幻想郷の接触   作:ゼロ・ワン

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外の世界、二回目です。


不死鳥、再び空を舞う

『速報、不死鳥再び』

アナウンサーが、「不死鳥が一週間振りに再度、長野県に出現しました。」と、報道した。

この報道は大きな話題となった。

その理由を説明するには時間を巻き戻す必要がある。

 

 

不死鳥によって盛り上がった長野県だったが4日をピークとして、徐々に落ち着いていった。

北部に行った人々は、不死鳥が出現した痕跡を焦げ目一つ発見できず、南部に行った人々は不死鳥が消えた裂け目に繋がる何かを探したが、

裂け目が閉じた跡地でさえ何も発見することが出来なかったため熱が冷めたのだ。

結果、5日には半数が帰宅し、6日には更に半数、8日までに9割が帰宅し残った1割の大部分も8日の朝、宿を出て帰宅していた。

突然現れて住んでいた形跡も無いことから、もともと不死鳥はこの世界の存在では無かった、裂け目の向こうの世界へ帰ってこの世界にはもう来ない、この世界に現れたのはただ運が良かっただけだと、多くの人が考えていた。

そんな8日の昼下がり再び裂け目が開いた。

 

 

 

最初に見たのはローカルテレビ局の人間だった、そのテレビ局は他のメディアが撤収していくのを横目に最後まで粘っていた、止め時を見失ったとも言う。

そのテレビ局に、派遣された二人は不死鳥が消えて行った裂け目が開いていた場所がよく見える建物の上に、カメラを持って待機していた。

「先輩、そろそろ諦めませんか、他の会社はどこも不死鳥のことは忘れて帰ってますよ。」

「いいや、せっかく上から粘っていい許可を今日の分まで貰ったんだ、戻って何にも撮れませんでした、では示しが付かないだろう。」

そんな会話をしていた時、裂け目が開いた。

「おい、裂け目が開いたぞ、カメラで撮影するから手伝え。」

「え、ほんとに開いた、じゃあ不死鳥が。」

そんな二人の期待通り、数秒後に不死鳥が飛び出した。

「出た、出たぞ、不死鳥がほんとに出た、早く本社に連絡しろ。」

「は、はい。」

この二人が悠々と飛ぶ不死鳥を撮影したことで、このテレビ局が最初に報道したメディアになった。

 

 

以下ネットの反応

 

『テレビ見てたら、速報で不死鳥が出たって、これ本当なの?』

 

『ああ、この世界にまた神の遣いが現れてくれた』

 

『不死鳥が裂け目を通って、またこの世界に現れたよ、もうこの世界に来ないかと思ってたから凄い嬉しい』

 

『出て、少ししたら気のせいかもしれないけど若干大きくなった?』

 

『不死鳥は前回消えた地点から、裂け目を通って出現して今度は北東に向かって飛んでる、あの進路だと諏訪湖を通ると思う』

 

『美しい、実に美しい、不死鳥は文字通りこの世のものでは無いのでしょう』

 

『前回、あれだけ弄ばれたのにまたドローンが出てきたよ、不死鳥の内部がどうなっているか気になるのは分かるけどさ、でも不死鳥の美しい動きが見れるからいいけどね』

 

『不死鳥が諏訪湖の上空で止まった?撮影チャンスだから急いでドローン』

 

『不死鳥が諏訪大社の方を眺めているように感じる』

 

『諏訪大社の神々と何か関係があるのかしら?』

 

『ドローンが近付いたら、白く光ってまた北東に向かって飛んで行っちゃった』

 

『不死鳥を見て、情報を追って思ったんだが、やっぱり時折白く光るのは本当らしいわ』

 

『白く光るのはビルや駅周辺といった、他と違う建造物付近で多いみたいだ。』

 

『暗くなった方がよく写真映えするわ』

 

『この様子だと不死鳥は軽井沢を超えて、群馬に入るんじゃないかな』

 

『何か、中山道を辿って飛んでるような、もう群馬県に入ってるけど』

 

『あ、また止まった、ってことは、また裂け目が開いた』

 

『不死鳥が裂け目の中に消えたが、ドローンを突っ込ませれば裂け目の向こうを、見れるかもしれないと思ったから裂け目が閉じる前に突っ込ませてみたけど、応答がない、あれ高かったのに!』

 

『何か裂け目に入ったドローンが新しく開いた裂け目から出てきた、新しい裂け目の情報が何か写っているかもしれない』

 

 

 

遡って、外の世界に出た妹紅は前回程、では無いがやっぱり興奮していた。

「さぁてと、紫の気配はどこかなー、あっちか。」

そう言って移動を開始するが、気配を探っているときに、前回とは少し違うことに気が付いた。

『少しだけ他の気配を感じるな。』

そうなのだ、幻想郷を1000とすると1が2になった位だが、不思議な力が強くなっていた。

『全体でここまで強くなってるってことは、前回よりもう少しだけ派手に出来そうだ。』

全体的に幻想の力が、強くなっているのなら、妹紅に向けられる幻想を肯定する意思は、さらに強いだろう、つまりもっと派手なことが出来る。

『些細なことだけど、炎を大きくするかな、消耗速度はまだわかんないからな、それにしても思っていたより早く効果が出たな、何でだろう?紫はこれを予期していたのか?』

外の世界は通信技術が発展しているため、全世界に知られたからだ。

「いや、これも紫の作戦通りなんだろう、あの賢者がこの作戦において重要な部分を読み違え無いだろうしさ。」

紫は外の世界に詳しいことを確信する妹紅。

『ここまで読めるなら作戦は全部成功させそうだな、だから私も頼まれたこの仕事はきっちりやらないとな。』

そう決心して移動速度を上げる妹紅だった。

 

 

午後4時頃、妹紅は諏訪湖の近くに来ていた。

『大きい湖に出たが、多分あれは御柱だからここは諏訪湖か、確か守矢神社の連中が暮らして居た場所だよな。』

諏訪湖の中心で、妹紅はここに守矢神社が存在していたことが、気になったので止まった。

『ふ~む、こっちの神社には分霊が住んでいるんだろうが、ここにも諏訪湖があるってことは…幻想郷にある湖は概念的に持って来たのかな。』

そう考えている妹紅にドローンが近付いてきて、『おっと、あの機械が近付いてきたからそろそろ行かないと、その前に折角だからここの写真も撮っておこう。』パシャリと諏訪大社と諏訪湖の写真を撮って、また出発した。

 

 

午後7時頃

『ここで妖気が途切れてるな、早く帰らないと何か分からないが大量に出て来たあの機械が追い付きそうだ。』

実は、妹紅を追いかけるドローンは多くなっていた、前回はドローンを壊されるかもしれない、と思って出さない人が多かったが、そんなことは無かったので今回は不死鳥を我先に撮ろうと思った人が多く、ドローンの量も増えてしつこかった。

『前回はもっと少なかったはずだが…何でだろうな?』

もっとも、あまり自分を客観視していない妹紅はドローンが増えたことを不思議に思う。

「まっ!追い着かれない内にさっさと、帰ろうか。」

妹紅はアビリティカードを構えて振り下ろす。

そうして開いた隙間に妹紅は突っ込んで行った、小さなお客さんが付いてきていることに、気が付かないまま。

 

 

隙間の中

妹紅は幻想郷に帰る前に、外の世界の方が閉じて迷いの竹林だけが、見える隙間の中で一旦立ち止まることにした、特に理由は無いが隙間を観察したい気分になったからだ。

外の世界を見て興奮して疲れたため、ため息を吐き出す、「ふーーー」コトン「!?」

妹紅は先ほど自分が来た方角から音がして、驚いて振り返った、そこには通信が切れて墜落したドローンが落ちていた。

慌てて妹紅はドローンの下に外の世界に繋がる隙間を開く。

「ああびっくりした!、まさかあの機械が入ってくるとは!、運良く炎を解除してなくて喋る前だから助かったが、炎を解除するか喋っていたら計画が失敗していたところだったよ!」

暫くして落ち着くと、「ちょっと今日は気を抜き過ぎた…かな?、次からは早く隙間を閉じて後ろを確認しないと。」

そんな反省があって、今度こそ幻想郷に帰った。




本作品では諏訪大社=守矢神社とさせていただきます。
後、現在の作者の正確な文章力が気になるので投票をお願いいたします。

追記
少し文章全体を手直ししました。
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