予防接種に行ったハズなのになんでVtuberになってるの?? ~地味女子JKは変態猫や先輩V達にセンシティブにイジられるそうです~ 作:ビーサイド・D・アンビシャス
おちつけ、おちつけ、おちつけ。
ぴょこぴょこ屈伸して煽られてるけどぉぉぉぉ……おちつけぇ。
ふぅうううう、と息を細く吐いて、私はリスポーン地点から再出発!
あいつのインクで汚れたステージを私色に戦場洗浄♪
「あれぇ~どこ行ったのかなぁ~? でーておーいでー♪」
そうゲームは楽しくやるべき。
私の笑顔をキャプチャした【レヴィアちゃん】がニコニコと爆弾を投げる。
そこかしかにインクの爆風が吹き飛び、彼奴の汚らわしい白インクを塗り潰す。
「ほらぁ~? どこに隠れてるかなぁ~にゃんにゃんどこかなぁ~おらぁ~~~?」
あっ、ついうっかり語気が乱れちゃったわ!
いけないいけな――――
視界の隅で、かすかにインクの水面がさざめいた。
「そこだぁあああああああああああ!!!!!」
ドドドドドドドドドドドドドドドドドドッッッッッッッッ‼‼‼ と硝煙が香ってきそうなほどの弾幕をぶち放って。
『ほいっとな』
裏から回り込んだキャスパーが、私のイ〇娘ちゃんの体を爆発四散させた。
「んっっっっだぁああああああああああああああああああああああああ!!!!!」
『あんれれれ? れれっ⁉ ヘブンズライブ最強ってぇ、この程度ですかぁ? あれっ⁉ れっれれの、れ~~~~????』
「ヴぅ~~~~~~~~~~~‼‼‼ ヴぅっ! ヴぅぅぅぅぅぅうぅぅ!!!!」
『あーーわかんないわかんない。僕ちん猫だぁから負けワンワンが何言ってるのか分かんないんだなぁ~~~』
「ころす……ころすころす、じぇっっったいころしゅぅぅううううううううううう!!!!」
『はい無理でーす! もう無理でーす! だって三本終わったモーン! ねぇ? 分かる? 5本勝負♡ 僕は3勝♡ 残り2回、君が勝っても……どうなるかな? 言ってごらぁん♡』
「うーざーいいいいいい! やぁぁぁぁぁだ! やぁぁあぁあああだ!
やああああああなのぉおおおおおお!! も一回! もう一回もう一回もう一回ぃいいいい!!!!」
【 コメント 】
・ガキwwww
・駄々こね助かる
・ナイスだぁクソネコぉ!
・分からせできるのはお前だけだ……
「 どぉじでぞんなごどいうのぉおおおおおーーーーーー⁉⁉⁉⁉ 」
私のリスナーなのに! 私の眷属なのにぃ! どぉおおおして私の味方してくれないのぉ⁉‼
そんなズタボロの心に、キャスパーのしゃくれ声が塩みたいに塗りこまれる。
『いやー、ねっ! ステラちゃんとクレアさんから、ねっ!
ディスコ来た時は、ねっ! びっくりしたけど、ねっ! 急に『あのメスガキぼこぼこにしてほしい』って、ねっ!』
「うーーーるーーーさーーいぃっ! 聞き取り辛いんだよぉ‼」
『まぁー満足してもろてぇ……良かったぁ、ねっ!』
「ぅっ、ェェェェ~~~ン(号泣)今までっ、まげてながっだのにぃぃぃぃ~~‼」
『はぁーいそれじゃあ約束通り教えてもらいましょうかぁ♡』
そう言ってキャスパーは
『――――おパンツゥ…………何色ダァイ?』
「キモイ死ねェッ‼」
無駄にイケボっぽく言うなっ、バカァ‼
私はスカートを見下ろして、唇をもにょもにょする。
やだぁ……っ! 恥ずかしい!
でも言わなきゃいけない……どうしようと悩んだその時――――私は閃いた。
この質問を乗り切る方法を!
ふふん、と鼻を鳴らす。
「いいよぉー。答える答える」
「おっ? やけに潔いですなぁ。まぁ良いでしょう! それでは眷属どもぉ! 僕を褒め称えろぉおおおおお‼」
キャスパーが煽って、コメント欄がうおおおと盛り上がる。
その賑わいっぷりが、秘策を携えた私には可笑しくて仕方なかった。
そして答えた。
「――虹色ダヨォン」
「………………………………………………………………………………〝アァン?」
「あっ、茶色だったかなー? あっトラ柄だったー。はい答えたー妾もう答えたモーンはいおしまいー配信おしまいーグッバイ
「なんだァ? てめぇ……」
へーんだぁ! そんな怖い声出しても駄目だもんねぇー! だってキャスパーも眷属もみんな確かめよう無いもんねー!
へっへーんだ! コメント欄には『このクソガキ』って言われてるけどかんけーないもんねーーだ!
私は勝利を確信し
「おじゃましまーす」
「あっ
クレア先輩を我が家に歓迎する妹の声を聴いた。
――――って、ぇ?
キャスパーの重いため息が真っ白になった頭に注ぎ込まれる。
『残念だよ、レヴィア。この手段は取りたくなかった……残念だ……無念だ』
「ま、まって? ねぇまって⁉ 教える! 教えますぅ! 黒です! 妾のおパンツ黒ですぅ! だからおしまい! もうおしま」
スゥゥゥゥゥっと、押し入れの引き戸が開けられる。
びっくぅと跳ねあがった肩越しに……振り返れば……そこには……っ!
「レーヴィーアちゃんっ♬」
引き戸の隙間から、ピンク色にとろけた眼球がニマァと楽しそうに歪んだ。
「 めーくりーましょ♪ 」
※
「いやあああああああ!」
「ほんとだ黒だー♡ えーでもかわいい~~~レースついてるぅ~~~♡」
「ねぇーーーーやだぁーー! ごめんなさいごめんなさいもうしませんからぁ!」
「ん? あれ? 尻になんか……ちょっ、転がれ宵月! ほらコロンして!」
「やーらぁやらぁ! やめてぇぇええええええ!!!!」
「あっ、クロ〇ちゃん! お尻にク〇ミちゃんの柄入ってるぅ♡ カーワーイィー! サン〇オ案件まったなしぃ!」
「ひゃんっ⁉ 撫でたぁ! いまお尻撫でたぁ! バカバカ先輩のバカエッチスケッチワンタッチィィィィ‼‼‼」