前回は宴会と武蔵が改二になれるよ。と言う話でした。
それでは本編へどうぞ。
~ユキの家~
「んん……もう朝…か……」ガサゴソ
久しぶりに自室で寝たユキ。暖かい布団で気持ちよく寝ていたせいか、とても眠そうにしていた。起きたのは06:50だ。いつもなら朝から仕事のためしっかりと起きているが、今日の主な仕事は武蔵の艤装を直すだけなのでゆっくりできるのだ。
「とりあえず…、食堂行くか……ふぁ~」
布団をたたんで部屋を出る。リビングに置きっぱなしにした工廠の鍵をポケットにしまい、そのまま家を出て食堂に向かった。
~食堂~
食堂では鳳翔と間宮が朝食を作っていた。07:00に食堂が開くため、艦娘たちもちらほらと見え始めており、それぞれが思い思いの時間を過ごしている。
その中で他とは違う空気が流れているところがあった。キッチン近くにあるテーブルにカチューシャをした巫女服の4人がいる。高速戦艦、金剛型姉妹の「金剛」「比叡」「榛名」「霧島」である。食堂が空いてすぐは金剛型のティータイムでもあり、金剛が入れた紅茶を飲みながら
「ふ~、朝のティータイムはいいものネ~」
「私は久しぶりにお姉さまの紅茶が飲めるので幸せです。」
「比叡お姉さまは金剛お姉さまの紅茶が大好きですからね。もちろん榛名お姉様と私も大好きですし、この時間が一番幸せです。」
「はい、榛名もお姉さまの紅茶が大好きです。それにしても今日の紅茶はなんだかとても甘いですね。」
「今日の紅茶はspecialな紅茶ネ。『English Breakfast』*1っていう英国で人気の『traditional blend tea』デース。様々な種類があるけど、今回はmilkによく合うアッサムティー*2にしたネ。朝食もこの紅茶に合うものを頼んでおいたネ。」
金剛がティータイムで出す紅茶は金剛自身のこだわりもあり、本場の味を楽しめるようにパックなどを使わず、元となる茶葉を取り寄せている。
しかし、今は深海棲艦によって貿易や輸入が困難になっている。何十年もかけて海域を取り戻してきたが、それでも入手が難しいのである。そのため、金剛がこの茶葉を入手していることに霧島は疑問に思った。
「失礼ですが、金剛お姉さま。私の情報に間違いがなければ、アッサムティーに使う茶葉の産地はインドだったと思うのですが…。今の貿易事情では入手困難のはずですよね?」
「その通りデース。本当なら難しいけど、これはユキからもらったものネ。詳しいことは知らないから、本人に聞くといいデース。」
霧島は話を聞いて納得した。明石以上にとんでもないものを作ってしまうのだ。もしかしたらこの茶葉もユキの自作なのではないかと考えている。
そんなことを考えていると、食堂の入り口が少し騒がしくなった。4人が入口を見ると大きな黒猫がいた。
「Wow!可愛いcatが来たネ~。」
「ん~、あ~。金剛か…、おはよう…。」
「おはようデース。今日のユキは眠たそうネ。」
「久々に自分のところで寝たからね…、それと着替えるの忘れてた…。」
「ようやく気付いたネ~。」
しばらく寝ぼけていたが、アッサムティーを飲んで頭がすっきりしたユキは金剛たちと同じ料理を頼むことにした。金剛が頼んだのはトーストとベーコンエッグ。今飲んでいるアッサムティーと相性が良いためだ。
金剛型4人と一緒に朝食を堪能していると、流提督たちがやってきた。
「おはようございます、ユキさん。」
「おはよう。今日のことは武蔵から聞いているかな?」
「改二のことですよね。もちろん喜んでと言いたいのですが、本当に大丈夫なんですか?戦艦の改二はかなりの資材が必要なはずですが…。」
「本来ならどれか一つをただで提供して、残りは実費の形にするんだけど、今回は夕張の罰が適用されてるから大丈夫だよ。」
「確か夕張さんの個人給料からでしたよね?大丈夫なんでしょうか。」
「本人からしたらとんでもない出費だよ。これが武蔵の改二に必要な資材だよ。」
そういって端末を見せるユキ。その端末には「武蔵改二条件」と書かれており、その下に必要なものも書かれてある。
「レベル89以上で改装設計図が…3枚!新型砲熕兵装資材も3枚必要……、それに戦闘詳報まで……。」
「弾薬9900と鋼材9600も必要だから実費で払うとこのぐらいかな。」
すぐに計算して合計金額を見せてくれたが、その金額はあまりにも高く、流提督の平均給料*3で考えると約1年半はかかる計算である。
「夕張の給料なら僕個人から出すのもあるから半年分ぐらいかな?」
「僕より高い…」
しばらく流が夕張との給料の差に落ちこんでいたが、何とか気持ちを保ったため食事を楽しみつつ、改めて武蔵のことについて話した。武蔵は改二になると装備スロットが5になること、低かった索敵値が伸びている分だけ燃費が悪いこと、新たな装備がついてくることなどといった今ある情報を話した。
話が終わるころには二人とも食事を終えていたため、武蔵を呼び工廠に行くことにした。他のメンバーは昼まで自由行動となったため、
瑞鶴と翔鶴は初日に行った鍛錬を、
秋月と五十鈴は同型艦とお茶会を、
大和は鳳翔と間宮に料理を教わり、
電は翔鶴たちの鍛錬を見に行くそうだ。
流提督は工廠で武蔵の改装が始まるのを見届けた後、咲に指導してもらうらしい。
「それじゃあ行こうか…その前に僕は着替えないとね。」
「なら、私がご案内しましょうか?今日は非番ですから。」
そう言ったのは明石だった。確かに彼女にはここの副工廠長を頼んでいる。今の状況で一番任せられる存在だ。
「じゃあ明石に任せるよ。鍵を渡しておくから、もしできるなら準備もしてて。」
「了解です!」
そうして、ユキは流たちを明石に任せて家に向かった。家に入るとユキは急いで自室で私服(いつものレ級の服)着替え、パジャマを洗濯機に放り入れた後、すぐに工廠に向かった。
~工廠~
工廠では武蔵の改造準備が行われていた。改造には工廠の奥に置かれている改造装置<培養槽をイメージ。>の前で武蔵が待機している。明石は改造に必要な資材を集めていた。
「おまたせ。見た感じ準備はできてるかな?」
「はい、資材も準備出来ましたよ。うちから資材を出しますけど、減った分はどうするんですか?」
「夕張に請求書を出しといてくれるかな。一昨日の罰だって言えば納得するでしょ?」
「分かりました、後で伝えておきますね。それじゃあ、武蔵さんには改造前に軽く説明しますね。
まず検査衣に着替えてから装置に入ってもらいます。装置に入ったらマスク(酸素マスク)をしてください。
その後に中にある補助器具に体を預けてください。その準備ができ次第サインしていただければこちらで装置を作動します。
装置を起動すると培養液が装置内を埋めるので目を瞑っておいてください。10秒ほどで満タンになり、改造終了までの間は眠っている状態になります。
今までに副作用などと言った症状は発生していないですし、戦艦以上の攻撃でも壊れないように作られているので改装中の安全は保障します。ご安心ください。
以上が説明となりますが、何か質問がありますか?」
「いや、特にないな。安全面においても信用しているからな。よろしく頼むぞ。」
武蔵は説明に納得し、安全面においても完全に信用を置いてくれた。ひとまず流提督には表に出てもらい、検査衣に着替えた後、すぐに改造装置に入ってマスクをつけた。武蔵から完了の合図(サムズアップ)をもらったため、装置を起動させた。装置の上には「03:00」と表示されており、「02:59」、「02:58」と減っていく。3時間後には改造が完了するようだ。流提督を呼び、一通り話した後で流提督は咲がいる執務室へ向かった。
「昼まで暇になるけどどうする?僕は連装砲たちの相手をするけど…。」
「私は夕張に渡す請求書の作成と資材のチェックをしておきます。ないとは思いますけど、何かあったときにすぐに対応できるようにしておきますね。」
そういって明石は夕張への請求書を作るため、工廠内にある部屋に入っていった。ユキは艤装のある所に行き、「長10センチ砲ちゃん」の相手をする。よほど遊びたかったのか、すぐユキに勢いよく抱き着く。
「キュキュー!」
「元気いいな~。」
『キュキュキュキュー!』
「長10センチ砲ちゃん」の相手をしていると島風の「連装砲ちゃん」や、天津風の「連装砲君」、他の秋月型の「長10センチ砲ちゃん」たちも集まってきた。どうやら他の連装砲たちも羨ましく思ったらしい。ユキも自身の艤装を出し、武蔵の改造が終わるまで仲良く遊んでいた。
何事もなく3時間が経ち、武蔵の改造が終了した。
流提督には5分前に連絡を入れておいたため、改造終了とほぼ同時に工廠へやってきた。
「お待たせしました。武蔵の改造は終わりましたか?」
「先ほど無事に終了いたしました。奥にいらっしゃるのでこちらにどうぞ。」
明石の案内で工廠の奥に行くと、大きな艤装を持った武蔵がいた。改の時のような黒色を主とした服装で、露出していたところもほとんどなくなっていた。
「すごい…。これが武蔵の改二……。」
「いつ見ても武蔵の艤装はデカいね、気分はどう?」
「最高だ、今まで以上に力が湧いてくる。昨日の艤装と同じような感じだ。」
「それは良かった。艤装はそこまで手を加えなくてよさそうだね。一回試し撃ちしてみようか。明石、廃棄する予定だった的を持ってきてくれるかい?僕たちは外に出て準備をしているから。」
「了解です、すぐに持っていきますので待っていてください。」
ユキたちは工廠を出て、海の方に向かった。すぐに明石も的を持ってきて海に出ると、およそ500mの場所に設置して戻ってきた。
「設置、終わりました。思いっきり打っちゃってください。」
「では、いくぞ!全砲門、開けっ!!」ドッカン!
武蔵の砲撃は的を粉々に粉砕した。その威力は
「ヒュ~、すごい火力だね~。あの的を完全に破壊したのはこれで12人目かな?
どうだった?撃ってみた感想は。」
「あぁ…、正直驚いている。昨日の演習であの砲の威力とその衝撃を体感したが、この力はそれ以上だ。だからこそ怖くもある。この力をちゃんと使いこなせるだろうかと…。」
「武蔵なら大丈夫さ。力の使い方はよく知っているだろう?僕はこの演習でそう思ったけどね。」
ユキは昨日の演習で武蔵の戦いを見たときからそう思っていた。力に溺れず、慢心せず、仲間を守るために力を使うその姿を見た、そのときから…。
~門前~
武蔵の試し打ちも終わり、流たちは呉鎮守府に戻ることになった。翔鶴と瑞鶴は鍛錬のレベル30に到達できたらしい。そのせいでかなりボロボロだ。
五十鈴と秋月も姉妹艦と話をしていくうちに戦い方やアドバイスをもらったらしい。早く帰って実践したいと言っていた。
昼は鳳翔たちが弁当を作ってくれたらしい。帰りのバスで食べるそうだ。艤装は各自で、武蔵と大和の艤装は大きすぎるため、信頼できる人に運搬を頼んでいるらしい。
そうこうしているうちにあと数分で出発する時間のため、別れの挨拶をすることになった。
「3日間ありがとうございました。とてもいい経験になりました。」
「こちらこそありがとう。あなたたちの今後の活躍に期待しているわ。…昨日のことは忘れてね(#^ω^)」
「ひゃい!モチロンデス…。」
「ユキ、改めて礼を言わせてくれ。ありがとう。」
「別に気にしなくていいよ。これが僕の仕事だからね。」
「それでもだ。それと五月雨に伝えておいてほしい。今度は私たちが勝つ、と」
「分かったよ、ちゃんと伝えとく。」
「はぁ、帰ったら赤城がめんどくさいのです。」
「母さんの自業自得でしょ?はい、機嫌取りのための保存食。帰ったら二人で食べなよ。それと赤城母さんに伝えといて、近々そっちに帰れるかもって。」
「ありがとう。赤城にはちゃんと伝えておくのです。」
それぞれが別れを告げ、バスに乗り込んでいく。すると…
「あっ!長10センチ砲ちゃん。どこ行くの⁉」
「キュキュー!」
「どうした?」
「キュキュー!キュキュキュー!キューキュ!」
「あのな~、そんなに言われてもお前たちの御主人は秋月なんだぞ。ちゃんとお前たちには居場所もやるべきこともあるんだ。それを放棄するのか?そんなこと言うやつは診てやらないぞ。」
「キュ~…」
「お前たちにはお前たちにしかできないことがある。お前たちの役目は秋月を守ること。そして艦隊を守ることだ。そのことは絶対に忘れるな。」
「キュキュ~」
「また何かあったら秋月と一緒にここに来い。ちゃんと直してやる、だから沈むんじゃないぞ。次に会うその時までしっかり守るんだ。約束だからな。」
「キュキュー!」
「よし、いい子たちだ。そうだ、お前たちにはこれを渡しておくよ。お前たちの安全を願うお守りだ。大事にしていてくれ。それじゃあ秋月のとこに戻りな。」
『キュー!』
お守りを受け取り、元気よく戻っていった2機はバスに戻った後、秋月に寄り添っていた。
「長10センチ砲ちゃん」が戻ると流提督から声を掛けられた。流提督の周りには、呉についていくことになった妖精たちが集まっている。
「ユキさん、3日間ありがとうございました。この子たちと一緒に頑張っていきますね。」
「おう、頑張れ~」
それから少しして扉が閉まり、バスが動き出す。ユキたちはその場で敬礼をし、流提督たちを乗せたバスが見えなくなるまで見送った。
流提督たちが帰ってからユキは工廠でのんびりしていた。しばらくすると工廠に数人の艦娘が入ってきた。そのうちの一人がユキに近づいてくる。
「ユキさん、遠征艦隊、ただいま戻りました。」
「おかえり秋月。久々の遠出はどうだった?」
近づいてきたのは
「かなり疲れましたけど楽しかったですよ。この子たちも喜んでくれましたから。」
『キュキュー!』
「おう、お前たちもお疲れ様」
「キュキュー!……キュ⁈キュキュー!!」
「どうしたんですか二人とも?」
「ん?あ~さっきまで呉の子たちが来てたからだね。その中に秋月がいたから…後はお察しの通りだよ。」
「なるほど…。ほら長10センチ砲ちゃん。あまりユキさんを困らせちゃだめだよ。」
「キュ~~…」
「後で色々お手伝いすればいいでしょ?ほら、あっちで点検するよ。」
そう言って秋月は「長10センチ砲ちゃん」を連れていった。
ここの艦娘たちは全てをユキに任せることはない。艤装は自分の体の一部のようなものであるため、基本的に点検は自分たちで行うようにしているのだ。全員が点検をし終わって工廠を出たのを確認した後、ユキは工廠を後にして食堂に向かった。
~食堂~
夕食後、食堂には艦娘が全員そろっており、咲が前に出て今後の予定を発表する。
「全員そろっているかしら?それじゃあ、今後の予定を発表するわね。
まず、遠征組は次のメンバーにチェンジ。遠出の遠征はもうないから、いつものバケツや資材の回収をお願い。それ以外のメンバーはどこかの支援に呼ばれるまで基本自由よ。大きな作戦行動もないから、好きにしなさい。
次に、佐世保の方で明石のドロップが報告されたから明日からここで研修よ。慣れない環境で大変だと思うから、フォローするように。
最後は…ユキちゃんから個人の連絡よ。」
「は~い、それじゃあ連絡だよ~。連絡と言っても僕個人の話になるけどね。研修は1週間ほどなんだけど、その研修が終わったらしばらく休暇をもらうことになったんだ。だから、研修後はしばらく艤装の手入れはできないってことを伝えておくね。」
ここにいる全員は、最近の忙しさからユキに休んでほしいと思っていた。ユキ自身が休みを取ろうとしなかったからだ。(本人基準で当たり前だと思っている。)そのため今回の報告は自分のことのように喜んでいた。
「他の子の発表や質問はあったりするかしら?なさそうね、それでは発表を終了するわ。以上、解散。」
~工廠~
発表が終わり、各々が好きな時間を過ごす中、ユキは明石と夕張を連れて工廠に戻り、報告を聞いている。明石と夕張からの報告はユキへの個人的な報告や艤装などの話もあるため、基本的に工廠で報告を受けるのだ。
「ユキさん、これを。明日ここに来る明石の書類と頼まれていた教材です。」
「ありがとう。どんな子がくるかな?明日が楽しみだよ。
夕張はドローンの修理、終わったのかな?」
「何とか終わりました…、後はユキさんのチェック次第ですけど…。」
「どれどれ……。うん、文句なし。完璧だよ。」
「よかった~。」
「今度はたこ焼きの強化版かな?」
「うぇぇぇ…」
今回のたこ焼き型で苦労したため、その強化版と言われれば嫌にもなるだろう。ちなみに研修に来る明石にも似たようなことをするつもりだ。
そんなこんなでやることを終えた3人はそれぞれの私室へ戻っていった。
~呉鎮守府~
中央鎮守府から呉鎮守府へ戻ってきた流たち。辺りはすでに真っ暗になっており、艦娘たちもバスの中で熟睡していた。門前には大淀と長髪の女性が立っていた。みんなを起こしてバスを降りると大淀が近くにやってきた。
「提督、おかえりなさい。お疲れ様です。」
「ただいま戻りました。そちらは問題ありませんでしたか?」
「はい。こちらの方のおかげで何事も問題なく艦隊運営を行えました。」
流は直ぐに大淀の隣の女性を見た。見たこともない綺麗な顔に腰の下まで伸びている黒い髪、白のニット服に赤を主張するスカートを履いている長身の女性だった。しかしこんな女性を軍で見たことがない。流は警戒しつつ、相手の素性を探ろうとした。
「あの、あなたは一体なに…」
「60点、といったところでしょうか?」
「へ?」
急に点数を付けられて戸惑う流提督。大淀とバスから降りてきた艦娘たちも電を除き、みんな戸惑っている。だが目の前の女性はさらに話を続ける。
「私を警戒したことは良かったですが、あまりにも遅すぎます。もし私がここを支配していたらどうするおつもりですか?言っておきますが、後ろのあなたたちもですよ。60点というのは全体の評価、そのうちの50点は秘書鑑さんの点数です。あなた自身は2点ぐらいですかね。此処のトップであるなら立場を自覚してほしいものです。」
いきなり点を付けられ、評価され、自分の立場をとやかく言われたため、「えっ、え…」と開いた口が塞がらずに戸惑ってしまった。
しかし、その言葉のどれも的確であり、流の立場ならしなければいけない警戒だ。言い返す言葉も弁明もできない。そんな空気の中で唯一言葉を発せたものがいた。
「その辺にしておくのです。」
秘書鑑である電だ。前で手を組み、凛々しい顔で目の前の女性を見ている。
「これぐらいは言うべきでしょう?あまりにも平和ボケしすぎ…いや、貴方に頼りすぎです。なので流さん、せめてこれを避けてください。」
そう言うと女性は流の目の前から消えた。気づいた時には
「やめておくのです。普通の艦娘ですら
「そう…。」
電が手を離すと女性は足を下ろし、衣服を整えて流の方を向いて頭を下げた。
「流提督、先ほどの無礼はお許しください。昔からの考えで生きてきたものですから、強く当たってしまいました。」
「いえ…その……。こちらこそすみません。自分の立場上そういうことは考えておくべきなのに失念していました。しかし、貴方おかげで考え方を改めようと思いました。そこは感謝させてください。ありがとうございます。
そういえばまだお名前を伺っていませんでした。あなたは一体?」
「詳しい話は食堂に行ってからにしましょう。ここでは誰に聞かれるか分からないので」
「分かりました。みんなは休んでいて構わないよ、疲れてると思うから。」
「分かった。我々は休ませてもらおう。」
「私はついていくのです。」
艦娘たちは休むことにして艤装を工廠に持っていき、流は電と一緒に女性の後について食堂に行く。席に座ると女性が自己紹介を始めた。
「それでは自己紹介させていただきます。私の名前は
「弓道の講師ですか…、それに『赤城』…。偶然ですかね?」
「フフッ、偶然ではありませんよ。私は艦娘、『航空母艦、赤城』です。」
目の前の女性の正体は呉鎮守府にもいる「空母・赤城」。此処の赤城はいつも大食いをしている。そのため全然違う印象の彼女に驚いている。
「そうなんですか⁈でも艦娘はどこかに所属していないと…。」
「私は半艦娘ですので、立場は民間人と変わりません。今回は電からの依頼でここにいるので今は軍人として扱われます。」
「電さんからの依頼ですか?お二人はどういう関係で…。」
「はぁ~、あの子の言葉忘れたのですか?初めにあの子が言ったのです。」
「あの子…ユキさんですか?えっと確か…」
『それ、絶対バレてるよ。はぁ~、赤城母さんに怒られても知らないからね、お母さん』
「あ!ユキさんのもう一人のお母さん!」
「そうです。電と私はあの人の艦娘…、そしてあの子の母親です。
あの子は元気にしていましたか?」
「とても元気でしたよ。武蔵の改二改造で色々準備していただけましたから。」
「そう。元気そうでよかったです。此処の嘘をついたやつがいなければ今頃…。」
「あなたがいったら大変なことが起きるので嘘をついたのです。それとあの子から伝言を預かっているのです。近々こっちに来れると。それとこれを持って帰るのです。」
「これは…保存食?」
「ユキが作ってくれ…」
「本当に!やっぱいい娘だわ、あの娘は!あ~、早く会えないかしら~!」
「は~、やっぱりこうなったのです。」
電から事情を聞くと、どうやらかなりユキを愛しているらしく、ユキのことになるとこんな感じになるらしい。
聞いている間も家に帰るまでもずっと「えへへ」と顔を緩めて、体をクネクネさせながら喜んでいた。
第8話の御視聴、ありがとうございました。
最近デュエマや遊戯王、ウマ娘などに時間を使ってしまい、
投稿頻度が遅れてるんです。
お許しください(o*。_。)oペコッ
4月から大学3年生になるため、投稿頻度が下がる可能性があります。
時間を見つけてできる限り書く予定です。
今回で呉鎮との絡みは終わりです。今後の絡みはあります。
次回は明石の研修ですが、その前に設定集も出す予定です。
それでは次回もお楽しみに。
感想を頂ければモチベが上がります。
今後の登場確定艦娘
川内型、長門型、天龍型、木曾、夕立、足柄
(もし出してほしい艦娘がいれば出しますので、感想の方へお願いします)