やはり沢山の人の目に付く状態だと、皆見てくれますね。
ちなみにリリーホワイトは興奮した状態で、前回の興奮した時点から敬語を辞めています。
今回、これまでと比べてもかなりの文量ですが、執筆が止まらなかったので、一日早く投稿しました。
雨の降り頻る中新宿の空を飛んでった、リリーホワイトを後始末の形で妹紅が飛んで追うことになった。
作戦は先ずは説得を試みて、無理そうなら本命の作戦として妹紅が捕まえる作戦だ。
「ああ!!なんでこんな雨ん中リリーは飛んでるのさ!寒くて仕方がないよ!」
『霧になって視界が塞がれるから、自分を燃やして暖まることも出来ないしさ!』
妹紅はキレながら、リリーホワイト自身の妖気と、リリーホワイトの目的地と思われる場所の二つの要素から現在地を予想して向かう。
そうして時速50キロ程で飛んで約10分後にリリーホワイトが見えてきた。
「待っててね春~~今から私が行くから~~。」
リリーホワイトはそう叫びながら、高いビルの間を縫うようにぐにゃぐにゃと曲がりながら目的地へ向かって進む。
「やっと見つけた!おーいリリー戻って来てくれないかー?このままだと迷惑になるからさー。」
そう呼びかけるがリリーホワイトは「邪魔しないでくださ~い妹紅さ~ん、私は春に向かわないといけないから~~。」そう言って妹紅の呼び掛けを無視して飛び続ける。
「待て!!飛ぶのを辞めないなら、私が無理にでも捕まえさせてもらうからな!」
そう呼び掛けても、駄目だったので本命の作戦に切り替える。
捕まえるため妹紅はぐんぐん速度をあげるが、「邪魔しないで~って言っても邪魔するなら~こっちにも考えがあるんだから~~。」と告げてリリーホワイトは低速な弾幕を展開してきた。
「辞めろ!!弾幕なんかこの世界で出すな!」
『さてどうするかな、リリーは大妖精であるとは言っても今は梅雨で弱体化しているから、この弾幕もせいぜい石を全力で投げている位の威力だろうし、多少痛いのを我慢して特攻するべきか。』
そこまで考えて、ビルやこの騒ぎに乗じてか増えてきた観衆を見て、『いや、私は当たっても影響は多少速度が落ちるだけだが、普通の人間やビルに使われているガラスには危険…だな……、よし全部撃ち落とす!』
そうして妹紅は魔方陣を四枚展開して大量の御札を射出して対抗した。
リリーホワイトが展開した、光ながらゆっくり移動する大量の弾幕を、迎撃する妹紅が展開した魔方陣から射出される色とりどりの御札、この二つがぶつかり合うこの光景を端から見ていると、美しいの一言に集約されるだろう。
ただ当人達にとってはそんな余裕など、一切存在しないが。
「ほらほらどうした!もう私は追い付くぞ!降参するなら今のうちだからな!!」
「来ないで~~、邪魔しないでよ~~私は今から春に行かなきゃいけないの~~、そっちがその気なら~私にも考えがあるんだから~~。」
リリーホワイトも妨害の低速弾幕が撃墜され、作る以上の速度でどんどん減り、更には妹紅が直ぐそこまで来たので、今度は低速の妖力弾に加えて高速の妖力弾も混ぜる。
「それは無駄な悪足掻きというものだからさ、いい加減諦めるんだな!」
そう言って妹紅は魔方陣を八枚に増やして、高速弾にも対応するが、『とは言ったものの、高速弾も全部撃墜するのを続けるのは御札が雨に濡れることもあって辛いな、というか外の世界だから弱体化しているはずなのにこれだけの弾幕を張れるって、どれだけの春が渦巻いている場所なんだよ。』
時間が経つにつれて強くなっていくリリーホワイトから、リリーホワイトの目的地の異常性に妹紅は違和感を感じる。
それから、妹紅とリリーホワイトの距離は基本妹紅が追い付きそうになるが、撃墜しそこねた弾幕に対応してまた距離が離れる、を繰り返して凡そ30分が経った。
そして、リリーホワイトの目的地として予想されていた通り、新宿御苑に到着した。
「何回も言うけど~~あともう少しで~春に着くの~~だから邪魔しないで~~。」
「なら、こちらも何回だって言ってやるさ!迷惑になるから戻って来い!!」
ここに来るまで何回もしたやり取りだが、やはりリリーホワイトは止まらない。
『ここは良い場所だな、初めて来るのがこんな状況ではなく落ち着いていた状況の方が良かったよ、それにしても何本も桜が生えているから春は美しい光景だろうな、でも殆どの花が咲いていないということはやはり目的地はここじゃない。』
『確か政府が言っていた、今いる新宿御苑の中に沢山の花を育てる温室って場所があるからそこが目的地ではないか、っていうこの予測は本当みたいだな。』
現在の新宿御苑は政府が避難を担当してくれた、お陰で誰もいなかった。
『はぁ~、政府には本当に助かったよ、結局追い付けなかったからな。』
さっきから展開されている、リリーホワイトの弾幕は温室に近付く程どんどん濃くなっていく。
「私が来たよ~~春~~。」
遂にリリーホワイトが温室の中に入ってしまった。
「待て!!」
そして、リリーホワイトを追って妹紅も温室の中に入った。
温室はリリーホワイトが入った影響で異様な光景になっていた。
「春ですよ~~春なんですよ~~みんな目覚めて~~春なんだから~~。」
リリーホワイトが通った場所や、呼び掛けた場所で一気に花が咲き乱れる。
それどころか、蕾すらなかった植物が勢いよく成長して花が咲く始末。
それを見て妹紅はやっぱりこうなるのか、と思いつつ。
「はぁ~~これで満足だろう、春な場所で春を伝えたんだから帰るぞ。」
妹紅はリリーはこの提案を蹴るだろうな、と思いつつ呼び掛けるが「嫌~~、ここはまだまだ春なの~~だから私の仕事はまだ終わらないの~~。」と言って案の定だった。
「まぁそうだろうね、じゃあ…今度こそ!力付くで連れ戻すからな!!」
「へえー結局はそう来るんだー、そっちがそう来るなら~私も抵抗するからね~~なんたって今の私は~この春渦巻く庭園で~凄い強化されているんだから貴女にも負けないよ~~。」
「こちらから行かせてもらうぞ!虚人「ウー」」
「スペルカードルールですか~~ならこちらも~春符「サプライズスプリング」」
妹紅は温室を傷つけないために、範囲が小さいスペルカード虚人「ウー」を選択し、リリーホワイトも春な温室を傷つけないように弾幕を散らし過ぎないようにしながらだが、戦いが始まった。
数分後、「うわ~~や~ら~れ~た~~。」と言いながら、妹紅が撃墜された。
「やった~勝ったわ~~これで私を邪魔する者は誰も~いな~い!!これで~ここにず~っと暮らせるわ~~。」
リリーホワイトが呑気にそんなことを言っている横で、『な~んてね、冷静だったら私の言葉が何か可笑しいことくらい気がついたんだろうが、今は興奮しているから無理も無いさ。』油断させるためにわざと沢山被弾して撃墜されて、肉体を捨てた妹紅の魂が笑っていた。
『さて、騙し討ちで悪いがそもそも私は一度も決闘なんて言ってないからな、「パゼストバイフェニックス」』
リリーホワイトが妹紅を撃墜して油断していると、突如としてリリーホワイトの真横に挟み込むようにして、二つの魔方陣が出現する。
「ふぇ?」
リリーホワイトが魔方陣に気付くがもう遅い、魔方陣が爆発してリリーホワイトに大量の弾幕がぶつかる。
「きゅ~~。」
「これで回収~っと。」
一回休みにならない程度に、弾幕を受けて気絶して墜落したリリーホワイトを、肉体を構築した妹紅が隙間を開いて回収する。
「はぁ~~やっとリリーを捕まえたけど、これから色々な人に謝って来ないと。」
そうして、妹紅は方々に謝罪して回ることになった。
翌日の夕方、妹紅は幻想郷の家に帰っていた。
「昨日は疲れたよ、何回も頭を下げて回ったしさ、でも何で急にリリーは春を感じたんだろうな。」
家の中で一人なのに妹紅は誰かに話しかけるように独り言を話し、それを続ける。
「あの庭園は最初からそこそこ近い位置にあった、それに後で落ち着いたリリーに話しを聞くと、元から微弱な春を感じてはいたがあの時、突然強くなったと言っていた。」
そうなのだ、昨日最初から新宿御苑は近い距離にあった、寧ろリムジンで移動しているうちに遠くなっていた程だった。
「そして、リリーが暴れ出す少し前に温室に居た人間が不思議なものを見たと証言をしていたんだ。」
それは昨日の夜、政府の聞き取り調査で判明し、妹紅に共有された情報だった。
「たった、数人しか見ていなかったようだが、温室の端の方で不思議な服装をして、それぞれ竹と茗荷を持った二人の少女が、楽しげに笑いながら狂気的な踊りをしていたらしいんだ、そして暫く眺めているとその二人の少女はふとした瞬間にいなくなっていたんだってさ。」
その情報を聞いた当時、何か心当たりは無いか政府に尋ねられて妹紅は心当たりがあったものの、「不思議な話ですね」、と出来るだけ不思議な顔を作りつつシラを切った。
「もっと不思議なことに、いくら端と言っても当時温室には沢山人が居て、そんな状況でそんな踊りが目につかない筈が無いのに、見た者はたった数人で且つ動画や写真を撮った者もいたのに、しっかり写っていたそれらがいつの間にか消えていたんだってさ。」
ここまでの話しは途中まではただ単純に不思議な話しだが、最後の方はかなり不気味なものだった。
「見た人は口を揃えて、『今思うと運悪く見てはいけない何かを見たのではないか』だって、まぁそりゃあそうだよね、殆どの人間が気が付かない何かを見てしまった上それらはいつの間にか消え、しっかり写真等に記録した筈なのにそれらの記録は消えていたんだ、尋常ではない力と何かの陰謀を感じるに決まっているさ。」
実際、凄い不気味なのでオカルト掲示板にこの話が乗り、掲示板は大盛り上がりとなっていた。
「それでさー、そこん所どう思うんだ?摩多羅隠岐奈。」
妹紅は散々独り言を話してから、振り向きつつ黒幕に尋ねる。
振り向いた先には、先ほどまで存在していなかった扉が開こうとしていた。
「これは紫と共に立てた作戦の一環だ。」
その扉が開いた先には車椅子に座り、前掛けに北斗七星が描かれた道士服の女性が居た。
「作戦?私は聞いていないが?」
基本、妹紅は仕事として様々な作戦を紫に聞いてから外の世界に赴いているが、そんな話は聞いていない。
「それはそうだろう、この作戦は飽くまで偶然を装う必要がある、仮にお前が知っていて少しでも表情に出していたら気取られるかもしれないからな。」
説明を求める妹紅に隠岐奈は尊大に答える。
「なら、この作戦の意義はなんだ?」
「この作戦には三つの意義が有る、一つ目は妖精が自らの自然に強く執着することを外の世界に示すこと。」
何故、妖精の性質を示す必要が有るのか考える妹紅だったが、関係がありそうな作戦を一つ思い出して尋ねる。
「まさか、私が妖精は不老不死であると話させたことと何か関係があるのか?!」
それは記者会見で大きく波紋を呼んだ出来事だった。
「そうだ、それと合わせて後々効果が出る布石というものだ。」
「なら、今までの話の流れからして、私は布石とやらのことについては聞くべきではないか?」
「良く分かっているじゃないか、この布石が機能する時は私達が計画したことではないと装うべきだからな。」
そういうことで、一つ目の意義の話は終わった。
「それで二つ目の意義だが、これは恐怖や興味で単純に外の世界に強く神秘を意識させるだけだ。」
本当に単純な話で、昨年度の妹紅の仕事の意義とも被る内容だった。
「まぁ、目立つために前々から色々しているしな。」
二つ目の意義は直ぐに終わった。
「納得したようだから次だ、三つ目の意義は私と紫が不仲であると誤認させることだ。」
三つ目は少なくとも妹紅には、かなり理解が難しい内容だった。
「分からん、どうして今回の件でお前と紫が不仲と考える?」
「先ず私と紫は同じ賢者であり、お前を使者として認める委任状にも署名したが、人間の常識からすれば権力闘争をしているのではないか?と考える者もいるだろう。」
確かに、人間は共通の敵がいなければ内部で争うことが多いため、そう考えても可笑しく無い。
「そして今回、お前を使者として最初に指名したのは紫だからな、私は先手を取られた形な訳だ、そこで今回の事件だ。」
隠岐奈は話を続ける。
「少し調べれば私には二童子という部下が居ることが分かるだろう、そして今回の事件は竹と茗荷を持たせたまま行ったため、私の二童子が実行犯だと勘の良い者は気が付くだろう。」
「その結果、私は紫が指名したお前の仕事の邪魔をして結果的に紫の権威が墜ちる訳だ、これに気が付いた者は私と紫は不仲と確信するだろう、その点お前が必死に対応してくれて助かった。」
「分かりやす過ぎて、私が邪魔したように見せ掛けるために紫が自作自演した、と解釈しても同じことだ。」
不仲と考えさせる原理は理解したが、「で、どうして不仲に見せるんだ。」何故する必要があったのかは分からない。
「今、外の世界の国々は出来ることなら幻想郷の利益を独占したいだろう、そのためには傀儡政権を樹立したいことだろうさ。」
隠岐奈は邪悪な笑みを浮かべながら言う。
「そこに降って湧いたように、不仲で権力闘争をする二人のトップ、凄い都合が良いだろう。」
そこまで、言われて妹紅も思い至る。
「そして、傀儡政権を樹立するために近付いて騙そうとしてくる奴をこちらが騙して行動を操る……のか…、後これは私の勝手な予測だが、自ら分かりやすい対象にすることで他の勢力に接近して、万が一の事態が起こらないようにするのもあるのか?」
「そういうことだ、自らが優位に立っていると信じる者は自分が騙されるとは思わないものだからな。」
そうして妹紅と隠岐奈の話は終了した。
「教えてくれて助かったよ、ならこれから先私が聞いていない作戦があっても、それは必要なことだからってことで納得するよ。」
「ではこれからも幻想郷のためにキビキビ働いてくれ。」
隠岐奈がそう言うと、扉が閉じて消えた。
隠岐奈が消えて暫くして、「はぁ~~」『あれも賢者なのか、紫は胡散臭いがあいつは何か怖いな。』疲れで妹紅はドサッと座り込む。
「今日はもう疲れた、寝ようそうしよう。」
そうしてこの日は終わった。
今回のタイトルはリリーホワイトのテーマ曲ですが、廃獄ララバイの時と違ってしっかり意味があります。
天空とは原作の四季異変の黒幕だった摩多羅隠岐奈の意味を込めていて、花の都は新宿御苑のことです。
つまり隠岐奈が新宿御苑に四季異変を起こしたということでした。
作者は隠岐奈と紫の仲は喧嘩はするが、お互いに幻想郷のためになるなら喜んで手を組むイメージです。
隠岐奈がどうやって大部分の人間に気が付かせなかったかですが、隠岐奈のあらゆるものの背中に扉を作る程度の能力で作られる、後戸はどうやらバックドアとしても機能するらしいのです。
この力で機械や人間をハッキングしたり洗脳したりして、口が軽そうな一部の人間以外に二童子を気が付かせませんでした。
実際原作では、二童子は隠岐奈に対して反抗する発想すら存在しないようになっているらしいです。