中央鎮守府の工廠長   作:猫神瀬笈

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2日目の朝からスタートです



第5話 警告

〜宿泊部屋〜

 

2日目の朝、夕張は謝罪を兼ねて流提督たちを迎えに来ていた。

 

「皆さん、おはようございます。」

「夕張さん、おはようございます。昨日の事はユキさんに聞かせていただきました。」

「本人から皆さんに話したと伝えられました。皆さんを案内する前に、この場で謝罪させてください。」

 

秋月の事は昨日の夜にユキが話している。そのため流提督たちは夕張が来ることも、この場で謝罪することは予想していた。

 

「昨日は、私の監督不行き届き(かんとくふゆきとどき)のせいで秋月さんを傷つけてしまい、申し訳ありませんでした!」

「夕張さん、私はもう大丈夫ですから気にしないでください。元はと言えば、夕張さんの指示を守らなかった私のせいなんですから。それに、私の方こそ謝罪させてください。大切な機材を壊してしまい、夕張さんを心配させてしまってごめんなさい。」

 

秋月も自分のしてしまったことを謝りたいと思っていた。無理をしすぎる性格のせいなのか、それとも集中し過ぎたせいなのか、あの鍛錬をしている途中でその世界に入り込んでしまったらしい*1。ドローンにタックルしたのもそれが理由だそうだ。

夕張は、罵倒されることはあっても謝罪をされるとは思わなかった。そのため、秋月に謝罪されたことに困惑していた。ここに引き抜かれる前には色々な現場や取引を見てきたが、今のようにお互いが謝罪するという場面に出くわしたことがなかった。だからこそ困惑しているのだ。

そんな夕張に武蔵が感謝をする。

 

「夕張よ、私達も提督も気にしてはない。無理をした秋月を叱ってくれたうえに、適切な応急処置をしてくれたらしいではないか。むしろ感謝させてほしい。それに、これは鈍感な提督のせいでもあるからな。」

「え!?僕のせいなのかい?」

「……1回爆撃した方がいいかしら?」

「はぁー、帰ったらたっぷりシゴいてやるのです。」

「えーー?!」

 

どうやら、呉鎮の提督にも色々あるようで、お互いの蟠りは無くなった。夕張はもう一度、部屋にいるメンバーに今回の厳罰を話し、これからのことを話した。流は「でも…」と納得しなかったが、電にありがたく受け取れと言われ、武蔵は、これ以上長くなると面倒臭いと思い、流を担いで夕張の先導で食堂へと向かった。

 

〜食堂〜

 

食堂には珍しく艦娘が集まっていたが、()()()()()()()()()()。目をギラつかせる者もいれば、目を閉じて深呼吸している者もいる。咲の顔もいつも以上に険しく、まるで今から殺し合いが始まるのではないかという空気が漂っている。そんな空気の中、咲の座っている食堂の中央にしか空いてないテーブルに座った。夕張は全員が座った後、キッチンの奥へ入っていった。この場の状況を気になった流は咲に話し掛ける。

「えっと…、咲さ…」

「静かにしてもらえるかしら、()()()

「ッ!」

 

流は驚いた。昨日まで「流くん」と呼んでいた咲が「流提督」と呼んだのだ。今の咲は明らかに元帥としての咲だ。それなら、何かあるのだろうと話しかけようとすると電に止められた。

 

大人しく、静かにしているのです。ドスッ

いっ!……で…でも、この状況はただ事ではないですよ。

待てばわかるのです。今は黙っているのです。

 

そう言われ、大人しく待っているとキッチンから夕張、間宮、鳳翔、そしてユキが出てきた。ユキはその場に留まり、3人は近くの席に座った。ユキは1度全員を見ると紙に目線を移し、話し始めた。

 

「全員いる?…いるね。それじゃあ、前回のターンが終わるまでに不祥事を起こした者と、警告者を発表する。文句がある者は時間を設けるからその時に言ってくれ。」

 

「前回のターン」という謎のワードに「不祥事」と「警告者」という言葉。ここで何かを晒されるのだろうか?ここの艦娘はユキの言葉を聞いた途端に全員が息を呑んだ。何人かは震え、冷や汗をかいている。

 

「まずは不祥事を起こした者だ。今回は4人いる。1人目と2人目は卯月と佐渡、…お前らはいつも通りだ。既にブラックリスト入りしてるとはいえ、これ以上やると反省室だ。覚悟しておけ。」

「で、でもうーちゃんは…」

「時間を設けると言ったはずだ、後にしろ。

3人目はポーラ、お前はブラックリスト1歩手前だ。もしも、事を起こせば……これ以上言わなくても分かるな。

そして4人目は隼鷹!禁酒としていたが、お前……隠れて飲んでいたな!いくら水で薄めたとしても僕の鼻は感知する!お前はブラックリスト入りだ!次は禁酒だけでは済まなくなると思え!

……以上が前回のターンで不祥事を起こした者だ。」

 

ここでのルールが厳しいからだろうか、名前を呼ばれた艦娘たちの顔が青ざめていた。しかし何故だろう…名前を呼ばれた艦娘たちになにか引っかかる…。流がそんなことを思っていると、ユキが話を続けた。

 

「次に警告者だ。これはさっき呼ばれた者とは違い、前回のターン中に事を起こさなかった者と事を起こしたが既に罰則を与えた者だ。今回は2人いる。1人目は()()の千歳だ。しっかりと禁酒していたし、迷惑もかけなかったようだからね。

2人目は夕張だ。本人は分かってると思うし、今日は1日罰則に従って行動してもらう。だが、2人とも危ない位置にいることは理解しておくこと。いいね?」

 

夕張が警告者として呼ばれたことで、流たちはこれが特定のルール違反をした者を呼んでいるのだと理解した。しかし、何故ここまで怯えているのかは理解できなかった。何回も行っているのなら怯える必要は無いはずだ。

 

「それじゃあ、異議がある者は…」

「異議ありぴょん!」

「こちらが納得できる異議を出すように」

「うーちゃんは前回のターンは大人しくしてたぴょん!それにユキの方がうーちゃんが何かやったっていう証拠を見せるぴょん!」

 

卯月はふふ〜ん、とどうだと言わんばかりの顔をしていた。しかし…

 

「はぁ〜、ポチ(←録音機)

 

『よし、これでOK、うーちゃんのアリバイは完璧ぴょん。これで弥生のおやつはぜーんぶうーちゃんのものだぴょん!皐月たちが疑われてる間に、ゆっくり味わって食べるぴょん!はむっ、美味しいぴょ〜〜ん。』

 

これで満足か?」

 

録音機から流れる卯月の声。卯月の顔は次第に青ざめ、体は震えていた。そんな卯月に弥生と皐月がゆっくりと席を立って近づく。

 

「ねー、卯月?」

「ちょっと…あっちで…」

『O☆HA☆NA☆SHI、しようか?』

「ふ、2人とも落ち着くぴょん!痛い!離すぴょん!」

「ユキさん、ちょっと3人でお話してくるね。」

「少し…時間をもらいます。」

「は〜い、5分あげるからゆっくりでいいよ〜」

 

皐月と弥生は卯月を外に連行していく。卯月はなんとか振り解こうとするが、ガッチリ捉えられている。その光景を見ながらユキは笑顔で見送る。

 

「な、何をするつもりぴょん!やめて!連れてかないで!話せばわかるぴょん!ぴ、ぴょ…」バタン

静かになった食堂。しばらくすると、

『ぴょーーーーーーーーーーーーん!!!!』

という断末魔が聞こえた。流はガタガタと震え、秋月は顔を真っ青にしている。昨日はあんなに楽しそうだったのに、こんなに恐ろしいところを見てしまえば震えもするだろう。気づけば皐月と弥生が笑顔で帰ってきていた。ユキが「卯月は?」と聞くと、「土に埋めてきた」と言っていたため、流がさらに震えていた。そんなことはお構い無しにユキは話を続ける。

 

「さてと、他に異議のある者は……いないな。

…それじゃあ、今日のメインの話をするぞ〜。今回は呉鎮の人がいるからいつもより少ないと思ってね。それ以外はいつも通りだから、恨みっこ無しだよ。いいね?」

『はーい』

「え、え…どういうこと?」

 

自分たちがいるから少ないという言葉が理解できない。一体何の話をしているのだろうか。それに、()()()()()()()()()()()()()()

 

「今回の制限は30人。その内12人は今日の予定からこっちで決定したよ。そのため残りの18枠を争ってもらうからね。まずは、これに参加しない人は挙手してね。」

 

そういうと、数人が手を挙げた。手を挙げたのは、金剛、明石、比叡、磯風の4人だ。

 

「分かった。4人は次回以降の参加だよ。それじゃあ海防艦の子たちから順に並んで、これを引いていってね。ケンカはするなよ。」

 

海防艦はみんな仲良く並び何かを引いていく。その次に駆逐たちが呼ばれ、一斉にユキの元へ走っていった。我先にと近づいて並んでいく。

 

「いっちばーんに引いちゃうんだから!」

「これは、幸運の女神のキスを感じます!」

 

駆逐たちが次々に並び何かを引いていく。駆逐たちが引き終わると、潜水艦、軽巡、重巡、空母、戦艦と順番に引いていく。特殊艦の子たちは他の艦娘たちが譲ったりしている。咲は戦艦たちと同じところだ。

 

「これが当たったらお姉様に…」

「山城…ちゃんと自分に使うのよ…」

「赤城さんでもここは譲れません」

「ふふ、こちらも譲れませんよ加賀さん」

 

周りが色々言い合っている中、咲がテーブルに戻ってきた。咲が手に持ったものを見ると三角形の紙だった。よくあるくじ引きの紙のようだが…

 

「みんな引いたね?それじゃあ開けてくれ。」

 

ユキの合図で全員が紙を開ける。すると、周りから喜びと悲しみの声が響き渡る。

 

「いよっしゃ!悪いな姉貴たち、江風が当たりを引いたぜ!」

「弥生…ゲット…」

「そんな…雪風が…」

「また…当たらなかった…不幸だわ…」

「やった〜、うちが当たりや!どうしたんや、不知火?」

「……不知火になにか落ち度でも?」

「ビスマルク姉様!私、当たりました!」

「そ、そう…良かったわね…」

「やりました…。赤城さん、そんなにヨダレを垂らされても、これだけは譲れませんよ。」

「そんな……加賀さん………」

「くっ、雨は…いつか止むさ…」

「ふん、余が勝ち取ったぞ!」

 

 

周りで艦娘たちが騒いでいるのに対し、咲は静かだった。見るとテーブルに顔を伏せていた。どうしたのだろうと思い声をかける。

 

「咲さん?どうしたんですか?」

「うぅ、ぅぅぅ〜」

 

なんと、あの咲が泣いていた。これには流も驚いており、どうしようとあたふたしているところにユキがやってきた。

 

「あ〜もう〜、まただよ。駆逐たちより子供みたいになったらダメでしょ?」ギューっヨシヨシ

 

ユキは伏している咲の顔を持ち上げ、お腹に持っていく。帽子を取って頭を撫でるその様子は、子供をあやしているお母さんである。

 

「ハハハ、いつもしっかりしている元帥殿にも、このような子供らしい姿があるのだな。」

「ここじゃあよく見る光景だよ。普段は「元帥」っていう仮面をつけてるだけの女の子さ。特にこのくじ引きになると、駆逐たち以上に落ち込むからね。昔はもっと大泣きしてたんだよ〜。」

「ぅぅぅ〜ぃぅぁ〜」

「咲さんがこんなになるなんて、一体どんなクジなんですか?」

「ん、こんなの」

 

ユキが見せてくれたクジには大きく「ハズレ」と書いてあった。しかし、ただのハズレくじで肝心の内容が分からない。

 

「え〜と、ただのハズレくじなんですが…」

「あ〜、内緒ってこと。昼には分かるから楽しみにしてて。」

 

そういうとユキは咲を慰め、食堂の手伝いをする。その間、流は咲に気になったことを聞こうとしたが、咲はずっと顔を真っ赤にして「忘れて」と言い続けていた。

 

 

全員が朝食を食べ終え、艦娘たちは鍛錬場に向かった。夕張は鍛錬場の修理の準備をするために一足先に鍛錬場へ、五十鈴は外でソナーの限界を、秋月は他の子たちと一緒に対空の鍛錬を行っている。流提督も咲、電、大和と一緒に鍛錬の見学に向かった。武蔵はユキ、明石と共に工廠へ行き、艤装の改良を見ていた。

 

〜工廠〜

 

カーンカーンカーンカーンカーン

「ふぅ、ここが……こうだな…」

 

順調に武蔵の艤装を改良しているユキ。まだ工廠に来て1時間だが、既に6割ほど終わっている。艤装の修理ならすぐ終わるが、改良であれば熟練の人間が普通の艤装で約3時間、明石で30分程の時間がかかる。武蔵の艤装ともなれば明石でさえ4時間はかかる。今のユキはこのままのペースで行くと調整込で1時間半程で終わる。

いつもは秋月の艤装である「長10cm砲ちゃん」がユキに「構って〜」とやってくる(ここの秋月は遠征中)のだが、今はユキの艤装と遊んでおり、その様子は明石に見てもらっている。そのため、ユキは艤装の改良に集中できているのである。

武蔵は自分の艤装の様子は自分で見るようにしているため、ユキの作業を見ていた。

 

「すごいな…、これほどの速さとは……」

「これでも…カーンカーン…昔に比べれば…カーンカーン…遅いほうさ…カーンカーン…。ふぅ〜、改良終了。後は調整だけだ〜。」

「もう終わったのか?」

「後は武蔵が装備して違和感がなければ終わり、違和感があれば無くなるまで調整さ。さあ、装備してみてよ。」

 

そう言われて武蔵は艤装をつける。

 

「なんだ…これは……。」

「ん?なんか違和感があった?」

「むしろしっくりとくる。いや、()()()()()()()と言うべきか…。」

「ちょっとやり過ぎたかな…、それは調整しよう。しっくりしすぎるのは不味い。」

 

そう言ってユキは武蔵から艤装をもらい調整する。調整するのは主砲などではなく、背中に近い位置にあるところ、即ち艤装の本体だ。

 

「不味いのか?しっくりしすぎる方がいいのでは…?」

 

一方で、今までにない感覚を覚えた武蔵は何故しっくりしすぎることが不味いのかを聞いた。ユキは深刻な顔して武蔵に告げる。

 

「体がスペックに追いつかなくなるんだ。強くなれるけどその艤装を使い続けると、武蔵でも…長くて1年もつか分からない。」

「私でも…、似たような者が過去にいたのか?」

「既に100人以上…早い子は艤装を()()()()()()()()()()()()()()。艤装が装備できず、海に立つこともできなくなったんだよ。そんな警告を聞かずに使った子達は解体か、完全に壊れる前に引退して指導者になったり、人間社会に溶け込んでいったよ。」

「100人以上もか……。しかし、警告をしたのにそんなに出るものなのか?」

「僕はレ級だ、それにもう何年も前の話だからね。当時は納得のいかない子や咲さんと敵対していた提督達は沢山いたんだよ。信用できないって言って、聞かなかった…。」

 

確かにユキは深海棲艦、その中でも驚異的な力を持つレ級だ。今の時代であっても信用できないというものは少なからずいるだろう。自分も初めて会った時に砲を向けたのだから。

 

「でもね、僕のことを信用して、どうなるか分かった上で使った子も少なくないんだよ。」

「分かった上で使った…、そんな艦娘もいたのだな。」

「何人も大切なひとを守るためってのが多かったかな。でも、あとのことを考えてない子が多かったよ。僕を納得させたのは1人だけだしね。」

「ユキを納得させた艦娘か……。1度会ってみたいものだ。それに、ユキの話に出てくる者は1度でも手合わせしてみたいと思える物が多いな。」

「そういう時代だったからね。それと装備できないだけで戦うことはできるけど、手合わせはやめておいた方がいいよ。フルスペックの武蔵でも10分持たないからね。…よし!コレで調整終了!さあ、装備してみてよ。」

 

フルスペックで10分持たないと言われ、驚きを隠せないが武蔵の性格上、()()()()()()()()()()()。そんな気持ちを抑えつつ装備すると、とてもしっくりする。先程の感覚と比べて強くなったとは感じないが、自分の体に馴染んでいる感覚を覚えた。

 

「どうかな?」

「すごいな…。さっきと違ってわたしの1部のような感じだ。」

「全然違うでしょ?もうその装備は武蔵専用だからね。他の子が使っても本来の性能は出せないから気をつけてね。」

 

ユキは艤装についての注意点を武蔵に伝え終わると明石のところに行き、艤装たちの相手をして楽しんでいた。とても楽しそうな姿を見て、明石と武蔵は和んでいた。

 

〜食堂〜

 

ユキは「やることがある」と言って一足先に工廠から出ていった。武蔵は明石に艤装のことを色々聞いたあと、一緒に食堂にやってきた。食堂には呉鎮守府のメンバーと朝に行われたくじ引きで喜んでいた艦娘たちが集まっており、ソワソワしながらキッチンの方を見ていた。

 

「みんなどうした?そんなにソワソワして。」

「あ、おかえり武蔵。艤装はどうなったの?」

「この武蔵専用装備になったぞ。そうだ提督よ、わたしの艤装は他の者ではまともに使えんらしい。大和の艤装と同じだから戦艦用の主砲は新たに開発するべきだとユキに進められたぞ。」

「僕も本人から聞いたよ、今日にでも大淀に連絡しないとね。それと今日の午後の演習の前にユキさんが料理を作ってくれるらしいよ」

「先程用事があると言っていたが、まさか料理とはな。」

「とても美味しいから、みんなソワソワしているんだって。朝のくじ引きはその料理のためらしいよ。」

 

ようやく朝の騒動とユキの用事が分かったところで、ユキも料理が終わったようだ。艤装を上手く使いながらバランスよく料理を持ってくる。

 

「お待ちどうさま!今日はスタミナ豚丼だよ。昼からの演習で頑張ってほしいから、しっかり食べてね。」

 

出てきた料理はどんぶりに入った豚丼だった。とてもいい匂いがしているが、その()()()()()()()()()()()()1()()()である。駆逐や軽巡達からしたらかなりの量だ。五十鈴や流はあまりの量に食べ切れるか心配になり、秋月に声をかける。

 

「こんなに食べられるかしら…。秋月、あなたは食べられそ…う………秋月!?」

「はむ…はぐ…んぐぅ…はむっ」カッカッカッカッ

 

秋月の方を見ると、ものすごい勢いでかき込んでいた。駆逐にとってこの量はお店で定食を2つ頼むようなものだ。だと言うのに秋月の勢いは止まらない。いつも上品に食べる翔鶴も、くじ引きで当たりを引いた海防艦の子たちも同じようにこの量を食べている。五十鈴も流も覚悟を決めて口にした。

 

『はむっ……!!!?』

 

すると、2人に電撃が走った!2人も勢いよくかき込みだした!

止まらない、箸が止まらない!1口食べただけなのに箸が止まらないのだ!あまりの美味しさに喋ることも忘れ、ただひたすらに口に入れる。

ユキが料理を持ってきて約10分、食堂には「カッカッカッ」と箸でかき込む音だけが響いた。

 

『ご馳走様!』

「お粗末さま、どうだった?」

「とても美味しかった。いつも食べている鳳翔や間宮の料理とは違う魅力があった。」

「こんな美味しい料理が食べられるなら、いつでもここに来たいですね。」

「あの量は食べられるかわからなかったけど、気づけば平らげてるなんて不思議ね。秋月があんなに食べたのは初めて見たわ。」

「とても美味しくて……その…止まらなかったんです/////」

「翔鶴姉もすごい食べっぷりだったよね。」

「ず、瑞鶴!恥ずかしいから言わないで/////」

「前より美味しくなっているのです。本当にそろそろ料理の腕は抜かれそうなのです。」

 

艦娘達からそれぞれの感想を聞いた後、流にも感想を聞いた。

 

「流提督はどうだった?」

「とても美味しかったです!あんなに夢中になったのは初めてですよ!それにさっきより妖精さんが沢山見えるんです!」

「お、ようやくそこまでいったんだね。なら、明日にでもプレゼントをあげなきゃね。」

「プレゼントですか?」

「そうだよ。今回の艤装の件もあるからね、開発に特化した妖精さんをそっちに送るよ。」

「いいんですか?妖精さんは貴重な存在なのでは?」

「ここだとみんな暇しちゃうんだよ。()()()()()()()()()()()()()()。それに、流提督に興味を持った子達がいるからね。」

 

ユキがそう言うと、3人?の妖精さんが流提督の周りに突然現れた。

 

「うわぁ!びっくりした。この子達は一体?」

「その妖精さんがさっき言った子達だよ、この後の演習を見に来るんだって。」

 

そう、この後は演習がある。咲が元帥となって負け無しの艦隊と戦うのだ。流は今の自分の指揮でどこまで足掻く事ができるか分からないが、全力で臨もうと考えていた。

食後、演習までゆっくりしている間に今日の演習はどんな編成なのかを聞いた。

 

「そういえば、そちらはどのような編成なのですか?」

「わざわざ言うわけないじゃん、最初から分かったら面白くないしね。でも、ヒントはあげるよ。ヒントは今日の僕の料理を食べた子だよ。それで対策立ててね。

それと、咲は元気だしな〜。いつまでも拗ねてちゃダメでしょ?」

「(`・н・´)ぷくー」

「プクーじゃないよ。今日の夜は鳳翔さん達と一緒に僕も作るんだから元気だしなよ。」っヨシヨシ

「……わかった。」

「それじゃあ、そろそろ工廠の方へ行こうか。咲は流提督たちを連れて先に行ってて。僕は皿洗ったら今日の演習の子に連絡するから。」

 

ユキはすぐにキッチンに入り、流たちは咲と一緒に工廠に向かい準備を始めた。ユキのヒントを元に作戦を立てる流たち。今回は電から「自分たちの力でやれ」と言われているため電からの助言は望めない。事前情報だけで流はどこまで咲の指揮を読めるのか。呉鎮守府vs中央鎮守府の演習がようやく始まろうとしていた。

*1
音楽の世界に入り込むという表現と同じ意味。この場合、秋月は本当の戦場にいると錯覚している。




色々書いてたら遅くなりましたm(*_ _)m
気づけば8000字を超えていたので驚いてます。

さて、次回は演習が行われます。
誰が出るのか。そして、何人出るのか。楽しみにしていてください。
一応ユキと同じヒントを下に出しておきますね
それでは皆様、次回をお楽しみに。

ヒント(ユキの料理を食べた中央鎮守府の艦娘)
弥生、江風、黒潮、プリンツ、加賀、ネルソン、
扶桑、御蔵、伊19、占守、羽黒、大鳳
大鯨、日向、大井、天龍、阿賀野、長良
五月雨、涼風、呂500
さあ、演習にくるのは誰かな?
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