IFなのでおおらかな気持ちでお願いします。
軽い登場人物説明
相澤 壊理(あいざわ えり):雄英高校1年ヒーロー科。相澤消太教頭の養子に、時の個性と精霊を操る。デク好き。
出水 洸汰(いずみ こうた):雄英高校1年ヒーロー科。水の個性。デク好き。
島乃 活真(しまの かつま):雄英高校1年ヒーロー科。映画第二段『ヒーローズ:ライジング』で出てきた少年。個性:細胞活性(B型)。デク好き。
島乃 真幌(しまの まほろ):雄英高校3年経営科。同上。活真の姉。個性:ホログラム。大・爆・殺・神ダイナマイトLOVE。
蛙吹 さつき(あすい さつき):雄英高校1年ヒーロー科。蛙吹梅雨の妹:姉兄好き。
人野上 立升(ひとのうえ たちます):雄英高校2年経営科。間瀬垣(ませがき)小学校卒業。心を重視し、お里を知ることに定評がある。大・爆・殺・神ダイナマイトガチ勢。名前はねつ造。
年齢とか厳密には違うかもしれませんがねつ造ということでお願いします。
雄英高校保健室
エレメンタルこと運命クロスは、保険医としてリカバリーガールから職務を引き継ぎ、新たな雄英の屋台骨として活動していた。
時間は放課後になり、ヒーロー科で怪我をした生徒達への回復も一段落した所だった。
ノックの後に生徒が入室してくる。
「エレメンタル先生、今大丈夫ですか?」「クロスくんきたよ~」
雄英高校ヒーロー科の制服に身を包んだ相澤壊理がティポと共に現れる。
「あぁ壊理ちゃん大丈夫だよ、入りな」
「失礼します」
10年前から成長ししっかりとした身体つきになった壊理がいつものようにイスに座り話出す。
「今日はUSJでの救助訓練でした。ティポも使って何とかうまくいきました」「ぼくのおかげだね!」
「おーもうそんな時期か、ヒーロースーツも慣れたかい?」
「はい、まだちょっと恥ずかしいけど…」「エリは世界一カワイイよ!」「ティポは黙ってて」「くぎゅ!」
気恥ずかしいのかティポを強く抱きしめる姿は10年前から変わらなくて学生時代を思い出し笑う運命。
「クロノスとの対話はどうだい?」
「はい、今までずっと会話してきたからか、協力的でそろそろ神衣も試してみても良いと言ってくれてます」
「…もうそこまで来たか、よし、相澤教頭とファントムシーフ先生呼んで試して見るか。オレが相手するよ」
「頑張ります!」
嬉しそうな壊理に釣られて運命も笑う。するとまた扉からノック音が聞こえ入室してくる二人の男子生徒。
「失礼します、エレメンタル先生今日もお願いします。あ、壊理ちゃんこんにちは」
「失礼します!エレメンタル先生!今日もよろしく!お、壊理もここにいたのか、早いな」
そこには壊理と同じくヒーロー科一年の島乃活真と出水洸汰が入室してくる。
活真は個性の細胞活性で通常の人より速く強く動け、何よりその個性は回復に秀でていた。故に回復の先生として運命が担当している。
一方洸汰は水の個性で保護者替わりのプッシーキャッツの面々に鍛えられてきており、上位の成績でヒーロー科に入学している。同じく水の使用法で運命が一部教えている。
「こんにちわ。二人も早いね」
笑顔で二人に返す壊理、活真も洸汰もその笑顔に少し顔を赤くしながら壊理の両サイドに椅子を動かし座る。
明らかに壊理を意識している二人の姿に青春の青臭さを感じゾクゾクする運命。
「さぁ3人揃ったし今日の課題渡していくよ」
「「「はい!」」」
そして三人を寮へ帰して保健室から職員室へ歩いていく運命。
目的の人物を廊下で発見し声をかける。
「物間先生?少しよろしいですか?」
「ん?あぁどうしたんだい保険医運命先生?」
運命は周囲に生徒がいないことをさっと確認して詰め寄る。
「お前いくらなんでも指のさかむけで保険室の使用許可出すんじゃないよ!本人も困惑してたぞ。手のケアの仕方だけ教えといたわ」
「ぐっ、君は大切な僕の生徒の怪我を邪険にするのかい!?僕の!!大事な!!B組の生徒に!!」
「お前それ後ろにいるブラドキング先生にも言えるんだな?説教お願いします。今度やったら会議にあげるからな!」
そう言ってそそくさと消えて行く運命。物間はギギギと後ろを振り返る。
「え?ブラキン先生…」「物間、生徒を大事にするその姿勢は褒めてやる。だが程度は考えろと何度も言っているはずだ」
「違うんですこれは」「良い、生徒が大事だもんな。わかる、イレイザーの生徒は合理的判断ばかり下す傾向があるからな」
物間の両肩を掴むブラドキング。
「わかってくれますか先生!」「あぁ!だから今日は生徒達への愛を語り合おう!」
「あ」「お前は独身だから時間はあるしな!今日は俺の奢りだから思いっきり飲もうな!」「いや遠慮s」「生徒だったお前と飲めるなんて俺はなんて幸せなんだ!!終わったら用意しとけ!」
笑いながら歩いていくブラドキングの背を見送りながらがっくりと肩を落とす物間。
生徒時代から大好きな担任だったが酔うと言葉が分からなくなるのが辛い所だった。
今の物間の余暇は青森の方言の勉強であった。
運命が保健室に帰ろうとすると前からオールマイト校長と相澤教頭が話しながら歩いてくる。
オールマイトは根津校長の後釜として校長へ、相澤は目と足の後遺症で実戦に立てる身体ではなくなったが、その個性を物間へコピーさせる事と壊理の事を理由に雄英に残り、教頭として校長の至らぬ部分を補っている。
二人は運命に気付くと声をかけてくる。
「やぁエレメンタル」「運命、壊理から話は聞いた。物間と俺で時間を作るからその時に相手してやってくれ」
「了解です」
「壊理少女の神衣はしっかり準備して当たってあげてくれ。あぁ、あと来週はデクに講習来てもらえることになったよ」
「先週の轟に今週の爆豪、来週は緑谷ですか。オールマイト校長今年はハイペースでトッププロ呼びますね」
この10年で多くの当時1年だった生徒達が上位ヒーローになり、特に轟、緑谷、爆豪はトップ3をいつも争いあっている。
「体育祭前に一度トップの力を感じさせてあげたいからね、無理を言ったよ」
「オールマイトの呼びかけを無視できるオレ達教え子じゃないですよ」
「ふふ、助かるよ」
「では」
二人と別れ運命は保健室へ歩み出す。
が途中で1年生のヒーロー科の集団が何やら話し合っており、その横を通り過ぎるとぎゅっとヒーロースーツを掴まれる。
「義兄さんちょうどよかった」
「学校では運命先生かエレメンタルと呼びなさい蛙吹さつき君」
「あら、そうだったわごめんなさい」
掴んだ手の持ち主は10年前の蛙吹梅雨にそっくりなほどに成長した蛙吹さつき、身長はやや姉より伸びているだろうか。
「でどうしたの?」
「体育祭までの訓練をどうやろうか皆で考えていたのだけどどこか空いているかしら?」
「あぁ、そういうのは申請書があるんだよ。運動場や演習場で名前書いて担任の心操先生に出したら許可が出るはずだよ。連名だと通りやすいかな」
「ケロ、わかったわ。ありがとう。あと次の休みに時雨ちゃんと秋雨くんに会いに行くわ」「わかったよ、遊んであげてくれ」
後ろにいた生徒達も感謝とともに頭を下げてくる。
「訓練も良いけど怪我したら隠さず保健室来るんだよ、ヒーローは身体のケアも大切だからね」
「「「「「はーい!」」」」」
「頑張りな~」
保険医エレメンタルは笑顔で歩き出す。
翌日
午後のヒーロー科の実習後の保健室が大賑わいしていた。
洸汰と活真、そして壊理はいつもの様に三人で保健室へ向かい入室すると満杯のベッドに驚く。
「死屍累々?」
「いや死んでないよ壊理ちゃん」「似たようなもんだろ」
「お、来たな。丁度実習できるから壊理と活真は準備しな」
「「はい!」」
運命の言葉にすぐ二人が準備を始める。
「先生、俺は?」
「洸汰は隅っこで水の鍛錬か怪我人の対処を見て学んでも良いぞ。救助はどっちにしろ大事だし、プッシーキャッツはその手のプロだったからな」
洸汰はその言葉に少し考えたあと壊理をチラリと見てから答えた。
「…見学する」
「OK」
準備を終えた二人が運命の隣について怪我人達のいるベッドへ向かう。
「はい始めるよ、まずは…」
「「うっ」」
パックリ切れている傷口に少し目を逸らす二人。
「よく見な、個性で治す時は具体的なイメージが大事だからね」
「「はい」」
「じゃあ活真から」
「はい」
活真が前に出て患部を見てそっと手を置く。
活真の個性細胞活性が発動しゆっくりと傷が治っていく。
「この傷でどれだけ自分の力が必要かしっかり覚えるんだ」
「…はい」
治し終える頃には活真は汗がびっしょりになっていた。
「今の感覚大事にな。じゃあ次壊理だ」
「はい」
隣のベッドに移り、今度は壊理の番となる。
今度の生徒は骨折だった。
「さぁ壊理の場合はどれだけ巻き戻すかをゆっくりと確認しながらだ」
「はい」
両手を患部に掲げ少しずつ個性を発動させていく。
「微精霊か精霊か、誰にどれだけ力を渡すかしっかり選ぶんだよ」
「うっ難しい」
「それが出来なきゃ神衣なんて夢だよ。制御こそ神衣の神髄だからね」
「はい!」
そして巻き戻っていく患部。しっかり治したことを確認して壊理が運命に向き直る。
「どうですか?」「良いよ、最初は時間かけていい、慣れれば早くなるさ」「ありがとうございます!」
「やっぱ凄いな壊理は」
「へへ、ありがと洸汰君!」
「!?お、おう」
見ていた洸汰の言葉に壊理ははにかみながらお礼を言う。
「…」
活真は二人の会話に少し面白くなさそうに見ている。
「次は個性使わない方法で対処しようか、活真。壊理と洸汰は見学しときな、夏以降に習う所だ」
「「はい」」
活真が運命に導かれ、医療技術で手当てを行っていく。
真剣な眼差しの活真に壊理も少しの羨望の顔がのぞく。
「よし、これでどうでしょう?」
「問題ないよ、手順もばっちしだ。活真は早めに実体験で外の病院一緒に周ろうか」
「はい!頑張ります!!」
頷きながら次のステップを進める運命に活真は気合が入る。
「活真君凄いね!私も頑張らなきゃ…」
「へへ、ありがとう」
喜ぶ活真、洸汰は少し面白くない顔だった。
「じゃあ二人は今のを復習がてらこの本のここから読んどきな二冊あるから」
「「はい」」
次に洸汰が自分の番と張り切っている。
「その前に今いる生徒全員治しとくわ、ちょっと待ってな『フェアリーサークル』」
「「「おおおお」」」
運命は怪我人全てに回復をかけて同時に治していく。そのエフェクトの綺麗さもそうだが圧倒的な回復に3人は目を見張る。
「これで後は起きたら帰すだけだな、洸汰、あっちの特別スペース行きな」
「おう!前言われた事はもうクリアしたから次はいよいよ水での飛行だよな先生!」
「まずは見せてみな」
「よし!」
そして保健室の一部を運命の要望で個性が使えるスペースにしており、洸汰はそこに行き、両手から水を放出し身体を浮かせる。十数秒程安定して浮いた後着地し、運命へと顔を向ける。
「うん、出力上がったな。圧縮放出しっかり出来てる」
「だろ!これなら」
「あとは足からも出せると安定するんだがそっちはどうなった?」
「う…それはまだ」
「今後の課題だな、まぁここまで出せるなら飛ぶ事は出来るだろ。手からだけで飛ぶのは爆豪形式になるかな、参考にしようか。明日以降誰かと一緒の時のみ訓練許可するよ」
「ったぁああ!」
渾身のガッツポーズの洸汰。飛ぶことへの憧れがあり、遂にその手に届くのであった。
それを聞いていた壊理は手を叩いて褒めたたえる。
「洸汰君凄い!もう飛ぶ訓練なんだ!!」
「洸汰君頑張ってたもんね」
「おぅ、ちゃんと飛べるようになったら乗せてやるよ。…約束だったしな」
「…ちっちゃい頃の約束覚えててくれたんだ!うん!」
恥ずかしいのかお気に入りの角のついた帽子で顔を隠しながらぶっきらぼうにそう言う洸汰。
嬉しそうな壊理に少し疎外感の活真。
青春真っ只中の3人にキュンキュンしながら運命は見守っていた。
壊理ちゃんのこういう話すると相澤先生髪逆立つんだよなぁと思いつつ。
まずプレゼントマイク先生に言ってから、居酒屋でミーティングだなと順番を考えていた運命であった。
そこへ無遠慮に保健室の扉が開かれる。相手を見て笑顔で声を掛ける運命。
「おう爆豪、お疲れさん」
「あの程度疲れもせんわ」
現トップ1位ヒーロー大・爆・殺・神ダイナマイトこと爆豪であった。
「訓練ありがたいけど、2-B全員保健室送りは止めて?」
「連携はまぁまぁだが個人の力量がまだまだだ。てめェから物間に言っとけ」
「厳しいね、あ、ビルボード一位と高額納税者ランキング一位のダブル受賞おめでとうございます。目標達成したな」
「ふん、当然だわ」
「ずっと轟と緑谷と競り合ってて見てる側は楽しかったよ」
「けっ日本で働かず世界ぶらぶらしてたプータローに言われるとはな」
「ちゃんと世界ヒーロー免許取ってから出たんだから良いでしょうに…秘境で精霊と契約したり各国から救援とかで忙しかったんだぜ?」
「当然だわ、働け」
「御覧の通り働いとるわ、あ、そういえばこれ、インドの奥地で売ってためちゃ辛のカレールゥ。現地で買ったわ、完全勝利祝いにどうぞ」
「どう見ても土産だろうが、まぁ良い」
そこで爆豪は視線を感じ壊理、活真、洸汰を見やる。以前から知っているとは言えトップ1の登場に目が輝いている卵達。
「「「お久しぶりです!」」」
「おぅ、壊理も活真も洸汰も元気そうだな。洸汰は後で見てやる」
「ありがとうございますダイナマイト!!」
「あ、そういえば爆豪、二年経営科の
「いや?」
「ダイナマイトの所に就職目指して職場体験お願いしたいんですがってオレのとこに来てさ」
「アホはほっとけ」
「やたら心がどうこうって言う子で、成績もトップクラスなんだけどねー知らないか」
すると爆豪は少し目を開き、歯を見せながら笑う。
「……おい、そいつに経営科のトップなら職場体験受け入れてやるって伝えとけ、お前経由で送ってこい」
「やっぱ知ってるんじゃないか、まぁ分かった。トップの事務所に相応しい実力あればってことね、伝えとくよ」
「奥使うぞ」
「はいよー」
壁に掛かってた鍵が風で爆豪に飛んでいき、爆豪は見ずにキャッチ。一瞬で行われた高度な技術の二人に生徒達は目を見張る。
「誰も通すなよ」
「はいよー」
爆豪が奥の扉の特別準備室に消えて行く。
爆豪独特の雰囲気に飲まれていた三人が大きく息を吐きだしている。
するとドドドドドと走る音が響いてくる。
それが誰のものかわかった活真は目をつむり天を仰いだ。
バタン!と扉が開きある女生徒が入ってくる。
それは活真と同じ茶髪で活発そうな3年生で姉の島乃真幌(しまの まほろ)であった。
「バクゴー!?エレメンタル先生!、バクゴー奥にいるよね?」
「はい、これね」
ポケットからマスターキーらしきものを手渡す運命。その顔は仏のように悟っていた。
それを勢いよく取り、そのまま奥の準備室へ突入していく真幌。
バタンドスンと激しいタックル音が響き叫び声が聞こえてくる。
「てめェクソ運命通すなって言っただろうが!耳付いてんのかこのクソ自然野郎が!」
「バクゴーなんで逃げるの!?もう事務所も内定勝ち取れるから良いでしょ?」
「良くねェわまだ学生だろうが!男のベッドに入ってくんじゃねェ!!」
「添い寝だけ!添い寝だけで良いから!オラぁ意識混濁ゥ!!」「あ…」
「いやーその罵倒懐かしいっす。あ、真幌ちゃんそれ一日一回までね。じゃごゆっくりー」
バタンと扉を閉めてお茶をすする運命。
見ているしかなかった三人は呆然としている。
「先生、良いの?」
「姉ちゃんがごめんなさい…」
「良いんだよ、10年経ったし。真幌ちゃんは経営科でもずっとトップクラスだから爆豪事務所も内定取れるだろうしもう良いでしょ。世界中にいる爆豪大好き幼女組の争奪戦は物理的距離の近さと年齢差で真幌ちゃんの勝ちかな?」
保健室から見える空は晴れ渡っていた。
スキット~地獄の轟家10年後~
「む、モモ君」
「あらエンデヴァー…いえお義父様、今日は焦凍さんが帰るまでこちらにいさせて頂きますわ、ほらおじいちゃんですよ~」
「うむ、ここはもう君の家でもあるのだ。好きに使ってくれ」
「ええ、ではこの子の事少しお願いしてもよろしいでしょうか?冬美さんとお料理して来ますわ」
「え、あ、ああ。任せてくれ」
「おぎゃーおぎゃー」
「母が見えなくなると不安か、しかし俺も元ナンバーワンであった男。見事あやしてみせよう」
「おんぎゃあああああおんぎゃああああああああ」
「抱っこだけでは不満か、ならば。いないいない…ジェットバーン!!」
「おんぎゃあああああああああああああおんぎゃあああああああああああ!!」
「むぅ、赫灼では不満か、ならば。いないいなぁい…PLUS ULTRAプロミネンスバーン!!!」
「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」
「なっ!?何が不満なのだ孫よ!!いくら顔だけとは言えじじの渾身の必殺技なのだぞ!!?いないいないエンデヴァー!の方が良かったか!?!?」
「うるせぇなぁエンデヴァー!赤子もあやせないのか?パトロールついでに来たのによ」
「バーニン!いやっこれはだなっ!!?」
「ったくしょーがねーなぁ、いないいなぁいバーニン♪」
「きゃっきゃっ」
「なっ…」
「両親に似て美形に育つぜこの子は、じゃあとよろしくご隠居」
「何故だ孫よ…じじを…俺を見ていてくれ……」
次回、VS壊理