予防接種に行ったハズなのになんでVtuberになってるの?? ~地味女子JKは変態猫や先輩V達にセンシティブにイジられるそうです~ 作:ビーサイド・D・アンビシャス
私は傲慢な堕天使私は傲慢な堕天使私は傲慢な堕天使ブツブツブツブツ…………。
待機画面の前、必死にそう言い聞かせた私は今――――――――
[ コメント ]
・なんて?
・も一回言ってみ
・か、かいこ……なんだって?
・よく聞こえないなぁ、おかわり
・声上擦ってるの可愛い
コメントの総ツッコミに、顔真っ赤で悶えていた。
「言わないよぉ‼ あぅぅうううう何がおかわりだよぉ……しっかり召し上がってるじゃんかよぉ……可愛いってなんだよぉ~~恥ずかしいよぉ~~~」
[ コメント ]
・かわいい
・カワイイ
・可愛い
・カワ(・∀・)イイ!!
・KAWAI
「ちょっ、なんで……恥ずかしいって言ってんじゃぁん⁉」
あれ私、日本語間違えた⁉
可愛いという言葉に溢れるコメント欄に、私のメンタル限界。
助けを求めて、伽夜ちゃんの方を振り返る。
すると既にカンペに指示が書かれていた。
さすが妹ぉ!
私はカンペの通りにまた読み上げる。
「ほ、褒めて遣わす! わら、わりゃりゃをっぱりゃぱりゃっぱ!」
[ コメント ]
・噛んだーーーーーーー!
・盛大に神田
・転がり落ちるような噛みっぷり
・ゴロンゴロン!
・なんて?
もぉぉおおおおお伽夜ちゃぁーーーーーーん‼
私は一人称を『妾』に設定した伽夜ちゃんを恨みがましく睨む。
こんなの噛むに決まってんじゃぁん!
でも今はそれどころじゃない。
ンッンッ、と咳払いで恥ずかしさを消し飛ばす。
「……妾じゃ。高貴な存在たる堕天使だからこそ、一人称まで厳かに……」
[ コメント ]
・ぬるっと言い直してんじゃねぇ
・仕切り直しざっっつwww
・わりゃりゃカワイイ!
・わりゃりゃ様ぁ~可愛いよぉ~
「そんなに言わなくても良いじゃあん⁉ な、泣いちゃうぞ⁉ 妾泣いちゃうぞ⁉ もうとっくに涙目なんだからな⁉ 後、わりゃりゃ様じゃなぁい‼ かわいくなんてない! もぉ~~かわいい禁止!」
[ コメント ]
・いとあはれ
・あはれあはれ
・げに愛らしき天使なり
・愛い少女ぞ
「え? あ……みんな賢い。え、いや普通にすごい。妾の眷属、天才では?」
思わず素でびっくりした。
かわいい禁止に応えてくれたのもそうだけど、かわいいと同じ意味の言葉こんなすぐさま言えるなんてすごい!
私はマイクの前でパチパチパチと拍手した。
そしたら
[ コメント ]
・めっちゃ褒めるやん
・やめろ拍手するな、恥ずかしい
・やだこの子、すごい褒めてくれる……
・もっと褒めてくださいお願いします!
わぁぁぁ……コメント欄が、『褒めてほめて』とすごい勢いで流れていく。
こ、これ一人一人が言ってるんだよね……このコメントの一つ一つの向こうにいる人の顔をぼんやり想像した途端――――じわぁって、暖かい気持ちが芽生えた。
胸の中、ずっとドキドキしてたけれど……たった今それだけじゃなくなった。
「み、みんな……すごいなぁ! さすが、妾の眷属! えらいなぁ!」
大丈夫かな、ちゃんと言えたかな、ちゃんと聞こえたかな。
目元を拭いながら、声が震えてなかったか心配になる。
ちゃんとやりきろう。楽しんでもらおう。
そう思えるように、今なった。
……って言っても何すれば良いの⁉
そしたらコツン、と後頭部を小突かれた。振り返ったら伽夜ちゃんがマジックで書かれたカンペを指さしていた。
『自己紹介。あと、挨拶やりなおし。普通に初めましてから』
言わされた言葉じゃない。
私自身の言葉で言えと、伽夜ちゃんは既に背中を押してくれていた。
「あ、あー、えと、その……今更であるが、あ、改めて。は、はじめまして。
よ――宵月レヴィアである。よ、よろし、く頼む!」
バクンバクンうるさい心臓のせいで、つっかえつっかえだけども。
今、この時、ようやく私の中で『宵月レヴィア』の自覚が芽生えた。
[ コメント ]
・やっと名前言ったよこの子
・ふぁははが実質名前
・宵月ふぁはは
・わりゃりゃ様でもある!
・こいつ何回PONすんだろう
・マイクミュートしてなかったからな
・私は傲慢な堕天使って言い聞かせてたの可愛かった
・逃げちゃだめだ逃げちゃだめだ逃げちゃだめだ
「――へ? 聞こえてたの? 私は傲慢な堕天使って? え? うそでしょ?
だって……マイク、ミュート………ふぇええええええええ」