歌の最後に、ふぉっゆーっ!、という一言と共に指を指した彼女は、二秒程間を置いてこちらに気が付いた。
「!?え!?」かぁぁぁ
こちらに気が付くと大層驚き、更に一秒程すると顔を真っ赤にする。
「あ!あの…その…え~っと…何時から見ていました…か…?」
その一言で二人は見ているべきではなかったことに気が付き、気まずい沈黙が流れる。
三人がそんな沈黙を続けて暫くして、「えっと…その…ヤカンが…沸騰したくらい…からです…はい。」意を決して妹紅がポツリと答えた。
「そ、そうでしたか、あっあははっ、恥ずかしいですね。」
『どうしようか、このまま立っているしかないのか。』
空気が重い、全員がそう思う時間が暫く流れた。
暫くして。
「さっきの私の歌と踊りのことはお互い忘れることにしましょう。」
そういうことになった。
「はい、それでは自己紹介と行きましょうか、私はこの図書館に住む名もなき小悪魔です、お二方はあの世界で幻想郷の使者として働いている藤原妹紅さんと、あの世界から来た外交使節団のお一人ですよね。」
小悪魔はこちらのことをよく知っているようだった。
「先ほど住んでいると仰っていたことと、私達が来ることを知っていたということは小悪魔さんも使用人でしょうか?」
「はい、お二人のことはパチュリー様に聞いていましたよ。」
詳しい話をパチュリーから聞いていたらしい。
「それでは私は、ここでラーメンが伸びる前に食べるつもりなので、何か問題があったら私に聞いてくださいね。」
そう言って本当にラーメンを食べる小悪魔を見て二人は、「ああ言っていますが、まだ恥ずかしいのか耳が赤いので離れましょう。」「そうですね…、それでは私と大使は何か問題が起きたら小悪魔さんを頼らせてもらいますね。」とその場を離れることにした。
そうして、外交使節団が図書館から出る集合時間となって、図書館の中央の机に集合した。
「では、お客様方が全員集合したようなので、我が紅魔館からの贈り物をパチェから進呈するわ。」
『紫が渡す物について聞いているらしいから、紫からすると紅魔館が渡しても別に構わないんだろうな。』
妹紅がそんなことを考えている最中、一方外交使節団は妹紅が去年開いた記者会見で贈られた魚石や蓬莱の玉の木のことが思い返されワクワクしていた。
「紅魔館としてお客様方に渡す贈り物はこれよ。」
そのレミリアの一言と共にパチュリーが机に有ったそれらを浮かべる。
その贈り物は一つ一つに、赤、黒、青、白、黄の色をしてそれぞれ、火、水、木、金、土と表紙に大きく描かれた本だった。
「これは…私が作った本であり…簡単な五行の魔法についての記述と…その使い方と訓練の方法がそれぞれの属性事に詳しく書いた本…よ。」
そんな五冊の本に外交使節団はどよめく。
「そうこれが紅魔館からの贈り物、その名も五行の書よ!これを我々は皆さまに贈るわ。」
レミリアのその話に外交使節団の代表として外務省職員がお礼を言う。
「ありがとうございます、この五冊の本は日本での魔法の研究に使わせていただきます。」
「ええ…私が作ったその本を使って…どうぞ研究してくださいな。」
そんなやりとりののち、外交使節団が持ち帰る物専用に用意していた二つのキャリーケースの片方に丁寧に入れた。
『もう魔法を教えるのか、ならもしかして今回からいろいろと計画が加速するのか?』
「さて外交使節団の皆さん、紅魔館での予定は終了したので次の場所に行きましょうか。」
本をパチュリーから受け取って少ししたら、妹紅がそう言い出す。
「あら、そう言えば次はあそこであれをするんだったわね、そうね~私も付いて行きましょう。」
妹紅のその言葉に対応して、レミリアが勝手に付いて行くことを決定するものの。
「構わないですよ、席にもかなり余裕が有る予定なので。」
外の世界とは違って複雑な官僚機構が無いため、妹紅は大きな権限を持っているので快く許可を下す。
「なら、咲夜は付いて来なさい、日傘を差して頂戴、パチェとフランはどうする?」
そんなレミリアの問い掛けに咲夜は「了解しました、お嬢様に付いていきます。」と、即座に了承した。
対してフランとパチュリーは。
「私は…図書館でゆっくりしているから…ここでレミィの帰りを待っている…ことにするわ。」
「私はここでお姉さま達の帰りを待つことにするわ、だってまだ太陽が出ている時間だもの。」
二人は紅魔館に留まるようだった。
「あらそう、なら出発しましょうよ。」
「ええ、そうしましょうか、では皆さん紅魔館の外まで付いて来てください、紅魔館の外から隙間を開きますので。」
そうして外交使節団と妹紅の団体にレミリアと咲夜が加わった。
そうして、紅魔館から出ようと庭に出たところで問題というか、可愛らしい暴動が起きていた。
「入れなさいよ!皆近くであの人間達を見たいの!」
「無理ですよ!お嬢様に許可を貰っていないので勝手に入れることは出来ません。」
「なら聞いて来なさいよ!」
「それも無理ですよ、もし私が居なくなったら貴女方は入って来るでしょうが、お嬢様が許可を出さない可能性もあるんですよ!」
その暴動とは大小様々な数十人程の妖精達が起こしており、それを美鈴が止めるためにその妖精達の代表と押し問答をしていた。
『妖精を率いているのは…あいつか?余程興味を引かれたと見えるな。』
「何時も入れてくれないけど、今回くらいは多目に見てあたい達を入れてくれてもいいでしょ。」
「無理ですよ、特に今回は他の世界からのお客様をお招きしているんですから、だから貴女も諦めて皆さんを説得してくださいよチルノさん。」
そう、暴動の中心人物はチルノだった。
そんな風に門で言い争う二人のもとに紅魔館から次の場所に向かう一行が現れる。
「言い争っているところ悪いけど、私達はもう別の場所に行くから、それはもう無駄というものね。」
そんな言い合いをレミリアがそう言って終わらせた。
「あ!あんたはこの館の主じゃないの!それに妹紅とあの人間達も居るじゃないの!どっか行くの?」
「!?お嬢様これは…その~。」
レミリアが声を掛けたところで、チルノと美鈴が紅魔館から出ようとする一行に気が付いた。
「美鈴、別に私は怒っているわけではないのよ、さっきも言ったけど私達は次の場所に向かうのよ、なんだったら…ねえ~妹紅~チルノ達妖精も付いて来るのはありかしら?」
この暴動に対してそんな風にレミリアが提案をする。
『ふ~む、どうするかな?まぁいいか、観客が沢山居たほうが喜んでくれるだろうしね。』
「いいでしょう、私の権限で皆さんも付いて来て、この後を楽しんでください。」
そう考えて妹紅はその考えに許可を出す。
「え!いいのやった~!皆付いていくぞ~!」
チルノのその大喜びに釣られてよく分かっていなかった妖精達も「やった~!」「わ~い!」と喜ぶ。
そこから暫くして
「じゃあ美鈴、行ってくるわね。」
「お嬢様も楽しんで行ってください。」
レミリアと美鈴がそんな会話をしてから、妹紅が全員の前に出る。
「では、隙間を開きますが、その前に先ほど見てそこで話した通り、あの洋館の主人達とそれに加わった堀川雷鼓を加えた、プリズムリバーウィズHが公演を行います。」
そこまで妹紅は話したところで一呼吸して、時間を置いて次の一言を話した。
「それでは公演が行われる太陽の畑に向かいますよ。」
その一言と共に隙間が開かれた。
太陽の畑にて開かれた隙間をとある妖精が見つめていた。
「へ~いいね~ちゃんと予定通りというわけね。」
その妖精はそう呟くと更に続ける。
「公演が終わったら、私も頑張らないとね。」
そう言って隙間が見えるギリギリの位置に移動した。
霧の湖で見た館それはプリズムリバー邸でした。
最後に出た妖精は誰なのか、そのヒントはその性質について本編で二回言及した妖精です。
作者、土曜日に大・東方Project展に行って来るつもりです。
楽しみで今からワクワクしています。
最後に投票とか感想とかお気に入り登録がもっと欲しいです。
大分前にもそれぞれ言ったことがあるのですが、当時は書いても大して効果が無かった感じだったのでそれ以降辞めましたが、そこそこ人気になったので今回頼みます。