伝説のTS魔法少女は他の魔法少女からUMAみたいに言われてる。   作:マッキーガイア

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17話、魔法少女と同一人物

掃除が終わった。

ゴミ袋には大量の薬の袋が入っている。多分家中の薬を飲ませたのだろう。明美に看病は無理だなと思いつつ階段を降りると、リビングが何か騒がしい。明美が帰ってきたのかなと思ったがブラッドポピーさんから話が来ていない事を考えると何かトラブルがあったのだろう。まぁ、トラブルになる要因しかないからなとリビングの扉を開ける。

 

そこには白石とブラッドポピーさんと妹の明美が座っていた。

 

明美とブラッドポピーさんはまだしも何故に白石が?と疑問に思うが、一斉に全員に睨みつけられた事により疑問が霧散した。

 

「ねぇ、おにぃ…?ちょっと話があるのだけれども」

 

笑顔でそう明美が僕に問う。背中から冷や汗が止まらない。

 

「正座。」

 

「は、はい?」

 

「正座♪」

 

「はいぃっ!!!」

 

鳥肌がブワッと逆立ち、逆らってはならないと言葉では無く心で理解した。

瞬間には膝を折り、地面に付けたままデコを地面に擦り付ける。

 

 

「申し訳ありませんでしたぁぁぁぁぁ!!!」

 

 

必殺、先手必勝土☆下☆座☆である。

正直今もなんで怒られているかなんで土下座しているのかも分からない。けれどやらねばならぬと思ったのだ。

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

 

私は困惑していた。たしかに彼に妹がいる事は彼自身から聞いていた。しかし、"私"とも知り合いだったとは……どういう事だろうか。

いや間違いなく彼は私の正体を知らなかった。何より、私が男性に興味を持つとはとてもじゃないが思えない。友人関係だろうと他人の家にわざわざ上がろうとするなんて…私だったらあり得ない。

一番あり得るとしたのなら彼の正体を知っていてその監視だと思うが…いや、この世界の私の目を見ても確かに私に似た様な感情は読み取れるが彼を警戒している様子はない。

 

「申し訳ありませんでしたぁぁぁぁぁ!!!」

 

向こう側から彼の声が聞こえる。何というか情けない声である。

それに妹ちゃんの説教が続くが、まぁ十中八九彼のせいなので気にしない事にした。

 

じゃあ私はこの世界の私から話を聞く事にしよう。

 

「ねぇ、白石ちゃんだっけ?」

 

なるべる馴れ馴れしく接する。彼女から私に自分という面影を消させる為だ。

 

「はい。白石舞と申します。そう言えば名前伺っていませんでしたよね?」

 

「あ〜〜、うん…」

 

不味いなどう答えよう、どう答えても不味い気しかしない。とりあえずありふれた名前にしなくてはならない。

 

「私はね。田中真里亞…」

 

「田中…真里亞(マリア)さん…?」

 

「うん。」

 

凄い個性的な名前になった気がすると思いながら私は首を縦に振るしかない。私の警戒心はよく知っているのである。

 

 

「一つ聞きたいんだけど、白石ちゃんって彰人くんとそのぉ〜〜」

 

「はい、お付き合いさせていただいていますわ。」

 

そう断言するこの世界の私。驚愕する暇も無かったとはこの事だろう。なるべく断言は避けていたのに…

 

「へぇ〜!!付き合ってるんだ。告白はどっちから?」

 

「私の方からですわ。」

 

「へぇ〜…」

 

やはりこの世界の私は何か目的があり、彼と付き合っているのであろう。

それが何かは分からないが、少なくとも面倒な事ではありそうだ。

 

私は少し頷くと彼の方を見た。

 

「ねぇ、白石ちゃんって彼の何処が好きなの?」

 

「好きな所ですか…?」

 

「ほら白石ちゃんってそう言うの興味無さそうだし、なんなら彰人くんだってそう言うの興味無さそうでしょ?

なのにどうしてかなぁ〜って…ね?」

 

私がそう言うとこの世界の私は少し眉を寄せてから口を尖らせた。

 

「そう言う決めつけが一番嫌いですわ。」

 

逃げたな。

私はそう思いながら彼女に向けて手を合わせ「ごめんごめん」と返す。この世界の私はその後にそっぽを向いて『貴方嫌いですわ』アピールをしているが、これはむしろ逆…逆に気に入られたなと察した。

 

我ながら面倒臭い性格だなと思いつつ頭を撫でる事にする。

私の今の性格のモデルはお母さんだ。母さんは2年前に死んでいるが、多分それは此処も同じだろうと幾らかの期待も込めてこうしている。

 

こうするといくらか機嫌を直してくれる。機嫌が悪いのは事実だし。

 

「な、何するんですか!」

 

「へへ、可愛いなぁと思ってさ。」

 

頬を膨らませるこの世界の私を撫でながらそう言う。数年歳下の私が目の前にいる。なんか保護欲が湧くのは仕方ない事かもしれない。

 

「嫌だった?」

 

私がそう聞くと彼女は「卑怯ですわ…」と言いながらされるがままになった。

 

 

「…………偶然…よね。」

 

この世界の私がそう言った気がした。

多分それ、偶然じゃないと思う。とは言えない私だった。

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

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