予防接種に行ったハズなのになんでVtuberになってるの?? ~地味女子JKは変態猫や先輩V達にセンシティブにイジられるそうです~ 作:ビーサイド・D・アンビシャス
「姫宮さぁ~~ん!
昨夜、ステラ様がピクシプに上げた【レヴィアたん疑似スカートたくし上げ】と【ジャック・〇ー・チャレンジ堕天使(股間アングル)】のエチチイラスト見ようぜぇ~~~~~?」
「氏ねぇぇぇええええええええ‼‼‼」
「あふぅんっ‼⁉」
後日、いつものお昼休み、いつもの校舎裏で、私はついに三波くんの脇を抉った。
伽夜ちゃんを泣かす時のように、どれだけ体をくねらせても逃げられない態勢で、私は脇を抉りくすぐる‼
「女子にぃ! エッチなイラストをぉ! 笑顔でぇ! 見せないでよもぉおおおお‼‼」
「あひっ! いやっやめっすっご! 指すごっッアーーーーーーーーーーーー‼‼‼」
汚ねぇ嬌声が八つ当たりの矛先を収めさせた。
私の足元でひくひく痙攣してぶっ倒れてる三波くんが、驚愕して尋ねる。
「なっ、なぜ……ステラ様のイラストだよ⁉ 見てよ、この並々ならぬ肌の質感と肉感‼ 脇腹のぷにっと感! 内太ももの艶とちょいムチッとしたライン! まるで本物の……」
「指突‼」
「あひぃん!」
指先一突きでくすぐり、地べたの三波くんが跳ねる。
ぅうううう三波くんのっ、バカ!
眷属も星辻先輩もみんなバカバカバカバカバカ‼
イラストなら見たよ!
ビィスコードで送りつけられてきたもん!
――――すっごい私の体型にそっくりだったよもぉおおおおおおおおおおおおおおおおーーーーーーーーっ‼‼
そもそもステラ先輩もなんであんなにそっくりに描くの⁉ もうちょっと脚色してくれても罰当たらないよ⁉(主に足の太さ)
「もぉ……やだぁ」
恥ずかし過ぎて手の平で顔を覆う。
キュッと内股になって、今更遅いけど身を小さくする。
ごめんなさい皆様、ぷよ肉で限りある世界の面積を占領してしまって本当にごめんなさいぃいい……っ!
もう何回目かも分からない後悔を、手の平の内でぽそっとつぶやく。
「こんなことになるなら……もっとおやつ減らせば良かったぁ」
「ん? なに姫宮さん、ダイエットでもすんの?」
――聞こえてるんか~~い。
ちょっと目を離した瞬間に地べたから私の隣に移動していた三波くん。
瞬間移動かな!?? 私は慌てて取り繕う。
「ぃやっ、ちがうよ⁉ 決してレヴィアたんのお腹がぷにってるからって、私も気を付けようと思ったとかそんなんじゃなくてね⁉」
「え? なんで? 気にする必要なくない?」
「おっ、仰る通りです!」
ああああああああ何言ってるの私ィ!
確かに気にする必要ないじゃん、宵月レヴィアがぷにってようが、姫宮紗夜の腹肉には何も関係してない訳で……え? でも私は宵月レヴィアだよ? 堕天使のぷよ肉は私の腹肉であれあれはれ? ぁ頭こんがらがってきた。
「姫宮さん? 目が回ってるよ姫宮さん。そうなってる人初めて見たよ姫宮さん」
「そそそうだよね⁉ 太い娘は嫌いだよね⁉ ごめんなさい今度こそ我慢するから」
「いや俺が言ったのはそういう意味じゃなくて」
目を丸め、首を傾げて、当然のことを話すように。
「お腹がぷよってようが、レヴィアたんは推す。これは、確定事項だ」
三波くんはさらりと言ってのけた。
私はその表情に、言葉に、息を呑んだ。
「な、なんで? だ、だって」
「そんなん宵月レヴィアだからに決まってんじゃん。それよりここ聞いてよ!
クレア様に寄せ乳レクチャーされて、レヴィアたんめっちゃ困惑しててさぁ!」
「ぅ……うん」
真っ白になった頭を、こくんと縦に振る。
またいつもの、三波くんの推し語りが始まった。
私は呆然と、それに耳を傾けていた。
「ていうかレヴィアたん、もうちょい太ってくれないかな。
そしたら限りある世界の面積の中で宵月レヴィアの質量が増加する。そうすれば眷属達の幸福度指数が増加し……」
速攻で後悔した。もっかい痙攣させた。