神薙家一族列伝 京に忍び寄る鬼の影   作:神薙家当主

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前書きで物語の設定的な事、後書きでキャラクターについて紹介していきます。
※後書きにはネタバレを含む場合がありますのでお気をつけ下さい。

*物語の設定*
神薙ノ国
神薙家の築いた国。
と言ってもこの時代なので今の県の様な規模。
現在の群馬県に当たる位置にあり、神薙家の屋敷と町は太田伊勢崎当たりに広がっている。
国内に3つの迷宮があり、鬼が住んでいる。
町には一般人も多いが町の人達は神薙家の事情を知っており、全面的に協力してくれている。
京から遠くはなれているため京の統治体制から外れており神薙家が統治している様な状態。
神薙家以外に武家は無く、他は農民や商人からなる平民ばかり。


初代当主 柊編
神薙家始まり


1120年 1月 神薙ノ国(現群馬県)

 

「おはようございます。当主様。

体のお加減はいかがですか?」

 

銀髪の少女がそう微笑む。

その目線の先には桜髪の少女がいた。

赤と黒の着物に桜色の帯、着物には白で桜の花の模様。

 

「あなたは?」

 

桜髪の少女が呟く。

 

「私は狼那(ろうな)。神薙家へ遣わされた世話役に御座います。」

 

銀髪の少女が答えた。

 

「神薙家?」

 

「はい。あなた様はその初代当主にあらせられます。

天界第一位の女神、大照天昼子(たいしょうてんひるこ)様より当主様のサポートをするようにと遣わされました。」

 

狼那はそう微笑んで答える。

 

「良く、わからないわ。」

 

「お名前は覚えておいでですか?」

 

「えぇ、それくらいは。

私は柊(ひいらぎ)よ。

でも、それ以外の記憶は・・・

思い出せないわね。」

 

柊が悲しそうに言った。

 

「それも致し方ないでしょう。

貴女は鬼に喰われて死んだ所を黄川人(きつと)様に助けられ、反魂の儀によって蘇ったのです。

しかし、蘇る際に邪魔が入りました。

とある鬼が貴女に2つの呪いを掛けたのです。

1つは短命の呪い。

貴女は産まれて2ヶ月で戦場に出れるまでに成長しますが、その分寿命も2年程。

成長が速い分寿命が尽きるのも速いのです。

そしてもう1つが種絶の呪い。

貴女は人間との間に子を為すことが出来ません。

ですがご安心を。

昼子様よりあなた様方一族に交神の儀を執り行える様に取り計らって頂きました。

交神の儀とは神との間に子を為すことが出来るのです。

しかし、その子もまた呪いの効果を受けております。

この呪いを解くには鬼を倒すしかありません。

そして、鬼を倒すのは貴女方神薙家一族にしか出来ぬ事なのです。」

 

狼那はそこまでしゃべると静かに茶をすすった。

 

「ご安心下さい。

当主様の為に遣わされたのがこの私。

鬼を倒し、呪いを晴らすまで確りとサポート致します。」

 

「鬼を倒すと言っても私にその技術は無いわ。」

 

「それもご安心を。

ここに指南書が御座います。

この指南書を読むとあら不思議。

瞬く間にその職業を使いこなせる様になるのです。

ただ、私の元にある指南書は薙刀士の指南書1つのみ。

他は鬼に奪われてしまいました。

ですが、心配は不要です。

鬼を倒せば手に入りますから。」

 

狼那はそう言って青い冊子を置いた。

表紙には『薙刀の指南書』と書かれていた。

 

「武器や防具も一式揃えてあります。

ただ、お一人で向かうのは何分危険を伴いますから。

今月は交神をして一族を増やしましょう。

今回は特別にとある男神様がいらしてくれておりますから。」

 

狼那の言ったタイミングで1人の青年が部屋に入ってくる。

赤髪の青年はにこやかに微笑む。

 

「やぁ、気分はどうかな?

って聞くまでも無いか。

いきなりワケわかんないよね。

ま、そればっかりは仕方無いさ。

昼子姉さんの事だからロクな説明もしてないんだろう?

どーせ倒す鬼の名前も聞かされていないんじゃないかい?」

 

赤髪の青年はケラケラと笑いながら言った。

 

「まぁ、心配しなくてもそこら辺は狼那が教えてくれるさ。

優秀な側付だからね。

死んでも3日で蘇生するし交神の儀を執り行える。

それでいて歳もとらない。

正に君にぴったりの側付ってワケさ。」

 

クククと笑った青年は狼那を見る。

 

「挨拶も済ませた事だし早いとこヤっちまおうぜ。」

 

「黄川人様、まだ名乗られてもおりませんよ。」

 

「おっとごめんごめん。

俺は黄川人。天界第二位の神様さ。

こーみえて偉いんだぜ?

鬼の復活で天界はてんやわんや。

鬼に力を奪われる神、昼子姉さんの邪魔をするべく地上に降りる神、君達に稽古をつけると地上に降りる神。

まったく神様ってのは自由気ままでしょうがないね。

そう言うわけで今天界は大変なんだ。

鬼なんて倒してる余裕が無い程にね。

そこで君達の出番さ。

神と交わり子を為して一族を繁栄させながら鬼を討つ。

ただ、普通の人間が鬼に叶うはずがない。

だから、神との子を為すんだ。

神との間に産まれる子は神に匹敵する力を持つのさ。

だったら神の代わりに鬼を討てるだろう?

早い話が君達は神様の代理・・・いや、駒だね。

2年と言う短い一生を鬼を討つ為に散らす。

それもこんな辺境の地で。

なんとも泣かせる話だよ。」

 

「黄川人様、お話が・・・」

 

黄川人はそう言ってクククと笑いながら語る。

狼那が横から止めなければ更に長く続いただろう。

 

「あぁ、そうだね。

じゃ、狼那頼むよ。」

 

「はい。かしこまりました。

これより、交神の儀を執り行います。」

 

狼那がそう言って神楽を踊る。

これが交神の儀なのだろうか。

私の訳もわからないまま狼那の踊りが終わる。

 

「来月にまた会おう。

次来るときはお土産でも持ってくるからさ。」

 

黄川人がそう言って部屋を出ていった。

こうして私は神薙家初代当主として訳がわからぬまま始まったのだった。




*キャラクター紹介*
ネタバレを滅茶苦茶含みます。

神薙 柊(ひいらぎ)
神薙家初代当主
女 4ヶ月
職業:薙刀士
家系
母 ???
父 ???
夫 黄川人 火男神
子 葵 女薙刀士
子 楓 女大筒士
子 椿 女槍使い

傷付いた鬼の体力回復の為に喰われ死んだ所を黄川人に発見され、反魂の儀により神薙家初代当主として蘇る。
それまでの記憶は失っているが鬼に喰われたのは赤ん坊の頃なので記憶は無いに等しい。
鬼より呪いを受け短命になってしまった。
鬼に喰われた際に鬼の血を浴びたせいか鬼人化出来る様になっている。
また、この鬼人化の力は代々受け継がれる。
黄川人との交神により三つ子を授かった。
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