幻想郷の接触   作:ゼロ・ワン

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さて今回から最終章ですが、最近今年中に終わるか不安になってきました。
ですが、絶対にプロットに沿った完結をします。

後、目出度いことに投票が百を越えました。
ありがとうございます、これで本作品も人気と言って差し支えない作品の一つになった言ってもいいことでしょう。


幻想郷と新世界編
個性豊かな世界


地獄の登場は外の世界に大きな影響を及ぼした。

例えば、ネットの煽りでは地獄に落ちるような奴とかの文言が流行ったり、世界中の墓地では副葬品を今からでも、と既に埋葬が終わっていても入れられるようになったりしていた。

 

そこまで大きな影響を及ぼすようになった原因は、地獄の扉が今も開いていることと、幻想郷がそんな地獄の存在を友好関係にある世界と紹介したことが原因だ。

以下その時の妹紅による紹介と政府職員の会話。

 

 

その日は朝早くに、幻想郷大使館の中の妹紅の執務室にて、妹紅はいつもの政府職員と対面に並べられたソファーに座って幻想郷と地獄の関係を話していた。

「実は、我々幻想郷は地獄とも友好関係にあります。」

妹紅は幻想郷の代表として委託された地獄との関係の開示を行う。

「ならばお聞かせ願いますか?確か、他の世界の話はある程度主観になってしまうため、話をするつもりはないとのことでしたが、地獄と繋がってしまった現状、政府は地獄の情報を頂きたいのです。」

こう言うが実は当然のことながら、大抵の人間は自らの死後が気になるので、政府職員に上層部から地獄の情報を早急に聞いてこいと言いつけられていた。

「では先ず現状から、私が見たあの動画に映っていたのは地獄の官吏で間違いありませんでした、なのでその後早急に幻想郷と地獄で情報を開示するかどうかの会議をした結果、開示することが決定しました。」

幻想郷と地獄の決定は日本政府の望みに合致していて、政府職員は顔に喜色を浮かべる。

「それは僥倖です、では地獄はどのような世界なのでしょうか?」

 

職員の質問に妹紅は相手が欲しているであろうこと、それの具体的な説明を始める。

「基本はこちらの世界の伝承と同じですが、あの動画のとおり十王裁判は廃止されていて、十王の下に数多くの裁判官である閻魔が存在しており、閻魔達の判決により霊達は六道や他の死後の世界のどこかに送られます、そして地獄が相応しいとされた者は刑期が終わり心から反省するまで責め苦を受けることになります。」

妹紅の説明は今まで知られていたことや映姫が言っていた通りだが、幻想郷からの保証は外の世界の情報の精度による安心に繋がる。

「責め苦ですか…こちらの世界と繋がった扉からよく見えますね、…では話しを変えまして霊は心から入れられた副葬品を払うことで、待遇が良くなるのは本当なのですか?」

職員は次に副葬品で待遇が良くなることについての質問をする。

ちなみにだが、現世に開いた地獄の扉は縮小され誰も通れなくなっていたが、あの動画の配信以後即座に日本政府は周辺一帯を封鎖した上で、その小さな扉から地獄を観察していた。

なお、凄惨な地獄の刑罰を見た者の多くは体調を崩したが、それでも上層部は少しでも多く地獄の情報を欲したため体調不良者は続出していた。

閑話休題

 

「はい本当です、待遇を良くするために霊から貰った副葬品を船頭の給料にするなどして、待遇が良くなるように制度が出来ています。」

つまり、地獄で働く死神達にとって心からの副葬品を入れられた霊達は、副葬品を持っていない霊を押し退けてもいいと思える上客であるということだ。

「では次に幻想郷との関わりどのようなものですか?」

次に聞くこととして職員は、先ほど妹紅が言っていた地獄と幻想郷は友好関係にあるとの話を、具体的にはどの程度なのかを尋ねる。

「幻想郷では地獄との繋がりで特筆するものとして、二つの強い繋がりがあります。」

「それはどのような繋がりでしょうか。」

妹紅は幻想郷と地獄の繋がりを話始める。

 

「先ず一つはこの写真に写る地底や地霊殿です、この場所は元々地獄の一画でした。」

妹紅は隙間から取り出した、地霊殿を中心に斜め上から撮った写真を提示しながら、ここが地獄の一部だったと言う。

「過去形なんですね、では何故今は幻想郷の一部なんですか?」

今まで、地霊殿の妖怪で地霊殿で働く霊烏路空と火焔猫燐に、地霊殿の主人の妹である古明地こいしがこちらの世界に来ていたが、外交使節団が行ってないこともあって地霊殿の情報はほぼ無かった。

「昔地獄の財政難が原因で、地獄のうち不採算部門の設備と場所を切り離しました、その場所は後に幻想郷に統合され、そこに様々な妖怪が住んだのが地底の始まりです。」

「では地底を取り纏めているという、地霊殿はどのような組織なのでしょうか?」

次に職員は地霊殿の具体的な情報を求める。

 

「各種地獄が残した地獄の施設の管理と地底の統率が、お抱え事業と言っていいでしょう、実際地霊殿は灼熱地獄の跡地に蓋をする形で存在していて、地下の灼熱地獄跡地を管理しています。」

妹紅は写真の地霊殿を指しながら、ここの下に灼熱地獄の跡地があると言う。

「灼熱地獄跡地…ですか、一つ質問なのですが、かつてのここはどのような施設だったのですか?地霊殿が蓋をしているのなら余程重要な施設なのでしょうし。」

政府職員はふとした疑問を抱いたので、軽く質問をしてみた。

「そうですね…簡単に言えば高温に曝す責め苦と共に、罪人の溜め込んだ感情を融かして様々な物質に変換するための施設ですね、少し話が戻りますが幻想郷にある場所の他に、様々な責め苦兼変換施設が地獄でも未だそういう施設はあるようです。」

「それは…人道上どうなのでしょうと言いたいですが、地獄がそのような世界なのは扉からの観測で分かっているので、生成物の内容をお聞かせ願えますか?」

一旦職員は絶句したいのを抑えて、灼熱地獄跡地で生成されていたものについて聞く。

「例えば、殺意からは砒素が生成されます、他にも生への渇望からは水銀が生成させるのですが、特筆する生成物として欲望から作られる金がありますね。」

「金ですか?確かにこの世界でも高い価値ですが特筆するほどのものでしょうか?」

金は高い価値があるのは判るものの特筆される理由が判らず理由を尋ねると妹紅は、「特筆した理由は金が地獄における主な財源だからですね。」と回答する。

 

「金が財源なのですか?それって…もしかして…!?「どうかしましたか?」いえなんでもありません、続きをお願いします。」

その回答について政府職員はこれまでの話から、何かに気が付いたようだが妹紅の話を続けてもらうことにする。

「そうですか、では続けますね、こちらの世界でもそうだと思いますが、やはり行政では利益を出すのは難しいので、罪人の欲望から作った金等が利益を稼ぎ出す構造になっているようですね。」

この妹紅の回答に政府職員は『やはり、今のアメリカで起きている好景気の原動力と言われている金や石油は、地獄で作られた物かもしれない。』と賢者達の思惑通り勘違いしていた。

「とまぁ、地底は地獄だった場所だけに物騒な物が多く残されているので、それらの管理のために大妖怪である古明地さとりを頂点とする地霊殿があるのです。」

「地霊殿と地底については理解しました、ではもう一つの強い繋がりとは?」

地霊殿と地底という地獄との繋がりの話が終わったので、政府職員は次の話をお願いする。

 

次の話に使うものとして妹紅はまた隙間を開いて、かなり高い視点から撮られた山と山に囲まれた道の写真を取り出す。

「では他の繋がりですが、紅魔館と反対側の妖怪の山の場所に中有の道という、幻想郷でもあり地獄でもある地点が存在しています。」

前に外交使節団は紅魔館で饗されたが、妖怪の山を挟んでいたので中有の道について日本は完全に初耳だった。

「中有の道…ですか、幻想郷でもあり地獄でもある地点とはどういうことでしょうか?」

今までの情報から幻想郷は特定の地点から他の世界に向かえることは聞いていたが、幻想郷であり他の世界でもあるというのがよく分からずそう質問する。

「中有の道の奥には明確に地獄との境界である三途の川があるのですが、中有の道には地獄の受刑者達が刑罰の一環として店員をする、地獄が胴元の出店が立ち並んでいます。」

出店と聞いて政府職員はとある想像をする。

「出店ということは、そこは祭りのような雰囲気という認識でよろしいでしょうか?」

政府職員のその想像はある意味突飛だったが、思い付いたので聞いてみると。

「そうです、人間も妖怪も問わない幻想郷の住民が連日訪れて楽しむ、そんな場所なんですが…」

「ですが?すみませんが続きをお願いします。」

妹紅が言い淀んだので、政府職員は続きを促す。

「ここに関しては本来恐ろしい地獄でありながら、賑やかで楽しい場所ですので幻想郷の主観で話した場合、こちらの世界における地獄の認識に影響を及ぼす可能性が高いので、今まで地獄の情報を秘匿させていただきました。」

「成る程、これまで幻想郷が他の世界の情報を出さなかった理由の通りですね。」

確かに報告書に書かれていた通りの理由で、政府職員は納得する。

実際、本来恐ろしい地獄が年がら年中お祭りやっている楽しい場所と思われては、地獄の存在意義である見せしめの意味が無くなるから秘密にしていて正解だっただろう。

 

それ以降も妹紅は政府職員に地獄の情報を話し続けた。

 

 

話を続けて、夕方になる頃。

「幻想郷から出せる地獄の情報はこの辺で終わりですね。」

「藤原大使ここまでの数時間で、これまでの情報をありがとうございました。」

流石に数時間話しただけあって、話も終わって解散の流れになった、と政府職員思っていた、が、妹紅は隙間から三つの鎖が刻印された封蝋の手紙を取り出しながら最後の話を始めた。

「と、終わりたいところですが、厳密には今までの話は地獄というより、地獄における政府組織である是非局直庁の話であり、地獄における半分の面です。」

「はい?政府組織が半分…ですか?それにその手紙は一体?」

政府が地獄における半分という意味不明な話と、取り出された手紙を見て政府職員は混乱する。

「いえすみません、こう説明するよう地獄に申請されまして、それに日本政府も政府的な話を聞きたいでしょうから是非局直庁の話をしました。」

「い、いえ、申請されたのなら仕方ないですし、私一人ですので大丈夫です、ではそちらの手紙はなんでしょうか?」

混乱しつつも、政府職員は納得して話を進める。

「少しだけ話を逸れるのですが、実は地獄には支配者である神が存在していまして、その神が幻想郷と地獄が協議したときに直接自分が話をとその神が言いました、この手紙はその神が直筆したもので、内容は後日記者会見をしたいとのことです。」

「では、持ち帰らせていただきます。」

そうして政府職員が手紙を受け取って、その日は終わった。

後日日本政府は幻想郷から受け取った情報を公表し、手紙に記載された記者会見の準備をした。

 

 

そんな地獄の説明をした日の夜

「本当に良かったのか紫?地獄を出して外の世界に大量の不調者と不安を出して、更に悪者にするような説明をしてさ。」

「いいのよ、地獄と協議した結果だもの。」

妹紅は久し振りに八雲紫と話していた。

「確か、地獄の問題解決に役立つからだっけか、それでも悪役である必要はあったのか?ただ私と外の世界の苦悩が増えただけだろう。」

「仕方ないわよ、見せしめのための世界だもの善人に見せるよりは、悪役の方が簡単だもの、それに悪人の方が付け入る隙があると思うものよ。」

二人は裏事情を話しているが、妹紅は今回の作戦に疑問を呈して、地獄の顕現を憂いていた。

「そしてその隙だと思うものが作戦の真意で現世に望むものだと、はぁ政治は難しいな。」

「まぁいいじゃないの、これも最終的には巡りめぐって幻想郷のための布石になるのよ。」

そんなことを微笑みながら言う紫の話で、妹紅の苦悩が増えた、そんな会話をしていた。




実は饕餮のストーリーのエンディングが、本作品の設定に影響するかと作者はびびっていましたが、特に問題は無さそうで安心しました。
でも、とある人物達の新衣装は可愛いかったです。

ダンカグが終わりましたね、一応作者は初日から毎日やっていたので、悲しいです。
最後は自分の箱庭を見ながら終わりました。
一番思い入れのあった曲はAgainstPerfectCherryBlossomでした。
理由は簡単すぎると言われていた郷愁のロンド、の次にルナティックをフルコンボしたからですね。
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