ファイアーエムブレム 紺碧のコントレイルⅠ・Ⅱ 作:宵星アキ
村人たちと絆を結び、イリア連合からも認められ、これからという時に。
そんな話、まるで聞いていない。とても納得できる話じゃありません。
シャニー達は団長代理の下へ駈け込み再考を陳情しますが……。
第1話 こんなの夢だ
──エレブ新暦1001年 3月2日
春を迎えたイリアの朝空はどこか優しく、未だ包む黎も夜明けが少しずつ早くなるのを知らせるかのように淡い。
その中を翔ける一騎の天馬。今日もシャニーの青いショートレイヤーが風に踊る。駆け抜けていくイリアを見つめ、わくわくが溢れて横顔から白い歯が零れた。
城に着くと廊下を軽いステップで叩いて詰所に入り、暖炉に火を点け井戸水を汲みに行く。キンと冷たいはずの水も、どこか温かくなった気がするのは春を迎えたからだろうか。
東の空を見上げてみた。
絵の具を溶かすように少しずつ黎に青が浮かんでくる。
「はぁ~! 気持ち良い朝だなぁ!」
両手を天へと突き上げ、背を弓のように反らしたシャニーからは気持ちよさそうな声が漏れた。
今日は何をしようか? 好奇心の塊のような、くりっとした青い瞳はじっとしていられない。汲んだ水を詰所の暖炉の鍋に移すと、剣を持って室内稽古場へと入っていった。
剣を振り気持ちを整え、穏やかな顔が凛と引き締まっていく。
しばらく剣を振っていると、向こうでブーツが床を叩く音が聞こえてきた。部隊の誰かが来たようだ。今日の二番は誰か、足音で推理が始まる。
「おっ、早いねシャニー」
予想通りの声。振り返った先に、槍を持って稽古場に入ってきたルシャナが見えた。手を挙げて早速声を掛ける。
「おっはよ!」
「ははっ、春と一緒にあんたも帰って来たって感じがするよ」
「えぇ? 何それ。あはは」
「二月の時はマジでヤバかったからね。全部雲が吹き飛んだみたいな顔してるよ」
「その節はご心配おかけしましたってね。うん、もう大丈夫だよ」
シャニーは再び稽古場の中央を向いた。背はピンと伸びて、鋭い一閃が空を裂く。
その背中を見て、ルシャナはふっと笑みを浮かべた。
「私も少し付き合うかな。勝負だよ、シャニー」
普段は見ているだけのルシャナが槍を構えだし、真剣だったシャニーの顔に笑顔が咲く。
今年の冬は何か例年より厳しかった気がする。本当に辛いことがいっぱいにあった。それらの全てを乗り越えて迎えた春。自然に声も弾む。
「良し来た。望むところさ!」
独りで稽古するより二人でしたほうが楽しい。
ニカっと剣を掲げたシャニーは、さっそくルシャナの槍相手に構えを作った。
湧き上がる感謝を噛みしめながら、一閃と回避のステップを繰り返す。
一年ずっと一緒だった瞳。部隊崩壊の危機も、死の赤に塗れた絶体絶命も、共に切り抜けてきた。
これからも絶対に一緒──それは祈りではなく、誓いと言ったほうが近いかもしれない。
稽古に熱を帯びてきた時だ。扉の蝶番が軋む音が聞こえ、ミリアとレンが今日も二人で登城してきた。
「熱いッスねえ」
まだ陽の登り切らないうちから、軽快に稽古場を躍動する二人の姿に彼らは感嘆を漏らす。
一瞬だけ二人とも振り向いて手を挙げたかと思うと、すぐ気合の一吼と共に剣を振り、槍で払う。
熱気に吹き飛ばされそうで、ミリア達は稽古場の隅に座って持っていたマグカップを傾け始めた。
「ホント、朝から気合が違うッスね」
「ん、青春だね」
四人で迎える、いつも通りの朝。色々事件はあったが、こうして今まで守って来た。
弾けるように稽古場の中を裂空する二人。部隊を引っ張って来た太陽と月の明るい声に、レンは紅茶を啜るとぽつりと漏らした。
「私……──帰りたいって思える場所が出来るって思わなかった」
彼女の独白のような言葉にミリアは一瞬ポカンとしたがすぐ頷いた。
「んだね。人生で初めて、同世代に尊敬できる人が見つかった」
「ん。ただミリアについて行こうって、そのくらいの気持ちだった。でも、今は違う」
「きっとこれからもこの家族を大事にしたいって、ウチもそう思うッスよ」
黎明の空が朝陽にすっかり青を取り戻した頃、ようやくにシャニーの剣が下を向いた。
「ふぃー、お腹空いた! 朝ごはん、朝ごはんっと」
朝稽古を終えて室内から出たシャニーは、うんと伸びをしながら朝日を浴びる。体も火照って、一日の始まりにワクワクがますます膨らんでくる。
「あー、今日のおかずは何かなぁ」
「早くしないとコロッケ無くなっちゃうッスよ!」
「そうだね。よぉし、今日も数量限定を勝ち取るぞ!」
ミリアと雑談に花を咲かせながら一旦詰所へと戻り、稽古で乱れた服を姿見で整えていた時だ。
何やら、廊下が騒がしくなってきた。
「何だろ?」
ベルトを整えながら顔だけ廊下の方へ向けてみる。
どうやら足音のようだ。やたらとバタバタと軽く、天馬騎士の履く戦闘用サイハイブーツではないことは分かる。
「ウッディさん!大丈夫?!」
「大丈夫です!」
何やら騎士たちの悲鳴の後に聞き慣れた声が詰所に流れてきた。転んで心配でもされたか。
バタバタした足音はどうも彼らしく、その音はどんどん大きくなってくる。
きっとこの詰所を目指しているに違いない。シャニーが出迎るべく歩き出した時だった。蹴破る勢いで彼は飛び込んできた。
「おっ、おはようウッディ。一緒にごは……」
親しい顔にシャニーは手を挙げて歓迎したが、どうにもウッディには普段の落ち着きがない。
小さく跳ねながら存在をアピールしていたら、部屋を見渡す彼とようやく目が合った────途端だった。
「シャニー大変だぞ!!」
「うわっ?! びっくりしたあ」
いきなり肩を掴まれシャニーは口を驚かせてみたが、ウッディの大変はそんなに珍しい事でもない。今度は何だと苦笑いに変わった。
「どうしたのよ、そんなに朝から慌ててさ」
走ったのは久しぶりだったのだろうか。
掴まっていたシャニーの肩からするりと滑り落ちた手を膝にあて、ウッディはゼイゼイして声が出て来ないらしい。
彼の背中をさすってやりながら、シャニーは彼の相変わらずの体力の無さに笑っていた。
「慌てずにいられるか!」
ようやくに声を出せるくらい回復するや、ウッディは身を起こしてシャニーの目をしっかり捉えて叫ぶ。
ここまで来て、冗談では無いとようやくシャニーも分かって口元が半開きになった。
「十八部隊が……解体されるらしい!」
「……──へ?」
今、彼は何と言ったのだろう?
はっきり聞こえたはずなのに、何も聞こえない気がする。
頭が言われたことを理解するにつれ、重く、黒いものがわっと湧きあがって心の中に溜まり、底が引き千切られそうになってきてシャニーの瞳がみるみる震え始めた。
イドゥヴァの反応から、ある程度覚悟はしてきた事。だけど、最悪の予感が当たってしまい、詰所に絶望が広がって春の陽気が一瞬で吹き飛んだ。
「そ、そんな話どこから?!」
信じられない気持ちは無意識のうちにウッディの両手で掴んでいた。
「冗談だよね?! ──何か言ってよ!」
今ならまだ笑える。お願いだから夢だと言ってくれ……。揺れる青の瞳にそう懇願を向けられても、彼女の望む言葉をかけてあげられず、ウッディの顔も沈んでいく。
「第一部隊のエダさんだ。第二部隊の人も言っていたから……おそらく」
あの人の噂話の精度は皆も知っていた。おまけに、イドゥヴァ直属の騎士まで口にしていたとなれば逃げ道は無い。震える声が崩れ落ちていく。
「そ、そんなの……えへへっ、ウソだよね。そんなの……」
もう壊れた笑顔しか浮かべられなくなって、ウッディの手を掴みながらも身を支えられなくなった。
膝が崩れその場に吸い込まれるように割座したシャニーから漏れてくる声に、誰も返せない。
「あれだけ頑張ったのに……お義兄ちゃんも褒めてくれたじゃん。結果だって出してきたのに……何で? 何でなの? あたしたち、何がいけなかったの……?」
固まった表情の中で光を失った瞳が呆然と浮かぶ。
「残念ながら、本当の事だ」
突然に現実で突き刺してくる止めの声。
皆の視線は、ドアにもたれ掛かり、睨むように見下ろしてくるアルマを串刺しにする。
見る見る見開かれた黎き瞳は、次の瞬間には飛び出していた。
「ね、ねえ! アルマ! どういう事なの? なんで?! どうしてなの!!」
我を失った、絹裂くような声。
何故を繰り返しても、アルマはただ無表情のまま見下ろしてくるだけ。
「アルマならきっと知ってるよね! 何で何も答えてくれないの?!」
揺すっても叫んでも何も返ってこない。
悔しさと絶望に打ちひしがれ、咽び泣きながら彼女の前で再び崩れて手を突いた。
ぼやけた視界の中で、アルマのため息が聞こえ、背を向けたのが見えた。
「……私に聞いて分かると思うのか? イドゥヴァ団長代理に聞いて来いよ、自分の言葉で」
結局、アルマは何も教えてくれないまま場を去った。
もう、ティトは団長ではない。四月からの新体制に向け、副団長イドゥヴァが暫定団長として騎士団を牛耳っている。
その途端にこれだ。
旧体制破壊を進めるにあたっての、騎士団中へのメ
徐にもたげられた顔に沈む黎は、何かに取り憑かれたように立ち上がる。
「こんな、こんなバカげたことが許されるはずがない。一体何がいけなかったんだ。どうすれば撤回できるの……」
アルマの言葉に誘われるように心が体を押していく。その手を後ろから不意に引かれた。
「シャニー、私たちもついてく。いいよね」
振り返ればルシャナが手を掴んでいて、仲間たちの覚悟を決めた瞳たちがじっと見つめていた。
(そうだ……この部隊のリーダーなんだ。
ふっと我を取り戻したシャニーは服の袖で涙を強く拭うと、奥歯をぎゅっと噛みこんで自身を戒めた。
真っ赤なままでもその瞳は強さを取り戻し、仲間たちに一つ頷くと彼らは弾かれたように部屋を飛び出した。
目指すは第二部隊の詰所。そんなに離れていないのに、千里にも感じるほど長い廊下を駆け抜けて、ノックもないまま飛び込んだ。
「イドゥヴァ団長代理!!」
加減を知らない力で開け放たれたドアが壁にぶつかり、静かな詰所を騒然とさせた。
一気に突き刺さる視線。そんなことに構っていられない。敵陣へ切り込んだかのような、鬼火を燃やす瞳で第二部隊の騎士たちを押し分けていく。
(あの人が部隊を取り上げようとしている……。なんで? どうしてッ……!)
シャニーは先陣を切り、部屋の奥で怪訝そうな目を向けてくるイドゥヴァの許へと一本槍の如く突っ込んだ。
「何ですか、十八部隊長。我々は出撃の準備で──」
「十八部隊を解体するって本当ですか?!」
勢いのまま、上段から斬りかかるようにドンと机へ手を突き、ありったけ叫ぶ。相手が団長だろうが、加減していられる心の余裕など無い。
それまで斜に構えていたイドゥヴァも、華奢な乙女が放つあまりの威圧感に思わず目をむき、態勢を整えてじっとシャニーの瞳を睨み上げている。
「ええ、三月末で解体予定です」
あっさりと、息を吐くようにそうイドゥヴァは口にした。
心を握り潰されそうな感覚。跳ね除けるようにシャニーは言い返そうとしたが、読まれた様に被された。「新職制はその時発表しますから、口外は控えるように」
決定に変更はない──もう一度強く睨んできて、席を立ったイドゥヴァは部屋を出ていこうとしている。
現実を脳天から浴びせられてその場に突き刺さっていたシャニーだが、奥底からメラメラと燃え上がり、パチパチ爆ぜだした心が噴き上がって瞳に力を取り戻す。
足先に力を込めて狭い部屋の中を裂空し、背を向ける肩を力任せに引っ張った。
「何故ですか?! 軌道に乗ってきて……みんなにも知ってもらえて、これからっていう時になぜ!!」
今まで心の中で叫び続け、ずっと答えもないまま跳ね返ってきた自分の声をありったけイドゥヴァにぶつける。
何故──その気持ちはいつの間にか怒りと燃え上がって、許せないに変わっていた。
「放しなさい!」
鋭い音が響き、打たれた手首を抑えてシャニーは顔をしかめた。
それでもすぐその眼には焔が戻って睨み返す。イドゥヴァは槍のように鋭い目で睥睨してきた。
「見直しが必要だからです。組織自体は必要ですが、今の体制では不十分ですからね」
イリア連合から認められていることを、もちろんイドゥヴァも知っているはずだ。
だが、だからこそ今の体制では規模も方針も不足しているというのだ。
淡々とした説明を受けても、シャニーは瞳を震わせ、小さく何度も、何度も首を振るだけ。
盾突いた者の末路に唾棄するように、第二部隊の騎士たちは冷たい視線を送りながら部屋を出ていく。
彼らにも聞こえるほどのはっきりした声で、イドゥヴァは止めを刺した。
「あなた達には傭兵に出ていただく予定です。国力向上の任は体制を見直します」
突きつけられた決定的な言葉。
もう、今迄の仕事は出来ない。再び天から降り注いだ槍に串刺しにされたようにその場から動けなくなった。
(別部隊が……あたし達の仕事を……?)
心の中で復唱した途端、ぐらぐらと心が噴き上がってきて、わなわな拳が震えだした。
(そんな事、そんな事……──許すもんか!!)
ギリっと奥歯を噛みこみ、鬼の青焔滾る瞳は部下を追うべく背を向けかけたイドゥヴァの両肩を掴んでありったけ叫んだ。
「十八部隊はあたし達の部隊ですッ! この仕事はッ、あたし達にしか出来ないと自負していますッ! どうか、どうか!」
懇願だけでは足りず、ショートレイヤーを何度も何度も揺らす。
この仕事の為なら、この家族の為なら、何だってする覚悟だ。
絶対に負けない、諦めない、逃げるわけにはいかない────最後まで戦う覚悟の背中に、仲間たちも一緒になって嘆願するが、
「勘違いしないでくださいよ、シャニー部隊長。部隊は貴女のものではなく、決定権は団長にあります」
これだけの熱を向けても、イドゥヴァから返ってきたのは冷え切った命令だけ。彼女は続けた。「貴女は従う側の人間だ。付け上がるのもいい加減にしなさい」
イドゥヴァの言葉はまるで心に入って来ない。
何も問いに返してくれていない。何も、何も納得できない。こんな一方的な、鉄で打ちつけるような仕打ちに引き下がるなど出来るはずなど無かった。
立ち去ろうとするイドゥヴァの足を掴んで、その場に膝を突く。
「どうかお願いします。何卒、ご再考を! この仕事はあたし達こそっ」
「くどい!」
髪を垂らしていたシャニーが頭を挙げた瞬間、仲間たちは思わず飛び出しそうになった。
その額に向けて、持っていた銀の槍をイドゥヴァが突き向けたのだ。
「騎士団の決定に従えないのであれば、規則に則り全員叙任を剥奪しますがそれでも良いか?!」
完膚なきまでに剣を弾き飛ばされ、イドゥヴァから突きつけられた最終警告。
このカードを切られては、ルシャナ達には何も出来ない。
絶望さえ奪われた──震える掠れた声を漏らしながら、首折れてうなだれたシャニーを見下ろすイドゥヴァの顔に、勝ち誇った笑みが浮かぶ。
だが次の瞬間、静かに顔を上げたシャニーの口から出た最後の反抗に、彼女も、仲間たちも耳を疑った。
「……一晩考えさせてください」
「シャニー?!」
「あたしは誓ったし約束したんだ。その道が断たれるなら……考えるよ」
団長が何と言おうと、絶対に負けられなかった。
もうどれだけの人々の想いを聞いて、彼らと約束しただろう。イリアに春を必ず呼び寄せると。
もう何度、泣き疲れ、寒さに震える人たちの未来を、託されたこの手で切り拓くと掲げた剣に誓っただろう。
彼らの想いを、受け取った信を、一度背負った自分たちの未来を、こんな薄っぺらな命令一つで放り捨てるなんて出来る訳が無い。
(覚悟はもう出来てるんだッ。みんなの想いを全部掲げて切り拓き続ける! 戦って、戦って、戦えなくなるまで戦ってやる!)
今も団長を見据えてはっきりと宣言する瞳は、覚悟の青焔をめらめら滾らせる。
「分かりました。では明日の晩、しっかり考えを聞かせてもらうことにしましょうか」
槍を退くと、イドゥヴァはさっと背を向けて部屋から出ていった。
誰もいなくなった扉のその先を、シャニーは下唇を噛みながら険阻に焔を宿して睨み続けていた。
◆◆◆
一方、部屋から出たイドゥヴァは鉄仮面に歩きながらも内心は煮えていた。
あんな四面楚歌にわざわざ突っ込んでくるとは身の程知らずもいい所だ。少々知るのが早かったようだが、好都合か。
(──その目を……あの女と同じその目を私に向けるんじゃない!!)
思い出しただけでゾクっと背筋が震った。本当にどこまでも……母親にそっくりな目。
ギリギリとショルダーパッドを掴んで来た、鬼気迫る眼光が今も睨んでくるようで、わなわなした口からは辛抱できずに蔑む言葉が飛び出した。
「フン、何が、“あたしの部隊”ですか。十六の小娘が随分と粋がってくれるものですよ」
隠すことなく嘲笑った。
従う側は体さえ動けばいい。あの魔剣がようやく金を稼ぎ出すと思うと、やっとイリア連合会議での面目も立つというもの。
あそこまで言ってやれば分かるかと思ったが、あの女同様に本当にしぶとかった。
────どうかお願いします。何卒、ご再考を! この仕事はあたし達こそっ
耳障りな声、視界に入るだけで苛つくあの目。
彼女は槍を握る手を強く握り込んだ。
よく、あの場でそのまま串刺しにせず抑えられたものだ。そう、ここからしっかり彼女には稼いでもらわねば困るのだ。
それにしても、本当におかしな奴だ。あの女は、一体何と言った?思い出しただけで嘲笑が噴き出した。
────あたしは誓ったし約束したんだ。その道が断たれるなら……考えるよ
「面白い事を。この程度の事で、騎士としての命を懸けるというのですか?」
それがどれ程に馬鹿げているかは、止めようとした同僚の反応を見ても明白だ。
「いいでしょう。……──その目、あの女の目と同じその焔を消し去ってくれる!!」
勝手に天馬から飛び降りていくような笑止の沙汰ではないか。
もうあと一日で全てが終わる。そう考えれば、後は何もせずに放っておけば済む。
武器無く宣戦布告した愚かな部下。決定的な未来に安堵したかのように、天馬が空に飛びあがった。
今回は会話の前後の改行を無くしてみました。
読みにくいかな?