1月末。期末テストの成績は、よつばも彰人も直志も真凛も、
揃いに揃って赤点である。
1年C組 成績順は…なお、クラスの面々である27人中。
22位 平田 直志
23位 星川 真凛
25位 小岩井 よつば
26位 東雲 彰人
神山高校の全日制は5クラスで、
(1クラスにつき、27人か28人いる)
全日制の一年生の人数は、137人いるのだが、
その中でも、とにかく下の方である。
「よつばも、俺も直志も真凛も」
「揃いも揃って、追試確定だね」
「言うなよ…恥ずかしい…」
「よーし!留年の危機が迫っている為、
スペシャルな講師を手配したぞ!」
「は?」
「今回は誰が来るんだ…」
と、やって来たのは、何故か、鳳家。
「よつば。お前、ひょっとして、アイツから教わるのか?」
「えむは、よつば達と違って、頭が良い!
期末テスト、1位を取ったらしいぞ!」
「財閥令嬢…頭良すぎるだろ…」
「という事は、えむちゃんから、教わるの?」
「おう。という訳で…えむ!」
しかし、彰人は気が付いた。
一目見てわかった事だが、何かが違うと。
そして、えむが口を開いて…
「皆さん。ごきげんよう。鳳えむと申します。
今日は皆さんの為に、テスト勉強の指導をすることになりました」
(待てよ。鳳って、こんな上品な佇まいで、
こんなに、淑やかだったか…?明らかに違和感があるぞ…?)
と、彰人には感じるが、よつばは、そうは思わず…
「えむは、すっごく、賢くてなー」
「よつばさん」
「どうかしたの?」
「よつばさん。今は皆さんが危機に瀕している時です。
わかりますか?」
「あっ、わかりました…」
と、よつばは内心ビビった。
「それでは、皆さんは、どの教科が苦手ですか?」
「俺は数学」
「俺は理科で特に生物と科学と化学」
「俺は理系全般」
「よつばは全部だ」
直志は数学。真凛は理科全般、彰人は理系全般。
そして、よつばに至っては、理系も文系もダメである。
「皆さんは理系が苦手みたいですね…わかりました。
一通り、教えられるような内容ですから、
私に任せてください」
だが、彰人はイマイチ乗り気では無かった…
(何だろうな…鳳って子、こんな上品で淑やかな子だったか?
俺の知っている鳳じゃねぇ気もするが…
何て言うか、やりづらい…)
「よつば達の留年は免れるのか?」
「みなさん、それに、よつばさんの頑張り次第です。
さぁ、みなさん。時間はありません。
私の手で留年を回避してみせます!」
「頼りになるね。えむちゃん」
「本当にそうか?」
その後、鳳家のある部屋に移動した。
大きなホワイトボードで、鳳えむが四人に対して、
神山高校の全日制の教科書を参考にしながら、
四人に説明するのだった。
(もはや、塾に行っている感覚だ…
俺自身は行った事は無いが、ダチの証言だと、そうなるな…)
と、彰人が思っていた。
後日、四人は追試を受けて、どうにか留年を回避するのだった。
よつばは後日、お礼をえむに言った。
「おい!えむ!留年回避で来たぞ!」
「それは、やったね!ハッピー!わんだほーいだね!」
「おう!わんだほーい!だな!」
よつばは心から喜ぶのだった。