中央鎮守府の工廠長   作:猫神瀬笈

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22時までには出せるとかほざいて申し訳ありませんでした!
メモで書いてペーストしたら色々穴が見つかったんです!

今回は電の時とは違う過去の話。
前回やらかした夕張はどうなるのか。



第4話 1日の終わり

〜食堂〜

 

風呂から出て食堂に来た一同。流提督は既に食堂にいて、多くの駆逐艦に質問攻めをされていた。呉鎮守府の話を根掘り葉掘り聞かれており、とても困っている様子だった。するとユキがそこに近づいていき、駆逐艦を抱き上げる。

 

「お前らが気になるのは分かるけど囲んで質問攻めするんじゃないぞ。流さんが困ってるだろ。あそこに優しいお姉ちゃん達がいるから、そっちに行ってな」

『は〜い』

 

ユキがそういうと駆逐艦たちはユキが言った方へ向かった。流提督は疲れたのか、フー、と息をついた。

 

「ありがとうございます。うちでも駆逐艦の相手はしているのですが、さすがに疲れました」

「駆逐は何年経っても好奇心が高いからね、あれぐらい慣れてないとしんどいよ。まぁ、他のやつに誘導するって手もあるけどね。」

 

ニシシと笑うユキを見て「?」となったが、駆逐たちの方を見てすぐに気づいた。そこには北上と天龍がいた。見たところどちらも改造されているのだと思われる服装をしており、駆逐たちと仲良く食事している。どちらも駆逐艦に対して世話焼きのイメージがあるが、まるで先生と園児の様だ。その光景を見ると微笑ましくなる。

流提督が微笑んでいると目の前に料理が置かれた。いつの間にかユキは手伝いをしており、他のメンバーは既に座っていた。今日のことを話しながら自分たちの料理が来るのを待っているようだが、どこか眠たそうにしている。大和と武蔵、五十鈴は何ともなさそうだが、翔鶴と瑞鶴は()()()()()で所々にテーピングをしているし、秋月は今にも倒れそうなほどに眠たそうにしていた。

 

「みんな大丈夫か?翔鶴達はボロボロだし、秋月は眠たそうだな」

「ん〜、大丈夫じゃないわよ…身体中痛いし、今は立つだけでもしんどいもの……。」

「私も歩くのが精一杯です…。明日の演習で足を引っ張ってしまわないか心配です…」

「そうか、あまり無理をしないでくれ。秋月は…」

「…………」カックン、カックン

「秋月?大丈夫か?」

「ふぇっ…?大丈夫…ですよ………」カックン

「秋月も無理するなよ。何かあったらすぐに言ってくれ」

 

秋月が心配だが、本人が大丈夫ならと思い様子を見ることにした。

呉鎮守府の面々は身体の痛みに耐えながら食事をしている。その姿を見ながらユキは「痛そうだね〜」とニヤニヤし、電は「情けないのです…」と言いながらその様子を見ていた。

時間をかけて何とか食事が終わり、昼の時に聞けなかった話をユキに聞こうとしたが、食堂に迷惑をかけないように会議室に行くことにした。

 

〜会議室〜

 

執務室の横にある会議室。規模としては会社の会議室をイメージしてもらえばいいだろう。

全員が座るとユキはみんなの顔を見て話を始める。

 

「さて、どこから話そうか」

「とりあえず、貴方のことと電さんとの関係とかを話せばいいと思うわ」

「そうか〜、みんなが今知ってるのは僕がレ級なのと母さんが2人いることだよね。」

「僕は咲さんと電さんに出会いやあなたの事をいくつか聞かせていただきました。」

「そっか、じゃあその辺のことをざっくり話そうか。」

 

そう言うとユキは自分が深海棲艦の中で失敗作だということ、電とその提督と出会い、娘として受け入れられたことを話した。

 

「…と、まあこのぐらいかな?1年足らずだけど、何も無かった僕に名前をくれて、沢山の事を教えてくれたんだ。家事も、戦い方も、艤装の扱い方も、何もかもね。それからあの戦いで父さんは命を落とした。最後まで、僕たちのために戦ってたよ。ずっと守る側の僕たちが守られる側になってた。僕達だって戦うって言ったんだ。そんな時にこう言われたんだ

 

『「行くべき者が行き、残るべき者が残る」俺はもう長くない、この戦いで最後になるだろう。だから俺が行って終わらせる。お前たちは後から生まれてくる子たちのために生きてくれ。それがお前たち残るべき者の役目だ。「異論は無いなレディース」』

 

ってね。もちろん全員で (サムズダウン)したよ。そしたら、文句あるやつは俺を倒せなんて言うからさ、本気で殺りにいったよ。見事に返り討ちにされたけどね。それで戦いが終わった後、色んな意味で厄介者がいなくなったって上の連中が調子に乗ってね、僕の身柄を拘束して実験しようとしたんだよ。だから、上層部のお偉いさんたちを脅し…ゴホン、説得してここの工廠で監視の目の元で過ごすことになったんだ。ちなみにその監視は明石と夕張だよ。」

えー!で、でも明石さんと夕張さんはユキさんの部下では…?」

「2人とも、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。こっちの方がいいって言って、ね〜」

「だって!監視のためにいる私たちの身の回りの世話をするし、ご飯は美味しいし、優しいし…」

「べ、べつに艤装やご飯なんかでつられて…なんて……」

「じゃあ、2人にはご飯と艤装についての教示は無しで…」

『それはダメーー!』

「結局、2人揃ってユキちゃんに心掴まれてるじゃないの。はぁ〜、通りで連中が大人しくなったと思った。あなたたちをここに引き抜くのも上手くいったし……って!引き抜くのを提案したの、ユキちゃんじゃない!

「あれ?今頃…?もう気づいてるのかと思ってた」

 

ユキの話を聞いて咲は昔の不可解な出来事を思い出していた。こうして元帥としていられるのは、当時の元帥の推薦もあるが、その時の上の連中のほとんどが推薦したからなのだ。自分と対立していた奴までもが推薦していた理由が分からなかったが、今となって「明石と夕張の協力及びユキによる裏からの手回し」という納得する回答が得られたのだ。

そんな咲を他所に、武蔵は昔の話を聞いてその提督のことが気になった。

 

「それにしても、ユキを娘として受け入れる提督がどんなやつか気になったが、とんでもないやつだな。艦娘より強く、今の姫級がうじゃうじゃいる海域で戦っていたとはな。それに、そんなに信頼される提督も今ではあまりみることがない。1度はその提督の指導を受けてみたいものだ。」

「1度どころか()()()()()()()()()やめておいた方がいいよ。それと、僕は父さんと母さんに受け入れられていなかったら死んでたさ。当時はそんな環境だったからね。後、咲さんすら信用してなかったと思うよ。初めて咲さんに会った時、父さんが

 

『俺が信頼する数少ない存在だ』

 

って言って、母さんは

 

『今は咲さんだけでも信用しろ』

 

って言ってくれたから咲さんと艦娘達が大好きだし、信頼してるんだよ。」

「そう言ってくれると嬉しいわね。でも、未だに()()()なのよね。」

「そういえば、大和さんや武蔵さんのことは呼び捨てなのに、五十鈴はなんで()()()()なのかしら?」

「あ〜それはね、なんとなくなんだ。呼び捨てにするのはなんか気が引けるんだよ。今まで会ってきた艦娘の中では五十鈴さんと加賀さん、鳳翔さん、間宮さん、扶桑さんだね。

咲さんはあれ、養母ってやつ?第2…赤城母さんがいるから第3の母親だけど。さすがに、今になって母さんっていうのも恥ずかしいからね///」

 

咲は、さん付けで呼ばれるのはまだ完全に信頼されてないからだと思っていた。しかし本当は、ユキ自身は心から信頼しており、今になって母さんと呼ぶのが恥ずかしいという理由だった。その真実を知った咲は泣いていた。

 

「え!?もしかして嫌だった?」

「違うの…、あまりにも嬉しくてね…。ありがとうユキちゃん。私のことを母親だと思ってくれて。」

「ずっと世話になったんだもん、当たり前でしょ?『()()()()()』」ニコ

 

ユキのこの一言で咲から涙が溢れた。しばらくの間、咲は大泣きをしながら、ありがとうと言いながらユキを抱きしめ、ユキもそれに応えるように抱きしめていた。みんなはその光景を暖かい目で見守っている。

 

ようやく咲が泣きやんだところで、ユキが自分の反対の席に座っていた秋月の異変に気づいた。あまりにも眠たいのだろうか、ずっと「カックン、カックン」と揺れていた。呉鎮のメンバーは疲れたからだろうと思っていると、ユキが秋月に近づいていく。

 

「秋月、眠たいの?」

「は……い………」カックン、カックン

「それじゃあ、お部屋に行こうか。立てる?」

「……」(首を横に振る)

「難しいか…。それじゃあ、お姉さんが連れてってあげよう。ちょっと触るよ。」

 

そういうとユキは秋月の背中と膝裏に手を通し、「よっ」と抱き上げる。俗に言う()()()()()()である。

 

「それじゃあ、秋月も眠たそうだし、今日はこの辺でお開きにしよう。みんなを部屋に案内するね。」

 

ユキは呉鎮のメンバーを部屋に案内しに行った。明石は秋月を抱っこしているユキをフォローするためについて行った。

 

 

〜執務室〜

 

部屋を移し、執務室には咲と夕張、そして電がいる。電は何度も来ているため部屋を知っているらしい。今は、暇だからという理由でここにおり、いつも通りお茶を入れていた。4()()()()()()()と透明なティーポットを机に置き、カップをそれぞれの前に置くと電は気を使ってくれたのか

「少しお花を積みに行ってくるのです」

と言って部屋を出ていった。

2人だけになったため、夕張は今回のことを咲に話した。秋月が大破したこと、プールの1部施設が使えなくなったこと、秋月の状態などを全て話した。次第に罪悪感に押しつぶされそうな夕張の話を咲は表情を変えずに聞いていた。

 

「…これが今日起こったことです……。私が…秋月さんを……。ごめんなさい………」

「そっか……、ちゃんと話してくれてありがとう夕張。」

「え…?」

「もしこのまま隠していたら、私はあなたを反省室に閉じ込めていたわ。」

「ッ…!」

 

反省室…それは艦娘及び人間が鎮守府内で悪行を働いた場合に使用される地下の施設。一言で言えば()()だ。環境も食事も管理するものによって囚人より酷いものになる。鎮守府によって基準が違うが、ここでは基本使用されない。報連相を忘れず、ちゃんと謝罪ができたなら大抵の事はその場で済まされる。しかし、真実を隠すこと、取り返しのつかない悪事に己の意思で加担することは対象となる

今回は正直に話をしたため、夕張はその対象から外れた。しかし、反省室ほどではない厳罰は与えられる。

 

「今回の件は、ちゃんと呉鎮守府の皆に謝罪すること。場所は設けてあげる。厳罰は貴方の給料からあの子達がここにいる間と帰るまでの費用と資材の分を差し引かせてもらうわ。後、個人の研究は実費で行うこと。それでいいわね?」

「はい…!ありがとうございます!」

 

咲に感謝していると扉が開いた。そこには電とユキが立っていた。

 

「話は終わったのです?」

「ええ、ついさっきね。それに、ずっと聞いていたでしょ?」

「そうだよ。僕は厳罰を伝えたぐらいからだけどね。それと夕張、一応呉鎮守府の皆には伝えておいたよ。秋月が大破したことと、今の状態のことをね。」

「…ッ、気づいてたんですね。」

「五十鈴さんがはっちゃんに聞いてたからね、ある程度予測はできたよ。それに、あの包帯*1は独特の匂いがするから、使ったことはすぐに分かったよ。今は応急処置で使用した包帯の効果が効いてる状態だから明日は元気になってるはずさ。僕から謝罪させてもらったけど、ちゃんと夕張からもするんだよ。後、すぐにでも僕に伝えて欲しかったな」

「ごめんなさい…。応急処置が済んで秋月さんの様子を見てたら安心しちゃって、はっちゃんに言われるまで伝えるのを忘れてました。それからは話すタイミングを見失って……」

「とりあえず応急処置をちゃんとしてたし、厳罰は咲さんが与えたから、僕からの厳罰は特になし。ただし!明日は1日かけてでもドローンと施設の修理をすること、報連相を忘れないこと、そしてちゃんと謝ること。これは厳罰じゃなくてけじめだから、できるね?」

「はい!もちろんです!」

「よし、なら今はしっかり休んでね」

 

そう言ってユキは夕張の頭を撫でた。夕張は安堵からか泣いてしまった。しばらく泣いていた夕張だが。次第に寝息が聞こえてきた。どっと疲れが来たのだろう、気持ちよさそうに涙を流しながら泣いていた。

気持ちよく眠る夕張を本人の自室に寝かせ、執務室に戻ってきたあと、3人で寝る前に電の入れたお茶を飲んだ。明日は武蔵の艤装の修理と演習がある。今日1日だけで色々あったが、このお茶のおかげでぐっすり眠れそうな気がした。

*1
高速修復材を薄めたものを浸透させた包帯。少しずつ体を癒し、1つ前の損害状態まで回復する。しかし、ゆっくり回復するため、体を休めるために強烈な睡魔に襲われる




ようやく1日目が終わりました。
さすがに、タグ付けた方がいいかなと思い始めました。まじでどうしよう…
あと、ハーメルンの多機能を色々試してるから今後も少しずついじっていくと思う。
次回は演習まで書けたらいいなと思いながら、呉鎮守府と戦うメンバー考えてない(´>△<`)...
とりあえず、次回を楽しみに待っててください
感想は質問とかでもいいですよ。
それでは皆様、またね( ´ ▽ ` )ノ
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