予防接種に行ったハズなのになんでVtuberになってるの?? ~地味女子JKは変態猫や先輩V達にセンシティブにイジられるそうです~ 作:ビーサイド・D・アンビシャス
「さてさてコメント欄はどう……なにこの暴走。ほったらかしにしてたリスナーさんごめんねぇ。ごめんねごめんねごめんね」
「あっ! いぅ! ひぃん!」
「ははっ! なんでレヴィアちゃんビクビクしてんの」
「そ、それ、は」
「はい、ふぅ~~~~」
「んぃぃいいいいっ⁉」
耳に吹きかけられたぞくぞくが、首筋から肩まで行き渡る。
縋るように、繋いでいたリエル先輩の手をぎゅうううっと握りしめる。
「うわっ、うわうわ、すごい手握ってるね~。手と肩すごい震えてる、かわいい~」
ハッハッと浅く息を吐く。チカチカ瞬く視界がじんわり熱く濡れる。
「レヴィアちゃんって耳……」
イヤホン越しなのに……っ! なんで……っ⁉
耳打ちされてるみたいに、リエル先輩の声がっ、吐息がっ、近づく。
「び・ん・か・ん」
「ひゃめ、あっ、やっ、あっ」
ささやきに、耳、の中っ、こしょこしょされ、て
「な・ん・だ・ねぇ~~~~」
「~~~~~~~~~~~っ!」
あったかぃ⁉ 声っ、ぬくもりが! イヤホンなのに、とどいて……っ!
「――――――かわぁいいね♡」
ちゅっ、と響いた唇の音が、とろとろの脳に届いて、爆ぜた。
――――モウイイヤ。
「レヴィアちゃんもやってみ……」
一緒にあったKU100ごと、私は先輩を押し倒す。
私の下に来た先輩が、目をぱちくりさせる
「へ? ちょっ、あれ?? レヴィアちゃん?」
「せんぱぃ……きょとんとしてる……かわぃい♡」
「あっ、そ、そのささやきは100点ねレヴィアちゃん。あの……でも、どいてくれるとたすか」
「せんぱぁい……♡ 聞こえますか? 私の胸の音、とくとくとくって」
私と先輩に挟まれてるKU100に、私は胸元を押し付ける。
私の鼓動が、想いが、先輩の耳に入ってる……っ!
[ コメント ]
・おほーーーー!
・レヴィアたんの心音サイコーですぞぉ
・でもその前凄い音したな? なんだろう?
・【キャスパー】いいぞぉ! そのまま! そのまま押し倒せぇ!
・なーーに言ってんだこのクソ猫
・妄想たくましいなぁ
「レヴィアちゃん⁉ ちょっどけ……どいてレヴィアちゃん⁉」
「あっ、せんぱいの音も聞こえるぅ♡ どっくんどっくんどっくん……緊張してるんですかぁ?」
「ねぇなんで若干、ロリ声になってるの⁉」
「かわぁいいなぁ♡ 今日会った時からずっと……かわいくてかわいくてかわいくてかわいくてかわいくて」
「瞳孔広げないでレヴィアちゃん‼ ねぇレヴィアちゃん⁉ まって! ねぇほんとにどうしたの⁉ こんなことする娘じゃなかったじゃない‼ ねぇってばぁああ‼⁉」
「先輩が……っ! 悪いんですよ、私、もう……もうっ‼ 我慢! しません‼」
「んむぅうううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううう(声にならない悲鳴)!!!!!!!!!!」
[ コメント ]
・抱けえっ‼
・抱けっ‼ 抱け―っ‼
・抱けぇええええええええええっ‼
・くそっ、じれってーな。俺ちょっとやらしい雰囲気にし
・もうなってるから帰れ!
・後輩に圧されるなよ、先輩天使www
・おっぱじめやがった!
・飛んじまうぞ⁉
・配信3回目でBANの危機
・自分のチャンネルだからって滅茶苦茶しやがる⁉
・おい止めろぉ‼ あの堕天使止めろぉ‼
・レヴィアたんがぁ生きてりゅ!
・リエルンもぉ生きてりゅ!
・推しが現実に存在する……ありがたい……
・心音たすかるぅ!
・ここは・・・天国?
・ここがヘブンズライブだ!
・【キャスパー】レヴィアたんの右乳とリエルンの左乳(はむはむ!)リエルンの右乳とレヴィアたんの左乳(はむはむ!)レヴィアたんの心音とリエルンの心音ぴったりかさねてくだすわぁ~~~~~い‼
・おいなんか汚ねぇこ〇しくんいるぞ⁉
「レヴィアちゃん! 薙ぎ払え!」
「すぅううううううううううううう」
コメント欄に湧いたクソ猫を薙ぎ払うために、私は肺がいっぱいになるまで息を吸った。堕天使の
[ コメント ]
・あっ
・アッ
・パパが受け止めてみせる!
・戻れ! パーパ!
・このコメ欄の名が! パパ髭だぁああああ‼
・総員退避ィイイイイイイイイイイイ!
・音量下げろォオオオオオオオオオオ!
コメント欄が戦場と化す。
その阿鼻叫喚を見て……私は一度だけ、慈悲を示した。
「ねぇゲス猫ぉ、今すぐブラウザバックしないと―――――――ころすよ」
[ コメント ]
・失せろクソ猫ぉ‼
・コメ欄から消え去れぇえええ‼
・【キャスパー】ヒィィン(´;ω;`)
・ころすよ頂きましたぁ!
・ぶひぃ! 屠殺してくださぁい!
・ありがとうございますありがとうございますありがとうございます!
一部感謝のコメントが流れる中、私の下にいた先輩は
「目が……ガチ……」
恐怖に震えていた。