筆がノッたので短いのと区切りが良かったのでもういっちょ投稿させていただきます
数日たった。
魔術の練習がバレた日、ゼニスは小躍りしながらうちの子は魔術の天才だとはしゃぎ、魔術師の家庭教師をつけようとパウロに提案したが、パウロは男の子だったら剣術を学ばせる約束だった筈だと反論し、軽い口論になったが、リーリャの午後と午前で分ければ良いのでは? という仲裁によって喧嘩は幕を閉じた。
はてさて今日はその魔術師の家庭教師が来る日だ。
パウロ達の話では、冒険者を退職した奴とか魔術学校で教鞭をとっていた奴とか、とにかく老人の様な奴が来るだろうとの事だった。
正直魔術に関しては老人の指導で事足りている感が否めない。家庭教師なんて金の無駄にしかならないと思うが、パウロ達に老人の存在を明かしていないのでどう説得すれば良いか分からなかった。
それに地雷だらけの老人に少し疲れていたのも事実で、新しい家庭教師というのに興味が出てきていた。
そして、結論を言おう。
止めなくて良かった!! と。
俺たちの予想を裏切って現れた家庭教師は青髪ジト目ロリ(中学生くらい)の美少女魔術師だった。
名を「ロキシーです。よろしくおねがいします」
そうペコリとお辞儀をする彼女に両親は驚いていたが、女の子の可愛さについても語り合う事のできる老人がその場に居なかったのが個人的に悔やまれた。
その後中庭で魔術をぶっ放して二人してゼニスの木をへし折ってゼニスから説教をくらったり、失敗して凹んでるロキシーを励ましたりロキシーの歓迎会をしたりとイベントがてんこ盛りだった。
「あれ? 爺さん今日ずっと見なかったけどこの部屋にいたのか?」
寝室に戻ると今日一日一度も見なかった老人がいつもの書斎ではなく俺の部屋にいた。
別におかしな事ではない。勉強を教えてくれる前までは、家の中を彷徨って洗濯場でゼニスが重そうな物を持とうとしている時得意のサイコキネシスもどきで手伝ったり。
台所でゼニスが気に入っているマグカップが落ちて割れそうな時も寸前で浮かせたりしていたのは記憶に残っている。
しかし、この一年では俺の目の届かない所に行くのはめっきり減っていた。
『ああ、ずっとこの部屋に居た』
そう答えた老人は何故だろう、元気が無い気がする。まるで一頻り泣き潰れて落ち着いた後の様な雰囲気だ、もしかして教師役を取られて悲しかったりするのだろうか。
しかし褒めたりすると、発狂した様に泣き崩れるので、老人に勉強を見てもらったほうが良かったか、なんて聞く気にはなれない。
ロキシー先生より老人を選ぶ様な事は言わない方が良いだろう…。