更にお気に入り登録も100を越えました。
それどころか、日間二次創作ランキングで25位に入りました。
ひとえに皆様が本作品に興味や、良さを感じてくださったお陰です。
この作品はまだまだメインイベントがいっぱいあるので、これからも本作品を宜しくお願いいたします。
幻想郷から住人を連れて来て外の世界と交流を図る計画、の栄え有る最初の人員として選ばれた火焔猫燐を連れて来てから凡そ一月が経ち、季節は梅雨になった。
「さて、これから外の世界に行くけど最後に何か質問はあるかい?」
現在、幻想郷で妹紅は次に連れて行く人物に最終確認をとっていた。
「久しぶりに外の世界に出るんだけどね~、聞く所によると~今の外の世界は季節が乱れているらしいけど~、やっぱり外の世界でも梅雨なのー?」
「うん?外の世界もじめじめしていて雨がよく降るから梅雨だな。」
「そっか~、何かの間違いで春かもしれないと思ったのになー、はぁ~。」
外の世界も梅雨だ、と聞くとその人物は目に見えて意気消沈する。
「まあまあそう言うなって、春じゃないから連れて行っても問題無いってことで外の世界に行けるんだからさ。」
「そうは言ってもねー、まあ外の世界のことは分かったわ、行きましょう!」
落ち込んでいたが、元来の性格が明るいためか直ぐ切り替える。
「それなら行こうか、リリーホワイト。」
そうして、妹紅はアビリティカードを振り下ろして隙間を開いた。
ネット界隈では現在、妹紅からもたらされる幻想郷の情報や妹紅本人の考察、次にどんな妖怪が来るか等の話題で盛り上がっていた。
『大使は藤原を名乗っているけど本当に元貴族らしいよ、本人は人間ではないから長生きしている、兄や姉と違って何か一族の役に立つことをしたことはない、位しか言わないから不明なことばかりだけど、
研究機関に髪を提供してくれて、それから調べられた遺伝子を昔の藤原家や今の子孫のものと比べたらしい、その結果として大使の遺伝子は昔の藤原家である程近いみたいだから大使が言っていることは本当みたい』
『この前投稿された四枚の輝針城の写真は不思議で凄かったな、だって城が空中で逆さまに浮かんでいるんだよ!』
『次はどんな妖怪が来るんだろう?前回は妖獣の実例としてお燐さんを連れて来たらしいから、今度は別の種族の実例なんだろうね』
『幻想郷には神様の本体が何人か暮らしているらしいけど、本体と分霊の差は肉体を持つかどうかであり、本体は肉体を持つから神としての力を行使出来るけど、分霊も巫女さんとかが神降ろしをすれば、分霊も肉体を持つから一時的に本体と変わらないみたい』
『大使はどんな種族なんだろう?ヒントになりそうな例は、今まで不死鳥として活動していた時の、身体を砂の様に崩れさせてその砂も消滅させる行動なんだけど、でも種族の特徴なのか大使が使う術のどちらか分からないんだよね』
『幻想郷では普通の生き物が妖怪に変わるみたいだが、植物や虫も妖怪になるのか?この世界にも虫や植物の妖怪は伝承に出てくるから存在しているとは思うがな』
『妖精は自然現象が擬人化した存在らしいけど、寧ろこちらの方が原始時代の神の概念に近いように感じるよ、神でもある妖精も居るらしいけど、神と妖精の違いはなんだろうね?』
『妖精さんが写っている写真が時々投稿される度に思うのですが、妖精さん達は可愛くて可愛くて出来ることならお持ち帰りしたいです、この思いは別に可笑しくないですよね?』
妹紅は降り頻る雨の中、リリーホワイトと政府の職員達と共にリムジンに乗っていた。
「では、今回連れて来られたリリーホワイトさんは春の妖精なのですね。」
隙間から現れたその時には妖精としか説明されず、今具体的に説明された政府の職員がそう二人に尋ねる。
「そうですよ~私は春の妖精をしていま~す。」
「今は梅雨なので、リリーの幻想郷に春を伝える、という仕事は無いので連れて来ることが出来ました。」
ちなみに現在リムジンに乗って何処へ向かっているかというと、お燐の時に出演した生放送番組に毎回、幻想郷の住人を出演させることが決定したため、リリーホワイトも出演するためだった。
「すみません一つ質問させてください、今は春では無いですが、リリーホワイトさんは今現在何も問題は無いのですか?」
前記者会見で妹紅がした説明から、弱っていないか考え尋ねる。
「はい、私は今~弱体化はしていますが~、これでも大妖精の一人なので~多少弱体化しても大丈夫です~。」
リリーホワイトは極めて朗らかに笑いながら、問題無いと言う。
「幻想郷でも、問題無いと判断したので問題無いでしょう。」
妹紅が問題は無いだろうと保証する。
『と、言うか春の興奮している状態で連れて来たら、逆に問題が出てくるに決まっているさ。』
それから暫くして。
「リリーホワイトさんは春の妖精とのことですが、具体的に春の妖精とはどのような種族なのでしょうか?」
政府の職員が根本的なことを聞いて来た。
「私は~春が来たことを伝える程度の能力を持っているんですけど~、私のこの能力は冬の間に眠っていた動物や植物に~春を教えてあげることが出来るんです~。」
凄い抽象的な表現で答えられ、政府の職員は困惑するが直ぐに妹紅が捕捉をする。
「具体的な影響は、リリーが通った場所では一斉に花が咲き乱れたり、眠っている幽霊等の存在に春が来たことを概念的に告げて目覚めさせるのがリリーですね。」
大妖精というだけあって強い力を持つようだった、と政府職員は思うが、「後、幻想郷では春告精の名で春の季語にもなっていますね。」思っていたよりもっと大きな影響力を持つようだ。
そんな風に色々な話をしながら、収録現場に向かっている途中で、「ああ!!春を感じるわ~~!!。」と言ってリリーホワイトが騒ぎ出した。
「ええ!?どうされましたか?取り敢えず落ち着いてください。」
「どうしたんですかリリー!今は梅雨ですよ!!」
政府職員と妹紅は宥めようとするが、リリーホワイトの興奮は収まらず、遂にはリムジンの窓を開けて「春が私を呼んでるの~~!」と叫びながら雨の中を飛んで行ってしまった。
「おい!待て!リリーホワイト!!」
急に妹紅が敬語表現を辞めた上、大きい言葉を出して政府職員は驚くが、「リリーホワイトさんはどうされたのですか!?」と慌てつつも尋ねる。
「あ……、すみません先ず説明をするべきでした、リリーは春の妖精であり春は春な場所に留まったり、興奮して暴れ出すことがあるのですが、今は梅雨なので問題無いだろうから説明をしていませんでした。」
妹紅もよく分からない事態に動揺しているようで、リリーホワイトの習性から予想は出来ても、こうなった原因が分からない模様。
「でも、今は梅雨なのに春の場所なんて……。」
本当に訳が分からない様子の妹紅を視界に収めながら、政府職員はリリーホワイトの行き先を思い付く。
「藤原大使、私リリーホワイトさんが何処へ向かったか予想が付きました。」
そうして妹紅は事態の収拾に動きだした。
という訳で次回は暴走したリリーホワイトを妹紅が何とかする回です。