幻想郷の接触   作:ゼロ・ワン

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今回は切る場所が見つからなかったので、後半が説明会になりました、なのでかなり長いです。
余りに長いので前後編にしました。


幻想郷の使者、藤原妹紅前編

宣言通り正午丁度に裂け目を開き出現した妹紅は現在、リムジンに乗っていた。

リムジンに乗って少しすると妹紅は幻想郷から書状や友好の証として贈り物を用意した事を説明した。

幻想郷の事を伝えたいから記者会見をさせて欲しいという事や、贈り物は危険物ではない事を幻想郷の代表としての私の地位で保証するので、衝撃を与えたいから渡すその時まで芸術的価値が高い物という認識でいて欲しいと頼んだが、別の世界で人と妖怪が暮らすのだから常識も大きく違うだろうから国民も知りたいだろうし、政府としても話を聞きたいからという理由で快く了解してもらった。

 

手ぶらに見えるのでそこを聞かれると、隙間を開いてここから取り出すと説明した。

妹紅からの頼み事が終わると、不死鳥の姿の時に捕まえようとした事を謝罪されたが、妹紅は目立つためにわざと捕まっていたから構わないと回答し、妹紅もこちらこそ目立つために網を燃やし尽くしたのでこちらも悪かったと謝罪した。

 

妹紅はリムジンに乗って謝罪を終えた後、興味津々な様子で窓から街を眺めていたが、ふと気になった事があったので質問をする事にした。

「確か…今私が連れられている理由は、私のこの格好が風変わりという理由でしたね。」

妹紅がこんな事を言うと、妹紅の隣に座っていた応対役として選ばれた外務省職員が少し慌てて答える、ちなみに妹紅を応対する人員は政府から数多く選ばれ、このリムジンにもこの職員以外にもいるが同じ女性という事でこの職員が基本的に妹紅の対応をする事が決まった。

 

「い、いえその服装が変という訳ではなく今のこの世界では、私共が着ている様なスーツという服装が一般的なので藤原さん用のスーツを用意させて頂くためでして。」

「いえ、別に責めている訳ではないですよ、この格好は幻想郷の文化の一端として私もわざと着てきたので、スーツという服を着る事は吝かではありません。」

「それは良かったですが、幻想郷の文化とはどういうことでしょうか?」

外務省職員は幻想郷の文化の一端だと言う妹紅の服装からどういう文化なのかを訪ねる。

 

「実を言うと幻想郷は自己表現が重視されるのです、服装はその一端であり正装と言う概念が無い訳ではないのですが、それよりも自分らしさを表現する服装があるのならそちらを着て構わないのです。」

「自分らしさ…ですか、ということは藤原さんの服装は藤原さんらしい服装をしているということですか?」

妹紅の服装は頭頂部に大きなリボンと髪の所々に小さいリボン、白いカッターシャツとサスペンダーで吊った赤いもんぺをしており、妹紅自身の白髪のロングヘアーと紅い瞳という容姿が合わさり紅白という印象が強い。

「そうですね、私らしいからこの格好をしていますね、ある程度自己判断で話しても構わないと言われているので他の例を出しますと、私に使者としての仕事を任せた賢者の八雲紫という妖怪は、フリルの付いたドレスか、道士服を何処でも着用しています。」

「フリルの付いたドレスですか、こういっては失礼ですが本当なのですか?」

流石に使者を任命する事が出来る程の人物が、常にその様な服装という事が信じられないのでそう聞くが、「信じられないでしょうから写真を持ってきました、すみませんが隙間を開けさせてもらいます。」妹紅はそう言うとアビリティカードを振って隙間を作り、そこから写真を何枚か取り出した。

 

その光景に外務省職員は先ほど説明されたものの、目をぱちくりと瞬かせて驚く。

「沢山写真が有りますが、八雲紫の写真はこの2枚ですね。」

妹紅は写真を選り分け、隙間に違う写真を戻しながら紫の写真を渡す。

「はいお預かりします、この写真が藤原さんを任命した賢者の八雲紫…ですか、本当にしていたのですね、疑ってすみません。」

その2枚の写真にはどちらも高身長で金髪をした美しい女性が写っており、片方はフリルの付いたドレス、もう片方は道士服を着ていた。

「他にも高い地位に就いている妖怪や人は必ずと言って良い程、自分らしい服装をしています。」

そんな話をしているうちに目的地に着いた。

 

妹紅視点

妹紅は現在東京の有名服飾店で採寸されていた。

「私のスーツという服はどうなりそうですか?」

店員にそう訪ねると、「本来は余りしたくないですが、既製品を藤原さんの身体に合わせて仕立て直します、元となるスーツは有りますから。」

「そうですか、急ですみません。」

妹紅はこんな事を言いながら、別の事を考えていた。

『外の世界はこうして細かい部分を見ても大きく変わったんだな、西洋化して新しい文化をする様になっているがそれだけではないな、紅魔館や他の西洋に居た連中とは大きく違う部分が有る事を、自動車の窓から見る事が出来た、…本当に…発展したんだな。』

妹紅は外の世界のいろいろな物に興味津々で、見るだけで楽しくてたまらなかった。

今まで一年間外の世界を散々見て来たが、空から見るのと間近で見るのとでは大分違って見えた。

そう物思いに耽っている妹紅に外務省職員が話しかける。

「藤原さん、スーツが完成した様ですので、こちらで着替えていただけますか。」

「もう完成したのですか!分かりました初めて着るので手伝っていただけますか?」

店員にそう頼むと「了解しました。」と手伝ってもらう事となった。

 

数分後

妹紅は間に合わせとは思えない程、きっちりとしたレディーススーツに身を包んでいた、ちなみにリボンはそのまま着けていた。

「これがスーツですか…、初めて着ましたがこう気合いが入る気がします。」

『このブレザーという服は初めて着たが、うん本当に良い着心地だな、このズボンも何時も履いている袴とは違うが、これもまた良い履き心地だな、でも何でブレザーはボタンが二つあるのに上のボタンしか留めないんだろう?袖みたいに飾りかとも思ったが、穴もちゃんと有るなんてよく分からない服だな。』

妹紅が疑問を抱いていると、外務省職員が妹紅に頼み事を伝える。

「藤原さん写真を撮らせてもらってもよろしいですか?写真をネットというものに投稿して藤原さんが着替えた事を気になっているであろう人達に知らせたいのですが。」

「ええ、構わないですよ。」

そうしてスマホで写真を撮りスーツ姿の妹紅が世界に公表された。

「そういえば、今まで着ていた服はどうされますか?」

「そうですね、隙間で私の家に送っておきます。」

そうしてまた、隙間を開くと何回か見ていた政府の人達は落ち着いて見ていたが、店員達は声は出さないものの驚いていた。

 

 

 

記者会見

夜19時に妹紅は記者会見を始める事となった。

妹紅の会見は異世界の話であり、多くの報道各社が聞きたがったため大きい場所を借りたため、300人程の人が入っても余裕が有る部屋を借りていた。

手元を拡大してスクリーンに写し出す機械も用意され、ここで妹紅は日本全国に生中継されながら話す事となった。

 

そうして妹紅が話を始めた。

「これより、記者会見を始めさせていただきます。」

「改めて名乗ります、私はこの世界からは物理的な手段では行く事が出来ない異世界、幻想郷の使者として参りました、藤原妹紅と申します。」

炎を出すとスプリンクラーが作動してしまうと説明されたため、今回は炎を出さずに改めてそう名乗る。

「今回の記者会見では幻想郷について基本の情報を伝えようと思います、質問は最後に挙手でお願いします。」

 

 

「先ずは幻想郷の成り立ちと仕組みを簡単に説明します、成立は約1000年前に元々この世界に住んで居た数多くの妖怪が賢者と呼ばれる、強大な力を持つ妖怪達によって纏め上げられ、その後の約500年前に賢者の一人八雲紫によって、幻と実体の境界と呼ばれる結界を作りその中に幻想郷が作られました。」

「この結界はこの世界で忘れ去られたものを幻想郷に集める効果があります、具体的に言えばこの世界で皆がそういえばそんなのも有った、という位に忘れられたものが入って来ます。」

「その後明治17年、それまでは幻想郷からこの世界に出入りする事は誰でも可能だったのですが、幻想郷に存在する博麗神社という神社の、巫女と賢者の手によって博麗大結界が作成され、賢者や博麗神社の巫女以外は基本出入りが不可能になりました。」

妹紅が今語った事は、常識からは考えられない程ファンタジーな内容で、頭の固い者は理解に時間がかかるが、頭の柔らかい者は幻想郷に心を踊らせる。

 

 

「次に妖怪について説明しようと思います、昨日、私は幻想郷を人と妖怪が暮らす世界、と説明しました。」

妹紅がそう言った直後から、テレビの視聴者は実際の妖怪について気になっていたため、一言一句聞き漏らさない意気込みをする。

「私は人ですが幻想郷には数多くの妖怪が暮らしています、妖怪は先ほど説明した幻と実体の境界によって神話や伝説に語られる者も居ますが、その多くは幻想郷で生まれた妖怪です。」

「幻想郷で生まれた訳ではありませんが、実際の写真として賢者の一人である八雲紫を見せましょう。」

紫の写真をスクリーンに写し出しながら妹紅がこう言うと、見ていた人々の一部は驚いた。

八雲紫は美しい女性の姿をしており、妖怪は恐ろしい姿をしていると考えていた人にとっては予想外だった。

「とは言っても、妖怪というのは幻想郷では動物や植物位の大きな分類で、もう少し小さく区分すると、

小さい分類での妖怪、妖精、霊、神、悪魔、等の分類があります、とは言っても妖怪であると同時に霊であったり、神であると同時に妖精だったり、といった同時に二つの種族である者もいるので妖怪は普通の生き物とは違います。」

妹紅が幻想郷に神が住んでいると言った事が、皆気になったが質問は最後なので皆我慢している、そんな間にも妹紅は説明を続けていく。

 

「そしてこの分類でも、鳥や魚位の大きな分類です、なので妖怪の種類の具体例を説明をすると、

この世界でも有名な鬼や河童、天狗以外にも、

元々普通の生き物だったもののその生き物では考えられない程長生きしたり、魔力等の不思議な力を取り込む事で変化して誕生する妖獣や、これは神でもあるのですが、元々は何の変哲も無い道具が長年使い込まれたり魔力を取り込み、意思と力を持った付喪神等が存在します。」

「後、大きな分類で妖怪ではあるもののも小さい分類が出来ない一種一個体の存在も妖怪に分類されます、八雲紫もそういう意味での妖怪です。」

幻想郷での妖怪の分類を聞いて、その幻想的な話しにRPGゲーム好きや空想家が幻想に想いを馳せるが、次の話の方が更に空想が進む。

 

 

「幻想郷には妖怪というこの世界にとって非現実とされた存在が暮らしている様に、他にも非現実とされたものがあります。」

「それは魔法や仙術等の、様々な不思議な現象を起こせる術です。」

妹紅が炎を操っていたため予想されていたが、この一言で魔法の実在が保証された。

「少し話が変わりますが、幻想郷では~~する程度の能力と自らの能力を自己申告する文化がありますが、魔法を使う程度の能力を名乗る者が多くいる程、不思議な術を使う事は一般的です。」

「それらの術は、魔法や仙術、私も使う妖術等様々な系統のものが存在しています。」

「ちなみにそれらの術には属性という概念があり、有名な五行以外に日属性や月属性等の属性も存在しています。」

「そして属性の才能は名前によって決まる事が判明していて、私で言えば紅という漢字が名前に入っているので炎属性が得意ですし、雨という属性が入っていれば水属性が得意になるというように、属性と関係がある部分が名前に入る事で決まります。」

 

 

「最後に幻想郷において一番重要な、人も妖怪も関係なくするための文化について説明します。」

妹紅から語られる幻想郷の話は面白くて、皆聞き入っていていつの間にか、二十時になっていた。

「幻想郷で一番重要な文化とは命名式決闘法に則った決闘です。」

幻想郷は決闘が重要な文化と聞いて皆ぎょっとするが、「決闘とは言っても、法になっているようにこちらの世界で言う所のスポーツと同じ様に、安全なルールがある遊びです。」そう言われて落ち着く。

「命名式決闘法には幾つかのルールが存在しますが、そのうち最も人気で私も嗜んでいる、スペルカードルールについて説明します。」

「このルールでは空を飛びながら魔法等で作った弾幕を相手に撃ちます、特徴として弾幕は自ら試行錯誤して自分らしさを表現した物を作ります。」

「弾幕には名前を付けて、このルールの名前にもなっているスペルカードという契約書に弾幕の名前を書き、スペルカードを決闘前に何枚使うかを話してから、決闘中にスペルカードを相手に提示してからでないと技を発動する事が出来ません。」

「そして勝利条件は、相手が決闘の前に自ら提示した枚数を使いきるか、決闘の前に互いに決めた被弾数を相手が越えたら勝利です。」

妹紅は説明を終えると、写真を隙間から何枚か取り出す。

「口頭で説明されても分からないでしょうから、実際に私がスペルカードを使っている写真を撮ってもらいました。」

一枚目の写真は、空中を飛ぶ妹紅の周囲に魔方陣が浮き、その魔方陣からは弾幕が螺旋状に射出されている弾幕。

二枚目の写真は、幾つもの魔方陣によって長方形に見える位の大量の御札を射出しながら、長方形の底辺付近から別の魔方陣が横に移動しつつ縦に御札を飛ばす弾幕。

三枚目の写真は、妹紅を中心に炎の弾幕を円形に飛ばしながら、魔方陣を飛ばし、飛ばした先で爆裂させながら自らも前方三方向に炎を連射する弾幕。

 

それらの弾幕は外の世界の人間にとって、常識が通用しない事を知っていても非現実的に思えたが、浮世離れした美しさがあった。

 

 

妹紅は漸く幻想郷の説明を終え、心の中で溜め息をつく。

『はぁーー、話し続けるのは疲れるな、でもここからは聞かれるまでは黙ってて良いから、少しは楽になるな。』

「これにて幻想郷の基本についての説明はこれで終わります。」

「これより、質疑応答を始めさせて頂きます。」

そして、今度は質疑応答が始まった。




記者会見までに出ていた、外務省職員に名前付けてオリキャラにしようかと思っていましたが、投票によりモブに降格してこれ以降出すのは一応中止です。
本文での説明は原作設定通りです。
妖怪の設定はチルノが初登場とそれ以降のテキストで、妖怪から妖精に言い方を変えていますし、妖精自体も成長すると妖怪になるようですし、他にも聖白蓮が神も妖怪も変わらないと言っています。
名前で属性の才能が決まる設定は存在していて例を挙げると魔理沙に物部布都が、才能は水属性なのに火属性の魔法を使うのは難儀と、言っていますね。
妹紅の才能については名言されていなかった気がしますが、この設定と炎の術が得意な事から妹紅の才能は名前の紅で決まっているんでしょうね。
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