予防接種に行ったハズなのになんでVtuberになってるの?? ~地味女子JKは変態猫や先輩V達にセンシティブにイジられるそうです~ 作:ビーサイド・D・アンビシャス
5月5日。GW最終日。
この120時間越えのイカレた耐久配信も終盤に差し掛かった。
その最後の一日で、私は今何の配信をしているかというと……
『おいおいおいおい、またかよぉ~~~‼‼ またこれかよぉ~~~‼ いい加減にしてくれよマジでよぉ~~~‼ 痛ってぇなぁ!』
「アァアァ……マキナちゃんの叔父さん、デスしてごめんなさいぃーーっ‼」
マキナちゃん作の『クトゥ叔父』のリベンジを始めていた。
いや、たしかにね? まごう事なきクソゲーだよ、これは。
でもなんか……妙に……やりたくなるというか……。
もう元祖の『壺』の方じゃ物足りないというか……。
二度とやらんわって思った時にはリプレイしてるというか……。
「ああああーーーー♡! 指ィッ! 指の筋がプルプルしてるヨォ‼ 攣りそぅ……ッ! これぇ♡! この負荷を味わいたかったノォーーーーーー♡‼ いあいあーーーー‼‼」
[ コメント ]
・二度とやらんわこんなクソゲー
・……ふー(スチャ)
・仕上がってるよ仕上がってるよ!
・がんばる堕天使美しい!
・なお絵面
・あの、脳漿塗れで指の筋トレしてるスプラッタ枠はここですか?
・二期生に着々と汚染されとるなぁw
ピンポーン。
え? 不意に鳴ったインターホンに、私はぎょっとする。
だれだろう?
「ちょっ、ちょっとごめん眷属。少し外すね」
そう言ってミュートにしてから、おそるおそる玄関の扉を開けると…………
***
「海の果てよりいらっしゃいませ、ご主人様。天使メイド【旭日リエル】……と?」
「こんクレアぁ♡ 雷鳴の如く轟く歌姫V♡ 雷神【鳴神クレア】……とぉ?」
「こ、こんレビ! 待たせたな眷属達よ! 堕天使【宵月レヴィア】……と♡」
「こっ、こここんステラっプユ♡ ステラのアトリエにようこそっプユ♡
星の妖精【明星ステ……なにニヤニヤしてんだてめぇら文句あんのかゴラァア‼ だプユゥン♡‼⁉」
いつも恥ずかしめる側の【明星ステラ】……もとい綾香さんは、自分の語尾に真っ赤っかだった。
「はぁーーーい! という訳で! GW最後の日に、なんと妾の家に一期生の先輩方が来てくれましたぁ~~~‼ ありがとうございます!」
「いえいえ~、レヴィアちゃんすごく頑張ったからね。最後はみんなでパーっと騒いじゃおってことでお邪魔しましたぁ!」
「ほらっクレアー、レヴィアちゃーん。たこ焼き焼けたよ~~~‼」
「「わぁーーーーい!」」
「いや、まずはオレのこの散々な語尾を説明しろプユゥ♡‼ これじゃオレだけ新生物扱いだっプユゥ♡‼」
「「えぇ……」」
「げんなりすんじゃねぇっプユゥ♡⁉」
リエル先輩のたこ焼きをほふほふしながら、私とクレア先輩がしぶしぶ今回のオフ企画を説明した。
と言ってもシンプル。
クレア先輩達が作ってくれた『へヴンズくじ引き』をするだけ。
くじに書かれた内容は絶対守る!
これだけ!
「そう! まさに天国《ヘブンズ》な内容しか書かれていない、幸せのくじよぉ~~~! だからみんな、ちゃきちゃき引いてねぇ!」
「地獄の間違いじゃないっかプユゥ♡」
「妾、今すごい幸せですよ」
「うん。僕も今同じ気持ち」
私とリエル先輩。
ステラママの強気な態度で何かと押し切られてイジられる者同士、シナジーが生まれ、私達は気付けばテーブルの下で手を繋いでいた。
「ァアアアアーーーーー‼⁉ レヴィアたんがリエルきゅんと手ぇ繋いでるぅ‼
しかもテーブルの下でこそこそ……あああああああ‼ 頭こつん! 頭こっつんし合ってるぅ‼これはてぇてぇーーーーーーーーーー‼」
「おぃBBA、安いビジネスてぇてぇで限界化してんじゃねぇプユゥ♡」
「――――怨《おん》?」
ギチチチッ‼ と、怨霊ばりの異常な角度で首を曲げ始めたクレア先輩。
「は――――い! 次、妾引きまーす!」
ヤバいヤバいヤバい‼
クレア先輩が祟り神になる前に、私は急いで次のくじを引いて読み上げた。
「えーと? 左隣の人と愛してるゲームする! ん? あれ左隣の人って……」
左を振り向いたら――――怨霊が首を捻じ曲げながらぶりっ子ポーズしてきた。