予防接種に行ったハズなのになんでVtuberになってるの?? ~地味女子JKは変態猫や先輩V達にセンシティブにイジられるそうです~ 作:ビーサイド・D・アンビシャス
『はぁ~いというわけで、本日よりデビューと相成りました【夢乃クロア】で~す。さっきはごめんねぇ、癖になってんだ王子ムーブするの。
本職は魔女なんだけどねぇ』
『なんかねぇ~すごい求められるんよぉ、あーいう感じのぉww 魔女学校でねぇ。まぁ女の子しかいないからかな~~?』
『でねー、その子達があんまり嬉しそうにしてくれるから僕もどんどん楽しくなっちゃってぇ~~……あっ、うん好き好き、人を喜ばせるの好きかも~~』
『あっ……ふふっ、いや、そのね? さっきの『もう絶対離さない』って押し強すぎたな~~ってww ごめんねぇ~無理強いする気は無いんだ』
『さっきは台詞でついあぁ言っちゃったけど……小鳥さん達ともっともっとい~~っぱいお喋りして、ゆっくり僕の使い魔になって欲しいと思ってるよ。
だから――――僕のこと隅々まで、知っていってね♡』
『Have a good Night《よいゆめを》』と、ほんわかしたお別れを告げて、クロアちゃんの初配信は終了した。
ふぅー…………。
クロアちゃんの声の残滓を堪能してから、私はゆっくりと体を起こして……もう一度深く吐息をこぼした。
「――――ごちそうさまでした」
【 コメント 】
・おぅww 良かったなww
・なんて晴れ晴れとした声……っ!
・なんか顔がつやつやしてません?
クロアちゃんの配信が終わってから、私は眷属のみんなに一言言ってから、クロアボイスを堪能していた。
仰向けで、手を組み、棺に入るポーズでクロアちゃんのほんわかボイスとイケメンボイスを脳内再生して、浸っていたのだ……。
「クロアボイスを聞く時はね? 誰にも邪魔されず、ときめいて、なんというか癒されてないとダメなの。一人で静かで豊かで……包み込まれてなきゃいけないの」
【 コメント 】
・なんか語り始めたぁ⁉
・一人でしっぽりお楽しみしやがって……
・なんて顔してやがる!
・だめだこいつもう堕ちたぞ
・「悲報」堕天使、魔女の使い魔に堕ちる
・まだ堕ちれたんすね……
「堕ちる? ちがうよ、妾はね? 契約したの。邪神に傷ついた小鳥さんが魔女の魔法で救われたの。そう、堕天使は所詮小鳥なの、羽生えてるし」
えぇいうるさいうるさい、コメントうるさい。ほんとだもん、天使は鳥類だもん。鳥判定雑なんて言うなぁ……。
「いやでもほんとびっくりした。びっくりするくらいまともだった、というかちゃんとしてた……ぅっ!」
私はたまらず口元を覆って、むせび泣く。
長かった、長かったこの一か月と一日。先輩達に振り回され、昨日コラボした同期もとんでもなくて――――でもよかった……っ!
ほんとによかったよぉ~~~~‼
「うっ、うっ……これでヘブンズライブの常識人枠が二人に……私の味方はあの子だけだぁ……っ‼」
【 コメント 】
・あれ?
・うん?
・おかしいな
・うんおかしい
・なんか勘違いしてない?
・いつから自分が常識人枠だと錯覚していた?
・チェンソーでリスナー斬り殺すメスガキは常識人じゃあないんだよなぁ……
・パパぁ♡(D〇D配信を見よう)
・逃げるな! 自分の罪《キャラ》から逃げるなぁあぁあぁあ!
「えなにそれ知らないなぁ全然記憶にないなぁ(一息早口)」
もぉ~みんなどうしちゃったんだろ? 私はヘブンズライブの中じゃ、一番まともだようんそうだよそうに違いない。
私は目をつむってコメント欄から顔を逸らして、うきうきと声を弾ませた。
「楽しみだなぁ! クロアちゃんとのコラボ! そうだ、さっそくお誘いしよう! 反応くれるかな?」
さっそくビィスコードにメッセを送ってみた。
どんなコラボにするかは決めてないけど……それはクロアちゃんと相談すれば良いよね! あっ、眷属のみんなと決めるのも良いかも?
なにはともあれ、始まるんだ!
ヘブンズライブ史に残る、最も健全な配信が‼‼
「んんんっっっっひぃぃいい‼ まぁ……っ、て! むっっ、りぃ! むりぃ! もうイケなっ! はっ……くぅ、はっ、はぁっ! やっ……らぁーーーーーっ‼」
『いいよぉいいよぉ! レヴィア先輩、輝いてるぅ! 大腿筋がライトウイングぅ! 筋肉がフライアウェイ! 仕上がってるよ仕上がってるよ、頑張る小鳥は不死鳥《フェニックス》ゥ‼‼』
だれか……。
だれか、教えて……。
リン〇フィットって―――――並走勝負するようなものでしたっけ???