もう気が付いている方も多いとは思いますが、断言します。
前書いた初期プロットより長くなりそうなので、四十前半では終わらないです。
スカーレット姉妹の決闘は時間を経るごとに激しさを増し、最後にはお互いのラストワードをぶつけることとなった。
「これで、…終わりよフラン、スカーレットデスティニー」
「いいえ、勝つのは私よお姉様スカーレットニヒリティ」
レミリアは大量の紅いナイフと紅い魔力弾の弾幕を、フランを中心に扇形の弾幕を放出して、
フランは何処からかいつの間にか周囲に現れていた大量の紅い液体を吸い上げて、それをオーラを放つ巨大なリンゴの形にしてレミリアに放り投げた。
『へ~、二人のラストワードはあんな感じなのか、疑っていたがやっぱり姉妹だな、だってどっちもあんなに紅いんだからな。』
咲夜に最悪の場合は手伝いを頼まれたのである程度警戒していたが、咲夜に広げられた空間のおかげで特に問題は無さそうなので、純粋に妹紅はスカーレット姉妹の決闘を楽しんで眺めていた。
そんな二人の本気の決闘は結果から言えばレミリアの勝利で終わった。
そんな二人の服装は本気で闘ったわりには綺麗であり、フランは少し汚れた程度にレミリアはおめかししていたので本気で避けた結果決闘する前と変わらないように見える。
「アハハ、楽しかったわお姉様!やっぱりよく外出して決闘してくるから強いのね、私はこれで満足よ。」
『本当に唯単純に決闘したかっただけ…か、迷惑だがそれよりも何故今日なんだ?レミリアも隠すくらいしてそうだが、まさか今回もなのか?』
フランの行動に不自然なものを感じて、それを考察している妹紅を余所に二人は話をする。
そんな話の内容に関して、負けたわりにフランは悔しがっているというよりは、本気で満足と分かるような満面の笑みを浮かべていて、それに対してレミリアは呆れているという対照的な表情だ。
「あっそ、それは良かったわね…、まぁ満足したようだしフラン、貴女はこれからどうするの?」
「さっきも言ったじゃない、あの世界の話を聞きたいのも本音だと、お姉様を誘き出しての決闘は出来たから後は話を聞きたいわ、勿論お客様方に聞いてからだけどね。」
「はぁ~それは分かっているというか配慮するのね。」
そこでレミリアは今まで咲夜が対応していた外交使節団の方に向いて話し出す。
「ねぇお客様方、今まで放置していて悪かったわね、どーしてもこの妹が私と遊びたがったもんだからね、すまなかったわ、
それでは改めまして、ようこそ紅魔館へ!本当はこんな登場の仕方はしたくなかったのだけど、許してくれるかしら?」
流石にお客様を放置していたのは良くないと考えて、レミリアは外交使節団に謝罪をする。
「それについては、元々決闘が重要視されるのは聞いていたので、お二方が決闘をしている間に話し合った結果、実際のスペルカードルールの決闘が見れたので、我々は構わないという結論に至ったので問題無いです。」
そうして、謝罪された当の本人達は別に構わないらしい。
「そう、それなら…フランがあの世界の話をお客様方に聞くのも許してくれるかしら?」
だが、さっきのフランの質問の答えを貰っていないので、そのことも尋ねる。
「ええ、それも構わないです、その代わりにと言っては何ですが、フランさんと私共に幻想郷のことを教えてくれませんか?」
「ええ、あまり私は外出しないから知らないことも多いけどそれでも構わないのなら、幻想郷とあの世界との情報交換としましょう。」
『う~ん、変なことを言わないでくれると助かるんだが、でもさっきの私の予想通りなら大丈夫だろうか、…やっぱり…それでも不安だからそれとなく聞き耳を立てておくか。』
そうして、フランは様々な外の世界の話を聞いて、外交使節団はフランが知る幻想郷の話をすることが決定する。
「なら、話が決まったところで皆様付いて来てくださるかしら?これからこの紅魔館が誇る幻想郷最大の図書館に案内しますわ。」
それが決定したところで外交使節団と妹紅はレミリア率いる一行に案内され、図書館へ向かった。
紅魔館の図書館に繋がる廊下にて、先ほどの約束通りフランは外交使節団の各人員から様々な外の世界の話を聞いていた。
「成る程ね、幻想郷とは違ってそちらの世界では空を飛べる生物は鳥か蝙蝠しか居ないのね~。」
「我々からすると、空を飛ぶことを前提とした身体構造ではないのに飛べる妖怪の皆さんや、我々の世界ではそもそもよく分からない魔法等の技術で空を飛べることが不思議です。」
そして現在、フランは生物学の教授と話していた。
そう和やかに話が進んでいる最中に爆弾発言が飛び出る。
「ところでなのですが、フランさんとレミリアさんは吸血鬼とのことですが、やはり血を吸うのですか?」
いつか聞かないといけないことだろうが、教授のその一言で外交使節団の空気は凍り付いたように感じる。
『おいっ!今聞かないでくれないかな!頼むからフランは変な返答をしないでくれ。』
そんな空気感を無視しているのか、あるいは気付いていないのかフランは軽い口調で「私は直接吸ったことは一度もないけど、飲んでいるわよ。」そう答え空気感が終了し始めた。
『火に油を注ぐな!』
妹紅がそう心の中で突っ込む程終了したこの空気感をどうにかするべく、そこでフォローとしてレミリアが話に割り込んだ。
「少し待ってくださいな、私達はそんなに血を飲まないわよ。」
その一言で空気感が回復の兆しを見せ始め、レミリアが話し出したので教授も静かにレミリアの話を聞く。
「私もフランも吸血鬼だから血は必要なのだけど、どっちもそんなに血を飲まないのよ、私はそもそも少食だから本気で直接吸っても貧血になる程度だし、フランも紅茶に入れるだけだから大した量は必要無いからね。」
そんなレミリアのフォローに合わせて咲夜も話をする。
「はい、お二方は少しだけ紅茶に入れる程度なので少ししか血を飲みませんよ、メイド長として毎日用意している私が保証します。」
そんな話を聞いて外交使節団は完全に安心する。
そんな話から暫く外交使節団はフランと話をしていたが、その一方妹紅は疑問を抱き考え込んでいた。
『なんとかなったが、さっきのフランの言い方からするとやっぱり違うのか?いや、それとも姉を慌てさせたかっただけでやはりそうなのか?』
そんな妹紅の疑問を余所に図書館に到着した。
中心にテーブルと座席が置かれ、そこから離れる程六角形に配置された本棚の横幅が長くなる。
そんな図書館の中心に案内された一行はレミリアの親友らしい、三日月の飾りが付いたフランと同じ様な帽子を被り、首から長い帯を掛けたゆったりとした服とスリッパという服装に赤と黄と青のリボンが各所に付き、長い紫の髪に複数のリボンという格好をした少女の前でレミリアと彼女の話を聞いていた。
「ようこそ…この紅魔館が誇る幻想郷最大の図書館へ…私はこの図書館の主である…魔女のパチュリー・ノーレッジ…よ。」
「パチェは魔女、つまりは魔法使いなの、それも普通は属性なんてせいぜい二、三種類しか使えないのに様々な属性を自在に操れる程の凄い存在なのよ。」
パチュリーは普通に自己紹介をして、レミリアが自分の親友は凄いんだぞ、と言わんばかりにパチュリーのことを褒めちぎる。
「いや…褒め過ぎよ…私の能力名として火+水+木+金+土+日+月を操る程度の能力…そう明言している通り得意なのは七つの属性だけよ。」
「いえ、それでも凄いわよ、ね~妹紅もそう思うでしょう。」
レミリアが妹紅に話をふる。
「そうですね、私も火属性と属性の無い術しか使えないのでかなりの大魔法使いだと思います。」
妹紅も妖術を扱う身であり、実際複数の属性を使えないのでそう褒める。
「あら…そう…褒めてくれてありがとうね…こほん、お客様方にはレミィが贈り物を渡したいから…とのことだから作っておいたの…それを図書館から出る時に渡すつもりよ。」
「そうなのよ!今は渡す物については内緒だけど、お客様方が凄い欲しい物だと思うわ。」
凄い欲しい物と聞き外交使節団は、去年末に予め結んだ条約において貰った形の物は無条件で持ち帰ることが可能なので、その楽しみでわくわくしだす。
「そう…それまではこの図書館を楽しんでいってくださいね…ここには幻想郷の様々な本やお客様方の世界の本も沢山有るわ。」
「魔法や妖怪について書かれた本も沢山有るから、楽しめると私も思うわ。」
パチュリーとレミリアがそう言って図書館を楽しんで行って欲しい旨を伝えたところで、外務省職員が質問をする。
「これは質問なのですが、見てはいけない本が存在する可能性や万が一壊してしまった場合はどうすれば宜しいですか?」
そんな念のための質問にパチュリーが答える。
「見てはいけない本も存在しますが…常に普通の本以外は開けないよう封印が掛かっているから…読める本だけ読む分には何の問題も無いですし…破損する可能性については…ここで大妖怪が決闘でもしない限り破損しないように魔法が掛けてあるので…気にしなくて問題無いわ。」
「つまり、実質的に問題になるようなことは対策のお陰で無いし、もし何か問題が起きても私かパチェ或いは使用人達に聞いて頂戴。」
そういうことで、外交使節団は図書館で暫く自由時間兼情報収集をすることになった。
回りに誰も居ない図書館の片隅にて、外交使節団が図書館を個別に歩き回っている、そんな暇な時にスカーレット姉妹は先ほどの話をしていた。
「そういえばフランはなんで今日お客様が来ることを、知っていたのかしら?」
レミリアはふとした疑問をフランに呈する。
「紅魔館の少し慌ただしい気配を感じていたとしても、そもそも貴女に教えていた日時は明日だったから、その程度なら気のせいで済んだ筈よ。」
レミリアはフランにこのことを教えると自分との決闘を狙って暴れ出すことは運命を操る程度の能力で予測出来たので、そもそもの対策として決闘をして満足させるのではなく、嘘を付くことで来ないよう対策を取っていたのだが、何故かバレていた。
「だって、隠岐奈にお客様が来るという話は聞いていたもの。」
フランはさらりと、驚愕の真実を語る。
「へーあの噂に聞く賢者から…ね、なんで教えたのか貴女は聞いているの?」
「それはね、幻想郷の妖怪達の力を間近で見させることで決心を付けさせるため、らしいわ。」
図書館の片隅でそんな会話がされていた。
現在、妹紅はバラけた外交使節団のうち外の世界でよく一緒に行動することが多かった、外務省職員と図書館のあちこちを歩き回っていた。
「不思議なものですね、この本もそうですが厚いハードカバーがなされた魔法の本の直ぐ隣に我々の世界の漫画が有るというのは、それもポツポツとしか無いのかと思えば、そこそこの頻度で有りますし。」
「私が聞いたところによると、ここは幻想郷の幻と実体の境界で引き込まれて幻想入りした本がよく流れ付いて、それを妖精メイド達がこの図書館の本として本棚に入れるからのようですね。」
そんな会話をしながら図書館を歩き回っていると何処からか、シュンシュンという小さな音がした。
「何の音でしょうか?私にはヤカンでお湯を沸かした音に聞こえるのですが大使は何か分かりますか?」
「いえ、私にも分かりませんが行ってみましょうか、先ほどレミリアとパチュリーに図書館で触ってはいけないものは無いことを保証されましたし。」
そういうことでそこに向かってみると其処には、空中に浮かびながら蒸気を出す、今時の外の世界では見ないような黄土色のヤカンに、それを温める魔法で作られたと思われる炎とそして、赤いショートの髪に首の後ろで回して鎖骨の辺りで交差する紐の装飾があり腰の左右に大きなリボンの付いた形の黒いワンピースをして、後頭部と背中合わせて二対の蝙蝠の翼を生やした高校生程の身長の女性が居た。
そんな人物を見つけたものの何かをしているようなので、邪魔しないよう二人は直ぐには声を掛けず、彼女の真後ろにある本棚の影で観察することにした。
よく見ると彼女は一分と大きく書かれたカップラーメンを持っていた。
それに二人が気付いたところで、完全に沸騰したのかシュンシュンというヤカンの音が大きくなる。
「お!」
彼女はお湯が沸いたことに気が付くと嬉しそうに歌い出した。
「シュンシュンお湯が沸いたよーっ、ヒュンヒュンお湯が沸いたよーっ」
ヤカンにトトトと駆け寄り、
「カップラーメンはーお湯を少なめー、四十五秒」
一分と書かれたカップラーメンにお湯を入れて、
「あなたのーために沸かしますー」
お湯を入れ終わるとクルクルと回り出して最後に真後ろに向けて、
「ふぉーゆーっ!」
と指を指しながら歌を締めくくった。
そうして、指を指したそこには本棚の裏に隠れた二人が居た。
作者が好きな小悪魔の古い二次創作ネタである、ふぉーゆーっ!です。
前から書きたくてですね、何だったら一年以上前から考えていた完全に初期案の部類です。
本当は二分四十五秒ですが、一分カップラーメンなので二分は省略です。
確か一分が廃れたのは直ぐ出来る分直ぐに伸びてしまうことと、三分の方がわくわくするかららしいですね。
そもそも、三分の時点で大分時短なのでもっとする必要はないですしね。
今回の小悪魔の服装は智霊奇伝のものですが、パチュリーは初登場のものです。
何故なら、パチュリーの服は縦縞ではないと公式が昔から明言していて、ずっと考察されていましたがつい最近帯を掛けていたことが判明しました。
なのであんまりパチュリーの服としてイメージされていない初登場のにしました。