幻想郷の接触   作:ゼロ・ワン

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すみません前回に追記した通り遅れました。
理由は後書きに書いてあります。

パリ市内の描写まで少しかかります。


突入、正体不明の都市

ぬえがゲームを始めてから2日が経った、10月27日妹紅は世界でもトップクラスの速度を出す飛行機でパリに向かっていた。

何故こうなっているのか?ここまでの経緯を軽く説明しよう。

 

「はぁ、遂に始まりましたわ。」

スキマの中、沢山の目に見つめられ、その辺に幾つか巨大な手が浮かんだ空間で、紫は悲しげに説明を聞くために大慌てでスキマの中で紫を呼んだ妹紅に言う。

「紫が基本反対の立場だったのは知っているから、さっさと本題に行ってくれないか。」

グズグズすればする程被害が広がるので、妹紅にダラダラしている暇は無いので、結論を急かす。

「先ず、我々が放置するのは問題なので、貴方を派遣しますわ。」

「はい!?いやいや結論が速すぎるよ、もっと過程の説明も頼む。」

原因と解決策を説明されるが、過程がすっとんだその説明を真面目に言う紫に驚愕しつつ妹紅は注文を付け加える。

「あら、これでは伝わらなかったかしら、ならもう少し詳しく言いますが、誰かを派遣するとして現在の混乱のため、致命傷が致命傷にならない者が必要です。」

実際、だれが攻撃するかわからない上、治療も出来ないのでこれは当然である。

「ですが、妖怪が起こした異変に妖怪で対処するのは向こうからすれば、圧倒的な論外でしょう。」

大妖怪が起こした異変を妖怪が解決しても、心理的に納得がいかないだろう。

「ですから、やるなら人ですが大抵は何処かの勢力に居るので、動かすと後が大変ですし、その問題が無い霊夢は幻想郷で結界の維持があるから長期間出すわけにはいかないの。」

つまり、何処かの勢力に属さず幻想郷に居てもらわないと困る誰かではない人である必要がある、よって妹紅になったのは納得出来る説明だった。

「だから私か、って!よくよく考えたらそれ最初に私を選んだ基準だったはずだぞ!まさかその時点でこの事態が決まってたのか!」

この恐ろしい事態がそんな前から決まっていたことに、妹紅は驚愕を隠せない。

「ええ、残念ながら…、では本当は失敗しても良いのですが、貴女はこれから英雄になってきて下さいな。」

 

その後、紫の言葉通り妹紅が異変解決に駆り出された形で行動することになったが、妹紅が幻想郷の公式チャンネルの生放送でそう言った折に、パリが危険な最中に外交の重要人物を送るなんて何を考えているんですか!

という言葉が溢れたが、妹紅が自分で自分の身体を軽く傷つけて、即座に治した上で四肢欠損程度だったら治せると(控えめに)自己申告して黙らせたので、こうして向かっている。

以上で説明は終了である。

 

 

「現在の状況を教えていただけますか?」

妹紅はパリの現状報告を一緒に飛行機に乗った政府職員に尋ねる。

「現状情報が少ないですが、治安が悪くなりつづけています、何よりもパリという政治の中心地が奪われてしまった影響で、対応が後手に回り続けています。」

当然、ヨーロッパの危機にNATOも動いて治安維持のための軍隊を派遣したが、そもそま根本的な解決法であるぬえの発見のヒントすらなく、それ処か何と通信機器すらぬえの能力に影響されてしまい同士討ちが多発、

寧ろ武器が供給されたため治安が悪くなっていた。

そんな絶望的な情報報告の次に、政府職員は興味深い話をする。

「信憑性は乏しいながら、どうやら鵺が動画を昨日の昼に投稿したようなのです。」

「ぬえがそんなことをですか…信憑性が乏しいとは?」

信憑性が乏しい、その意味がよく分からず妹紅は疑問符を浮かべる。

「論より証拠で、今からその動画を流します。」

 

『ヤッホー、見えているかい!私の名は封獣ぬえ!そう今や誰もが知る大妖怪、ぬえです!』

そこは遥か上空と思われる夜空をバックに、赤く先が鎌のようになった右翼と、青くぐねぐねとうねった左翼を生やし、ショートの黒髪に黒いミニスカワンピースと黒いニーソックスと黒尽くめの格好に、ワンポイントで赤い蝶ネクタイをした少女が居た。

『皆は私が黒尽くめの少女に見えているかい、なんとこれは私の真の姿だよ!今回や次回以降の動画では特別に見せてあげるよ。』

「すみません一旦止めます。」

そこで政府職員が動画を一時停止する。

「どうしました?」

「これの信憑性が乏しいと言った理由なのですが、これは本当に本人なのでしょうか?彼女の真の姿は幻想郷の方々でない我々は知らないのです。」

つまり、これは本人なのか合成映像なのか確証が欲しいとのこと、真の姿を誰も知らないからこそ唯の不謹慎な成り済ましなのかもしれない。

「はい、少し前に直接会って話した私が保証します。」

が、成り済ましの可能性はこれで潰える。

誰も知らないからこそ、知っている妹紅が見間違える変装は出来ない。

「ありがとうございます、それならばこの動画は価千金の価値ですね、それでは動画を再開します。」

また、政府職員は動画を再生させる。

 

『今回なんで正体を現しながら、動画を撮っているかというと、このゲームあれだけの情報量じゃ私に有利すぎるからね。』

ぬえはゲームバランスの崩壊に危惧したということだろうか?

『フフッ、それと貴方達の敗北条件やその他のカウントを教えてあげるよ。』

笑いながら悪趣味に重要な情報を語るのもするらしい。

『先ずヒントあげるよ、私はこれから毎晩動画を撮るのだけど撮影場所にはそれ以降、行かないことにしてあげる、明日からはフランスのどの建物よりも高い上空には行かないよ。』

最終日を除く六日間、ぬえは毎日隠れ場所を狭めてくれるらしい。

『そして次はカウントだよ、初期からの挑戦者は全体の九割五分で残りが無謀な挑戦者達ね。』

この五分は、この事態の鎮圧に派遣された者と恐らく知り合いを助けるために向かった者、そして何一つとして知らずに入り込んだ者だろう。

『そして全体の一割五分が逃亡、三分が死亡したよ。』

莫大な死亡者とその五倍は出た逃亡者だが、何も知らないままゲームが始まった者も多く対策を取れず死んでしまったのだろう、そして逃亡者を責めることは出来ない、彼らはゲームをする処か生きるので精一杯だったのだろう。

『残り八割二分は頑張ってね、期待しているよ。』

言葉に期待を込めながらそこまで話して、ぬえの動画は終わる。

 

「これで毎日ヒントが得られますね…でもフランスの人々は勝利出来るでしょうか?このままでは勝利するために最悪どんな手段でも使われるでしょう。」

その言葉には、ある種の確信と重い感情があった。

動画とその言葉を受け止めた妹紅は落ち着いて語り始める。

「例えば、極端な手段を出しますが、核兵器で一気に消し飛ばすのは無駄なのでやめた方がいいですね、大妖怪ともなればそれくらい耐えるでしょう、例えば身一つで様々な核反応を起こせるお空でも、大妖怪ならば単騎で討伐出来る、それくらいには強大な者達の称号ですから。」

その情報に飛行機に居た者は絶句する、核融合を操るという若干真実か怪しい霊烏路空の力が現実だった場合、現状の人間の力ではぬえを討伐出来ず、都市一つ乗っ取るかくれんぼが起こされることになる。

「本当ですか!というか何で落ち着いているんですか!さっきはあんなに慌ててじゃないですか!」

怒号と言ってもいい悲鳴を政府職員は出すが、妹紅の落ち着きからすれば仕方ないことだろう。

 

「いえ、精神統一していましたが、すみません不真面目に見えましたね。」

妹紅は申し訳なさそうに謝り、「あ、いえ私も取り乱しました。」政府職員も落ち着く。

だが、妹紅は話をそのまま続ける。

「それに、このような所謂超常現象な事件は異変と呼ばれて、幻想郷だとよく起きることなので慣れています、しかも起こす理由ももっと酷いものが多くて、適当な理由であることもよくあることです。」

「え?はい?」

唐突に始まった、幻想郷のある種物騒な文化の説明に政府職員は困惑の表情を浮かべる。

そんな、困惑を無視して妹紅は話を続ける、今まで態と公開して来なかった話を。

「例えば、レミリアが吸血鬼の弱点である日光を気にせず昼に出歩きたい、という単純な理由で引き起こした紅霧異変なんかが顕著です。」

紅霧異変の内容を聞いて、今回の暗黒のハロウィンと比べる程の内容じゃないようなと感じるが、次の言葉で考えを改める。

「この異変は先ほどの理由だけで、人間が吸えば体調を崩す魔法の霧で日光を遮りました、それもそこそこの期間をね。」

なんですか、それ!?、そんな絶句の感情に支配される政府職員を知ってか知らずか、未だ未だ話す。

「他にも、興味本位で封印された桜の妖怪を満開させるために、幻想郷から春の魔力を奪い去って春を延期させ、5月になっても冬が続いた春雪異変、幻想郷に映る月をすり替えられたから紫が対抗して、夜の時間を引き延ばした永夜異変、隠岐奈が各地で四季属性を強化することで、幻想郷の場所ごとに四季を別にして幻想郷で全ての季節を同時に起こした、四季異変、等々本当によくあることです。」

何れも規模感が大きすぎて、絶句の表情を政府職員が暫く浮かべていると、「漸く到着、ですか。」フランスの空港に到着した。

 

 

 

空港に到着すると即座に向かうため、パリから逃げるために渋滞を起こした道路を無視するために、政府職員を抱えて高速でパリの手前の比較的小さな路まで来た。

パリの手前は乗り捨てた車や、車をぶつけて出来たと思われる瓦礫で溢れているが、あまりの量に真面に通れない程その路は塞がれているため、人は居ない。

 

パリの境界線と思われるそこの瓦礫の向こう側に政府職員を下ろすと、瓦礫の上に降り立ち。

「それではぬえは見つけて来ます。」

軽く右手を振りながら、妹紅はパリに足を踏み出す。

「お気を付けて、どうかこのパリを、フランスを!ヨーロッパをお願いします!!」

政府職員の見送りの言葉の直後、

シュルルッ

何処からか黒蛇が妹紅に巻き付く。

「さぁ、エントリーと行こうか。」

 

 

入った直後、未だ政府職員が幾つかの隙間から見える道路にて。

「バウッバウッ!」

「ミャーミャー!」

「うん?猫が犬に襲われているのか?こんな状況じゃペットに餌も与えられないか…あれ?いやあの二匹!」

パリに入って早々、未だ見送りの方々が見える距離にて妹紅は子猫が犬に襲われているのを見るが、何か違和感を感じてあることに気づく。

「あの二匹妖獣か!でもここ大都市の真っ只中だぞ、いくら死体が溢れていても、こんな短い期間で妖獣に至っている筈は!」

妹紅が気付いた通り二匹は妖獣であり、犬の方は体高が大人を越える程と分かりやすく、子猫の方は尻尾が先から二股に別れ始めている。

「う~ん、うん決めた。」

そう言うと妹紅は、即座に犬に向かって急速に飛んで「悪い妖怪退治といこうか、な!」

「キャイン!」

犬の方を蹴っ飛ばす。

 

「クゥーン」

巨大化した自分をいとも簡単に蹴っ飛ばした妹紅に恐れをなし、犬は走り去っていく。

それを見届けると、「お~い、子猫ちゃん君を虐める子は追い払ったよ~だから来てくれないかな~」と、子猫に呼び掛ける。

「ミ~ミ~」

半妖となって知能が高くなったからか、子猫は妹紅にすり寄る。

「おおよしよしよい子だね、ちょっと野暮用がおわった後に君に手伝って欲しいことがあるんだ。」

「ミ~?」

そう言って子猫を抱えながら、今さっき来た路を戻る。

 

「おや?どうかされましたか?その子猫を助けていたようですが?」

未だ、妹紅を視界から外していないため妹紅を妹紅として認識出来る政府職員は疑問を尋ねる。

「いや、この子を預かってくれないかな?と思ってね。」

「えっと、いいですけど、どうしてですか?」

 

「この子は未だ半妖で完全な妖怪じゃないです、今なら戻れますが、このまま妖怪に成らせても人間の味を覚えているから襲うかもしれないです、もしそうなったらこの子は殺す必要があるかもしれません、ですが戻してただの猫にすれば問題は無いので、そういうのに詳しい知り合いに後で預けるつもりです、多分半妖と化してしまった人間もいるので見本も兼ねてですね。」

そう説明し預けた後、

「今度こそ行ってきます!」

そう行ってパリの中心部に向かって飛んでいった。




今日、急に元の展開からぬえの動画云々に書き変えたので大分遅くなりました。
すみませんでした。
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