地方から上京した青年・鏡衛二。
変わらない日常を過ごす中、とある人物と出会い、諦めた夢を思い出す。
これはとあるフリーターが夢に向かって再燃する物語。


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とある物書きの方の影響で描き始めた日常コメディです。
なんなりとご覧になってください。


『東京怖…やべぇよやべぇよ……』

都内某所。

 

築何十年と経っているだろうか不明なアパート『激流荘』。

所々塗装が剥がれていたり、鉄の柱はサビだらけである。

何かモンスターを全破壊したり、大型古龍に対して打ち出す槍のような名前をしているが、全く関係ない。

まあ所謂ボロアパートなのだが、それでも住人はいる。

全部で八部屋あり、部屋の広さはおそらく七畳ほど。中も使用感こそあれど普通に綺麗であり、コンロ、洗面台、古い型のエアコンもついている上、家賃は四万。

アパートの外観さえ気にしなければ、なかなか破格だと思う。

加えて最寄りの駅も徒歩7、8分で着くので立地も悪くない。

 

そんなこんなで早二年の月日がたった。

俺…鏡衛二はフリーターである。

出身は北海道。顔も普通、体型も普通、そして彼女いない歴年齢の平凡な23歳。実家は農業を営んでおり、休日や放課後等は土を耕したり、野菜の収穫を手伝ったりして、それなりに楽しい毎日を過ごしていた。

上京した目的は特にある訳でもなく、ちょっとした事で親と大喧嘩した末に勢いのまま、家を出た。

 

生まれて初めて降り立った東京の地は、北海道の田舎に住んでいた俺の常識をガラリと変えさせられる程の衝撃を受ける。

道を行き交う人の多さ、目がくらむほどのビル群、加えて到底自分には縁のない高級車が目の前を通り過ぎていく。

一つ一つの光景が新鮮であり、好奇心をそそられた。

俺のように田舎暮らしで、初めて都会に来た人は皆同じ感覚になるのかと思うと上京とは案外いいものなのかもしれない。

この時までは。

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

「え!?家賃8万円!?」

 

 

 

この時まで知る由もなかったが、東京は基本的に物価が高かったのだ。

先程不動産屋に紹介された家賃8万のアパートですら、最安値らしいのだが初めて都会に来た俺は詐欺じゃないのかと思ってしまう程。

結局他の不動産を回っても結果は同じだったため、仕方なく最初に訪れた最安値のアパートを借りることにした。その時は要約自分だけの部屋を持てることに心が高鳴っていた。

実家で暮らしていた時は兄弟との共同部屋となっていたため、自分だけのプライベート空間を持ったことがない俺にとってはとても嬉しい。

自分の荷物は日用品を詰めたキャリーケースとリュックぐらいだったので、契約即日に入居した。

家具などはおいおい買っていけばいいし、余裕が出来れば猫でも飼いたいなとも思っている。

 

 

 

「ここから俺の薔薇色の人生にしてやるぜ!!」

 

 

 

などと思っていた時期が俺にもありました。

最初の一ヶ月程度まではよかった。

良いアルバイト先を見つけて暫くは安泰だと思い、ついテンションが赴くままに()()()(CV立木文彦)してしまう。

 

 

 

どぉぉぉぉぉぉしてダヨォォォォォォォ!!

 

 

 

某賭博漫画の主人公並に大声で叫んでしまう。

それもそのはすだ。

お金が底をつきたのだから。

学生時代貯金してたお金は生活用品などで使い切ってしまい、手元にあったお金も一回目の家賃とその他光熱費、水道代等を払ってしまい雀の涙ほどの残金しかない。

やっべー都会すげぇなんて思っていた甘い自分をぶん殴りたい。正直舐めていた。

 

 

 

「バイト先から振り込まれないしよぉ……」

 

 

 

預金通帳を眺めながら溜息を着く。

今働いているスーパーは週五で出ていたし、残業もそれなりにあったため、給料は多いはずなのだが。

振り込まれる期日をとうに過ぎており、店長に確認しても他の人の給与の振り分けで忙しいとか適当な理由をつけられてはぐらかされる。

十中八九、踏み倒す気でいるのは目に見えていた。こちらが上京してきたばかりで金銭面で余裕が無いのを向こうもわかっているはずなのに、こんなにも酷い対応されると思いもしなかった。

正直あの待遇の良さも今思えば、怪しいと思う。

たかだかアルバイト一人にいきなり研修もなしに1000円近い時給を出すと言うだろうか。人手不足で困っていると店長は言っていたが、やめた人間はあの人の本性を理解したから辞めていったのだろう。

 

 

 

「はぁ……ついてねぇな……」

 

 

 

今どきあんな酷いことを出来る人間がいると思うと、急に東京という場所が怖くなってくる。

こんな給料の踏み倒しなんて序の口だろう。

大小それぞれある事件なんてそれこそ星の数程あるし、ニュースに取り上げられる程の事件が起きるのも未だに無くならない。

どれだけ文化が発展しても、悪事を考える人間は減らない。矢張り人類は某特撮に出てきた衛星が言っていたように愚かなのか。

まあ、難しい話はやめておこう。

今回は高い勉強料という事で諦めよう………………そんなわけねぇじゃん!!(某テニスプレイヤー風)

 

 

 

「やっぱりこういう困った時は、人脈に頼るしかねぇ」

 

 

 

ある連作先の電話番号を入力し、電話をかける。

 

 

 

「もしもし、こちら古谷さんのお電話でお間違いないでしょうか?」

 

 

 

『敬語なんて使わなくていいよ

 

何か困っているんだろう、衛二?』

 

 

 

今電話を掛けたのは母の兄、俺の叔父「古谷明木」。

困った人を見つけたら助けずにはいられないとても正義感の強い人で、東京でそれなりに有名な弁護士事務所を構えている凄い人。

小さい時からよく可愛がってもらってたのを今でも覚えてるし、人として正しい事と悪いことの区別を教えてくれた尊敬できる人だ。

以前地元で集まりがあった際に、困った時があったら何時でも相談してくれと言われて電話番号を渡されていたので電話をかけた次第だ。

 

 

 

「実は……」

 

 

 

ありのままバイト先の事を説明する。

相槌を打ちながら返事を返す叔父は、丁寧に対応してくれた。

 

 

 

「なるほど、そのスーパーかなり真っ黒みたいだね

 

任せてくれ、僕が何とかしよう」

 

 

 

それから数日後、例のバイト先のスーパーから電話がかかってきた。

俺が働いていた時にいた店長とはまた別の店長で、前任者の件で謝罪の一報を入れてくれたらしい。

話を聞くがきり、俺以外の人にも給料の未払いやタイムカードの改竄など目に余る行為をした事が発覚したため、クビにされたそう。

なので今回は未払いの給料+慰謝料という形で支払ってくれるというので、それを受け入れることにした。

 

それから叔父へ電話を入れる。

余りにも展開が早すぎたので何かヤバいことをしたのかと思わず聞いてしまう。

 

 

 

「ハッハッハ!そんなことしないよ

 

ちょっとお話しただけだからさ」

 

 

 

「はっ…はぁ?」

 

 

 

深く聞かない方がいいのだろう。

聞いてしまったら、後戻りができないようなふうに思えてしまうから。

叔父へお礼を言い、電話を切る。

 

 

 

「なんというか……東京って色んな意味で驚きがいっぱいだな」

 

 

 

実際に住んでみて、毎日が驚きの連続だ。

良い意味でも、悪い意味でも勉強になる。

 

 

 

「今日はパァっとやりますか!!」

 

 

 

一ヶ月もやし生活の鬱憤を晴らすため、今日は豪遊するためにコンビニへと走る。

 

 

これはフリーターが夢のために再燃する物語。




主人公のモデルの俳優さんがわかった方は是非ともコメント欄で正解を書いてみてください。

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