予防接種に行ったハズなのになんでVtuberになってるの?? ~地味女子JKは変態猫や先輩V達にセンシティブにイジられるそうです~   作:ビーサイド・D・アンビシャス

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リベンジ記念歌枠! 始めッ!(――〇に落ちる音がした)

「音源よし、配信画面よし、ライブ2D良し、お姉ちゃん良し」

本人(それ)チェックいる?」

 

「何言ってんの! 魂いなかったら全部おじゃんになるでしょうが!」

「それはたしかに」

 

押し入れの中で配信準備を終えた伽夜ちゃんが、怒りながら四つん這いで出てきた。

音量調節は配信中に微調整していくとして……私は伽夜ちゃんお手製の葛湯を飲む。

 

 暖かなとろみが喉にじんわり広がる。

 

「準備できてる?」

「いいよ」

 

 コツンと、妹の小さな拳と軽くぶつける。

 入れ替わって、押し入れの中に四つん這いで入っていく。

 ふすまが閉じられて暗くなった押し入れの中に、ブルーライトが浮かび上がる。

 

 配信台上の照明スタンドを付けて、配信開始ボタンを押して――頬を吊り上げる。

 

「ふぁーはっはっは! 待たせたな眷属達! さぁ、邂逅を告げし鬨の声を上げようぞ! こんレビぃ‼」

  

[ コメント ]

・は?

・は?

・は?

・ハ?

・はぁ? 

 

「ねぇ~~~~復帰早々それはひどいってぇ~~~~~~~!!!!」

 

[ コメント ]

・どうしたんだいレヴィア

・ひどいこと言われたのかいレヴィア

・パパ(眷属)きちゃああああああ

・もうファンネ、パパで良くない?

 

「良くないよぉ‼ 貴様らは妾の眷属ぞ⁉ もう少し距離感を考えて!」

 

[ コメント ]

・距離感……靴下は分けておくね

・うちの娘とおんなじこと言ってるぅ!

・もう浸食されてない?

・俺がパパだ!

・パンツも分けろ、パパ共!

 

「んっ、んんっ! それで、えーと始める前にまずは……言っておかなければならない。Bwitterでも事務所から公表されていたのだが、改めて。前回の配信で号泣してしまって、みんなをたくさん心配させてしまいました。――本当にごめんなさい」

 

[ コメント ]

・もう大丈夫なの?

・無理しないでね

・しっかり治るまで休んでね?

・気にしないでもろて

・好きにやってくれ

・ついてくから

 

 あぁ……。

 笑みがこぼれる。

 

相変わらず眷属達(みんな)のコメントは妙に辛辣で、妙に変態で――妙に優しい。

 

「ありがとう……ありがとうね、みんな―――ということで‼ しんみりしたのはもうおしまい! 祝いそびれた10万人記念‼ リベンジ歌枠‼ 始めていくのじゃあああああああああーーーーーーーーーー‼‼‼‼」

 

 コメント欄に、ペンライトのスタンプがたくさん流れる。

 カチカチとクリックして、伽夜ちゃんが用意してくれた音源を再生する。

 流れるイントロ、察した眷属達がコメントを加速させる。

 

「 それでは最初の一曲目! 歌おうと思う――――――『メ〇ト』‼ 」

 

 校舎裏、胸にしまった。

 飴玉みたいに甘くて、ビー玉みたいに煌めく秘密が……溶けてしまいそうだったから。

 歌声に、溶け込ませた(想いを込めた)

 


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