『舞、シタラ、ジニー、直ちに撤退し本艦付近で警戒に当たってくれ!これは異常事態だ!』
あの時のことを思いだし、目が覚めてしまう。何が警戒だ。本当ならあの3人だけでも逃がすべきだったのではないか。強襲艦を必要とする距離の極地から、補給無しで東京シャードまで帰還できるかは随分怪しいものだが、それでも未知のコロニーに閉じ込められて、そこで生涯を終えてしまうよりずっとマシな賭けだったろう。ヴァイスに襲われたものだと思って引き戻してしまったが、実際はそれよりもっと未知のエイリアンの舟だったのだ。誰か一人でもこの舟の情報を持ち帰れれば、救助だって期待できたはずだ。何がアウトランドの英雄だ。指揮でミスを冒せば即座にこのザマだ。
もとより不必要に持ち上げられているみたいであの称号は嫌いだったが…これではっきりした。しくじればただの凡人だ。ピーターの法則とあるように、人はしくじるまで無能である事に気付けないのだ。悔やんでも悔やみきれない。
それでも、それでもだ。後悔と同じくらいに、彼女達の生存を諦めきれない。そのためには一分一秒でも早く行動を起こし、版図を広げ、捜索を始めなければならない。彼女達は確かにか弱いが…それでも逞しさも備えているはずなのだ。だから…
◆ ◇ ◆ ◇
しまった!鞍を作るための皮を集める際にできた余剰の肉を焼くのが間に合わず、だいぶ腐らせてしまった。グズグズに腐って色まで変わって、これではとても食べられそうにないが…それにしてもグズグズだな…腐敗物でさえなければ軟膏とかにできそうくらいなのだが…と考えた時、ティンと電球が閃いた。
例の黒い果実…インプラントによるとナルコベリーと言うらしいそれをすり鉢で混ぜると、緑色のゲルと言うべきかペーストと言うべきか、とにかく保水性抜群の物体が出来上がった。プラットが生成するペーストにそっくりだったからとつい混ぜてみたが、どうにも正解だったらしい。逆にプラットが体内で何をやってるのかが怖くなってきたが、とにかくこれで代替できるようだ。しかしだ、ラプトルはこれを矢に塗れば良かったが、もっと図体のでかい生物はそれを何本と刺さねばならないだろう。そしてそんな事をすれば生け捕る前に死んでしまうのは目に見えている。…やってみるか、濃縮…
とりあえず仮設の作業場に干し台を設置し、出来上がった麻酔ペーストの水気を飛ばしてから、更に腐肉で捏ねる工程を行ってみる。こうも腐敗物を捏ねていると人としての尊厳が損なわれていく気がするが、致し方ない。
結果から言えば、現状5倍、ベリー換算で25房分までは上手く行った。欲張ってそれ以上を試そうとすると、もうドロドロで重く、矢に塗ったりなどの実用に堪えないのだ。恐らくは、蒸留などもっと高度な化学設備を利用できない事にはこれ以上は無理だろう。
しかし、5本の矢を使う所を、1本で済ませられるのはあまりにも大きな進歩だろう。交戦時間を短くし逃げるリスクを抑えたりできるのはもちろんのこと、その分目標に与える外傷が少なくなる。その分ナルコベリーの消費が激しくなるのは難しいが。
◆ ◇ ◆ ◇
試し撃ちをするべくチャーリーに乗り高台から東に下り海岸沿いに散策していると、近くの茂みから出た。スピノサウルス…にしてはなにか違う気がする。二日目に見たそれはもっと低姿勢で尾が太く長かったのだが、今出くわしているものは尾が細く短く、後ろ脚が長く身体を起こしてバランスを取っている。個体差で説明できるか怪しい差異だった。
などと呑気に分析していられるのが、一番の差異かもしれない。なんとこいつ、見るからに肉食であるのに目の前のチャーリー及び自分を襲おうとはしないのである。しかし、麻酔矢を打ち込んで昏睡させようとすればそれよりも早く奴の怒りで八つ裂きにされてしまうことだろう。
攻めあぐねていると、目の前のスピノサウルス?が突然目の色を変え、咆哮しながら駆け出した。その方向にはディロフォサウルスが頑張って仕留めたらしきドードーの死骸があったのだが、それを食おうとするディロフォサウルスを薙ぎ払うとドードーの死骸を横取りし、ついでに殺したディロフォサウルスにも食らいついているではないか。どうやらこいつは根っからのスカベンジャーで生体には興味が無い、ということらしい。
食性が違うなら別種であることを確信するも、やはり奴を眠らせるのが難しそうな事には違いない。いや待て、そもそも眠らせる必要があるのだろうか?
思い立ったが吉日、早速そいつから離れた所に単独でいるトリケラトプスを見つける。この麻酔矢は飼い慣らすためではなく!
チャーリーの機動力もあってか、矢を弾くフリルを避けて胴体に数発当てることに成功し、その数発でトリケラトプスが昏睡してしまう。我ながら恐ろしいイノベーションをしたものだと思いつつ、そのままチャーリーをトリケラトプスに喰らいつかせ、仕留める。手短に解体を終えると、わずかながらに上質な霜降り肉が手に入るのだ。鳥に近い恐竜の霜降りとはどんな味か気になるところではあるが、自分達が食べるためのものでは無い。
この美味しそうな肉であれば、あのスカベンジャーの興味を引く事ができるだろうか。殺してでもうばいとる、とならなければいいのだが。
早速これ見よがしに霜降り肉を掲げ、奴の周りを駆け回る。バカバカしい絵面だが、こっちを見た!
「どうだ…食うか?」
霜降り肉を差し出すと、腕ごと食いそうな勢いながら器用に肉だけに食らいつく。するとまたそっぽを向いて歩き出す。こいつ!と思うと、インプラントから情報が。今ので奴は満腹になってしまったらしい。なら仕方ないか、腹ごなしをしてもらうまで待つしかあるまい。
奴の散歩に付き合い続け、腹が減ったら食わせてやるのを繰り返して半日。もう肉が無いというのに奴がこちらへ着いてくる。まさかと思ってインプラントをかざすと、情報が開示されている!どうやら飼い馴らせたらしい。オキサライア…聞き慣れない名前だが、確か南米で発見されたスピノサウルス科の恐竜だったか。
どうもこのオキサライア、死体の消化に相当なエネルギーを消費するという矛盾した生態を抱えているらしく、それ故に自ら狩りをしないようだった。しかしその分栄養の吸収率と代謝は良いらしく、死体を食らうとたちまち傷が癒えていく。
何はともあれ、初めての大型肉食恐竜だ。仮にこいつに乗る事ができれば、例のデイノケイルスを除けば怖いものなしだろう。早速鞍の製作に取りかかれ…
無かった。皮と藁と木材だけではとてもではないが大型肉食恐竜の鞍なんて無理だ。座席を固定するにはもっと頑丈なパーツとなるもの…金属が必要だ。
◆ ◇ ◆ ◇
石を採掘していると、時たま鈍い光沢を放つ石が出てくることがあった。たぶんこれが金属の鉱石だろう。しかし、焚き火程度の火力ではうんともすんとも言わない。作業場に石で炉を組み上げ、試しに精錬してみることにした。狙い通り、金属が融け出し、インゴットを得ることができはした。
しかし、これまで数日間採石を続けて、ようやっと数十本の延べ棒なのだ。これだけの量があればオキサライアの鞍は作れるだろうが…今後どうする?
答えは決まっている。戦えるオキサライアを足掛かりにして、もっと資源を得られる土地を探すしかない。残念ながらこの拠点とは短い付き合いになるだろう。セルフ賽の河原である。
善は急げ、今度こそ鞍の製作に取り掛かろう…
◆ ◇ ◆ ◇
オキサライアに試乗しているが、どうにもこいつは水陸両用の万能選手らしい。デカい図体に反して、走る速度も泳ぐ速度もとても速い。しかしそれは身体の軽量化を意味していて、実際のところその大きな口と爪はハリボテに近かった。決してその威力は低いものではないが、正直強力と呼べるものでもない。
その大きな図体は無用な喧嘩を売られずに済むための威嚇で、スタミナと攻撃力の不足から能動的な狩りのリスクが高く、スカベンジャーと栄養吸収率の特化で今日まで生きてきた…という具合だった。
というと酷評しているように見えるが、その栄養吸収率が尋常でない。殺した敵を喰らえば傷が癒えていくから、身体を休めるインターバルさえあれば継戦能力は眼を見張るものがあった。つまり、キャラバンにもってこいの人選である。こいつに出会えて良かったと心から感じるぐらいだ。
そうだ、名前は…由来まんまだがオシャラ、としておくか。神の恵みに相応しい名前だ。
さて、荷物をまとめて、キャラバンを進めることにする。現在拠点のある台地から見渡す限りだと、西は木がまばらに存在する海岸で、その先には海が広がっていて、東には木々が生い茂る丘があり、木々の向こうには何があるかわからない。となると、鉱産資源を求める以上東の丘の方が良さそうだ。南は、かつて自分が流れ着いた場所であり、つまりは海しか無い。いずれ用は生まれるのだろうが、今はその時では無い。
二日目にスピノサウルスを目撃し、昨日はオシャラを飼い馴らした入り江を東に越える。入り江にピラニアがひしめくのも変な話だが、オシャラが薙ぎ払うおかげでプラット達もゆっくり泳いで渡ることができた。森の前まで到着したが、正直森を突っ切るのはリスクしかないだろう。攻撃性の高い生物の奇襲にあえばひとたまりもない。入り江の砂浜沿いに更に東へと進み、どうにか侵入口を見つけた方が懸命だろう。
砂浜は意外と生態系が豊からしく、オシャラ並みに大きな図体ながら脚と首が針金みたいに細く敵意を示さない獣脚類、ようやくお出ましした肉食恐竜と聞いて浮かべるような肉食恐竜らしい体型の、攻撃的な中型肉食獣脚類。やけに甲羅が刺々しい陸亀、そして大きなワニと見ていて飽きない彩りだ。喧嘩を売られてオシャラで対処するのは骨が折れるが、チャーリーでは返り討ちになってしまうので、参戦させられない。
そうして回り込むと、入り江から河川、そして沼地に繋がる一本道を見つけ、丘を覆う森林の麓にまたしても小高い台地を見つける。あそこならば、下の魑魅魍魎に構うことなく休む事ができるだろう。もっとも森林の先に何がいるかはわからないのだが…
上までチャーリー達を運ぶと、新たな小屋を建てる。今度は森が目の前なので、材木の調達が捗りすぐに小屋が建った。荷物を小屋にまとめると、再びオシャラに乗り丘を登ることにする。幸い台地と森の間には隙間があり、そこから丘へと出られそうだった。西側からでは見えなかったが、ここの東側は意外と禿げていた。
◆ ◇ ◆ ◇
見つけた。こんなにも近くにあったなんて、今までの数日間は何だったというのだ。鉱石と同じ鈍い輝きを放つ岩塊が、丘の上には夥しいほど存在していた。試しに採鉱してみれば、たしかにあの鉱石と同一の破片となった。これだけあれば石器時代におさらばできる!そう思って採掘を続けていると、西の入江側の森から、赤い靄のようなものが見えた。まるで何かが燃えているかのように、細かな発光する粒子が舞っている。
その粒子を放っているのは、羽毛に覆われた黒い体表に赤い模様が入った、長い爪を持った前肢を持ち後脚は短足の大きな獣脚類…今度こそテリジノサウルスだろうが、他の恐竜と違って何故光っている?そして奴は、こちらを見るやいなや爪を振りかざして突っ込んでくる…やるしかないのか!
戦闘に特化しているわけではないとはいえ、オシャラは今の3体では最もタフなやつのはず。だのに、奴の爪を数発食らっただけで既にインプラントから危険信号が放たれる。オシャラは一心不乱に自らの爪で応戦し、少しでも奴を森へ押し戻そうとしている。まるで逃げろと言わんばかりに。サクリファイスという言葉がある。群れで過ごす野生動物には、外敵に襲われた場合群れの中の一匹が決死の応戦を行い、他の仲間達が無事に逃げる時間を稼ぐ、という習性があるという。…すまない、俺は生きなくてはならない…!
オシャラから飛び降りると、脇目も振らず東の麓の台地まで駆ける。あの光る恐竜は何なんだ!?仮設の小屋が視界に入ると同時に、インプラントからオシャラの死亡通告が為される。短い付き合いだったが、オシャラの死を悼むと同時に、最大の戦力を失い西には奴が陣取っていることで、以前の拠点には逃げ帰れなくなったことを悟った。
どうやらあの仇敵の名前は"アルファ・テリジノサウルス"らしい。アルファ…つまり群れの長を示す言葉だ。一際強いということだろう。気になるのは、"アルファ"とわざわざ付くからには他の恐竜とは区別されるものであるらしいことだ。まあ恐竜が発光していたなんて聞いたこともないし、野生動物にしても何か人為的な強化が施されている…そう見たほうが良いだろう。どうやら本当にこの島は我々を生かして帰さないつもりのようだ。
奴がこのまま東に進んできた時が一巻の終だ。そうなる前に手立てを打とうにも、そんな強化されている生物相手にかなう存在などいるのだろうか?
◆ ◇ ◆ ◇
オシャラに乗って来たときには見なかったが、川沿いにテリジノサウルスに似たフォルムの恐竜を見かけて寒気がした。しかし、そいつは奴と比べると一回りも二回りも小柄でかつ華奢で、何より攻撃的でないようだった。恐る恐る近づいてみても、全く意に介さない。こうして見ると、チャーリーよりも若干大きい、というくらいの背丈しか無い。オシャラよりもデカかった奴とは大違いだ。通りがかった野生のラプトルがそれに目をつけたらしく、飛びかかろうとしたときだった。
この恐竜が爪を振るい、噛み付いてきたラプトルを両断したばかりか、巻き込んだ近くの岩まで切り裂いてみせたのだ。人は見かけによらないとはよく言うが、斬れ味だけなら奴さえも上回るかもしれない。そんな期待を胸に秘めて、この恐竜を飼いならそうとするが、あんな威力の爪では麻酔で挑むのはだいぶリスキーだろう。折角の濃縮麻酔だが、出番がとにかくない。
噛みつかれた傷を癒やしたいのか、そいつは近くの崖にある蜂の巣をじーっ、と見つめている。そいつが見つめるまでこの空間に蜂が存在するなんて知らなかった。…蜂蜜が欲しいのか。そうか。…やるしかないか。
崖とは言うもののどうにか登れる勾配で、蜂の巣に辿り着くと同時に巣を掴み、自重で引き千切る。落下の衝撃に呻いている暇はなく、当然怒った蜂がこちらへと突っ込んでくるのを全力疾走で振り切ろうとするも、背中に鋭い痛みが襲う。だが怯んではいけない。このままあの恐竜の元へとたどり着かねばならない。喧しい羽音を背に、どうにかこうにかたどり着く。
「欲しかったんだろ!取ってきてやったよ!」
と半ばキレ散らかしながら押し付けると、本当にそうだったらしく彼は蜂を追い払い、蜜を美味しそうに食べながらこちらへと振り向いてくれた。これで飼いならせたらしい。…どうやら彼はセグノサウルスのようだ。テリジノサウルスの近縁種で、テリジノサウルス類は食性が謎だったが…蜂蜜が好物だったとは。にしても体中痛い。蜂に刺されたせいだ。どちらにせよ痛みが引くまでまともに動けないだろう。セグノサウルスを連れて小屋へと逃げ帰ると、痛みが引くまで蹲ることにした。…インプラントが示すには、どうもこいつはセグノサウルスの中でも特に練度の高いエキスパートな個体らしい。尚の事、期待が高まった。こうして苦しんだ甲斐があってほしいのだが。
◆ ◇ ◆ ◇
一晩眠ると、すっかり痛みも引いて、動けるようになっていた。どうもここに来てから回復力が異常だし、腹が空くのも恐ろしく早い…インプラントとともに何かを施されたのだろうか?早速セグノサウルスの鞍を作るとしよう。名前はセギーとでもしよう。こうもあっさり命が失われた後だと、名前を真面目に考える気力すら失せる。愛着なら彼が生き延びてくれてから湧くことだろう…このくらいドライにならないとやっていけない気がする。
幸い、昨日必死に持ち帰った鉱石から十分な金属が精錬でき、セギーの鞍は滞りなく制作することができた。少しばかり資材を余剰に使って多少頑丈に仕上げる。すぐあの化け物にぶつけなければならないのだ。できることはやっておいた方がいい。
◆ ◇ ◆ ◇
奴を倒すために丘を再び登る。体格差は絶望的だが、こちらは爪の鋭さでは勝っている。勝ってくれなければ困る。どうにか倒さなければ…。セギーはオシャラより小さいから、鞍から見る奴は余計に大きく見える。敏捷性も強化されているようで、不気味な足運びで俊足を実現していた。こいつは自然に居て良い生物じゃない。まるでボスキャラとして用意されているような、常勝不敗を体現する被造物だと感じた。
懐に飛び込み、セギーの爪を早速差し向けるも、奴の分厚い腹の羽毛がマントの役割をして、なかなか致命傷につながらない。奴の爪も剛力と言うべき代物で、ある程度装甲化した鞍の上からでも手痛い打撃を与えてくる。しかし、オシャラの時よりもずっと、勝負になっている。なんとも複雑な気持ちになる。
戦いが長引くにつれ段々と、まるで山犬で羆に歯向かうような無謀のようである不安がこみ上げてくるが、見込んだ通りセギーの異様に鋭い爪は奴の羽毛を徐々に剥がし、血の滲んだ肌をあらわにしていく。セギーももちろんただではすまず、あちこち流血まみれだ。しかし、相手も後少しなのだ。今とどめを刺さなければ!
「行けーっ!」
掛け声を出すとセギーが両腕を突き出し、あらわになった腹に爪が深く突き刺さる。大きな叫び声をあげて、奴も頭を思い切り振り上げて、今にも振り下ろさんとしている。しかし、それよりも早く、セギーの両腕が奴の腹を引き裂いた。
奴が頭を振り下ろす頃には、奴の絶命は決定していた。息絶えつつある最後っ屁であった故か、結局啄まれるも背を大きく裂かれるのみで済んだ。決して"のみ"ではない気はしたが、この際致命傷でもなければいい。脊椎にも問題は無さげだ。止血は困るが、また肉を食って寝れば治る。そんな気がした。
結局奴の亡骸は全長16m近い巨体だった。元よりデイノケイルスとかは自分の知ってる情報よりも大きかったが、これは自分の知ってるティラノサウルスよりも大きいことになるぞ!もっと詳しく調べたかったが、セギーが亡骸を解体してしまった。しかし、これは大金星だ。しばしの間、丘の自由を勝ち取れたのだ!
◆ ◇ ◆ ◇
恐ろしいことに、このテリジノサウルスの肉はほぼ霜降り肉だった。どんな体の構造をしているのだろうか…。これもアルファとかいう類の特徴なのか?そして、こんな巨体から取れる肉をすべて焚き火で焼き上げられるわけもなく、無慈悲にも富栄養な肉はすぐさま腐っていく。だがそれでも、十数切れほどは調理に成功した。仇敵の肉は…脂が乗っていて、噛めば噛むほど旨味も染み出して凄まじく美味だった。脂っこい鶏肉と言うべきか、食感の良さと濃厚な風味を両立していると言うべきか。…何を大怪我を放置して食レポなんざやっているのだ自分は。
それにしても、ほぼ全身霜降り肉というのは、クジラのような水棲生物でも、マンモスのような寒冷適応の結果でも無さ気なのに、不気味だ。やはり、アルファと付く生物は何者かが人為的に強化した種類と見るべきだろう。インプラントにも判別する機能がわざわざついているということは、この処置を施した存在と、アルファという個体を生み出している存在は同一か、同一でないにせよ何らかの関係があるに違いない。
今日はもう寝ることにして、自分とセギーの傷が治ったら、再び活動を始めなければ。
◆ ◇ ◆ ◇
『うわー…ダメそうかと思ったのにあの人撃退できちゃってますね…』
『うーん…私の知る限りでは、草食恐竜がアルファになっているところなど見たことが…』
『…これも、彼の仕業なのでしょう、か…』
MOD要素入れてるので紹介もとい補足
プラテオサウルス:Additional Creatures2(以下AC2)にて追加
オキサライア:AC2にて追加
デイノケイルス:AC2にて追加
セグノサウルス:AC2にて追加
アルファ・テリジノサウルス:Creatures Upgraded!にて追加
なお通常種のテリジノサウルスも大型化し体格相応に強化される