予防接種に行ったハズなのになんでVtuberになってるの?? ~地味女子JKは変態猫や先輩V達にセンシティブにイジられるそうです~   作:ビーサイド・D・アンビシャス

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第7話 推しを語り合う仲になりました(推しは私自身です)

「宵月レヴィアは間違いなく次にクるVtuberだよ。姫宮さん、Vtuberって前から見てたの?」

「あ、いや、妹が見てたのを横でちょっこっとだけ……」

 

「そっか、それで宵月レヴィアを知ってるのすごいね。推すタイミングは人それぞれだけど、レヴィアたんに関しては今が推し時だよ」

「れ、レヴィアたん……」

 

「愛称だよ、昨日、初配信だったんだけどすごく可愛かった」

「か、かわっ! かわ……かわ……かわ」

 

「そう、俺も最初はガワから興味持ったんだ。ヘブンズライブのステラってVtuberが描いてるんだけどさ。ほんと可愛いんだよ、でも俺が本当に好きになったのは最初の挨拶でさ。堕天使の威厳っぽさを出す高笑いなんだろうけど、あんまりにも似合ってなくて可愛いよね」

「あ、あぁぁぁぁぁぁぁぁぁ~~~~~~~~~っ!」

 

「それとあのショート動画! お風呂鼻歌は最&高だった。ココロ〇ドルをあんな可愛くできるのは天性の才覚だよ。湯舟の水音も良き」

「っ! っっ‼ ~~~~~~~~~っ‼‼(声にならない悲鳴)」

 

「でも俺は寝言の方もイチオシなんだよ。ムニャムニャ感がすごく庇護欲かきたてられるというか……撫でたい、頭撫でたい。イヤホンあるけど聞く?」

「勘弁してください……おねがひしまひゅ……」

 

 こてんと地面に転がった私は「はぁはぁ」と息絶え絶えで彼にお願いした。悶え過ぎて息が辛い……! いやもう彼の語りが辛い!

 

 三波君、真顔で淡々と推し語りしないでよぉ!

 

 クラスの中でもイケメンとして知られてる彼の鉄面皮はすごい強度だった。

 ぴくりとも動かないんだよ、表情筋。

 なのに目だけは無邪気に燦然と輝いてるんだよ!

 

「……ごめん喋り過ぎた。嬉しかったんだ。Vtuberの話できる人、いなくてさ」

「え、でもさっき話してたよね? れ……レヴィアちゃんのこと」

「あれはどうしても話したくて。でも、あんまり伝わってなかった。好きなものを語り合いたいだけだったんだけどなぁ……」

 

 その時の三波君の顔があんまりにも寂しそうで……。

 

 私は、なんて言えばいいんだろう?

 あぁ――――こわい。

 

 どうして、言葉ってこんなにこわいんだろう。

 嫌われないかな、引かれないかな。

そういう不安が喉を塞ぐ。私にとっては慣れた感覚――――昨日起こったことが特別過ぎて忘れてただけの感覚。

 

 ――――でも。

 

 コメント欄が頭の中に浮かんで流れてくる。

 好きだって言ってくれた。

 可愛いって、言ってくれた。宵月レヴィアを、あんなにも。

 三波くんも、その中の一人なんだ。

 ……勘違いしちゃ、いけないって分かってるけど。

 

「私も、好きだよ」

 

 きゅっと、隣にいる彼の袖をつまんで、言う。

 堕天使だった自分を、脳裏に描いて、言う。

 

「宵月レヴィアが好き。だからっ」

 

 応えたいと思った。目の前の眷属に。

 すっごい恥ずかしいけどっ、でもそれ以上に……嬉しかったから。

 

「ここで、私と語り合いませんか」

 

 声が震えた。指が震えた。でも、胸の中は震えなかった。

 

 言わなきゃいけないことを、伝えなきゃいけないことを、言えたから。

 彼はきょとんと目を丸くして――――鉄面皮が、綿毛のように解けた。

 

「良いの?」

 

 暖かくなった目の輝きに、私はふにゃって頬が緩んでしまった。

 

「私で、良かったら」

 

 こうして私は、三波君と【宵月レヴィア】について話し合う仲になった。

 

「じゃあ、一緒にレヴィアたんの寝言聞こっか」

「――――え?」

 

「はい、イヤホン。いやさっきも言ったけど、俺のイチオシは入浴鼻歌じゃなくて寝言の方でさ。想像以上のふにゃふにゃっぷりで、しかも出てくる単語が『なんでそれ?』みたいなものばっかで」

 

 キュッと問答無用で、耳にイヤホンを詰められる。

 初めてクラスメイトの男の子とイヤホンを分け合いました。

 聞くのは自分の寝言です。

 

「一体レヴィアたんってどんな夢見てるんだろうね」

「…………ホントにね」

 

 この後、私はめちゃめちゃ悶えまくりました。

 

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