中央鎮守府の工廠長   作:猫神瀬笈

2 / 19
思い切って続き書きました



プロローグ後半 工廠長の正体

〜元帥の私室~

 

青葉は元帥に連れられて部屋の中に入った。あるのは窓際の大きな机とその横にある本棚。奥の小部屋にはキッチンのようなものがあり、部屋の中心には小さな机とそれを囲うように3人掛けの椅子と1人用の椅子が2つずつ置かれていた。本棚にはさすが大本営のトップと言うべきか、ズラリと過去の戦い方や歴史について書かれた本が並んでいた。ここが私室なのかと疑ってしまうほどしっかりしている。見渡す限り、通常の執務室と大差ないのだ。

 

「さて、とりあえずそこに座ってちょうだい。今からお茶を出すから」

「咲さん、なにか手伝おうか?」

「ありがとうユキちゃん。でもいいのよ、明石と夕張も座って待っててね」

「はーい」

「分かりました。ではお言葉に甘えて」

 

明石と夕張が1人用の椅子に座り、青葉とユキが向かい合うように座った。気づけばユキの尻尾のような艤装が見当たらない。どこに隠したのか。一体何者なのか考えていると、元帥が戻ってきた。

 

「お待たせ、やっぱりユキちゃんのことが気になるのね。」

「えっ!あ〜、えっと…その…」

「ふふっ、いいわ。その辺のところも含めて色々お話しましょう。まずは、自己紹介を。知っていると思うけど、私は元帥をしている「綾谷 咲(あやたに さき)」です。あなたのことについて聞かせてもらえるかしら、横須賀の青葉さん。」

「っ!な、なぜ私が横須賀の青葉だと…」

「この鎮守府は大本営のある全体の中心。そう簡単に、情報の漏洩をされたり、襲われたりなんかしたらたまらないのよ。だから、ここに近づけばセンサーが反応するし、詳細も分かる。艦娘なら尚更ね。」

 

青葉は後悔した。此処のことを甘く見ていたのだ。確かにこんな簡単に侵入できていること自体がおかしい。普通なら近づくだけで誰か来るはずだ。最強と呼ばれる鎮守府なら尚のこと。

 

「まぁ、貴方が初めから工廠を目指してたから、ある程度の予想はできてたのよ。各鎮守府の明石を育てたうちの工廠長について噂になるのは当たり前だもの。あなたも気になって確認しに来たんでしょ?」

「はい…。」

「ここの子達は反応が早いから、多分みんな気づいてるわ」

「もしかして、明石さんや夕張さんも…」

「ズズ、ふ〜、ええ気づいてましたよ。気配が分かりやすかったので無視しましたけどね。夕張も気づいてたんじゃない」

「気づいてたけど、明石ほどじゃないわよ、なんか変な感じはしたけど。明石が気づいてあえて無視してるって思ったから何も言わなかったのよ」

「それはユキさんのところの防犯対策の性能も兼ねてましたが、正常に動いたので私としては無視して正解でしたけどね」

「あの…もしかして、扉が閉まって私が出れなくなったのって…」

「はい、私の防犯対策ですよ。外からしか開けれなくなってますし、ユキさんの全力で何とか壊れるぐらいの装甲なので、ビクともしなかったはずですよ」

 

青葉は思った。ここの明石さんはとんでもないと。気づいた上であえて放置し、罠にハマる獲物を待つ。自分のところの明石も大概だがここの明石はもっとやばいと気付かされた。

 

「初めから気づいた上で、泳がされていたんですね…。流石は工廠長ですね。」

「え、違いますよ。私は副工廠長で、夕張は助手をしてます。」

「えっ、…ということは…」

 

青葉は自分の反対側にいる美味しそうにお茶を啜っているユキを見る。そんなユキの頭を撫でながら咲が話す。

 

「えぇ、あなたが考えている通り、ユキちゃんがこの鎮守府の工廠長よ。」

「えぇ――――っ!!」

「いい反応するわね、あなたのところの提督にそっくり。」

「そ、そうなんですか?」

「えぇ、この子を初めて紹介した時、今のあなたみたいな反応をしたわ。でも、あの子は善悪が分かる子だから、すぐに仲良くなったのよ。だから、貴方も仲良くしてあげてね。」

「は、はい!」

「さて、とりあえず今日のあなたのことは不問にしておきます。古参の人達なら知っている事だしね。それとあなたを横須賀に送らないとね。明石、夕張、青葉を横須賀へ連れてってあげて。」

「はい、了解しました。じゃぁ、準備してきますね。」

「じゃあ提督さん、私も準備してきますね。帰る前に買い物しますけど、なにかいりますか?」

「ありがとう、ならお花を買ってきてくれるかしら。ラッパスイセンという花なんだけど」

「分かりました。この時期なので厳しいとは思いますが、四季折々の花の栽培をしている知り合いがいるので、帰り際に寄ってみますね。」

「よろしくね」

「はい!」

そういうと明石と夕張は部屋を出ていった。

 

青葉は、今日のことを咲とユキに謝罪し、写真もユキの目の前で消したが、思い出として、仲良しの証として撮っていいとの事だったため、一緒に写真を撮った。元帥にもお礼を言い、無事横須賀に帰った青葉は、事前に連絡を貰った提督にこっぴどく叱られた。しばらくはカメラも没収らしく、雑用仕事が増やされたらしい。

 

一方、疲れていたのかぐっすり眠っていたユキに服を掛け、窓際に花を飾り、机の棚に大切に入れていた写真を見ていた。

 

「あなたが死んでから、もう50年も経つのね…。あなたの奥さん達もユキちゃんも元気にしてるわ。必ず戻ってくるって言ったんだから、私が死ぬまでには戻ってきてほしいわ。ねぇ、あなたはいつここに戻ってくるの。猫先輩




工廠長はなんとレ級
そして、気になる元帥の過去
次回以降からユキちゃんをメインにする予定です。
お仕事の方もだんだんと見せていきます
青葉は今後も出す予定ですか、しばらくはでないかと。
それでは次回をお楽しみに
感想お願いしますm(_ _)m

ラッパスイセンの花言葉 「復活」 「再生」
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。