予防接種に行ったハズなのになんでVtuberになってるの?? ~地味女子JKは変態猫や先輩V達にセンシティブにイジられるそうです~ 作:ビーサイド・D・アンビシャス
「え、え……え?」
地獄みたいな静寂に、どうしてか罪悪感で心がちくちくし始める。
え、なに? なんなのこの空気⁉
へっ、私……なにかいけないこと言っちゃった⁉
冷や汗が出始める。なんでだろう、この冷や汗に比べたら、さっきの状況の方が何万倍もマシだって思っちゃう!
「―――――レヴィアちゃん」
「っ! ステラ先輩⁉ あのっ、ごめんなさっ! 私なにかやっちゃいましたか⁉」
「いや……違うよ……違うんだ。間違っていたのは――――俺達だった」
PC上の【明星ステラ】が瞳孔ガンギマリ状態から目蓋を閉じた清らかな表情に切り替わる。
時を同じくして、星辻先輩が私に慈愛に満ちた抱擁をしてくる。
「ありがとう……っ! 無知《きれい》なままでいてくれて……‼ ありがどう‼」
「ひぅええええ? な、なんで……?」
耳元で感謝を告げられても、そのっ、何が何だか分からないし……ただくすぐったくてドキドキするだけなんですけれども。
ていうか、ぁっ、ぁのっ、星辻先輩が抱きしめてるせいでその……アタッテル。
「貴女は雪原《おとめ》。何の足跡《フェチ》もない、汚されていない純白の雪景色!」
お~~~~おっきぃぃいいいいい‼
「危うく欲望のままに踏み荒らすところだった! 足跡《フェチ》は! 自ら踏みしめて刻んでいくべきものなのに!」
や~~~~~わらかぁ~~~~~い‼
「レヴィアちゃん聞いてる?」
「え? あ」
「聞いとらんかったねぇ。まぁいいわ――――良い? レヴィア」
その時、細めた星辻先輩の眼差しは……すごく母性《バブ味》に溢れていた。
これが……ステラママ。宵月レヴィアを産み出した、イラストレーター!
「もうエチチイラストは描きません。
本当はぶっ〇けとか手〇キとかフランクフルトの影を顔にかざす構図とか描くつもりだったけれど……貴女の純白に免じて、辞めます」
「そっ、そん……な?」
[ コメント ]
・俺達は何を見せられてるんだろう……?
・なんて綺麗な声なんだろう
・ラインナップえっぐwww
・レヴィアたん、分かんないなら分かんないって言いな?
・キャスパー:そんなこと言わずに描いてよステラママぁぁぁぁあ‼ 貴女が描かなければ生まれなかったものがここにある‼
・クソ猫の断末魔www
「ただ、一枚だけ。一枚だけ描きたいポーズがあるの。それが終わったら後はもう雑談。ママといっぱいお話しよ」
パァッと私の胸の中が晴れやかになる。
もう、エッチなポーズをしなくて良い!
でも顔を輝かせた私に、星辻
「でもこのポーズはすごく難しいの。普段使わない筋肉を使うからとっても辛い。……それでもやってくれる?」
今日で一番真面目な星辻
「はい……っ! がんばります――――お母さん」
「っ! レヴィア……」
涙ぐむ星辻先輩。
けれどそれは一瞬で、涙を拭った後に見せた表情は――母親のそれではなくプロの絵師のそれ!
「それじゃあ行くわよぉ! 言う通りにポーズを取りなっさぁぁい‼」
「はい!」
私はお母さんの言われた通りのポーズを取った!
まず四つん這いになる!
次に大きく足を開きながら、腰を反らしてお尻を突き出す!
それでいて胸は地面すれすれに近づけて、顎の近くで両手を組んだ‼
……………………はれ?
「ちょいと待ってなコメット・眷属共ぉ‼
宵月レヴィアのジャック・〇ー・チャレンジ360度アングル‼
すぐにこしらえてやらぁなぁああああ‼‼‼」
「お母さん⁉ ねぇお母さん‼ 思ったよりキッツイし恥ずかしいんだけどぉ‼⁉ ぅ、くっ、ふぐぅ……ぁ、足とお尻プルプルして――――――お母さん?
なんで背後に回りこむの? えまって何してんの⁉ やだぁ‼ 見ないで‼ イヤァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!」
「あっ、ちょっとレヴィアちゃん動かないでくれる?
ほら10分キープ10分キープ」