予防接種に行ったハズなのになんでVtuberになってるの?? ~地味女子JKは変態猫や先輩V達にセンシティブにイジられるそうです~ 作:ビーサイド・D・アンビシャス
~~Case2.明星ステラ~~
ガチ恋距離、って知っていますか?
アバター……私の場合、『レヴィア』をおっきくズームして、唇とか目とかを配信画面いっぱいに映すことを言います。
そうしたらほら、見つめ合ってる感じになってドキドキするでしょ?
でもね、このガチ恋距離って
「ね~え、訊いてよレヴィアちゃぁん!
ひどいんだよ、二期生のクロアちゃんとマキナちゃん。あの娘達、ぜんぜんステラのオフコラボに参加してくれないんだよぉ!」
「エロイラスト描かれますからね」
「ステラは普通に誘ってるのに……どうしてあんなに警戒されてるのかなぁ?」
「ママが無理やり家に連れ込もうとするからだねぇ?」
「もぉ~~ほんっと―――絵師《ママ》に逆らうなんざほんっと良い度胸だよなぁ? 全員剥いてコ〇ケで売りさばくぞ娘どもがぁ」
「みんなぁあああああ‼ 逃げてぇええええ! モンスターママだぁああああああああ‼‼‼」
ステラ先輩が建てた美術館の前まで来たけど、そのすさまじい母性の圧(幼女Vのドス声)にさらされて私は全力で逃げた。
けれども彼女――――ヘブンズライブVtuberのイラスト全て描いてくれる神絵師《ロリママ》、明星ステラ先輩はぴょんこぴょんこ跳ねながら追いかけてきた。
「あぁ~~~ん♡ なんで逃げるのぉレヴィアちゃぁん♡ ステラはみんなのママなんだよ? さぁ、このつるぺた乳首に飛び込んでオギャリなさぁあーーーい!」
「――――その乳首に
そう、ガチ恋距離はね、映しちゃいけないもの(R18肌色)を隠せるんだよっ☆
って、おバカ! マジおバカあんのロリママ‼
神は細部に宿る。
それはクレア先輩のライブハウスでも感じたことだけど―――――っ!
「あなたのは桁違いに危機《ヤバ》いんだよお‼‼」
「どぉしてよぉ⁉ 所詮、デフォルメされてんだから消されやしないワァーー‼」
「その神画力でデフォルメシールドぶち破ってんだってばァァァァァァーーーー‼‼‼」
マイ〇ラ内の正方形にお絵描きするMOD。
ステラママはそれを最大限に活用し、細部を極めた結果――――超絶リアルな乳首美術館を築き上げていた。
「どこに神宿らせてんのよ、このドスケベ妖精ィイイイイイーーーーー‼‼‼」
「うるっっっせぇんだよさっさとオレの美術館に入場しやがれぇーーー‼‼‼ 建てたのに誰一人こねーんだよちきしょうめぇ‼‼‼‼」
「チャンネルにスリップダメージ与える美術館《トラップ》入る訳ないでしょお⁉」
ていうかやっと剥がれたな、化けの皮《ロリボ》‼
そう、バブ味備えたロリは仮の姿。
真の姿は、画力の代わりに遠慮と道徳心を捨てた『てやんでぇ系』神絵師なのだ!
「だいじょーぶだいじょーぶ! オレ未だに消されてないから! ユチューブ君になぜか見過ごされてるから!」
「それはいつ警察に摘発されてもおかしくない系のエチチお店なんだよぉ‼」
いやステラ先輩の場合――――そういうお店でもまだ犯してない一線をブチ越えてるのだ。
肌色なのだ。
全裸なのだ。
ロリ(未成年)の!
全裸なのだ(乳首描かれた)!!!!
「児ポぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお‼‼‼‼‼」
「だいじょうぶだから! 自分のだから! 合法だから! 何も問題ないからぁ!」
[ コメント ]
・おいおいおい
・死ぬわアイツ
・地獄
・生々し過ぎるわぁ!
・合……法?
・問題しかないんだよォ!
・まったくけしからんなぁ。ところでレヴィアたん、ドアップガチ恋距離も良いんだけどそろそろどいてくれないかな?
・本人のリアルな乳首拝めるマイ〇ラってどういうことだよまったく、ぁくどけよ
・ふざけんなごら
・どいちゃだめだあああああ!!
・これでBANされたらワイはもう……っ! ロリを! 愛せねぇ!
・いかん! 個人の性癖の尊厳が犯されている!
・おまわりさん、こいつらです
・旭日警察に通報しろぉ!
・ぶっKOROせばいいんだっピね!
みんなぁ……私はコメントの反応に涙が浮かんだ。
目先のエロに惑わされない高潔な精神に、私の決心は固くなる。
元々ドアップだったレヴィアのアバターを更におっきくして、もう配信画面いっぱいに『妾』の唇が迫る。
「妾は! 乳首なんかに! ぜったい負けない‼」
「ちなみに美術館に展示してる、左真ん中の列2番目の絵は、おめぇの乳首だよ。
この前のオフコラボん時に模写した」
「だから二期生とオフコラボできないんですよぉ!」
[ コメント ]
・行ってみようか?
・行ってみるの良いんじゃないかな?
・見もしないで否定するのはいけないことだよ
・裸婦画とかあるから。芸術では普通だから
・偏見は良くないと思う
・知見を広めるつもりで
・1枚だけ見て帰ろう
・そうだね、左真ん中の列2番目の絵だけは見ようか
「またか貴様ら……またなのか……」
私は絶望に慣れた目で眷属達を見下げ果てる。
きっと眷属達の手首ドリルだよ、くるっくるなんだ手の平。
それに―――――そろそろ私、恥ずかしくなってきたぁ……!
私が喋ったりする度に『レヴィア』の唇が動いて、なんだか自分の唇をじっと見つめてるみたいで顔が熱くなる。
しかも……眷属《あんたたち》! なんで唇動くたびにキスマーク送るの⁉
はずかしいってばぁ!
未だに画面はユチューブコミュニティガイドライン越境状態。
私の羞恥心マックスハート。
もうこうなったら……あの人に頼るしかない!
ヘブンズライブ唯一の良心。
このマイ〇ラ世界で『騎士団』を建てた、天使の先輩を!
「助けて、リエルせんぱぁーーーーーーーい!」
私は『旭日騎士団』のギルドがある方向を振り向いて。
――――その方角で、爆炎と黒煙が大地を消し飛ばし、白いテクスチャのキャラが空の彼方に吹き飛んでいくのが見えた。
「せんぱぁーーーーーーーーーーい⁉」
忘れてた。
あの騎士団、激弱だった。