰をちょっと打っちゃってますね。」
「そうか。でも、とりあえず今日のトレーニングはここでストップして念のため病院に行こう。」
「分かりました。」
「立てるか?」
「はい、大丈夫です。」
「スぺちゃん脚擦りむいてる…。」
「あ~、やっちゃいましたね…。」
「スズカ、スぺを保健室に連れて行ってくれないか?」
「分かりました。行きましょう、スぺちゃん。」
「はい!」
「トレーニング終わったら迎えに行くから少し安静にしてろな?」
「分かりました。」
⏱
「左腰の軽い打撲ですね。骨に異常はありませんし、捻挫もしてなさそうです。
ターフの上での転倒ということなので、芝がクッションの役割を果たしたのでしょう。
ただ、ウマ娘が走っている間の事故ですので見えないヒビとかがある可能性がありますから念のため一週間ほどは激しい運動は控え、何か異常があればすぐに来てください。」
「ありがとうございます、先生。とりあえず良かったな、スぺ。」
「はい!安心したらお腹が空いちゃいました~。」
「しょうがねぇな。ほら、なんか食いに行くぞ。」
「ありがとうございます!何食べようかな~♪」
……
トレーニング中の転倒から一週間がたち、その間も異常は見られず今日からまた練習を再開することになりました。
蹄鉄もしっかり締めたし、ターフの状態もいい感じです!
「おーし、スペ!今日こそ2500m走り切ろうな!」
「はい!」
「一応ケガ明けだからスパートでも60%くらいでいい。その代わり、しっかりとフォームやレース展開を意識しながら走ってくれ。」
「分かりました!」
「スぺちゃん、気を付けてね。」
「はい!ありがとうございます!」
「準備良いかー?それじゃ、よーい、スタート!」
(場面設定はこの前と同じグラスちゃん達とのレース。流石にスピードは出せないから、グラスちゃん達の走り方のクセを思い出しながら走ろう!)
そうして、順調に走り続けスパートポイントに差し掛かる。
(スカイさんはもうスパート態勢、エルちゃんとグラスちゃんはまだ抑えてる。わたしは…今!)
前の方にいるスカイさんを差そうと、スピードを上げる。
(あれ…?思ったより足が前に行かない?この走りじゃスカイさんはどんどん逃げちゃう!どころかエルちゃんやグラスちゃんに差される!)
言いようのない違和感の中、わたしは2500mを走り切った。
わたしのシミュレーションの中での順位は4着。あの三人に勝てる走りができなかった感じがした。
「スペー!大丈夫かー?」
「はいー!」
とりあえずトレーナーさんにところに戻らないと。
…うん、やっぱり脚自体に痛みとか違和感はない。
「脚に痛みや違和感はあるか?」
「いえ、大丈夫です。ただ…。」
「ただ?」
「なんか、スパートがいつもの感覚で走れませんでした。脚は痛くもなんともないのに全然脚が前に行かなくて…。」
「まぁ、ケガ明けだからまだ本調子ではないんだろ。とりあえず、ベンチに座って脚診せてくれ。」
「分かりました。」
ベンチに向かい、トレーナーさんはわたしの足を触診します。
初めて触られたときは痴漢かと思いましたが(実際ほとんど大差ないんですけど)、触ることで脚の状態をまるでお医者さんのように細かいところまでわかってしまいます。
「ん~…。やっぱり、脚自体には異常はなさそうだな。ココ押しても痛くないか?」
「大丈夫ですよ。またいっときトレーニングを続ければ元に戻りますか?」
「多分な。ケアは今まで以上にしっかりしないといけないが大丈夫だろう。
いっときは調整メニューに移行するか。」
「はい!ありがとうございます!」
「今日はダウンを念入りにしてトレーニング終了だ。お疲れ様。」
「お疲れさまでした!」
そうして調整メニューをこなしていきますが、いつまでたっても調子は戻りません。
体調も悪くないんです。ただ、あの限界を超える感覚。あの感覚が一向に来ないんです。
そして、時々あの視点がいつもと違うレースの夢を見ます。
最近は周りの景色もうっすらとですが、見えてくるようになりました。
そこは今まで走ってきたレース場なんですが周りに黒だったり栗毛色だったりの塊が高速で動いていて、わたしとレースをしています。
今日でこの夢を見るのは4回目
前々回くらいから最初見た夢と比べてスピードも歓声の大きさも劣っていますが、やっぱりわたしはレースをしています。
今日は3と1/2バ身差で勝ちました。
この前見たときはハナ差で負けました。
そんな夢を見るようになってからわたしの調子は下がったままです。
気分はそのレースの勝ち負けによって上がったり下がったりしていますが、その感覚はまるで過去のレースを思い出してる時みたいな感じです。
「スぺちゃん…。大丈夫?」
「スズカさん…。はい!大丈夫ですよ!今日こそ調子戻らないかな~あはは。」
「スぺちゃん、無理だけはしないでね。何かつらいことがあったらいつでも相談してね。それから…」
「スズカさん、ありがとうございます。でも大丈夫ですよ!私はいつも通りです!まぁ、走りの調子は全然ですけどね…あはは。」
「スぺちゃん…。」
「ほら!今日もいい天気です!トレーニング頑張りましょう!」
「…そうね。頑張りましょう。」
わたしの調子はまだ戻らない。
あの夢も見始めて17回目
今日の夢は最初に見たのと同じレースだ。
とっても大きな歓声。わたしの周りの人たちはみんな笑顔でわたしを祝福してくれる。
でもなぜかそこにはスピカのみんなはいない。
本当ならそこにみんなはいるはずなのに。
なんか寂しいな……。
「スぺちゃん!最近元気がないデスね。何か悩みでもあるんデスか?」
「ううん、大丈夫だよ!ありがとう、エルちゃん。」
「なら、いいんデスけど…。」
「ねぇ、スぺちゃん。やっぱり誰か先輩に相談しましょう?そんな状態のまま生活していてもどんどん弱っていってしまいますよ?」
「グラスちゃん…。でも、なんていえばいいのか分からないよ…。」
「スぺちゃんの調子が下がってきたのはあの転倒した日、その日は朝からスぺちゃんが嬉しそうに夢の話をしてくれた日です。もしかしたら、それと何か関係があることなのかもしれません。」
「まさか…。」
「誰でもいいんです。スぺちゃんが一番信頼できる先輩に相談しましょう。」
「それなら…。」
⏱
「というわけで、スズカさんに相談したくて…。」
「そう、話してくれてありがとう。」
「わたしこそ、相談にのってもらってありがとうございます!」
「早速だけど、その走マ灯みたいな夢なんだけど私にも経験があるわ。」
「そうなんですか!?」
「えぇ、私の時はあの秋の天皇賞の後からだったわ。」
「あの時の…。」
「その日から、時々見える景色が違う、でも大好きな先頭の景色の中走ってる夢を見たの。
だけど、やっぱりスぺちゃんが言ったように何かを思い出して懐かしんでいるような感じだったわ。」
「どうやってその状況を抜け出したんですか?」
「そうね、やっぱりあの夏合宿でトレーナーさんに叱られて、全部吹っ切れて走って、そして最後はスピカのみんなで海に突っ込んで笑いあったときかな。
その時なぜか分からないんだけど、今までも思ってたはずなのに『あぁ、ここが私の居場所なんだな』って強く思ったの。
その日の夜にまた不思議な夢を見たんだけど、その時はレース場じゃなくてどこか分からないけど綺麗なところにいたわ。そしてそこで私の髪の色と同じ色をして同じような耳で尻尾を持った、でも私たちよりも大きい4足歩行の見たこともない動物とあったの。その時にその動物は『あなたがあっちの世界でのサイレンススズカなんですね』って言ったの。」
「あっちの世界…。」
「多分あの動物はよく言う『ウマ娘はときに数奇で、ときに輝かしい歴史を持つ別世界の名前を持って生まれてくる』っていう言葉のその別世界の私なんだと思うわ。
その動物は『あなたは自分の居場所を見つけられたんですね。だったら今この時からあなたと私はただ同じ名前なだけの全く違う存在になる…らしいです。』って言ってたわ。
もう、ずいぶん前のことだから衝撃が強かったところしか覚えていないけど、そんなことがあったわ。」
「自分の居場所…。」
「でも、スぺちゃんももうすぐ見つけられると思うわ。その動物が言った意味での居場所を。」
「どうしてですか?」
「だって、スぺちゃんの周りにはスぺちゃんが困ったときに手を差し伸べてくれる仲間やライバルがちゃんといるもの。今日のことだってグラスちゃんに言われて相談してくれたんでしょ?そうやってあなたのことを想ってくれる人の存在に気付いた時が居場所を見つけられたときなんじゃないかしら?」
「だとしたら、わたしの居場所はスピカやクラスのみんなのとこですね!」
「えぇ。それじゃあもう夜も遅いし寝ましょう。」
「そうですね。相談に乗ってくれてありがとうございました!スズカさん!」
「おやすみスぺちゃん。いい夢が見れますように。」
「おやすみなさいスズカさん。」
「ん、んぅ~…。」
わたしは強い風の音の中広い草原…牧場かな?
そんな感じのところに立っていました。
徐々に景色が鮮明になっていき風が収まってきてどこか懐かしい匂いがしました。
「うわぁ~!綺麗!」
そこは春の陽気の中芝がキラキラと輝く、少し冷たい澄んだ空気に包まれた場所でした。
「実家の牧場みたいだな~。よーし、走っちゃお!」
わたしは小さい頃みたいに何も考えず、ただ走りたいように走りました。
もーすけも、あのとりさんもいないけど、とっても楽しかったです。
しばらく走っていると前の方になにか黒い塊が見えてきました。
気になって近づいてみると、スズカさんが言っていたみたいに私の髪と同じような黒鹿毛でおでこに白いラインが入った大きな動物がいました。
「あの~…、もしかしてあなたはスペシャルウィークさんですか?」
『そうだよ。君は?』
「わたしもスペシャルウィークって言います!」
『へぇ、ぱっと見君は武さんとかみたいな人間に見えるけど、耳や尻尾が僕たちみたいになってるんだね。』
「はい!ウマ娘って種族です!」
『ウマ娘?僕たちはたしか馬っていうんだっけな。なんか似てるね。』
「そうですね!えーとスペシャルウィークさんはどうしてここに?」
『んー、あの日牧場で放牧してたんだけどその時に転んで左腰を強く打っちゃって。
僕もいい歳だからそのケガが原因で死んじゃったんだよね。
だからここは、武さんとかが言ってた天国ってやつなのかな。』
「そうだったんですね…。というか、スペシャルウィークさんも左腰を打ったんですか?」
『なんかその呼び分けややこしいから君とかでいいよ。
まぁ、ケガしたのは左腰だったね。』
「えーと、じゃああなたって呼ばせていただきますね。
私もトレーニング中に転んで左腰を打ってそれから調子が悪かったんですよ。」
『なるほど、僕と君の間に不思議な関係があるみたいだね。
ってことはレース結果とかも一緒だったりするんだろうね。』
「そうかもしれないですね。あ、そうだ。このところ不思議な夢を見てたんですけどそれはもしかしたらそれってあなたのレースの記憶なのかもしれません。まるで懐かしむようにいろんなレースの映像が夢に出てきたんです。」
『ふーん、たしかに死ぬ間際にいろんなこと思い出したな~。走馬灯ってやつかな。』
「そう!走マ灯みたいな感じでした!」
それから、わたしたちはいろんなことを話しました。お互いの世界でのレースの話だとか信頼してる人の話とか、本当にたくさんのことを。
そうしてたくさんの時間がたったころ
『あぁ、そろそろ行かなきゃ。君と話せてとっても楽しかったよ。』
「わたしもです!」
『僕はもうあのレース場を走れない。だけど君はこれからも走るんだろうね。これまでは僕と君のレース結果は鏡のように同じだった。だけどこれからは君自身の君だけのレース結果だ。いうなれば、君と僕はただ同じ名前なだけの全く違う存在になる。ってことをなんかこの草原に来た時にあったおじいさんがとある女の子に伝言してくれみたいなこと言ってたけどそれは君のことなんだろうね。』
「まるで神様ですね、そのおじいさん。」
『本当に神様なのかもね。
じゃあ、本当にそろそろ行かないといけない。君のこれからの活躍を天国から応援しているよ。』
「ありがとうございます!わたしもこの宝物みたいな時間を決して忘れません!」
『じゃあね、ウマ娘のスペシャルウィークさん』
「さようなら、お馬さんのスペシャルウィークさん」
そこでわたしの意識は途切れた。
ジリリリリリ!!!!
目覚まし時計が鳴る
「ん、んぅ~…。」
優しい陽の光が差し込む朝
日本トレーニングセンター学園 栗東寮
その中の一室
わたし、スペシャルウィークは目を覚ましました。
「あれ…?さっきまで草原にいたような。あぁ、夢か~。」
もう一つの世界のスペシャルウィークさんと話した夢。
でもその夢は最初のレースの夢なんかと比べ物にならない位鮮やかに感じました。
「はぁ~、お話楽しかったな~。」
とってもいい気分のままうとうとしていると
「スぺちゃん。スぺちゃん!」
「うわぁ!!」
「スぺちゃん、早く準備しないと遅刻よ?」
「え?あ~~~!!!」
時計の針は始業まであと10分を指していた。
「私は先に行ってるね。」
「ひ~!!せっかくいい気分だったのに~!」
⏱
「スぺちゃんおはよ~。今日もギリギリだね~。」
「おはようございますスカイさん!ちょっと寝坊しちゃって…。」
「にゃはは、二度寝はクセになるよね~。」
「スぺちゃん!おはようございマース!」
「スぺちゃん、おはようございます~。」
「うむむ?スぺちゃん遅刻ギリギリだったのになんか晴れ晴れした顔をしてマスねー。」
「あら、今度は間違えませんでしたね~。」
「一度した失敗は繰り返しマセン!そ・れ・で~、今度はなにがあったんデスか?」
「えーと、それはね~。」
「こらー、おまえらー。席に着けー。」
話してるうちに先生が来てたようです。
「また後で話すね!」
「わっかりマシター!」
「楽しみですね~。」
⏱
「それで、なにがあったんデスか?」
「特に何かあったってわけじゃないんですけど、朝からいい夢を見たんです!」
「どのような夢だったんですか?」
「前にエルちゃんが言ってた『ウマ娘はときに数奇で、ときに輝かしい歴史を持つ別世界の名前を持って生まれてくる』ってののその別世界の存在に会った夢なんです!」
「「「えー!!??」」」
「なんかウマっていうらしくて、私たちと同じ耳や尻尾を持つ四足歩行の動物なんですけどね。そのおウマさんとたくさん話したんですよ。」
「ん~、それは不思議な夢ですね~。」
「不思議どころか驚愕デース…。」
「なるほどね~。それで別世界の存在のスぺちゃんと話してみたどうだった?」
「そうですね、例えばそのおウマさんもレースを走ってて、レースの名前も一緒なんですよ、天皇賞とかジャパンカップとか。で、その結果がわたしたちが今まで走ってきたわたしたちのレース結果とおんなじだったんです!」
「oh!まるでタッグみたいデース!」
「まぁ、だとしたらあの伝説が本当ってことだね~。」
「それでね、これからも頑張ってって言われたんです!」
「うおおお!燃えてキター!!!別世界からの応援も味方につけたスぺちゃん
それでもターフの上の怪鳥は負けマセン!!」
「ええ、次戦う機会があれば私が勝ちます。」
「セイちゃんはゆるっとしてたいな~。ま、負ける気もないけど。」
「あ、そろそろトレーニングの時間だ。それじゃあ、わたしは行くね!バイバーイ!」
「「「頑張ってね~(下さい)(クダサイ!)」」」
⏱
「おーし、スぺ!準備運動とアップ終わったな?そしたら、2500mのタイムを計るぞ!」
「分かりました!」
「お、今日はやけに返事がいいな!なんかいいことでもあったか?」
「はい!だから今日こそ行けます!」
「スぺちゃん、頑張ってね。」
「スズカさん!ありがとうございます!」
「準備良いかー?それじゃ、よーい、スタート!」
ありがとう、神様
世界で一番大きく愛おしい宝物
青い空に光るよ
こんなにやさしく 嬉しい気持ちが満ちていく
だから駆け抜けるんだ みんなの笑顔全部
抱きしめたい