元気娘の青春   作:アッシュクフォルダー

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第六話 よつばと彰人

「よつば」と自分の事を呼ぶ。

そして、その時のよつばは「本気」なのだ。

 

「彰人は…よつばと結婚するの…嫌なんだ…」

 

「はぁ…わかったよ」

 

現実逃避の為現状を冷静に分析していたが、

そんなこと考えても何の意味も無かった。

現実と向き合わないことには、

よつばを傷付けることになる。

考えろ、俺、東雲彰人!

 

「じゃあ結婚してくれるのか?」

 

「あの…だな…。…なんで俺なんだ?」

 

「………」

 

一番疑問に思っていることをストレートに聞いたが、

よつばは、唇を尖らせるだけで何も答えなかった。

 

「なんで、俺なんだ?他にも、男なんているだろ?」

 

「私が、彰人のことが好きで嫌いで、何が悪い?」

 

「まぁ…そうだけど……」

 

「彰人は…よつばのこと嫌いか?」

 

「ま、待てっ?!な、泣くな!き、嫌いじゃないぞ?!」

 

「じゃあ…好きか?」

 

あれ?好き嫌いの話しだっけ?

そうだ。こうなりゃやけだ。認めてしまおう。

あっさり認めてしまおう。あぁ好きだ。おまえの事が好きだよ。

 

「す、好きだ」

 

「女の子として?」

 

「あぁ。女の子として好きだ」

 

「へへっ…嬉しい」

 

よつばは、彰人の言葉を聞いて、

歳相応に照れた少女の表情を見せた。それはとても幸せそうだった。

その表情を見た俺は、自分の心の中にとてつもない衝動が生まれるのを感じた。

 

「よつば」

 

「なんだ?」

 

「冷静に聞いてくれ。なんで俺と結婚しようと思ったんだ?」

 

「まったく、彰人は…。一から説明しないとやっぱり駄目だな」

 

そういって、よつば立ち上がった。

 

「約束しただろ?」

 

「約束?」

 

「彰人…まさか覚えていないのか?」

 

「えっ?!」

 

よつばの表情が途端に曇る。

焦った俺は必死に「約束」を思い出そうとした。

だけど思い出せなかった。

よつばと結婚するなんて約束したか?おい!俺!何とか言え!

 

「はぁ…」

 

また溜息を吐かれた。

 

「んな、約束…したかな?」

 

「うん」

 

「逆に俺も、ため息だわ…」

 

「でも、それくらい、彰人の事、好き」

 

「おいおい、マジかよ…」

 

「あぁ、よつばは、いつだって、本気だ」

 

「はぁ…」

 

「彰人、放課後、デートに向かうぞ!」

 

「あのな!俺は、お前と違って、暇じゃねぇし!

だいたい、俺は歌の活動で忙しい」

 

「歌を歌っているのか?」

 

「あーそうだ。中学の時からだ。

それに、素人が遠足気分で行くような世界じゃない。

あそこは、ガチの歌の世界だ」

 

「観に行きたい!」

 

「そんじゃ、連れてってやるよ」

 

「よつばも行けるのか?」

 

「あぁ、当日チケット買えば、どうにかなるだろ」

 

よつばは彰人の歌が聴きたいと思った。

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