幻想郷の接触   作:ゼロ・ワン

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月都万象展

1月20日早朝

今日この日、幻想郷と月の都が合同で月都万象展を幻想郷大使館で開催しようとしていた。

何故、こんな直ぐに開催することになったかと言うと、世界各国からの興味によりせっつかれた日本が承諾したという経緯である。

 

ソワソワ、ソワソワ

「さて外の世界の人達、今日は楽しんでくれそうよねぇ…貴女もそう思うでしょう、妹紅?」

字面は何か含んでいそうで、外の世界での月都万象展に対してソワソワが隠しきれていないこの人物は、幻想郷での月都万象展を開催してきた輝夜である。

「うん、確実に楽しんでくれると思うよ、永遠亭の月都万象展を人里の皆は楽しんでいたから、こっちだともっと人気だと思うよ。」

そんな輝夜の質問に妹紅は思った感想を素直に返す。

「うんうん、そうに決まっているわよね、こっちも発展しているけど、やっぱり月の都の方が凄いものがあるからね。」

そう、嬉しそうに言う輝夜の視線は沢山の展示物に向けられていた。

それらを箇条書きすると、

門を潜って先ず目に入るのは、空を飛ぶ牛車と書かれた看板とその横に浮かぶ牛車や、身に纏うと空を飛べる羽衣に寿命と引き換えに全ての病気が治る薬等の、魔法と科学が融合した不思議な道具達である。

因みに今回、ミリタリー関係は日本に武器を持ち込むのは止めて欲しい、との申請により出展は中止されている。

 

「流石は月の都の品々だな、こっちの世界に普及したら文字通り生活が激変するような物ばっかりで視線を釘付けにしそうだよ、…所であれらは本当に展示しても良かったのかな?」

妹紅は展示物の一部に対して疑問を呈しているが、それらは狂魔導書や神医学書等のやばそうなタイトルの本であり、そんな物があればそうも感じるだろう。

「あら~妹紅は心配性ね、どうせ文字は読めないし因幡達が見張っているから問題は無いわよ。」

そう輝夜が言う通り、三桁にも昇る永遠亭所属の因幡達による警備があるし、そもそも外の世界の人々は読めないであろう、何故なら今回持ってきた本はどれも月の都の言語で書かれているので、読むには未知の言語を解読する必要がある。

「そういえばそうだった、タイトルからして絶対危険な知識とか入ってるから問題だと思ったけど、読めないなら大丈夫か。」

「そうよそうよ、今回本を持ってきたのは本に込められた技術を見せるためですもの。」

そんなことを話して暫く経つ。

 

「それで、なんで今日は私と一緒に回らないのかしら?」

輝夜が少し残念そうに、質問を妹紅に問いかける。

「悪いが私はこっちでは人気だからな、この前取材を受けたと言ってもそんなに大々的じゃない輝夜なら問題ないだろうけど、私も居たら多分囲まれると思うから室内に居るよ。」

そう妹紅は三年以上存在感があるが、輝夜は未だ出たばかりなので出歩けるだろう、と説明したところで…

ブーンブーン

と妹紅のスマホが時間を告げるために鳴り響く。

「おっともうこんな時間か、じゃそういうことだから、妖夢ー!もう始めるから宣言してくれー!」

そうして開催の始まりである開門の時間なので妹紅は声を張り上げる。

「はーい、開いて来ます。」

そして、その肝心の開門と開催の宣言をするのは妖夢がすることになっている。

 

ここは大使館敷地の正門前、門の向こうには月都万象展を楽しみに来たお客さんで犇めきあっている。

そんな最中、妖夢が門の中から声を張り上げ宣誓する。

「さて、皆さん!今より月都万象展を開催します!どうぞ今日は楽しんで行ってください!」

その言葉と共に門を開くとお客さんが雪崩れ込む。

ワ~ワ~!!

乗り込め~!

月都万象展だ~!

楽しむぞ~!

邪魔だよ~先に行かせろ~!

長耳な月の兎さんこと玉兎さん達が待ってるんだ~!

幻想郷の大使館だ~!

幻想郷の垂れ耳な兎さん達が待っているのよ~!

空を飛んでやるぞ~!

月の都の知識を寄越せ~!

月の先進技術を奪うんだ~!

「待って待って!落ちついてください!というか最後の人達何言ってるんですか!追い出しますよ!」

門の前で開催の宣言の直後即座に人の波に飲み込まれてしまったので、空を飛んで逃げて注意喚起をするもののあんまり効果は無いようだ。

「本当に!落ちついてくださ~い!」

月都万象展への興奮を前に、妖夢の言葉は届くかは疑問視される。

 

 

以下月都万象展に対するネットの反応

 

『うわ~過激なこと言っていた人達が本当に追い出されるなんて警備が厳重だね、ま、それだけとてつもない技術の品々が置いてある、ということなんだろうけどね』

 

『すっげ~!羽衣で宇宙空間を飛べるとかすげ~!実際に身に付けさせてもらったけど、ぷかぷか浮かぶの楽しい~』

 

『この狂魔導書って日本語訳とか出ないかな~なんか邪悪な神様の力とか手に入りそうだから読んでみた~い』

 

『月の都の本凄いな~媒体が紙なのに動画になるし単語の解説も見れるんだぞ、後は文字が解ればな~』

 

『はぁ~この薬があれば、また祖父と遊べるのになー寿命と引き換えにするデメリットも、病気のせいで医者からもう長くないと言われているから関係ないし』

 

『可愛いな兎さん達、全員小柄だからお人形さんみたいですね~一人位ならお持ち帰りしてもバレないかな?』

 

『あ~あ~残念だな~月の兵器とか凄そうなのに見られないなんて、本当に残念だな~』

 

『凄いですよ、お昼からパフォーマンスとして月の兎が餅つきをするんですって、しかも本場の月では本当に兎さんが餅つきをしているらしいですよ』

 

『隱ュ繧√◆縲∬ェュ繧√◆繧薙□縲∫・槫現蟄ヲ譖ク縺瑚ェュ繧√◆縲∽クュ霄ォ縺ッ逾樊ァ倥→螯悶→縺九?蜉帙〒縺ョ豐サ逋ゅ→蛹サ逋ら畑縺ョ鬲疲ウ輔□縺」縺溘h縲』

 

『ウォーー、玉兎の三人が餅つきしたお団子美味しいぞーこれ普通にお高いお店レベルの味がするぞ!』

 

未だ昼過ぎだが、ネットでの評判は上々な様子で推移しているようだ。

 

 

「鈴仙、様子を見に来たのだけれど…調子はどうかしら?大変そうだったけど大丈夫かしら?」

「はぁ…はぁ…誰?、!姫様!これはこれはお気遣いありがとうございます。」

夕方、輝夜はとある人物に会いに関係者以外立入禁止と書かれた小さな小屋に来ていた。

その会いに行った人物の名は、鈴仙・優曇華院・イナバ、元月の兵士にして今は永遠亭の薬売りをしている玉兎である。

彼女は普段まるで女子高生のような服装であり、今日は冬なのでブレザーを着ていた筈だが、餅つきで体温が上がるからか、ブレザーを脱いで更に半袖になっている。(花映塚の服装)

「疲れ果てているようね、あれだけ盛況だったらこうなるのも仕方ないものね。」

「はぁ…本当に盛況ですよね、これから愚痴をいいますが盛況すぎて全方位から沢山の視線に囲まれていましたし、注文が多すぎてずっと餅つきしていたんですよ、休みたいです!帰りたいです!どうしてこうなったんでしょう。」

お昼から始まったイベントである玉兎の餅つきは、昔話の光景を実際に見られるとあって幻想郷と同じく大盛況であり、それがいき過ぎて今はキャストの疲弊から一時休憩である。

 

「あら~本当に大変そうね、ま、これは『幻想郷での月都万象展でずっと餅つきをしていた私ですよ、いくら清蘭と鈴瑚が本職でも明日は寧ろ、私が二人に餅つきを教えてやりますよ。』って豪語していた昨日の自分を恨みなさいな。」

「あ、あれはその~師匠にそれ位の気持ちでするって意思表明であって…」

実は鈴仙は昨日、それだけ張り切って自信満々に永琳に宣誓していた。

張り切り過ぎて、大声だったので永遠亭中に知れ渡っていたことに鈴仙は気付いていない。

「あっ、永琳から貴女に弱音を吐いたら言って、て言伝てを預かっているわよ。」

「え!何ですか教えてください!」

鈴仙は休ませてくれるのかも、と目を輝かせる。

「『どうせ、調子に乗っていたら思っていたより辛かったんでしょうけど生意気言った罰よ、頑張って働きなさい』だって、残念だけどそういうことだから。」

「そんなー!」

その言葉の瞬間、鈴仙の目が暗くなり、悲痛な叫びを漏らす。

 

「じゃ、私は他のところに行ってくるから、鈴仙は頑張ってねー。」

少しして、鈴仙の休んでいる小屋から輝夜が出て行って休憩時間が終わりそうな時に誰かがやってくる。

コンコン

「はぁ~い、誰ですか~?」

ノックの音を聞いて、小屋の扉を開いた先には今日鈴仙と共に餅つきをしていた、二人の玉兎が待っていた。

「私達だよ鈴仙、もう休憩時間が終わるから呼びに来てあげたよ、鈴瑚屋より美味しい清蘭屋の味をこっちでも知らしめるためにも餅つきしてよ。」

「そうだよ~清蘭屋よりも拘った分美味しい鈴瑚屋の味を地上の人に教えるのよ。」

今鈴仙に自分勝手なことを言ったのは、それぞれ先に言った順に青い髪に青いワンピースを着た玉兎の清蘭と、金髪に黄色いキャスケットと橙色のシャツと黄色と白の縞模様のカボチャパンツをした玉兎の鈴瑚である。

「なんでよ!なんで私ばっか餅つきをして、貴女達は団子を作っているのよ!」

鈴仙は餅つきが一番の重労働なこともあってそう叫ぶがちゃんと二人は餅つきもしている。

だが、実際鈴仙は先ほどから餅つきだけで、二人は材料の加工や味付けや団子を丸める作業をやっており、それらの作業が無い隙間時間にだけ餅つきをしているのである。

 

「いやだってさ、私達はちゃんと儲かる美味しい団子のお店をやっているって実績があるけど、鈴仙は別にお店持ってないじゃん。」

「うぐっ、で、でも私にもやれる雑用があるでしょ!」

清蘭のストレートな正論に呻くものの、鈴仙は精一杯の反論をする。

「いや~特にないね~昨日のうちに材料は運び終わっているし、食器の用意とか、団子に串を刺す作業は因幡達がやってくれているし。」

「あーそうだったー!」

鈴瑚からの事実パンチに遂に鈴仙は泣きだした。

「「ところで、泣いてるいるところ悪いんだけど」~」

ガシッ

「えっ!何!何なの!」

鈴瑚と清蘭がそれぞれ、鈴仙の左腕と右腕を掴む。

「さっきも言ったけどもう時間だからね。」「さ、餅つきに戻って~。」

そう言って、二人は反転して小屋の外に鈴仙を引き摺りながら引っ張りだす。

そんな可哀想な様子の鈴仙だが最後の抵抗として叫ぶ。

「どうしてこうなるの~!!」

 

その後、鈴仙は深夜まで餅つきして翌日筋肉痛になった。




途中の文字化けは妹紅が危惧していた本を解読出来た人の発言ですが、内容は普通ですし、出来るだけ復元出来るよう、言葉を選んであります。
文字化けテスターというのを使いました。

最近、完全にスランプで更新が遅くてすいません。
一応読者の皆様の救いとして、プロット的には後10ちょっとエピソードくらいで終了ですし、本作品の三大書きたかったエピソードの一つ用に連投するためのエピソードもありますよ。
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