*この小説はどくいも様の『カオス転生ごちゃまぜサマナー』の三次創作です。*
視点主は悪魔なのであまり信用しないでください。

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この小説は、どくいも様の『カオス転生ごちゃまぜサマナー』の三次創作です。

全然関係ないですけどビギナーズラックで大当たりしてパチンコにハマる人って多いらしいですね。本編とは全然関係ないですが。


【カオス転生三次】単発ガチャは当たらない

 人気のない裏路地。このような道を歩くのは野良ネコかヒトならざる者か。大体そう相場が決まっている。で、あるならばこの場所は吾輩のためにあると言っても過言ではない。

 

 吾輩は誉れ高き孤高のケットシー。

 

 

 悪魔など見れば腰を抜かしてしまうニンゲン諸君に親切にも説明してやると、ネコの姿の悪魔である。

 

 しかし、ネコとは比べ物にもならないのだ。

 哀れで脆弱なニンゲン諸君のために分かりやすくも丁寧に教えてあげただけで、ネコと同列に語ろうなど本来ならば烏滸がましい。

 

 吾輩は二本の脚で力強く立ち、ニンゲンの言葉すら気ままに操り、そして何よりも賢き頭脳を有しているのである。その気品高き様はただ黙しているだけでなお、出で立ちから伝わってしまう。

 もっとも濁ったガラス玉の方がまだよく見える目玉を付けているニンゲン風情には、吾輩が四つ足で歩きニャーと鳴きまねを1つくれてやれば、簡単にネコだと信じてしまう。吾輩はそんなニンゲンを時に油断した後ろ姿を見て喰ろうたり、時にそのまま興味が失せたりと、気ままに接してやるのだ。

 

 

 そう今日のような雨が降りそうで降らない曇天の日には、悪魔とニンゲンの闘いはただ横目に見るに限るのだ。

 

 

 悪魔――あれはどちらかと言うと悪魔のなりそこないである、外道スライムだ――と、ニンゲン――仲魔を連れているのでおそらくサマナーだ――の闘いは泥沼と化していた。

 レベルが低いが数が多く、消耗しながらも持久戦をしているスライムと、レベルは優っているものの仲魔一体だけでは手数が足りないサマナー。スライムでなければ会話を試みたのかもしれないが、あのあまりの低脳さがむしろ厄介になっているのが見て取れた。

 

 吾輩がサマナーに手を貸してやったら容易く状況を打破できるものの、それは吾輩の求めているものではない。

 この()()()()()が仄心地良く、しかし何とも言えぬ無粋を慰めることこそが、吾輩の求めるものだ。

 

 だからこそこうして偶然居合わせただけのネコのように、何をするわけでもなく、吾輩の闘いとはかけ離れた泥臭い戦闘をただ眺めているのだ。

 

 

――しかしそれも終わりの時がやってきたようだ。

 

 サマナーは最後のスライムを倒しきり、そのまま崩れ落ちるように座り込む。

 周囲の確認もせずに減点だ、と思ったがどうやらそれどころではないらしい。サマナーの手は疲労とは言えない程震えていた。

 

(なるほど毒をくらっていたか。)

 

 スライムの中にポイズマを持つものが複数いた。

 唯一の仲魔のピクシーは自身とサマナーに回復魔法(ディア)を掛け続け、遂にはマグネタイトも切れ、最後はサマナーの肉壁となって散っていった。

 

 あの時は、気まぐれで有名なピクシーが(つい)までサマナーに尽くそうという忠誠心に溢れていることに驚いたが、よくよく考えればディアの頻度が高すぎた。

 おそらく解毒手段がなく、ディアで対処していたのだろう。

 そしてピクシーが居なくなった今、回復をしてもジリ貧になるために倒すことを優先した。賭けではあるが手数で負けている以上、少しでもマシな方を選択したと言えよう。

 

(もっと)も、だからと言って賭けに勝てるわけではない。)

 

 サマナーは最後の力を振り絞ってアイテムを取り出す。

 そしてそのキャップを開けようとして――――――力尽きてしまった。

 

 音をたてて手からソレが落ちる。

 その後はいつも通りの静寂が裏路地に帰ってきた。

 

 裏路地の異物は今や物言わぬサマナーだったモノ1つ。

 それもそう時間が経たずとも、悪食な悪魔や野良イヌが喰らい、無くなるだろう。

 

 吾輩の無粋を慰めるには(いささ)か足りなかったと思いながら、ソレを見やる。

 毒に侵され、命の尽きるその瞬間まで飲もうとしていたソレ。あの状況からひっくり返せるようなものか、あるいは最期の晩餐にしたかったのか。

 ソレはいったい何だったのか、僅かに興味を持った。

 

 

 

 眺めていた高所から軽快に降り、ソレを確認する。

 小さめの茶色いガラスの瓶に書かれた文字は――――

 

(ふむ、マッスルドリンコか)

 

 手に取り、クルクルと回して眺める。周囲に変わった仕掛けはない。

 中身がチャプチャプと揺れる。やはり予想通り中身が重要なのだろう。ある程度の予想を立てつつもキャップに手を掛ける。

 中の液体に霊力を感じる。なぜ戦闘中に飲まなかったのだろうか、疑問が湧く。

 

 

 知的好奇心の儘に、所有者の居なくなったソレを遠慮なく喉に流し込ん――――――???!!ひゃぁあぁぁぁ!!!!???

――――――にゃにゃにゃぃぃぃぁぁぁあぁぁぁっぁぁっぁっぁぁぁっ!!!!!!!!!

――――――にょぉぉぉにょぃぃにゃぁぁ☆★☆★!!!?!ぁぁぁあぁぁぁぁぁっ☆★☆★☆☆★☆★☆★☆★☆★!!☆★☆ぁっぁぁっぁ☆っぅぅぅ★☆★☆☆★☆★☆★☆★☆??!!

 

 

 

――――――

――――

――

 

 

 にゃっ!!…………?

 

 思わず辺りを見回す。

 先ほどと同じ場所だが、あのサマナーは無くなっていた。空もうっすらと太陽が差し込んでいて、いつの間にか時間が経っていたらしい。

 

 それにしても、なんだ今のは。

 あの多幸感は。

 マタタビなんか()じゃない程の幸福感。

 

 今際にアレを飲もうと思うのも分かる。

 アレは他人にやるのは惜しい。

 

 人間はあんな代物を持っていたのか。

 また飲みたい。

 

 たしか、マッスルドリンコという名前だったな。

 

 

 思考がまだフワフワとする。

 吾輩の保有するマグネタイトが増えている。マッスルドリンコの効果だろうか。

 あのサマナーが戦闘中に飲まなかった理由が分かった。

 いくらマグネタイトが回復しても、意識が飛んでは意味がない。

 

 痛みを忘れ、幸福感に包まれ、マグネタイトが回復する。なるほど戦闘後に飲むのにはとても良い。飲めればの話だが。

 

 そも、ニンゲンはマグネタイトを回復しただけでは傷が治らず、あのまま死んだに違いない。

 吾輩のように余裕のある悪魔にこそマッスルドリンコはふさわしいだろう。

 

 是非またあの多福感を味わいたいものだ。

 どこかにないだろうか。

 

 

(おっと、いつの間にかまたマッスルドリンコのことを考えていた。)

 

 とりあえずここを離れよう。

 マッスルドリンコを探すにしろ、サマナーを探すにしろ、ここに巣食っていたスライムは倒された。

 当分、ここには誰も来ない。

 散歩がてら行くとしようか。それにマッスルドリンコについて情報収集をするべきだな。

 

 

******

 

 

 あの初めてマッスルドリンコを飲んだ日から、1か月。まだあの味と再会していない。

 

 いや、正確には味は同じなのだ。しかし吾輩の求めているものではない。

 同じようなものは飲んでいる。

 

 どうやらあのマッスルドリンコの多福感は効果によって味わっていたらしい。

 そして、あのマッスルドリンコは様々な効果が付与されていることを吾輩は情報収集をしているうちに気が付いたのだ。

 

 

 共通効果のマグネタイトの微量回復。

 そしてランダムで体力の回復や共通効果より多い量のマグネタイト回復、麻痺、睡眠など。

 

 有益であったり不利益であったり一種の賭けのような道具であった。

 

 中々に面白くはあるが、狙った効果が必ず出るわけではないのであのサマナーは安全を確保してから飲みたかったのだろう。

 狙いは体力の回復効果、次点でマグネタイトの回復あたりか。

 まぁどのような狙いだったとしても、あのサマナーは飲む前に死に、仮に飲めていたとしても最期の晩餐になっていたのだ。

 

 やはり、あの日マッスルドリンコが吾輩に飲まれたのは運命に違いない。

 

 

 日課の散歩をしながら、ニンゲンを探す。できればサマナーが良い。

 というのもあのマッスルドリンコはニンゲンが作っているらしく、悪魔よりニンゲンが持っている方が多い。

 稀に道端に落ちていることもある。が、あまりそれは期待していない。

 

 あのような目立つ物、落としてもすぐに気が付くだろう。

 落とし主が気づかない時は戦闘中なりで気が散っている時だ。そのような時は大体破損し、中身が無くなっているものなのだ。

 またニンゲンが死んだ場合も、戦闘していた悪魔がそのままニンゲンごと貪り喰うだろう。

 

 従って、道端にマッスルドリンコが落ちているには、ニンゲンがマッスルドリンコを持っていて、ニンゲンが悪魔と相打ちになって、貪欲な他の悪魔が現れる前に、吾輩が見つけなければならないという非常に厳しい条件が求められる。

 それならばサマナーを探す方が手っ取り早い。

 

 

 

 サマナーを見つけられれば取れる方法は大まかに3つ。

 

 

 1つは直接戦闘すること。

 吾輩が戦えばニンゲンなど簡単に殺せる。しかし殺した後にニンゲンがマッスルドリンコを持っているか確認するのが面倒だ。

 それにニンゲンがピンチになるとマッスルドリンコを戦闘中に飲んだこともあった。吾輩の目の前で。

 もちろんそのような格上に挑発行為をした先が何を意味する事かを、身をもって味合わせてやった。低能なニンゲンは戦闘中にマッスルドリンコを飲む可能性があるというのが抜けていたのは吾輩の落ち度だ。

 なにより格下のニンゲン相手に――いくらマッスルドリンコのためとはいえ――戦い続けるのは吾輩の趣味ではない。

 

 2つめはサマナーと直接交渉すること。

 先ほどのものより吾輩にあっているが、しかしこれもそう入手できない。

 というのも、愚鈍なニンゲンは本能の警告すらまともに働いておらず、吾輩が格上であることに気づかず愚かな態度で接してくるのだ。

 例えば吾輩の小粋なジョークを真に受け――よく考えたら図星であり、笑い飛ばせる程の余裕のないニンゲンだったのだろう――激怒したり、まずは相手を知ってやろうとした――いくら相手がニンゲン風情とはいえ吾輩は紳士なのだ―質問にふざけた回答を寄越す不届きものであったりするのだ。

 いくら吾輩が相手に合わせることもできる知能を有していても、ニンゲンとの程度の違いに疲れてしまう。

 

 3つめは救援する礼の品に頂くこと。

 今までのどれよりも良い方法だ。

 吾輩にとって戦闘など容易い。また愚かなニンゲンとは言え、自身の命が懸かっている場面では二つ返事で頷くのだ。

 持っているか分からない相手と戦ったり、頭の痛くなる会話をするよりよっぽど確実といえよう。

 ただ一点、ピンチのサマナーが見つからないのを除けば。

 

 

 つまり、どの方法を取るかはきちんと見極める必要があるのだ。

 慌てて出て行って、ニンゲンが逃げることが最も避けるべき事態である。

 

 

 そう、だからこそ、今のようにニンゲンを見つけてもまずは観察し、どの方法が良いか考えているのだ。

 

 

 運の良い事に見つけたニンゲンはサマナーのようで、地霊コダマを連れている。そしてどうやらこれから戦闘するらしい。

 

 戦闘態勢にいつでも入れるようになっているサマナーを横目で見ながら、はて、このあたりに噂が立つような悪魔は居ただろうか、と思考する。

 この場所は気に入りの場所で、散歩のときには結構な頻度で来るのだが、そのような目立つ悪魔を吾輩は見たことはない。

 

 ただ、サマナーは悪魔が目的で来たのであろう。

 明らかに、ここに着いてすぐに、仲魔を召喚し、周囲を警戒し、何かを探している。これで目当てがただの探し物であれば、臆病を通り過ぎて神経質の域だ。

 

 で、あるならば、危険な悪魔の討伐を依頼されたサマナーという線が一番濃厚だろう。

 だからこそ、このような疑問が生じた訳なのだが、このあたりをテリトリーにする吾輩が知らないというのもおかしいのだ。

 ここにいる悪魔は皆、弱いが考える頭はあるヤツばかりで、テリトリーの強者である吾輩の機嫌を損ねないようにしている。従って、愚かにも騒ぎ吾輩が気分よくしている散策や昼寝の邪魔をする者はいない。

 

 あるいは、格上たる吾輩には賢い態度を取るが、脆弱なニンゲンには暇つぶしをしているのかもしれぬ。それならば吾輩が知らぬのも納得だ。

 

 

 

 ふと空を見て、夜が近づいていた事に気付く。

 どうやら吾輩の推理はほんの少しだけ違っていたらしい。

 

 サマナーの目の前に夜魔ザントマンが姿を現す。

 

 ああ、そうだ。コイツは夜に現れては出歩くニンゲンに睡眠魔法(ドルミナー)をかけて、眠らせるのが趣味だったのだ。

 (もっと)も眠らせるだけで何をするわけでもない。ザントマンという悪魔は()()()()悪魔なのだ。

 眠ったニンゲンは他の悪魔に襲われたり、ニンゲンの物取りにあったり、(ある)いはそのまま運良く朝を迎えたりするのだ。

 

 ザントマン自体はこれといった悪さをしているわけではないが、このあたりで眠るニンゲンが多いので何かあると考えたのだろう。

 そしてそれは悪魔の仕業とされ、サマナーが派遣された。こういった経由だろう。

 

 本来、ザントマンの活動はもっと夜遅くなのだが、ヤツ自身、自分を探していると感じて出てきたのだろう。律儀なヤツだ。

 かくして、サマナーは目当てのザントマンと邂逅を果たした。

 しかし、どことなくサマナーが動揺しているように見えるのは何故だろうか。ふむ、ここへ訪れる時間も日暮れ頃だったのもある。ならば今日は下見のつもりだったのやもしれぬ。

 

 

 

 少々慌ててはいるが、警戒していたため不意は突かれなかった。

 しかしその直後、サマナーは驚いたように目を見開いた。

 

 何やら機械を触っていた。アレが音に聞く悪魔召喚プログラムなのだろう。

 そして仲魔が召喚されず、ザントマンを見て驚いていた。加えて戦闘の始まりにすること。

 これはアナライズをしたに違いない。自ら悪魔の居るところに赴き、いざ戦闘が始まったときにマグネタイトが不足していることに気づく間抜けでもなければ。

 

 いや、どちらにしても間抜けだ。

 ニンゲンを眠らせる悪魔の話を聞いてきたのなら、ある程度どのような悪魔か予想はついただろうに。そしてここに来る前に調べれば良かったというに。

 そうしなかったばかりに、衝撃耐性と睡眠無効を持つザントマン相手に衝撃魔法(ザン)睡眠魔法(ドルミナー)の魔法を使用するコダマを連れてやって来てしまったのだ。

 

 

 (もっと)も吾輩にとっては非常に都合が良い。

 

 見たところザントマンの方がレベルも高く、ザントマンの魔法を考えれば撤退すら困難だろう。

 コダマが先にやられた時か、サマナーが撤退を視野に入れ始めた時に取引を持ち掛けるとしよう。それまでは吾輩はここで高みの見物だ。

 

 

 ゆらゆらと尻尾を揺らして、サマナーを眺める。

 ニンゲン観察も趣味である吾輩はニンゲンのことにも詳しいのだ。筋肉が少ないが胸に脂肪もないのでオス。筋肉がないのはまだ成体になり切れていないのだろう。となればおそらく生まれて10と数年程度しか経っていない。

 たった少し見ただけで、こうも分かるとは流石吾輩だ。

 このまま観察の続きをしようと思ったが、どうやらそろそろ限界らしい。

 

 瀕死のまま眠りに落ちたコダマと、それを見て明らかに動揺をするサマナーがそこにいる。

 多少体力は減ったが、相変わらず元気な様子でザントマンが居るのに、だ。

 

――頃合いだ。

 

 

 ひらり、と高所から降りる吾輩。

 

 それに気づき好戦的にこちらを見るが、降りてきたのが吾輩であることに気づくとビクリと音がなりそうなように硬直するザントマン。

 

 ザントマンを不審に思うが、吾輩の事には気づいていないサマナー。

 

 未だに眠りこけているコダマ。

 

 

 それら全てに囚われず、吾輩は流暢なニンゲン語でサマナーに話しかける。

 

「もし、そこのサマナー。この窮地を助ける代わりに、マッスルドリンコを1本でどうだね。」

「えっ!?あ、もしかしてこのケットシー……うん、お願い!」

 

 少々吾輩に対する言葉遣いがなっていないが、サマナーにとっては窮地である。余裕がなく教養の無さが隠せなかったのだろう。

 本来ならそれをチョイと訂正してやるのだが、吾輩は余裕のある紳士である。それに取引が成立して機嫌がいい。今は目を瞑ってやることにしよう。

 

 ともかく吾輩の思い通り、サマナーは二つ返事で取引をした。

 ならば後はザントマンを退けるだけである。

 

 

 ザントマンの弱点は電撃であり、吾輩は電撃魔法(ジオ)を使える。

 そのことをザントマンも知っているため、吾輩がサマナーに加勢すると分かった時から逃走を目論んでいた。

 だが吾輩には通用しない。

 

「ジオ」

 WEAK POINT! SHOCK!

 

 おや、これは重畳。

 ザントマンに恨みはないがマッスルドリンコのためだ。

 

「ジオ」

 WEAK POINT!

 

 

 吾輩の電撃魔法(ジオ)に耐え切れず、ザントマンは闇へ還っていった。

 吾輩の華麗な勝利である。

 

 

 

「すごい!あのさケットシー……。」

「うむ。戦闘ですら優雅な吾輩を称賛したくなる気持ちは分かる。

 しかし、何か忘れてないかね?」

 

 やんわりと取引を思い出させる。

 悪魔との取引を後回しにするなど――それも代償をだ――このニンゲンは本当に教養が足りていない。

 吾輩は理性的であるからこうして話してやるが、短絡的な悪魔だと代償を渡すのが少しでも遅れると踏み倒す気かと激怒する事だろう。

 

 

「あっ、これマッスルドリンコ。」

「よろしい。」

「それで、あの……。」

 

 マッスルドリンコを受け取って、そのまま話そうとするのを手で止める。

 このニンゲンは焦りすぎて良くない。

 もっと余裕を持って行動するべきだ。余裕のない者は総じて弱く見える。

 そう思考しながらもマッスルドリンコを開ける。

 もう会わないとはいえ吾輩は優しい。その指摘はマッスルドリンコを飲み終わってからしてやることにしよう。

 

 

 ここは吾輩のテリトリー、どのような悪魔が良くいるかは吾輩が一番知っている。それにニンゲンがいる以上真っ先に敵対するのはニンゲンだろう。

 目の前のニンゲンも弱く、マッスルドリンコのデメリット効果を引き当てても相手にできる。

 そのため下手に移動して飲むより、ここで飲んだ方が安全なのだ――――――フニャ??!!!!!☆★☆!!

――――――ふにゃにゃにゃにゃ~~~~ん★☆★☆!!??!!

――――――★☆!★☆こりぇにゃ~~んんんんっぁぁぅぁぅぁっ★☆★☆★☆★☆★☆★☆!!!

――――――ぉぁ゛ぁぁあぁぁぉっ★☆★☆★☆★☆!!?

――――――ねぇだいじょうぶ?

――――――★☆★☆★☆らいじょぉう゛★にゃぁぁぁああっ★☆★☆★☆?!!★★☆★☆★☆★☆☆!!?!!

――――――★☆★☆★☆★☆ぉぉっぉっ??★☆★☆★☆★☆???!

――――――そ、そう…………

――――――★☆★☆??!!★☆ぁあっ★☆★☆★☆★☆★☆!!???

――――――ぇ?こだま、いまけいやくもちかけるの?…………わかった

――――――にょにょっ★☆★☆★☆★☆にゃ???!!★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆

――――――あの、マッスルドリンコでけいやくしてほしいんだけど

――――――んに゛ぁ★?まっするどりんこ?ほしい★☆★☆!!?ほしぃ★☆★☆★☆★☆っ!!!

――――――えっと、じゃあいちにちいっぽんで……

――――――ぁぁっわーぃ、まっすりゅどりぃんこぉ★☆★☆★☆★☆!!!???★☆★☆んぅぅぅぅ★☆★☆★☆ううっぁ★☆★★☆★☆★★☆★☆★☆★☆★★★☆★☆☆★☆★☆★☆?????!!

 

 

 

 

――――――

――――

――

 

 

 

「にょぁっ!?」

 

 

 意識が戻る。

 どうやら大当たり(HAPPY)を引いたらしい。

 コレが良い。

 意識が飛んでしまうのだけが難点だが、それでも良い。

 

 

 

 目の前にはまだニンゲンが居た。

 機嫌が最高に良い吾輩は一声かけて去ることにした。

 

「それでは吾輩はこのあたりで失礼しよう。」

「え?仲魔契約したんだけど……」

「にゃ!?」

 

 

 訂正、意識が飛ぶのは良くない。

 

 

 

 

 


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