301.
夜中寝ているところ誰かがドアをノックした
まさかの鮫人坊やだった
302.
「シャビー、この世に私より美しい人はお初にお目にかかりました。ましてやお姫様で、大胆不敵で、深海の中で我々一族を守ってくれるに違いない。」
鮫人が綺麗な鮫珠を一粒渡してきた
「私の鮫珠*を差し上げます。私を娶ってくださいますか?」
303.
?
寝ぼけてる?
304.
掌門:……
掌門:本当にクズだな
305.
?
まだ何も言ってないけど?
306.
ちゃう
お前なんでここにいる
307.
無事に渡劫*するために
私をしばらくは門派にいないでほしいと、掌門が言った
308.
鮫人が驚き
世界の果てまで嫁についていくと私の手を繋いで言った
309.
後ろから枝が折れたような音がした
310.
振り返った
五弟子は顔が暗く
私に向かった漠然とした殺意を持っていた
311.
なぬ
なんで
312.
思考
313.
ひょっとして……
五弟子は鮫人のことが好きだったのか
314.
大師
悟ったぞ
315.
掌門:君ポンコツ?
316.
怖い
317.
掌門の保護を求めることにした
318.
渡劫は置いておいて
しばらく守ってくれと
319.
私が悪役だから
下の弟子はみんな私を殺したがるんだと、掌門に話した
320.
掌門:よし、ポンコツで間違いない
321.
五弟子が突然私の首を絞めに飛んできた
322.
五弟子が掌風*によって後退させられた
323.
大弟子が目の前に現れた
324.
大弟子が私に向けた眼差しは複雑なものだった
325.
大弟子が五弟子と戦い始めた
326.
もう戦わないで!(?)
327.
お二人を引き離そうとした
328.
押し出された
329.
私天下一の剣使いじゃなかったっけ
なぜ弟子にさえ勝てないんだ
330.
真実を聴きたいのかと掌門が尋ねた
教えてと答えた
331.
掌門:じゃあ言っちゃうぞ
掌門:実は天下一の剣使いは俺だった
掌門:君は天下一のヤンキーな
332.
?
333.
そ、そうなの?
334.
じゃああの二人を倒せるってこと?
335.
掌門:もちろん、何言ってんの
336.
なるほど、私はただの小ボスだった
337.
わかったぞ
338.
手に入らないなら壊すと、五弟子が真っ赤な目をしながら言った
そこまでしなくても、鮫人とは付き合ってないからと返した
339.
何年経とうと待っていたのに結局一緒に居られなかったと、五弟子が言った
そこまでしなくても、鮫人とは付き合ってないからと返した
340.
師尊をそのまま攫っていくと、五弟子が言った
……だから人の話聞いてる?
341.
鮫人にこんなにも愛情が深かったとは
弟子の気持ちを早く気づけなかった私に責任がある
だめだ
取り返しがつかなくなる前に挽回しなきゃ
鮫人と縁を切る
今すぐ
342.
もう戦わないで
お手上げだ
実はとっくの前にもう結婚していたんだ
そう
掌門と
だから鮫人とはなんの間柄もないんだ、と私が言った
343.
鮫人:?!
五弟子:?!
大弟子:?!
344.
掌門:?
掌門:は?俺同意した?
345.
掌門:あのー
掌門:話したいことがあるの
掌門:俺最近渡劫しているんじゃん
掌門:だから修為を封印しておいたよ
掌門:今の俺は君にすら勝てないかも
346.
?
バカ言え
黙っとけ
347.
大弟子と五弟子が深刻な表情をしながら私たちに向かってきた
348.
やめんか
守ってくれる人がいないことを知って殺生戒を破るつもりか?
349.
五弟子が掌門の方向に飛んできた
350.
掌門:ヘルプ!
鮫珠*=鮫人の涙の真珠
渡劫*=天から与えられる罰や災い(だいたい雷が身に打たれる形)を経験する。成功したらだいたい境界が上がるが、成功しなければ即死する。だからこそ昇天への道は非常に長くて険しく困難なものだとされる。境界が高い人ほど劫が難しく、劫がいつ来るかはある程度予測できる。
掌風*=中国の仙侠劇を見たほうがわかりやすい。なんかこう、力を手のひらに込めて外に勢いよく当てるみたいな