生放送番組の最後に姿を変化させて見せたお燐は、妹紅と共にホテルに戻り政府職員と話をしていた。
「では、お燐さんの本名は火焔猫燐と言って更にその姿になれるのですね。」
先ほどまで予想されていなかった訳では無いが、猫の姿からこの姿に変化する様子は見て驚愕する他なかった。
「そうだよお姉さん~、でも名字長いから今まで通りにあたいはお燐って呼んでね~。」
「すみません、ギリギリまで言わない方が驚いてくれると思って秘密にしていました後、妖怪は人に近い姿に化けられる者も居る、と話したので幻想郷内で話し合った結果、実例を連れて来ることになりました。」
呑気に話すお燐に対して妹紅は少し謝罪する。
「いえいえ、構わないとまでは言いませんが、こちらも恐らく幻想郷の基本方針が出来るだけ驚かそうとしているだろう、と予想は付いているので。」
流石に各国政府や一部の勘が鋭い人はそれに気が付いていて、寧ろどう驚かされるか楽しみな者も多かった。
「そう言って貰えると幸いです。」
妹紅がお礼を言うと、「それでは、お燐さんはこれからどうされるのですか?」と政府職員から尋ねられる。
「そうだね~元々明日の朝までの予定だったから、妹紅と一緒にここで地霊殿の事を色々発信するつもりだよ。」
そう言う事になったのでお燐は夜までホテルに居る事になった。
妹紅が日本政府に手伝って貰って開いているSNS、にお燐が自分や地霊殿の写真や情報を公表した。
それにより、断片的にしか分からなかった幻想郷の事で多くの事が判明して考察が盛り上がった。
後、老若男女問わずお燐が可愛いと大評判だった。
以下ネットの反応
『お燐さん可愛いです、猫耳に二本有る尻尾これらの要素が可愛くて仕方ないですよ、それにアニメやゲームで有りがちな変な語尾していないから、あざといとは感じないですし』
『何か幻想郷は今まで和風な雰囲気だと思っていたんだけど、地霊殿はすっごい洋風な建物だったな』
『お燐ちゃん曰く、地霊殿は古明地さとりさんとその妹さん、そしてさとりさんのペットがいっぱい暮らしているらしいですね』
『守矢神社と共同で幻想郷の電気を作る事業をしているみたいだけど、地面の下で出来る発電だから地熱とかかな?』
『地霊殿のペットは元々普通の生き物だけど、さとりさんの役に立ちたいから妖怪に成るらしいですね、だから地霊殿で働いているのはペットばかりみたいです』
『ペットを働かせるって、インモラルな響きを感じる私の心が汚れているだけかしら?あの見た目も相まって…ね』
『古明地さんは覚という種族の妖怪みたいだが、名前が種族の平仮名表記って何か理由があるのか?』
『可愛いな~猫耳美少女、俺もペットを飼おうかな、この世界でも何かの間違いで妖怪になって獣耳美少女になるかもしれないし』
『ペットを働かせているなんて、地霊殿は何てブラックなんでしょう、文化が違うとは言ってもこれはやりがい搾取というものです』
『お燐さんによると地底は騒がしい場所らしいな、嫌われ者だったり凶悪な妖怪だったり、そんな連中が住んでいる場所を纏めているなんて、古明地さとりは恐ろしい大妖怪なんだろうな』
一方その頃お燐はホテルでスマホの使い方を憶えた妹紅と二人でSNSを見ていた。
ちなみに基本日本政府はホテルを大使館の代わりにしているため、機密保持の事も考えて部屋には居ない。
「妹紅はこのSNSとやらの使い方をどうやって憶えたの?」
「政府に教えて貰ったのと、私の友達の外の世界の人間に教えて貰ったんだよ。」
これに関して政府は、憶える速度が早いなと少し不思議がっている。
「それにしても、あたいってそんなに可愛いかな?妖獣は皆こんな感じだと思うんだけど。」
「外の世界だと基本居ないからじゃないか、外の世界だとお燐みたいなのは今まで想像でしかなかったから、実物が出て来て過大評価されているのかもな。」
「そうなのかな~ ま、可愛いと言われて嫌な気分にはならないけどね。」
等々SNSを見ながら話を続ける妹紅とお燐。
「この人達は嫌だなー、さとり様をあたいたちペットを虐げる悪い妖怪みたいに言わないで欲しいよ。」
さとりを悪く言う投稿を見て文句を言うお燐に妹紅は「仕方ないよ、まだ外の世界は幻想郷の事をよく知らないんだからさ。」そう言うがお燐は「それはそうだけどさ~、う~んよし動画とやらを撮ってよ、それであたいが直接反論するから。」と、どうにかする方法を考えた。
「そう言われても、私はまだ使いこなせてるとは口が裂けても言えないし。」
難色を示す妹紅にお燐は良いアイディアを思い付く。
「それならさ~、政府に手伝って貰えば良いんじゃないかな。」
「それだけじゃなくて、これは流石に紫に聞かないと不味いだろ。」
お燐に解決案を提示されても尚、妹紅は難色を示す。
そんな妹紅の背後に隙間が開いた。
「あら、私は構わないから好きにしていいわ。」
「うわっ!は~あ、前もそうだったが後ろから出ないでくれ心臓に悪い、で本当に構わないのか。」
妹紅は紫の突然の登場に驚いたが、紫だから仕方ないと直ぐに切り替えて許可を本当に出すのか聞く。
「ええ本当よ、今は外の世界に幻想郷のことを知って貰わないといけないから良いアイディアね。」
そう言うと紫は隙間に帰り、その隙間も直ぐ閉じた。
「じゃあ許可も降りたし、早速始めようよ妹紅。」
そういうことになった。
そうして幻想郷の公式チャンネルが動画専門サイトに開かれ、翌日の朝に投稿された第一回はホテルの中でお燐の言葉による地霊殿の誤解を解くためのものになった。
以下幻想郷公式チャンネルを見たネットの反応
『さっき投稿された動画見たか?お燐さんが出ていたが地霊殿はペットを強制労働させている訳でも、圧力を掛けている訳でもなく各々が好きで働いているという内容だったな』
『昨日の番組ではあの姿のお燐さんは少ししか見れなかった、ですが今回の動画でいっぱい見ることが出来ました、やっぱり可愛いですね』
『古明地さとりさんについて勘違いしていましたよ、そもそも大体の妖怪は働かない上、地霊殿のペットは古明地さんを慕って集まって地霊殿の中で自由に放し飼いされているから、妖怪になって働いているのはただ単純に大好きなご主人様の役に立ちたいからみたいですね。』
『あの投稿には不自然さ、が無かったから言わされているとかでは無いね、あの顔は大好きなご主人様と慕っている顔だったね』
『幻想郷で妖怪が労働する際は基本、本人達が楽しいとか役に立ちたいとかのやりたいからであって、やらされているではないみたいだね』
『今回チャンネルを開設したってことは、これからも投稿されるのかな?』
動画を投稿したかいあって、概ね地霊殿は社員に辛い仕事をさせるブラック企業という見方から、社員が勝手に働いている会社といえ見方に変わった。
そして、妖怪と人間の仕事に対する感覚の違いもよく知られた。
その後幻想郷に帰る時間になり妹紅にお燐が並ぶ。
「さて、もうやり残したことは無いですね。」
「うん、もう無いよ~。」
「そうですか…なら、これから隙間を開くので最後に挨拶をお願いします。」
「この世界に来て楽しかったよ~、もてなしてくれてありがとう~。」
お燐は妹紅に連れられ幻想郷にホテルの従業員や政府の職員達に見送られながら帰った。
この章ではこれ以降も幻想郷の住人を少しずつ連れて来ます。
次回以降の想像をして見ると楽しいかもしれません。