溺愛姉妹   作:トクサン

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前回のあらすじ

何かめちゃ強そうなモンスターが出て来た。


弟が姉に勝てる筈がない

 

 

 睨み合った状態からガンランスを振り上げる小太郎。

 しかし途端に全身を襲う悪寒、咄嗟に防御を固め――吹き飛ばされる。盾代わりにした手甲が砕け、凄まじい衝撃が腕全体を貫いた。圧力が肺を叩き、地面の上を転がった小太郎は蟲糸を手繰り寄せて体勢を立て直す。

 

「ごほッ、かっ……!」

 

 速い、初速がまるで追えない。

 バルファルクの様に予備動作、一瞬の溜めすら存在しない。気付いたら目前で腕を振り被っている。人間と姿形は酷似している、しかし腕が四本――注視すべき箇所が二ヶ所多い。

 

「はっ……阿修羅像みてぇな奴だ」

 

 吐き捨て、腕に巻き付いた糸を引っ張る。モンスターの背中より生え出た一本に巻き付いたそれは、殴られた瞬間に巻き付けていた翔蟲の糸。

 

「人型ならこういう使い方も出来るだろう!」

 

 翔蟲を手繰り、腕を中心に体へと糸を巻き付ける。腕を抱え込むようにして簀巻きにされたモンスターは一瞬の妙手に硬直する。これは師であるウツシより学んだ蟲糸術――ではなく、己の姉妹より何度となく掛けられた故に習得した技。貞操を犠牲に体感したそれは常人であれば行動不能、カムラの里が誇る狩人であっても数十秒は抜け出せぬ鋼の檻。

 糸を地面へと打ち込んだ小太郎は飛び上がり、モンスターの頭上より強襲。外殻の隙間、頸元にガンランスを突き込み、トリガー。

 しかし小太郎の予想に反し、愛器は硬い金属音のみを鳴らし不発。

 

「ッ!?」

 

 見れば銃身が曲がり、増設装甲さえも拉げていた。脳裏を過るのは出会い頭の攻防、一撃を装甲で受けた瞬間の事。あの一撃で装甲ごと機構が潰されたのか? 元より何度も防ぐ事を考えて設計されてはいないが、たったの一撃で。

 はっと、小太郎の意識がモンスターに向く。彼奴の面頬が開き、空気を吸い込む異音。咄嗟にモンスターの肩を蹴とばし、離脱。次の瞬間鳴り響く爆音、衝撃波が小太郎を吹き飛ばす。同時に鉄糸も霧散し、淡い残滓が虚空を漂った。

 震わせた空気を裂き振り上げられた拳、咄嗟にガンランスを盾にしようとして。

 

 受けるなッ!

 

 本能が警鐘を鳴らした。翔蟲を手繰り寄せ、辛うじて空中で回避する。そのまま地面の上を転がり、一拍遅れて拳が地面を抉り飛ばす。飛沫が雨の様に降り注ぎ、小太郎は荒い息を繰り返した。抉れた地面を見て怖気を覚える。直撃すれば肉塊だった。

 地面を殴り震わせたモンスターは微動だにせず、ゆっくりと顔を上げて小太郎を見据える。その動きはどこまでも不気味で、悍ましく――無機質。

 

「……実は絡繰り人形だったりするのか」

 

 緩慢な動作で立ち上がるモンスター。小太郎はガンランスから素早く弾薬を抜き捨てる。最早、銃槍としての役割は果たせない。暴発の可能性がある以上、只の槍としての運用が望ましい。

 小太郎は冷汗を流しながらモンスターを観察する。頬を撫でる水滴が煩わしく思えた。

 人間に酷似した体形、鎧を象った外殻、怪力の四本腕。まともに攻防を行おうとしても脚力、腕力、瞬発力、全てに於いて己を上回っている。外殻の硬さは接触時の感覚からして飛竜の鱗と同等かそれ以上、少なくともまともに刃が通るとも思えない。そうなると外殻で守れない箇所に刃を差し込む必要がある、そして砲撃が行えない以上――狙うべき箇所は更に限定される。

 頸、眼球、脇下、股。小太郎はガンランスを構え直し、ゆっくりと息を吐き出した。

 対峙したモンスター、その面頬が再び音を立てて開く。

 

 ――奥から光が見えた。

 

「――」

 

 殆ど反射だった、思考などない。ただ彼奴の口元から見えた光に、確かな【死】を見た。咄嗟に射線上から逃れ、屈む事が出来たのは奇跡だった。屈んだ瞬間、頭上を何か、凄まじい熱量が通り過ぎ周囲を薙ぎ払った。熱波が肌を焼き、閃光が網膜を焼く。地面に這いつくばったまま必死に目を開き、極光の行方を驚愕の表情で見つめる小太郎は思わず叫ぶ。

 

火炎(ブレス)……!? いや、これはッ」

 

 放射の反動でモンスターの頸が後方へと逸れ、放たれた極光は岩場と幾つかの樹々、そして天を揺蕩う雲を引き裂き、徐々に虚空へと消える。後方を見れば一部の水面はマグマの如く煮えたぎり、岩場はぐずぐずに溶け抉れていた。直撃したのであろう崖の一面など特に酷い、採掘機か何かで抉ったかのような地形の変化。その表面が焼け爛れていなければモンスターの仕業である等と信じられまい。

 大技を放ち終えたモンスターは外殻の隙間から蒸気を噴き出し、再び小太郎に向き直る。

 

 ――こいつを相手に距離を離したら死ぬ。

 

 もう一度、今の攻撃を避けられる自身は無かった。クロスレンジでやり合えるだけの自信はない、しかし距離を離せば今の攻撃がもう一度飛んでくるかもしれない。そう考えれば選択肢はなかった。

 ガンランスを握り締め駆け出す小太郎。二本の巨腕が迎撃に動き、目にも止まらぬ速度で振るわれる。

 翔蟲を使って空中へ飛び上がり、振りぬかれた腕の一本を蹴った。目下で二つの拳が衝突し、小太郎を圧殺せんと轟音を打ち鳴らす。糸を掴んだままモンスターの顔面を睨みつける小太郎、その瞳の向こう側に第三の拳。人間には存在しない、三本目の腕。

 

「ッ……!」

 

 相手の背中越しに放たれた三撃、腕が四本あると頭では分かっていても肉体が対応し切れない。飛び上がった姿勢のまま強引に翔蟲を手繰り寄せ、三撃目を回避する。しかし続く四撃目、こればかりは如何ともし難い。足場もなく、手繰り寄せる糸もない。小太郎は腹を括り握ったガンランスを構え、全力での刺突を繰り出す。振りぬかれた拳と繰り出された刃先が振れた瞬間、甲高い音と共にガンランスが持ち手を残して粉々に砕けた。

 小太郎の頬を破片が裂き、拳が直ぐ脇を掠める。

 予感していた結末、彼奴の硬度は尋常ではない、特に拳のそれは恐ろしい程に。それでもこうしなければ防げなかった。己の得物すら犠牲に捧げ、一撃即死の四連撃を凌いだ小太郎は握り締めたガンランスの柄を宙に放る。

 

「ぐッ、ハモンさん、ごめん……!」

 

 思わず口をついた言葉と共に、呼び戻した翔蟲より糸を手繰り寄せた。蟲は左右に広がり小太郎は両手を繋ぐ細い糸、翔蟲の鉄糸をモンスターの頸に引っ掛け、そのまま背後に抜ける。

 武器はなくとも――翔蟲の糸は強靭、相手が生物であるのならば。

 

「このまま首を圧し斬ってやるッ!」

 

 宙で身を翻しモンスターの背中側へと着地した小太郎。そのまま踏ん張り、両手を思い切り前へと引っ張る。翔蟲の糸は小太郎の両手首、そして五本の指に枝分かれして絡まり、ぎちりとモンスターの頸を締め上げる。小型のモンスターであれば首を千切り飛ばし、中型であっても環境次第では圧し折る事も可能な蟲糸を使用した頸絞技。幸いこのモンスターの体格は小型、中型には届かずという具合。

 

 

「ッ………!?」

 

 しかし微動だにしない。寧ろ頸の力だけで小太郎の体が引き摺られる。

 

「こいつ、本当に生き物じゃ――ぐぉッ!?」

 

 宙に浮かぶ体、そのまま力任せに地面に叩きつけられる。視界に火花が散る、そのまま見上げた視界の先に巨大な拳。頭蓋を砕く一撃を辛うじて躱し距離を取る。

 額から垂れた血を拭う。

 これ見よがしに突き出された拳、その中に小太郎が持っていた翔蟲の姿。そのまま握り潰され、零れ落ちる翔蟲であったもの。

 これで、蟲糸技も封じられた。

 視界の端に転がる、持ち手だけとなったガンランス。残る武装は苦無と剝ぎ取り用のナイフ程度。そのどちらも、あの甲冑の如き外殻を抜けるとは思えない。

 

 ――万事休す。

 

 最早逃げる事も叶わない。 

 膝を着きたくなる絶望感に襲われる。

 

 ――愛弟子、武器を用いるのは良い、けれど武器を頼むのは駄目だよ。

 

 不意にウツシ教官の言葉を思い出した。

 一撃必殺の理想、己の構想したガンランスを手に入れた時の事だ。

 

「は……」

 

 乾いた笑いが零れた。それは別段、諦めから来るものではない。

 ゆっくりと両手を前に突き出す、徒手空拳の構え。

 モンスターの爪と比較し何と頼りなく、何と小さな拳か。

 それでも人間と云う種に残された最後の武器は、これ一つ、この肉体一つのみ。

 

「何が狩猟の役に立つかなんて、本当に分からないものだ」

 

 対峙する二人。

 瞬きの間にモンスターが動いた、バルファルクの突進に負けず劣らずの速度。顔面目掛けて振り下ろされた一撃を腕全体で逸らす。骨の芯まで痺れるような衝撃。即座に二撃目、半身になって避けた。拳を逸らした腕の皮膚が一拍遅れて裂ける。逸らした拳が地面に突き刺さり、飛び散った砂利が小太郎の肌を強かに刺す。

 その砂塵に紛れ前傾姿勢になったモンスター、その兜の奥にある赤色目掛けて、小太郎は全力で指を突き入れた。

 何かが潰れる音と共に、小太郎は指を引くと同時素早く後退。

 拳を打ち下ろした姿勢のまま微動だにしないモンスター。

 砂塵が晴れると――赤い瞳が小太郎を射貫く。

 

「……クソが」

 

 脂汗を滲ませ、告げる。

 突き入れた指二本、折れ曲がったそれを見る。

 

 普通ではない、眼球の感触ではなかった。もっと硬い何か、石に指を突き入れた様な感覚。

 通常ではあり得ない、こんなモンスターを小太郎は知らない。

 薄々分かっていた、何となく感じていた。

 この世界らしからぬ威容、技、立ち振る舞い。

 

 この世界の代物ではない――その予感。

 

 それは恐ろしい予感であった。同時に予想出来た事であり、今の今まで必死に目を逸らし続けていた真実でもある。

 この世界がもし、己の知っている代物と同じ世界だとしたら。それは所謂――【歴史】の一つだと断定出来る。

 正しい歴史、本筋、或いは本編、彼女()がこの世界の主人公であり、その他取り巻く環境が真実、あらゆる『向こう側の人間』が知る歴史だとしたら。

 自分は、この世界にとって異物である。

 風魔小太郎と云う人間は、『正しい歴史』の中に存在しない。

 

 少なくともゲームとして存在した歴史に於いて、メタ的な視点を持ちゲームのタイトルすら知っている登場人物など存在しないと彼は言い切るだろう。そんな存在が居たとしたら、興ざめだ。だからこそ、己はこの世界に於いて異物なのだ。既に異物が混入した世界が此処なのだ。

 

 ――ならば何故、他の異物が混じっていないなどと断言できるのか。

 

 風魔小太郎という異物がこの世界に混じった様に。この世界の理屈に合わない存在が混じったとして、どうして否定出来よう。

 だからこそ備えるべきであった。だからこそ覚悟するべきであった。

 唐突に、何の前触れもなく、それこそ己が想定も出来ない――そんな強大な怪物が現れる可能性を。

 

 ――己の汚点は、己が雪がなければならない。

 

 風魔小太郎がこの世界に生まれた事で発生した不条理ならば、風魔小太郎が排除しなければならない。異常には異常を、異物には異物を、汚点には汚点を。風魔小太郎と云う存在が生まれたが故に生じた変化ならば、その変化を正すのが小太郎の使命だ。

 文字通り、命を使ってでも正さなければならない事だ。

 

 ――風魔小太郎は、己がこの世界にとって異物であると腹の底から信じていた。

 

「ぅ、っ、ふーッ!」

 

 折れ曲がった指を無理矢理に握り締め、小太郎は口を窄めて息を吐き出す。

 砂利で額が裂け、血が視界に滲む。それを拭う余裕すらない。

 モンスターがゆっくりと拳を振り上げる。そのまま空気を炸裂させ、凄まじい速度で目前に迫る。一撃、二撃、攻撃を捌く度に皮膚が裂け血が飛び散る。無様に地面の上を転がり連撃を逃れ、腕だけでなく足や肩、身体全体を使って一秒を生き延びる。

 愛用のガンランスは粉々に砕けた、翔蟲は握り潰された、眼球は石の如き硬さで、肉体の性能がそもそも段違い。もう受け流す事すら困難だった、その繊細な動きが痛みと疲労で出来そうにない。

 疲労と痛みで動きが一瞬止まった。間隙を突き、放たれる剛腕。

 受ける――否、防御の上から潰される。

 故に愚直に、迫りくる甲鉄の拳に対し己の拳を構え――真っ直ぐ振り抜いた。

 破砕音と共に衝撃が走り、空気が爆ぜ、足元の砂利が跳ね上がった。

 

「がァぁああッ!」

 

 目前で衝突した二つの拳。片方が赤に塗れ、片方は依然として健在。拳が砕けたのが分かった、凄まじい鈍痛に顔が歪む。しかし、彼奴の拳は止まっていた。

 カムラで育ち、鍛えられた肉体は伊達ではない。その筋肉、骨密度、血管の細部に至るまで既に人間としては規格外。純粋なカムラ人にこそ及ばぬまでも、飛竜を拳ひとつで粉砕せしめるモンスターと鍔迫り合いを演じられる程度には強靭であった。

 

「っ、ぐ、がァぁあ……!」

 

 痛みは意志で、負傷は気概で無視する。剥き出しになった血肉、拳を止めた小太郎は相手の突き出した拳に飛びつく。そのまま足を肩まで絡ませ、関節を逆に思い切り引き絞った。滴る血が肌を伝い、強靭なモンスターの関節が軋みを上げる。打撃戦は完敗だ、小太郎は拳でこの外殻を破れないと認めた。

 

 ――だが、柔術であればどうか。

 

「腕のッ、一本……!」

 

 捥ぎ取ってやる。

 関節を軋ませながら、小太郎は腰のホルスターから剥ぎ取り用ナイフを取り出す。そのままモンスターの脇下に突き立てようとして。

 しかし、その一撃は届かない。

 横面目掛けて飛来した拳が、小太郎の頭蓋を強かに殴打したのだ。そのまま吹き飛ばされ、地面を二度、三度と跳ねる。着弾の瞬間、余りの衝撃に意識を飛ばした小太郎は、地面に叩きつけられる瞬間に覚醒し、四つん這いの恰好で滑りながら減速。手から離れたナイフが音を立てて地面を転がる。

 頸を引っこ抜かれたと思う程の衝撃だった、思わず自身の手を頸に当て頭が繋がっているかどうか確かめる。

 殴られた頬は痛いというより熱い、鏡を見る事が怖かった。

 視界はどうか――両目とも健在、しかし右耳がややおかしい。平衡感覚も、どこか覚束ない。這いつくばったまま視線を上げれば、拳を振り抜いた姿勢のまま此方を凝視するモンスターの姿。当然だが傷一つない。一秒あれば関節を破壊する自信があった。しかしそれを上回る、否、それ以上の恐ろしい反射速度で拳を振り抜いて来た。

 小太郎は己の失策を悟る。この期に及んで己の尺度で相手を測っていたと。

 辛うじて肉体を支える腕は左右に震えて止まらない。殴りつけた右腕は半ばまで砕け、指などあらぬ方向に捻じれ狂っている。

 

 不意に、小太郎の中でどろりとした感情が沸き上がった。それは酷く冷たく、寒々しい気配を発していた。

 

 ――一矢報いる事さえ、己は出来ないのか。

 

 それは諦観。風魔小太郎という人間が今世、最後の最後まで抱いてやるものかと思っていた感情だった。しかし、それも仕方がないと小太郎は自身に言い聞かせる。もう立ち上がる気力すら絞り出せず、膝も腕も笑って仕方がない。今世、絶対であると信じていた決意が溶けていく。痛みというのは偉大だ、重なれば重なる程に強固であった筈の感情が掻き消されていく。

 このまま安らぎの中に沈んでしまいそうになる。

 けれど。

 

「かァッ……!」

 

 小太郎は思わず歯を痛い程に噛み締めた。

 血塗れの拳で、血塗れの膝を殴打する。剥き出しの歯茎から滲みだす赤、それを吐き捨て声なき叫びを上げる。

 諦めなど、諦観など――風魔小太郎という人間が、最も抱いてはいけない感情だ。

 使命を果たすと誓った、カムラの里を守ると誓った、届かぬ星に手を伸ばし続けると誓った。

 あの日、あの時、己に誓った約束は絶対であった筈なのだ。

 例えその末路が、惨めな最期だったとしても。

 愚かで、無様で、無惨で、直視に堪えない結末だったとしても。

 

 それでも――あの白に沈む記憶に比べれば笑ってしまう程に恵まれていた。

 

 小太郎は辛うじて動く左腕を装具の中に滑り込ませ、覚束ない指先で三つの丸薬を摘み口の中に放り込む。ごり、と苦みすら感じずに下に絡めて噛み砕き飲み干す。口の中も血まみれで、味など少しも分からなかった。放り込んだ丸薬はそれぞれ「怪力の丸薬」、「忍耐の丸薬」、「秘薬」と呼ばれる代物。怪力の丸薬は一時的な筋力の増強、忍耐の丸薬は痛みに対する鈍化、秘薬は一時的な止血、回復に用いられる。

 小太郎が普段使わない、狩猟用薬物。人間の筋力を著しく強化する、痛みに対する耐性、強制的な回復。無論、身体に良い筈がない。カムラの里をして、「秘薬」と表現するには相応の理由がある。

 砕けた指先がぴくりと震えた、胸の奥から湧き上がる熱としか表現できないそれ。口を膨らませ、口内に溜まった血を吐き出す。腫れあがった指先を緩く握り、呟く。

 

「……もし、自分が勝てないようなモンスターと遭遇したら」

 

 もし、予想以上の規模で百竜夜行が起こったら。

 もし、絶対に負けられない状況で複数のモンスターに囲まれたら。

 もし、想定出来ぬ程の脅威を持つモンスターが現れたら。

 

 小太郎は碌な狩猟道具を持たない。罠や囮など、嵩張るものは防衛戦等近辺かつ地形を熟知している場所でしか使わない。しかし、そんな小太郎が肌身離さず、必ず全ての任務に持ち込んでいる狩猟用道具がある。決して軽くはないしバッグスペースも取る、しかしそれは万が一に対する奥の手で在り――自身の背後に在る里を守るために小太郎が切れる、生涯最後の切り札であった。

 ガンランスの弾薬が詰まった弾帯に絡めた、それを小太郎は見せつける。

 小樽爆弾に酷似したそれは通常のカクサンデメキンに厳選火薬草、バクレツアロワナの体液、特殊個体の爆破エキスを圧縮調合した特製爆弾である。グレートの名を関するそれよりも遥かに破壊力に優れたそれは、【滅竜砲】の小型爆弾化を目指した果ての成果物であった。

 この小樽爆弾一つで、強固な外殻を持つバサルモス一体を消し飛ばす事が出来ると云えば威力は知れる。しかし、対価もまた相応。強大な破壊力を持つが故に起爆は必ず手動、誘爆が発生しないように外装は強固、そして何より値段が笑えない。これ一つで小太郎の五年分相当の報酬が消し飛ぶ。

 しかし――故に信頼性は絶対。

 

「ケホッ……どんなに弱い人間でも、格上に一矢報いる方法を知っているか、モンスター」

 

 小太郎は最早立っているのも困難な肉体で、一歩、一歩と彼奴に近付く。棒立ちのまま小太郎を見下ろすモンスターが何を想っているのかは分からない。しかし、小太郎にとっては好機。否、今この瞬間、相手が何をしようが、文字通り小太郎を殺害しようが関係はない。特製爆弾に括り付けられていた誤爆防止蓋を引き剝がし、丁寧に収納されていた発火紐を引き抜く。

 瞬間、樽の内部から火の点く音が聞こえた。底辺に収納された導火線、その長さ、猶予は五秒。

 

「――自爆だ」

 

 瞬間、残り全ての力を絞り出す。

 地面を蹴り砕き、増強された筋力で以て肉薄。モンスターが反応し、ノーモーションで繰り出された拳を辛うじて避け、追撃の二撃目を蹴りで逸らす。接触した瞬間に足甲が砕け、衝撃で骨が軋む。頭上から飛来する第三、第四の腕。第三撃を碌に動かない右腕を盾に、第四撃を『額』で受ける。

 凄まじい衝撃、鈍痛、意識が飛び痛みで覚醒する。右腕が拉げ、頭蓋が潰れたと錯覚する程の一撃。両足が僅かに沈み、身体全体が仰け反った。

 それでも生きている、死んでいない、懐に潜り込んだ。

 手を伸ばせば届く距離、頸が軋み血塗れの口を笑みで彩る。

 左腕に抱え込んだ爆弾を、彼奴の顔面に向かって下から放る。赤い瞳がゆっくりと飛来するそれを追った。

 

「お前は此処で――俺と死ね」

 

 呟きは、爆音に掻き消され途切れた。

 

 ■

 

 爆炎が掻き消える。

 強大な炎はあらゆるモノを焼き尽くし、衝撃波が宙を貫いていた。円型の窪みと溶け落ち、焼け焦げた大地が全てを物語る。白煙が辺りを覆い隠し、爆音の後に訪れるのは痛い程の静寂。風魔小太郎の切った最後の札は、正に彼の奥の手と呼ぶに相応しい。

 抉れ、焦げ付いた大地は飛竜のブレスが直撃するよりも遥かに深く、広い傷を刻んでいる。立ち上る蒸気は熱量の現れ、凡そ人が造り出した兵器の中で持ち運び可能な部類では一等強力な威力、その証明。

 

 その白煙の中で、モンスターは静かに構えを解いた。

 

 外殻は所々煤けており、場所によっては亀裂も見える。しかし、未だ健在――致命傷には程遠い。否、伝説に匹敵する強固な外殻を表面とは云え焼き、罅割れさせただけでも凄まじい戦果というべきか。

 静かに四本の腕を下ろし、僅かに落としていた腰を上げ直立する。

 その視線の先には――ぴくりとも動かなくなった、風魔小太郎だったものが横たわっていた。

 

「………」

 

 滅竜砲の威力を再現しようとした成れの果て――その言葉に偽りはない。

 あらゆる攻撃を弾く彼の外殻を破損させる程の威力、それを生身の人間が受ければどうなるのか、想像に難くない。それどころか原型が残っているだけでも僥倖。

 もう、この生物は死んでいる。手を下すまでもない――そう判断した視界の中で。

 

 その指先が、微かに動いた。

 

「―――」

 

 思わず、と云った風にモンスターの肩が揺らぐ。

 白煙を引き、爛れ、引き裂かれた皮膚をそのままにゆっくりと立ち上がる風魔小太郎だったもの。まるで頭上から何か、見えない糸で引っ張られているかの様に。彼は緩慢な動作で立ち上がると、徐に自身の両腕を眺める。

 血に塗れ、塞がった片方の眼球がぎょろりと動いた。そして小指から順に拳を作り、呟く。

 

「片手剣」

 

 声は小さく、しかしはっきりと虚空に響く。途端、頭上から影が落ちる。小太郎は最初からそうなる事が分かっていたかのように、落下する影――小剣と盾を掴み取った。

 モンスターが空を仰ぎ見れば、フクズクが嵐を物ともせずに飛行している。

 見ない影だった、少なくともモンスターにとっては。風魔小太郎が使役しているフクズクは、既にこの戦闘をオトモと共に離脱している筈なのだから。

 

「………」

 

 盾を腕に通し、剣を握った小太郎は無機質な瞳でモンスターを見る。満身創痍、四肢は勿論顔面、背中、腹、腰、ありとあらゆる場所に血がこびり付き、折れ曲がり、砕け、拉げ、凡そ歪な人型と称する他ない。片手剣を握る指は親指を入れて三本、小指と薬指があらぬ方向を向いており、何より酷いのは火傷痕。

 顔面と頸元、胸から腕にかけて半身の皮膚が爛れ落ちている。自爆特攻のダメージ――否、あれだけの爆発をこの程度で済ませている時点で異常なのだ。モンスターは罅割れた外殻をなぞり、思考した。

 

 小太郎の血で塞がった片目が、ゆっくりと開く。

 ぞくりと、モンスターの背中に氷柱を突き入れたかの様な怖気が走る。

 

 瞬間、小太郎の腕から翔蟲の糸が伸びる。糸はモンスターの頸元に巻き付き、小太郎の体が一気に肉薄した。まだ蟲が残っていたのか、モンスターは咄嗟の強襲に驚きながらも、しかし冷静に対応する。

 カウンターの要領で拳を振り抜く、否、拳を置くだけで良い。凄まじい勢いで飛来する小太郎は己の出した速度で拳に当たり、自滅する。

 そう判断し、即座に打ち出される甲鉄に勝る拳。しかし、拳でなぞった軌道に小太郎の姿がない。見れば接敵の寸前で糸を自ら手放し、そのまま懐に潜り込むような形で地面を踏みしめ減速。小太郎の背後に出来る電車道(二本線)

 

 光の無い瞳がモンスターを見上げた。

 

 盾を腕と垂直に、腰を落として足腰を十全に扱う構え。二匹目の翔蟲が頭上に飛ぶ。思わずモンスターが拳を振り下ろすと同時、衝撃は来た。

 振り下ろされたモンスターの拳に合わせて、翔蟲と足腰を利用した強烈なシールドバッシュ、それも上方向に向かっての。

 

 ――滅・昇竜撃。

 

 カムラの里、片手剣を扱う者であっても習得困難と云われる奥伝の一つ。

 大地を蹴り上げた力を足、膝、腰、肩、腕の連結で余すことなく盾に伝え、其処から蟲糸を利用し上方に回転を加えながら叩き込むという技巧。更に相手の攻撃に被せカウンターとして放つ事で相手の攻撃を逸らし、無防備な顔面に十全の一撃を叩き込む事が出来る。

 元は飛来する竜を盾一つで叩き落したという伝説の狩人が用いた代物。

 実際に片手剣を愛用する香は、この技でリオレウス希少種の頸を物理的に消し飛ばした実績がある。

 

 カムラの里が誇る奥伝の一つは、強烈な一撃を齎した。

 打撃はモンスターの顔面、顎を直撃し凄まじい衝撃と金属音を打ち鳴らす。どれ程の攻撃であっても決して動じなかったモンスターが二歩、三歩と蹈鞴を踏む。面頬に似た外殻が罅割れ、欠けた。

 飛び上がった小太郎は反動をそのままに鉄糸をモンスター目掛けて投擲。先端に苦無の結ばれたそれらは腕や頸、足に絡みつき地面へと打ち込まれる。撃ち込まれた鉄糸はものの一瞬で六点――しかしモンスターにとっては十分ではない。ほんの二秒、拘束出来た時間はそれだけ。

 しかし、その二秒が風魔小太郎にとっては黄金に勝る時間。

 拘束され、身動きが取れなくなったモンスターに刃が飛来する。それは小太郎が空中で鉄糸と同時に投擲した得物。柄に蟲糸を繋ぎ、宛ら鞭の様に扱う小太郎第二の刃。飛来したそれはモンスターの外殻を裂き、関節近くの肩口に突き刺さる。しかし深手ではない、鉄糸を煩わしいとばかりに振り払ったモンスターの耳に呟きが聞こえた。

 

「起爆」

 

 瞬間、モンスターの肩が爆ぜた。

 外殻が内側から吹き飛び、モンスターの姿勢が大きく崩れる。溶け落ちた外殻に火薬の臭い、思わず傷口を抑えたモンスターは蟲糸によって淡い残滓を残しながら小太郎の元に引き戻される剣を見る。

 その刃に塗布された――爆破エキス。

 飛び散った外殻の破片を踏み砕き、爆風を避けるために距離を取っていた小太郎が迫る。朦々と立ち上る煙を裂き、モンスターは四本の腕を広げた。

 

 この人間は――危険だ。

 

 生存本能が叫ぶ。四本の腕がそれぞれ独自に蠢き、次々拳を振り下ろす。一、二、三、四、瞬く間に繰り出される四連撃、風を切り唸る拳は直撃すれば人の骨を砕き肉を裂く。それを小太郎は身を以て理解している。

 人は傷を忘れない、一度味わった痛みは恐怖という形で体に刻み込まれ、いざその恐怖と対峙すれば筋肉が強張り精神が乱れる。痛みとは教訓だ、知っているからこそ委縮するのだ。

 だと云うのに――いっそ芸術的なまでに無駄なく、涼し気に、風魔小太郎は拳を逸らし、弾き、躱し、踏み越える。剣を振り上げ、モンスターの拳を足場に飛び上がった小太郎は切っ先を頸元へと向ける。宙に浮かぶ人間を見る。その顔には恐怖も、興奮も、苦痛も、歓喜もない。唯々能面の如く冷徹で、無感動で、無感情で。

 

 これは成長か――モンスターは己に問う。

 

 否、成長等と云う生温い代物ではない。

 この風貌、戦い方、精神性、全てが以前とは異なる。がらりと中身が変わったかのような、その在り方が瞳の昏さ、表情として滲み出ている。『生物』として何かが、何かが決定的に【間違っている】。

 

 これは、変質だ。

 

「肉質確認」

 

 放たれた刺突。がちんと、剣の切っ先がモンスターの頸元を穿つ。外殻の間隙を縫った一撃は確かに中程まで刃を埋めモンスターに損傷を与えた。呻く、低く苦悶の声、しかし、それだけだ、刃先が多少埋まった所で致命傷には程遠い。

 風魔小太郎が僅かに眉を顰める。全力の刺突が僅かに刃先を通すのみ――予想の数段、肉質が硬い。「青以上」、と小太郎が呟いた。地面に降り立つ小太郎、差し込まれた剣の勢いで一歩退いたモンスター。

 互いの間に生まれる一呼吸分の間――静寂。

 次の瞬間に放たれたのはモンスター渾身の砲撃。口元の外殻を開け放ち、溜めなしでの超至近距離砲撃(ゼロレンジブレス)。圧縮された炎は極光となって撃ち放たれ、反動で首が微かに仰け反る。見てから反応する事は不可能、十歩も離れぬ距離で放てば必中と言い換えても良い。

 それを風魔小太郎は舞踏の如く、ひらりと身を回転させ躱して見せた。

 揺れる髪先が極光に焼かれ、遥か後方から爆音が鳴り響く。

 

「バッシュ」

 

 回転した勢いをそのままに、小太郎はモンスターの頸元に埋まった剣の柄、それを勢い良く殴りつけた。甲高い金属音、同時に凄まじい衝撃。柄と盾の表面が火花を散らし、刃が楔の如く撃ち込まれモンスターの頸元から黒とも茶とも見れる液体が噴出する。背後から飛来する爆風、熱波、破片を気にも留めず小太郎は舞う。

 撃ち込んだ剣、その柄に蟲糸を繋げ、云った。

 

「起爆」

 

 剣に付着した爆発エキスが緋色の爆炎を生み出す。内側から熱波に晒され、視界をも奪われたモンスターは声なき咆哮を上げる。風魔小太郎は爆発に乗じ、蟲糸を用いて剣を回収。するりと手元に戻った剣を握り、立ち上る炎を見つめる。

 頸元への刺突、内部爆発、並みのモンスターならば頸ごと弾けて死んでいる。手応えはあった、しかし微塵も油断はしない。それを証明するかの如く、爆炎を裂き、咆哮するモンスター。頸元は抉れ、不気味な液体と破片――限りなく肉片に近い何かを撒き散らすその姿、確かに深手だろう、重症だろう。しかし未だ健在。その双眸は風魔小太郎のみを射貫いていた。

 小太郎は未だ二本の足で立つ大敵を冷徹に観察する。

 イカれた生命力だと思った。同じ生物とは思えない、否、事実生物ではない可能性の方が高い。そもそも怪物の喉元から吹き出し地面に撒き散らされるそれが血液なのかどうかも分からない。

 地面に撒き散らされた液体は染みとなり、程なくして蒸気へと変わる。熱気――肌を焼く熱波、それはモンスターから放たれていた。見れば彼奴の周辺、その景色が異様に歪んで見える。

 ボシュ、と音が鳴った。モンスターの外殻、その隙間から圧縮された蒸気が噴き出ていた。

 かこん、と口元の面頬が外れる。

 その奥から暗闇が覗いていた。この動作は一度見た、圧縮された砲撃(ブレス)による攻撃。小太郎は僅かに盾を構えたまま、身体を斜めに逸らす。丁度射線上から逃れる様に。

 

 しかし、攻撃が来ない。

 小太郎が予測した攻撃速度を下回る。モンスターの口元に火が灯らない。その差異に勘が囁く。違う、砲撃ではない。風魔小太郎が訝しむと同時、その見えざる攻撃は放たれた。

 

「―――」

 

 足元の砂利が跳ねる、水面が弾ける、肌が波打つ。

 同時に小太郎の体が見えない何かに押し出されるような形で、後方へと吹き飛ばされた。

 

 攻撃の名は――音撃。

 

「づッ――!?」

 

 能面の様であった風魔小太郎の表情が初めて崩れた。両耳から僅かな血が噴き出し、どろりと眼球から血が滴る。地面に叩きつけられた小太郎は何度か転がり、背中から地面を擦って停止した。攻撃を真面に受けた肉体は小刻みに震え、意志に反し動かない。

 脳に甘い痺れが走っていた、酩酊感と言い換えても良い。思考が纏まらず、あらゆる機能が正常に機能しない。指先を目先に持ってくれば、するりと剣が手から抜け落ちた。剣を握る握力すら奪われた。

 音と云う攻撃は、防げない。盾を構えようが、避けようと動こうが、全てを回避するという事は不可能。ましてやそれが殺傷力を伴うのであれば、この状態もむべなるかな。

 何という初見殺しか、風魔小太郎は地面に身を預けたまま静かに目を細めた。

 

「………」

 

 面頬を嵌め直し、ゆっくりとした足取りで近付いて来るモンスター。その巨躯を見上げたまま、風魔小太郎は変わらぬ表情で告げる。碌に動かぬ舌を弾き乍ら。

 

「次は、狩る」

 

 告げ、彼は静かに意識を失った。

 

 ■

 

 倒れ伏し、意識を飛ばした小太郎。モンスターはそんな小太郎の姿をじっと見つめ、暫し沈黙を守った。ぴくりとも動かない四肢、消え去った強者の気配――対象は完全に沈黙している、それは確かだ。

 緩慢な足取りで小太郎の傍に立ったモンスターは、のそりと腕を振り上げる。意識のない狩人ひとり、その膂力で以て頭部を破砕する事など容易い事。

 介錯を成そうとして。

 

「随分人に似た姿ですこと」

 





■風魔小太郎
自身が生まれた事によって世界に良くない出来事(バグ)が起こるのではないかと戦々恐々としていた男。小太郎という人間が修練に本当の意味で打ち込み始めたのは、香と出会ってからである。その実力、凛とした立ち姿、一目見ただけで分かった――この人が世界の主人公なのだと。
だからこそ決めたのだ、彼女の隣に立たなければならないと。
自分によって生まれる不都合は、自分で拭わなければならない。だから強く、もっと強く。迫りくるバグは、この主人公すら呑み込む規模かもしれないのだから。
尚、その自分が手も足も出なかったバグを姉妹が全力でボコした事を知らない。

■ヒノエ・ミノト姉妹
好きな人の前ではか弱い乙女で居たい女心。
まだ小太郎が幼い時分、小太郎を守るために修行に打ち込んだらランスの刺突は竜巻を引き起こし、矢は閃光の如く音を置き去りにした。か弱い乙女(上位狩人)。
普段は力をセーブしており、全力を出した場合二人一緒ならば香に食い下がる事も可能。ウツシ教官が相手ならば僅差で勝利出来る。二人一緒ならば伝説級相手でも狩猟可な実力、何故Gの称号を貰っていないのか? だってハンターライセンス持っていないもの。私たちはこっそり上位個体を狩猟する一般里民(ホムラ)ですぅ。
最近のストレス発散方法はラングロトラで蹴鞠をする事。姉妹に見つかると無言で丸まり二人が飽きるまでじっとボールになって耐えるラングロトラ君。近々ヨモギちゃんも参戦予定。
乙女は強くなくっちゃね!

■香
素の状態でも阿呆みたいに強いスペックを誇っているが、自分の背中を追い続ける想い人に情けない姿は見せられないとストイックに修練を続けている主人公メスガキ。最近根性で剣からビームが出せるようになった。根性で空を飛んだり、海中で砲撃したり、回復したりするのだからこれくらい出来なければ称号持ちとは言えないとは本人の言。本気を出すとドラゴンボールになる、君だけ世界観違くない?
団子屋の娘に「月刊乙女 狩人の魅力」という本を勧められ愛読している。
モンスターも狩る、想い人も狩る――両方やらなくちゃならないのが狩人の辛い所だ。
自身が遠征中に小太郎が死にかけたと聞いて激怒した。
小太郎をボコした? ほーん、やるやん、塵も残さんぞ。

■イオリ
人間って怖……近寄らんとこ、やっぱり時代はケモノですよ。

■イオリ君のアイルー
最近、ご主人の目がいやらしい気がするニャ……。

■イオリ君のガルク
だからよぉ、今の流行りは馬車と古龍がよぉ~!

■ヨモギ
 愛は乞うものじゃない、奪うものだってバッチャが云っていた。

■ロンディーネ
「小太郎、私と恋人ごっこをしよう!」
「は? え、いや……まぁロンディーネさんにはお世話になっているので構いませんけれど、何、何ですって、恋人ごっこ?」
「良し! それじゃあ早速性交渉をしようか! 恋人だからな!」
「え、いや、駄目でしょう、恋人だからと云って実際にやってしまったら『ごっこ』ではなくな――」
「正論は聞きたくないッ! ロンディーネ・パンチ!」
「ぐああァアアアッ!」

■フィオレーネ
「猛き炎♡ 盟友♡」
「フィオレーネさん、ちょっと、近い……」
「私と君の仲じゃないか、今更恥ずかしがる事もあるまい」
「宴だからと云って飲みすぎですよ」
「酒は口の滑りを良くするものだ、古事記にも書いてある、さぁ、一献、一献♡」
「いやでも、ほら、さっきから妹のロンディーネさんが凄い形相で此方を見て――」
「他の女の話は聞きたくないッ! フィオレーネ・キック!」
「ぐああァアアアッ!」

■チッチェ姫
「あれ、フィオレーネ? カムラの里に出向していたのでは……? えっ、その腕の中に抱えた男性は誰ですか? フィオレーネ、何故そんな満面の笑みで……えっ、休暇? 本国の実家に報告? 挙式って、えっ、ちょっと、どういう事? フィオレーネ? フィオレーネ!?」

■アルロー教官
「なぁウツシよ、俺の気のせいかもしれないのだが、その、何だ、闘技場終わりや狩猟の後に、な? 湯浴みの最中に感じるお前の視線が、そのぅ、あの、アレだ何となく、こう、セクシャルな感じというか……いや、多分気のせいだとは分かっているのだ、分かっているのだが、特に、こう、例の猛き炎を見る目が凄く、ほら、フィオレーネと似ているというか何というか――ウツシ、そのハンマーは何だ、何処から出した? ウツシ? やめろ、ほら酒の席だろう! ウツシ? ウツシ!?」

■加工屋ミレーネ
 ヒノエ、ミノトの戦闘シーンを目撃し、何故ランスから竜巻を起こせるのか不思議に思い、新手の機構が組み込まれているのかと疑ってみたところ、彼女達が使っている武器は通常の百竜武器であった。
「でもコウは剣からビーム飛ばしますし……竜巻程度、普通では?」
 そうかな、そうかも……。

■ガレアス提督
オリョクルで忙しい、観測拠点エルガドの資源はいつも切迫しているのである。

■ルーチカ
「ジェイ、拡散弾を連射するからタンクよろしく」

■ジェイ
「えっ」

■メインプレイヤー
風魔小太郎の『本気』と呼ばれているモノ。

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