幻想郷の接触   作:ゼロ・ワン

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滅茶苦茶長くなった前後編の後編です。
前回の妹紅のスペルカード、どれがどのスペルカードか判った方はいますか?判らなくても作者の書いた情報が少なかっただけです。
それぞれの名前は
一つ目は、時効「月のいはかさの呪い」
二つ目は、不死「徐福時空」
三つ目は、蓬莱「凱風快晴ーフジヤマヴォルケイノ」
でした。


幻想郷の使者、藤原妹紅後編

妹紅は幻想郷の説明を終えたので、記者会見で質疑応答の時間が始まった。

「では、質問のある方は挙手をお願いします。」

妹紅がそう言うと、当然ながら記者が続々と挙手した。

「では、前から三列目で右から七番目の方どうぞ。」

「○○新聞の者ですが、先ほど見させていただいた賢者の八雲紫様は人間にそっくりでしたが、妖怪は皆人間に近い姿をしているのですか?」

「それは半分正しく半分違います、幻想郷に住む妖怪は様々な姿をしていますが、人に近い姿でいる者が多いです。」

「鬼等は最初から人に近い姿ですが、人に化ける事が出来る妖怪は元々の姿の時の耳が頭頂部に付いたり、元々の姿の尻尾や翼を生やしている事以外は人と変わらない姿に化ける者が多いいです。」

これを聞いて所謂、獣耳や尻尾に萌えを感じる人々は大歓喜して、人間に化けた妖怪を題材にした絵を多くの絵師が描くこととなった。

「説明ありがとうございました。」

 

別の人からの次の質問は神についてだった。

「幻想郷に神は住んで居ます、住んで居ると言っても大体はこの世界と同じ様に分霊ですが、本体も暮らしています。」

幻想郷に神と呼ばれし存在が実在すると妹紅は断言するが、本体と分霊という神道を有る程度知らないと分からない事を言う。

「分霊と本体ですか…、失礼ながら質問に質問を重ねさせて下さい、神の本体と分霊とはどういう存在なのですか?」

「神は肉体を持った本体と、本体が御神体に派遣した意思を持った力の一部である分霊という関係であり、違いとして本体は肉体が有るので普通に見る事が出来て、分霊は巫女等の才能が無いと見えないという違いがあります。」

「分霊はこの世界にも居ますが大抵の本体はこの世界ではなく、幻想郷も含めた他の世界に暮らしているようです。

とは言っても幻想郷以外では一切名前が知られていない、幻想郷固有の神もいますね。」

「そして幻想郷に住む本体は、人間の様な名前を名乗っていますね、神は名前を複数持つのが普通なので。」

これを聞いて宗教関係者はさまざまな対応をとる事になった、例えば自らが祭る神が住む世界を探す者や分霊を見る事が出来る才能を持つ人間を探す者等、いろいろな対応がされた。

 

次の質問では

「先ほどは小さい分類の妖怪と神について説明されましたが、想像がしやすい悪魔や霊は兎も角、妖精とはどの様な種族なのでしょうか?」

テレビを見ている人々は確かに、と思った。

何故なら妖精は姿を想像する事は簡単だが、具体的にどんな生物か?と聞かれても答えに出来るイメージが無い。

「妖精について現在分かっている事は、外見で言うと虫や結晶、或いは他に該当する生物が存在しない不思議な形状の羽を持ち、人間の子供と羽や髪色、大きさ以外変わらない見た目をしています。」

そう言って妹紅は写真を取り出し、スクリーンに映す。

「この写真は数多くの妖精に協力してもらって、妖精達と私を写した写真で、私が写っている理由は大きさの判別をするためです。」

その写真は妹紅が言った通り、様々な形状の羽をした妖精が写っていたが、妖精達は妹紅の掌に乗っている者から妹紅の腰位までの身長だったり、様々だった。

「妖精は自然現象が意思を持ち擬人化した存在であり、本人が生まれた自然現象の強さや本人の成長度合いで、大きさが掌に乗る位から普通の子供位までの差があります。」

「そして、妖精の特徴ですがその性格は無邪気な子供そのものの悪戯好きな性格と、自らの生まれた自然現象がある限り死んでも本人が五体満足で復活する不老不死の存在でもあります。」

かなり衝撃的な事を妹紅はさらりと言う。

 

それに驚いて妖精について質問した記者は慌てて「今妖精は不老不死と仰られましたか!?」と、聞く。

それに妹紅は落ち着いて答える。

「はい、本人達曰く一回休みと呼ばれる妖精の特徴は幻想郷では広く知られていて、妖精の悪戯に対して人間の子供が網で捕まえて瓶詰めにするという仕返しが、夏の風物詩として有名な位で本人達も楽しんでいますが、そもそも妖精が不老不死だからそれくらいしても問題無いという理由ですしね。」と妹紅はずれた回答をするが、そんな回答をする位には妖精が不老不死なのは幻想郷の常識らしい。

『ほ~んと幻想郷は楽しい場所だよな、私たち蓬莱人以外にも不老不死な妖精が沢山住んでいるから孤独感を感じないし、あいつら明るくて陽気だから見てるだけで楽しいからな。』

紫に言っても構わないと言われた事の一つなので、妹紅は爆弾発言をしたにも関わらず呑気な事を考えていた。

 

 

他にも幾つかの質問に答える妹紅に妹紅自身への質問が行われた。

「藤原さんは随分お若い様に見えるのですが、何歳なのでしょうか?」

妹紅は自身を人と説明していたため、見た目通りの年齢と思われたようだった。

「私の年齢…ですか…、少なくともこの場にいる誰よりも年上です。」

妹紅はまたさらりと爆弾発言をして、テレビを見る女性達を驚愕させる。

「私は自身を人である、と名乗りましたが幻想郷では人と人間は同じ存在を指す訳ではなく、人の分類の中に人間が入ります、とは言っても幻想郷に住む人の大部分は人間です。」

幻想郷は多くの妖怪だけではなく人の種類も数多くいるらしい。

「人の分類の一つが人間…ですか、では他にどの様な人が居るのですか?」

「例えば、半分妖怪で見た目が老いる事の無い半人や、仙術の修行を続ける事で老いる速度を遅く、場合によっては若返りも成し遂げ心身共に強靭な存在に変化した、仙人等が存在しています。」

「半人は妖怪と人間の間に産まれると先天的ですが、どの種族でも人間が後天的に変化する事が可能で、私も人間から変化しました。」

「不思議に思いませんでしたか私の髪色、人間だった頃は、黒髪だったのですが人間を辞めた時に白く染まってしまいました。」

ロマンのある話だった、超人願望を持つ中二病達や若返り願望を持つ人は特に。

 

そんなこんなで、質疑応答は終了した。

 

「これより、幻想郷からの友好の証として贈り物を渡したいと思います。」

妹紅は紫から預かった贈り物を日本政府に、出来るだけ多くの人目につく場所で渡す事になっていたため記者会見の直後が選ばれた。

そして二人の政府高官が妹紅の隣に来て受け取る準備をする。

「今回、幻想郷からの贈り物は二つ有り、どちらも幻想郷でも珍しくそして芸術的価値が高いものです。」

この発言に世界中が幻想郷のお宝にどんな物かと期待を寄せる。

 

「どちらもこの世界でも文献に残っているはずですが、今から渡す方は余り知られていないかもしれません。」そう前置きして妹紅は隙間から皿に乗せられ表面が濡れた、中で金魚が泳ぐ透き通った球体を取り出す。

「これは中に生き物が住み着く事で、中から湿気が出続ける、天気石の一種で魚石と呼ばれる物です。」

魚石は美しく見ているだけで心洗われる様だった。

「天気石は滅多に見付からず、その中でも魚石は中身が見えるギリギリまで削る事で、その美しい中身を見る事が出来る物で、朝夕に見る事で寿命が延びるとも言われているお宝です。」

このお宝は中身が見える様に削られていた、妹紅が言った通り芸術的価値が高い事が一目で見ていた全員に伝わった。

『ま、私は寿命が無いから関係無いけどね。』

「元々常に濡れる上、中身を見るためにギリギリまで削られた魚石は脆いのでお皿に乗せてあります。」

そう言って妹紅はお皿ごと、魚石を政府高官の一人に渡した。

 

「次のお宝はこの世界でも、有名であり様々な名で呼ばれている伝説の植物です。」

魚石を見て膨らんだ期待はこの謳い文句で更に膨らみ、皆ワクワクしながらどの伝説の植物なのか考える。

皆が考えているその間に妹紅はまた隙間から何かを取り出す、それは七色をした丸い実が付いた銀色の枝を持つ植物だった。

「これは蓬莱の玉の枝、或いは優曇華と呼ばれる木の盆栽です。」

竹取物語で凄い有名な植物の実物は、想像されていた物より美しいと皆が思った。

「この植物は、周りから穢れを吸って成長するために多くの人間が住む場所に置いておくだけで、実が大きくなります。」

『輝夜の奴がこれを紫に渡したらしいが、他にも幾つか持っているのかな?』

そして、妹紅は説明の後にもう一人の政府高官に渡した。

 

「これにて、本日の会見を終了とさせていただきます、ありがとうございました。」

これで外の世界にとって、驚きに満ちた記者会見が終了した。

 

 

記者会見を終えた後、妹紅は高級ホテルの一室で一人ベッドに腰掛けていた。

「はあ~~疲れた、お風呂は気持ち良かったし、夕食も美味しかったけど、あんだけ話し続けていたから疲れが簡単には抜けないよ。」

こんな風に気を抜いても良いのか、と思うかもしれないがボディーガードは女性でお風呂にも付いてきたが、現在は一人でゆっくりしたい妹紅のお願いで部屋の前で警備していた。

ちなみに現在、妹紅は何時もの服装に戻っている。

「まあ、これで外の世界は幻想郷や妖怪、不思議な力に今頃世界中で興味津々だろうさ、私の仕事はきっちり成功と紫も言うだろうさ。」

「それにしてもベッドか、私はこういう寝具を使った事は一度も無いけど、座っているだけでも気持ちいいな、良く眠れそうだ。」

そう言うと妹紅は「せっかくだからここの窓から写真を撮るか、さっき確認したらいいって言ってたから問題は無いしな。」と綺麗な夜景を撮って暫くして「明かりが絶えない街だけど、それだけ皆妖怪に怯えないで仕事をしていられるんだな、私からすると変な感じだな。」

そう言ってから、妹紅はベッドで眠りに就く。




どちらも原作に登場していて、魚石は東方茨歌仙で登場、優曇華のほうは本文にも書いた様に蓬莱山輝夜が趣味で盆栽にしていました。
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