慧音の家を後にした妹紅は人里をぶらぶらしていた。
「外の世界に行くのは一週間に一度、しばらく暇になるな、人里に何か面白いことは無いかな?」
そうしていると、とあるポスターに目が向いた。
「お、プリズムリバーウィズHのライブが来月に有るのか、チケット買えるかな?」実は妹紅はプリズムリバーウィズHのファンなのだ。
「これは来月が今から楽しみだ。」
そんな事を言ってポスターを眺めている妹紅の元にある妖怪が降り立った。
「探しましたよ、こんにちは妹紅さん、清く正しい射命丸です。」
その妖怪の名は射命丸文、彼女は妖怪の山に暮らす烏天狗である。
「早速ですが、昨日行って来た外の世界の感想を取材してもよろしいですか?」
そんな文に面食らったが、妹紅は「こんにちは、じゃなくて、お前何で来たんだ、紫が各勢力に干渉するなって伝え回っているはずだから妖怪の山にも言っていると思うんだが。」と、返す。
その筈だった、特に文は天狗社会の一人として弁える性格をしていると記憶していた。
「いえ、今の私は天狗の一人としてではなく一人の新聞記者です、それに外の世界には干渉していないので取材させてください。」
という屁理屈で来たらしい。
「はあ、わかったよ、で感想と言っても何を話せばいいんだ。」
そう聞く妹紅に文は、「そうですね、まずは外の世界はどれくらい不思議な力が否定されていたか聞かせてください。」
そう聞かれて妹紅は思い返す。
「紫の妖気を辿って移動をする計画だったんだが妖気を探したとき紫の以外は殆ど不思議な力の気配を感じなかった。」
「ほうほう、ということは外の世界の妖怪は消滅したか、気配を出すことが不可能な位弱体化したということですか。」
「状況を鑑みるに恐らくそうだろう、それに妖力の消費が激しくて、私は人な上に炎を身に纏って空を飛んでいるだけだったから余裕だったが、大妖怪でも無い普通の妖怪なら、スペルカードルールで決闘するだけで消滅すると思う。」
実際、命名式決闘法の中で一番人気のスペルカードルールだが、弾幕をばらまくから消費が激しいのだ。
「そこまでということは、今の我々には地獄より過酷な環境に変化しているということですか。」
「だから、準備が整うまで出るのは厳しいだろうな。」
この話題から始まって外の世界のことを次々に質問されていくが、妹紅は率直な感想を答えていく。
それから約1時間後。
「いやー、質問に答えてくれてありがとうございます、良い新聞が書けそうです、それでは私はそろそろこの辺でお暇させていただきます。」
そう言って帰ろうとする文に妹紅は、「そうだせっかくだから、外の世界の写真を撮って来ようか、今も慧音に撮ってきているからさ。」と、提案するが「その提案には惹かれますが、遠慮しておきます、私にも新聞記者のプライドとして自分が撮った写真以外は自分の記事には使いたくないものでして。」そう断りをいれて去って行った。
「あいつも、普段は軽薄そうに見えるが、拘りが強くて1000年以上生きた妖怪らしい芯があるんだよな。」
妹紅は大体満足したので今日は家に帰ることにした。
我が家に帰るために、迷いの竹林に入ろうとする妹紅に「あ、探したよ妹紅。」と呼び掛ける人物が現れた。
「菫子じゃないか、探したってことは外の世界のことかい?」
話しかけてきたのは妹紅の親友、宇佐見菫子だった。
妹紅を見つけると、一気に距離を詰める。
「そうだよ、急にどうしたの、何で行ったの、いったいなぜ?」
一気に捲し立てる菫子に妹紅は、「まあまあ、落ち着いて説明するからさ、あれは紫に頼まれた仕事として外の世界に出ていたんだ。」
そう答えると、
「仕事?あんな派手なことをするのが仕事なの?」
菫子は意味がわからないといった様子だった。
「意味わかんないと思うだろうが、本当に仕事なんだ、目的とか教えてあげたいが、菫子の性格だとばらしそうだから秘密。」
それを聞くと不満そうに「えー、なんでよ~教えてくれたっていいじゃん。」そう言う菫子に妹紅は、「じゃあ、これからの予定を教えるよ、私は週に一度外の世界へ出る、これを52回繰り返してって紫に頼まれたんだよ。」と、教えてあげた。
「うーん、もうちょっと教えてよ!」
「駄目だな、後外の世界で正体が私というのも、言わないでいて欲しいんだ、私の仕事は重要だから計画に支障をきたすようなことは避けたいんだ。」
「そこまで言うならわかった、なら全部終わったら教えてよね。」
「わかってくれて助かった、観ていて楽しい催しだと思うから菫子も楽しんでくれ。」
菫子を納得させると、「あ、ごめんまだ話したかったけど起きるみたい、じゃあねー。」そう言うとすぐに菫子は消えてしまった。
「あっ、帰っちゃったまあ、あの様子なら、ばらさないだろうし、私も今度こそ家に帰るか。」
菫子も帰ったので妹紅も迷いの竹林の我が家に帰った。
少し時は流れて4月8日の昼、妹紅は外の世界に出る準備をしていた。
「さて、昼食も取ったしこれで外の世界に出て行く準備も終わったな、前回より遅くなったが紫も日付さえあってるなら何時でもいい、と言ってたからいいだろう。」
準備が終了したので、アビリティカードを構える。
体が炎に包まれたところで「さあ、出発だ。」と、言い放ってカードを振り下ろす。
そうして、作った隙間に突撃していった。
次回二回目です。