理由はカービィをネタバレされないよう急いでしていたことと、色々あって二週間程の間、会社から本来の就業場所より作者からすると遠い事業所に行ってこいと言われたため帰る時間が遅くなっていたこと、最後は今回でこの章が終了するからその展開に凄い悩んでいたからですね。
特に真ん中の理由がキツくてですね、家につく時間が夕方から夜になってしまうので厳しかったです。
それらの結果、平日はまともに執筆出来なかったです。
最後の理由の結果として文章が増え過ぎた気がします。
話しは変わってカービィをクリアしましたが、ラスボスが純粋な悪とは予想外でした。
ビジュアルもグロいのと神々しいのが予想外でした。
後、この作品のプロットとラスボスの失敗が図らずも被ってしまいましたが、そういうこともあるのでしょうね。
幻想郷の賢者八雲紫。
彼女は元々大使館用の土地として用意されていたものの使われていなかったその場所に、姿を現さずに隙間を使って大使館を運んだ。
そして、運んだ直後に現れた彼女は神々しいが同時に禍々しくもある独特なオーラを発しているように人々は感じる。
「さて、集まってくれた皆様は嬉しいのですが、私はこの世界に来た以上するべきことがありますので、退いてくださらないかしら?私は飛んで向かっても構わないのだけど、折角リムジンを用意してくれたのですから乗らないと失礼ですもの。」
字面だけは外の世界に対して配慮しているように見えて、実際聞いているとその口調は命令しているように聞こえる。
だが、そのオーラで自然と従いたくなった観衆はリムジンまでの道を開ける。
「退いていただきありがとうございます、では二人とも行きますよ。」
開いた道に向かって紫が歩き出すと同時に、そう言われた二人も紫の斜め後ろに付いて歩く。
「了戒しました紫様。」「分かりました…ですが、大使館はどうしますか?」
藍は素直に付いていこうとするが妹紅はこのまま大使館を放置して良いのか紫に尋ねる。
「そうだったわね、私達が出てしまうとここには誰も居なくなってしまうわね。」
妹紅の疑問に若干、胡散臭い笑みを浮かべつつも、天然だから本気で言っているのか、冗談として言っているのか分からない口調で紫は答える。
「誰もしないとは思いますが、侵入されても困るから結界を張っておきましょう。境符『四重結界』」
その一言と共に紫が日傘を持っていない左手を大使館に向けると幾つもの正方形で構成された結界が出現し、先ほどから多く驚いていた観衆がまた驚く。
「今結界を張りましたが、奥に進めないだけで触っても硬くて通れないだけなので気にしないでくださいな。」
そう言ってからリムジンにたどり着いた紫は、昨年度末からずっと幻想郷の担当になった女性職員に話しかける。
「貴女のことは私達の使者から聞いています、幻想郷のことは貴女が担当することになっているのよね?では連れて行ってくださるかしら。」
「はい、藤原大使からこれから行うことの話は聞いています、ではお三方を国会議事堂にお招きします。」
そうして、八雲紫一行は国会議事堂でとあることをするためにリムジンで向かった。
リムジンに乗った八雲紫一行。
彼女達のうち藍は主人の安全のために周りの全てに警戒してか目を険しくしており、
妹紅はこの約九ヶ月のうちに何回もこの街を見ていたのであまり窓は見ず、車内を時折見回しては紫が何か予定外のことをしないかの不安で頭を悩ませていて、
紫は静かに窓から見える天高く聳える東京のビルを只ひたすら、何を考えているのか分からない目付きで眺めていた。
「今までも時折、隙間から見ていましたがこの世界は本当に様々な物が発達しましたわ、ねぇそう思わないかしら?思うのなら特に何が発展した、と二人は思うのか教えてくれないかしら。」
ふと、窓の外を眺めるのに飽きたのか紫がそんな問い掛けを二人にする。
「私はそうですね、確かに様々なものが発達しましたが特徴的なものとして特に乗り物が発展した、と思います。」
藍は前に妹紅も思ったことを紫に答える。
「ふふっ、確かにそう思うわよね、幻想郷に限らず妖怪は皆空を飛ぶことが出来るものだし、普通の人間であっても各種の術を習得すれば空を飛ぶことは可能ですものね。」
藍の答えが実直なのが面白かったのか、紫は楽しそうに笑い「なら、貴女はどう思いますか?幻想郷の使者としてこの世界によく滞在する貴女からすると、この世界はどう映ったのかしら?」そのまま妹紅に回答を促す。
「私はですね…、この世界は昔と比べて特に技術や考え等が発展したと考えますが、やはり幻想郷とこの世界とでは必要なことが大幅に異なるからではないかと思います。」
妹紅は外の世界を色々見て来たため、質問の答えに加えて少し踏み込んだ自分の考えも話す。
「確かにそうですね、この世界と幻想郷との大きな違いとして妖怪が普通にそこら辺にいるかどうかの違いがあり、人間とは全く違う生き物である以上必要なことも変わるものですものね。」
紫は妹紅の回答で再確認するように、幻想郷と外の世界の発展の仕方の違う理由として生き物として別であることを上げる。
そんな風に話をしていると紫は政府の職員にも問い掛ける。
「ねえ、貴女は幻想郷の話しを聞いてどう思ったかしら?忌憚の無い意見をくださいな、この世界から見た幻想郷がどう映ったのか私、興味があります。」
「私…ですか?幻想郷のことは伝聞と写真くらいでしか知らないもので、穿った見方や曲解があっては失礼なので…その…言わないでおきたいのですが。」
聞かれた本人は幻想郷について分からないことばかりなので、そう謙遜して断ろうとするものの。
「ええ、そのほぼ伝聞だけの状態で且つ一番詳しいであろう貴女の印象を、聞きたいのよ。」
紫はそれでもそちらの方が良いとして、聞きたがるので聞かれた本人も異世界の最高権力者にそう言われては断れないので諦めて答える。
「そこまで仰られるなら、穿った見方や曲解があるとは思うのですが、私は幻想郷をそこに住む住民が自由に楽しく暮らす楽園のように思いました。」
その答えを聞いて紫は嬉しそうな笑みを浮かべ「そう思っていただけて嬉しく思いますわ、我々賢者は幻想郷を愛しているので自分のことのように感じるものですから。」と上機嫌そうにそう答えた。
『まぁ、楽園というのは主観で変わるものだろうが、少なくとも私や多くの幻想郷の連中にとっては楽しい楽園だし、大体の外来人も気にいっているからな。』
幻想郷のことを褒められて妹紅も喜ぶ、そんな風に三人がこの世界のことを話したり政府の職員に幻想郷の話をしたりしていると、国会議事堂に到着した。
三人は何故この国で唯一の立法機関である国会議事堂に来たのか。
それは外の世界にとって大きなことである幻想郷と日本との条約を結ぶための式に出席して署名するためだった。
ちなみに日本だと条約を結ぶには閣議決定を通さなければいけないが、先月に妹紅は紫からこの話を聞いて直ぐに伝えたために臨時会を開き決定された。
それはともかく、条約を結ぶ世紀の瞬間を撮影したりするための準備をしている者も出席するために集まった者も数多く居る国会議事堂の中央広間で、幻想郷から来た来賓枠である妹紅はあまり目立たないようにしつつ辺りを見渡していた。
『外側は前にも見たことはあるけどかなり威厳と格式の高さを感じたよ、そしてその中のこの広間は美しい絵が幾つか描かれていて気品が溢れているな。』
妹紅が国会議事堂をそんな風に思っている間にも準備は進んでいき、遂に幻想郷のトップである賢者の八雲紫と日本のトップである総理大臣が対面して条約を結んだ。
幻想郷と結ばれた条約はこの世界で初めての他の世界という何もかも違うであろう場所との条約なので、かなりシンプルであり、
『幻想郷と日本は対等な関係であること』
『幻想郷と日本の間には親善のために使者を送り迎えすること』
『幻想郷とこの世界とでは行き来することは難しい事なので幻想郷に常駐させることは不可能であること』
『幻想郷から持ち帰るものは直接渡された物を除き、幻想郷に申告すること、もし不可抗力等で帰還するまで持ち帰ったことに気づかなかった場合即座に報告すること』
と、いった風にこれから実際に幻想郷に行ってから考えて決めることになる各種の前提となるものを明記して、条約の最後に何時までも友好関係を維持する意思を双方共に持つこととする、と書かれた。
一方その頃、それらを来賓席で眺めていた妹紅は外の世界へ哀れみを抱いてた。
『あ~あ、可哀想だな~、この条約に嘘は無いし内心は兎も角として条約を破る行動は賢者達もしないつもりだが、それだけだしな~あれだけ煽ったしな~。』
哀れみつつもその思考は自分がしているので投げやりだが、それでも別にそこまで罪悪感は無い。
『外の世界は可哀想なことになるだろうが、私はもう幻想郷の住人だからな~、………あっもう終了か。』
妹紅がそんな風に裏のことを考えていると式は終了の時間にさしかかり、それに気がついて慌てているうちに終了した。
そうして、式が終わった大晦日の夜。
一旦、大使館に入りそこから幻想郷に帰った三人は博麗神社に居た。
「何でここに来たんだ紫?私は何も説明を聞いていないんだが。」
妹紅は幻想郷に帰るなり、博麗神社に着いてきなさいと紫に言われ、知り合いの誰かと命蓮寺が鳴らす除夜の鐘を聞きながら新年を迎えたかった妹紅は若干不満げに尋ねる。
「紫様に口答えをするな!紫様に着いて来いと言われたのだから黙って着いて来るんだ!」
そんなに不満を溢している妹紅に外の世界とは違って、周囲の目を気にせず本音を吐き出せる藍は噛みつく。
「いきなりなんだ、私はただ何でここに来たのか質問をしただけだろう?何故そこまで言われなきゃならないのさ。」
「いや、そもそもお前と紫様が対等なわけが無いのに、そんな不満そうな口調で質問なんてするな。」
そんな風にいがみ合っていると紫は「藍、私は気にしていないから落ち着きなさい。」と藍を宥める。
「はい…紫様がそう仰られるなら、分かりました。」
今度は藍が不満そうにして引き下がったところで紫は妹紅の質問に答える。
「今からもう少ししたら新年だから、大きなことをここで始めようかと思いましてね、別に構わないわよね霊夢。」
そこで、三人をずっと無言で見ていた博麗の巫女である博麗霊夢が母屋から現れる。
「紫、あんた今日は外の世界で忙しいって天狗の新聞で読んだのだけど、なんでオマケを引き連れてここに居るのかしら?あんたがすることを含めて場合によってはオマケごと全員退治するわよ。」
その一言と共に発する威圧感は藍と妹紅に一歩後退りさせる。
『流石は霊夢と言うべきか、霊夢の圧でこの私が無意識に動いてしまったぞ!?』
異変を解決する者としての凄みを感じさせながら、三人に向かってゆっくり歩く霊夢に紫は「あらあら、物騒な言い草ね、私が今からすることはこの幻想郷のためにすることだから安心してくれると助かるのだけど。」余裕そうに回答する。
「あっそ、なら始めなさいよ私はここで見ているから、でも悪事をするなら直ぐに退治させてもらうけどね。」
「あらまぁ、本当に幻想郷のためになることなのですけどね、そんなに私が信じられないかしら。」
紫はこんなことを言いつつも、自分が胡散臭いことを知っているため冗談めかした口調だ。
ごーん、ごーん……
そんな風に博麗神社に四人で居ると遠くから除夜の鐘が鳴り響き始めた。
「さて、除夜の鐘が始まったわ、なので百八回目が鳴った瞬間に私はあることをするわ。」
漸く説明を始めた紫の言葉に三人は静かに耳を傾ける。
「私がこれからすること、それは今日やこれまでの外の世界との関わりに深く関係するのよ。」
今日、本格的に紫は表立って活動したがそれも今から始めることに深く関わるようだ。
「これから幻想郷に外の世界から親善の目的で来る方々を送り迎えしなくてはならないの。」
それが今まで話し合って決めたことであり、今日それが確定した。
「けれど、今まで準備をしてきたとはいえこのまま入れることは不可能なのよね。」
そう、不可能である、何故ならそれは幻想郷が成立した原因があるからだ。
「そもそも前提として幻想郷を外の世界と博麗大結界で分離した理由は、外の世界が幻想を否定し始めたからよ。」
幻想は否定されれば存在が消滅してしまうため、外の世界と幻想郷を分離する必要があった。
「ですが、ここに居る全員が知っているように対策はそれより前から取っていたんだけどね。」
博麗大結界の前から取られている対策は、幻想郷を忘れ去られた者達の楽園にしている根元。
「幻と実体の境界、私が十世紀程前に構築したこの結界は主に二つの機能があって、一つは忘れ去られた存在を幻想郷に集める機能、もう一つは外の世界の否定の力を幻想郷において肯定の力に変換する機能よ。」
『成る程そういうことか、あの記者会見で私に言わせたのは前者の機能だけってことは、問題は後者の機能か。』
妹紅が分かったような表情を浮かべているのを見て紫は話の結論を持ってくる。
「もう妹紅は気がついているようだから、結論を言うと二つ目の機能がこれから邪魔になるの、だって外の世界に幻想が実在することを証明したのだもの。」
今は未だ否定が強いがそれも時間の問題だ、近い将来肯定が強くなればその結果、逆に否定に反転され幻想郷の弱体化に繋がる。
「幻と実体の境界は閉じ籠るのには便利だけど、打って出た以上、ね。」
そこまで聞いて霊夢は激怒し、お札と陰陽玉を展開する。
「やっぱりあんたが悪いじゃないの!幻と実体の境界を消すのが幻想郷のためになる!?ふざけるんじゃないのよ!!いいわ!決めたわ!外の世界で幻想の否定が強い今のうちに!ここに居るあんたら全員を倒して!そのまま話を流れさせてやる!!」
「紫様の決定に逆らうつもりか!博麗の巫女とはいえ容赦はせんぞ!」
激怒する霊夢に藍も激怒して決闘が始まりかけたが、「落ち着きなさい藍、未だ話が終わっていないわ。」
「落ち着け霊夢、紫がそんな考え無しな訳無いだろう最後まで話を聞け。」藍を紫が止め霊夢を妹紅が止める。
「ですが!…いえ、出過ぎた真似をしました。」
「何よ!あんたは後で倒すから待ってなさい!と言いたいけど分かったわよ、最後まで聞くわよ。」
二人を止めたところで紫は話を続ける。
「さて、話を続けるわね、幻と実体の境界はあくまでも後者の機能が邪魔になったのだから、その機能だけ削除してしまえば良いのよ。」
「成る程、もう分かったわよそれなら問題無いわね、じゃあさっさとやってよ、私もう疲れたわ。」
『流石、霊夢は切り替えが速いな。』
「あら、もう飽きたの本当に霊夢は飽き性ね、まあ丁度たった今百を越えたから始めるとしましょう。」
紫は右手を博麗神社の森、すはわち幻想郷の外側に向けるとそこに球形で紫色をした幻と実体の境界の一部が現れる。
ごーん、ごーん
そこで百八回目が鳴ったので右手を握り潰すような動作をすると結界に罅が入り、右手を開くと結界の罅が消えた。
「うん?これでおしまいなのか?」
「まあそうですね、壊す訳ではなく機能を一つ減らしただけですし、今なのは新年に合わせて新しい幻想郷にするという意味ですから。」
あっさりと終わって拍子抜けの妹紅に紫はさらりと答える。
「ええーー!!本当にこれで終わりなのか!結局私が居る必要無かったじゃないか、ならもう私は帰らせてもらうからな!」
そう言って本当に妹紅は迷いの竹林に飛び去り霊夢も「本当にあっさりしてたわね、なら私はもう寝るから。」と言い二人とも呆れて帰ってしまった。
残された二人のうち紫は実はがっくりきていた。
「え~そんな言い方しなくてもいいじゃない、実際凄いことを私したのよ~。」
二人の前では威厳のために色々と本音を隠していたが、紫はこう見えて話したがり屋で自己顕示が好きな人物でもある。
「まあ、仕方無いですよあれだけ引き延ばしたのにこれだけなのは、私も少しどうかと思いましたし。」
「まあ藍!貴女も言うじゃないの、式神の貴女にまでそう言われたのだから次はもっと考えるわよ、さて私達も帰りましょうか。」
隙間を開きつつ紫はそう言ってから、二人は隙間に消えて行く。
「外の世界の皆さんはこれから忙しくなるでしょうが、せいぜい頑張って下さいな。」
ちらり、と先ほど幻と実体の境界を出した場所を見ながらそう呟いて。
これにて、幻想郷交流編が終了しました。
次回からの章の名前は次回書きます。
追記
書き忘れてたのですが、本作品のエンディングはどうなるかアンケートをとらせてください。
ちなみにエンディングは最初から決まっているので、好きに投票してください。
更に追記
アンケートのご協力ありがとうございます。
81の票が集まりました。
具体的な結果は次回の前書きに書きました。