神薙家一族列伝 京に忍び寄る鬼の影 作:神薙家当主
今回はゲームだからと言うものをこの世界に当てはめて説明します。
まぁ、ゲームだからって言えば終わる物を無理矢理こじつけするって感じです。
火時計
ゲームとして迷宮に挑めるのは時間に限りがあります。
火時計の火が燃え尽きれば(1ヶ月)終わりです。
そこでもう一ヶ月潜るか帰るか決められます。
火時計は狼那の持つ特殊な時計でこの炎のお陰で迷宮内でも鬼にならずにすみます。
迷宮内には人を鬼に変える瘴気が充満しておりこれを吸いすぎると鬼になります。
それを防ぐのが火時計。
火時計の炎はこの瘴気を晴らす力があるのです。
そして、希に熱狂の赤い火と呼ばれる赤い炎が灯ります。
この赤い炎は青い炎よりもより強く瘴気を晴らし、熱く燃えます。
戦利品スロット
戦利品スロットは3つのスロットで倒した時に貰えるアイテムがどれかを選ぶ物です。
こちらも狼那の持つ道具で鬼を倒すと倒した鬼の力を吸い取りアイテムや金に変換して吐き出します。
それと共に一族に戦勝点を分け与え、内部に奉納点を貯蓄します。
同じ物が3つ揃った時は少ないコストで生成出来る為その分戦勝点が増えます(2倍)。星が3つ揃って出た時はアイテムや金にするはずの鬼の力を戦勝点へと変換する為より多くの戦勝点を得られます(3倍)。
更に、火時計の炎を動力源として動いているスロットなので熱狂の赤い火が灯るとスロットの力も上昇し、よりレアなアイテムを生成出来る様になります。
この時に星が3つ揃うと凄まじい戦勝点を得られるのです。(5倍)。
更に、赤い火の時はスロットの上側が開き、もう1つの力が開花します。
それは、赤い火スロット。
止まると次の青い火を赤い火に変換できるのです。
ただし、戦利品スロットは大将の首を鍵にアイテムを吐き出します。
故に、大将に逃げられるとアイテムは何も出てこなくなり戦勝点しか得られないのです。
携帯袋
神の力が込められた袋です。
アイテムを30個格納できます。
30個であれば大きさも関係なく、どんな大きな物でもしまえます。
それこそ、武器や防具だって格納できるのです。
腰に下げる巾着袋で普段は小さいですが中には神の作った異次元空間が広がっています。
欲しいものを思いながら手を入れれば欲しいものを掴めるのです。
また、袋を開けば中のアイテムが一覧として見える為中に何があるかもすぐわかります。
術
神達が作り上げた神の力を込めた力です。
神の名を冠する術は使用する事でその神の力の一端を借りる事が出来ます。
この術は神により巻物へと封じられ、巻物を手に入れれば使えるようになります。
使うには心と技が必要です。
十分に育った心と技がなければ術は使えません。
神は認めた者にしかその力を貸してはくれないのです。
鬼の無限湧き
鬼は一定範囲を離れると倒しても復活します。
これは、瘴気の力の影響で炎が晴らした瘴気が元に戻ると鬼は復活するのです。
その為、ある程度離れると鬼が復活するのです。
交神の儀での1ヶ月
交神の儀を行った月は1ヶ月休む。
これは絶対厳守の決まりです。
交神の儀を行った1ヶ月は家族の心を1つにして交神した神に祈りを捧げます。
そうすることでより強い子が生まれるのです。
これをしなければ生まれる子が鬼を倒す力を得られません。
神の力は祈りの力。
神は人々からの信仰を力に変えるのです。
それ故に交神した月は休んで神に信仰を捧げるのです。
1120年 4月
2ヶ月にも及ぶ訓練を終え、私達は初陣を向かえた。
私と葵、椿が前列で楓は後列だ。
「当主様、今回は初陣ですので出陣先も、引き際も私が見極めます。
まずは、本物の鬼との戦闘に慣れてください。
話はそれからです。
体力が減り、それを放置すればその分健康度が減ります。
健康度は皆様の寿命そのもの。
これが低くなればなるほど寿命も短くなると考えて頂いて相違ありません。
ですから、少しでも傷を負ったらすぐに回復。
アイテムなんて鬼を倒せば手に入りますから躊躇わず使って下さい。
それに、街に帰れば買えますし。
良いですか、初陣でなくても鬼との戦闘は常に命大事に、です。
鬼を倒すよりも自らの命を大切になさって下さい。」
狼那はそう良いながらアイテムを携帯袋に詰め込むと私に渡してきた。
「今回は携帯袋の中身も私が決めました。
次回からは当主様にご指示頂きます。
当主様が私にお任せになると言うのであれば私が決めますがご自身で決めたいのであれば決めて頂いて構いません。」
「ありがとう、狼那。」
私が狼那に微笑む。
「それでは、バーンとぉ!参りましょうか。
こほん。
当主様、ご出陣!!」
狼那が言った。
狼那にしては珍しいな。
バーンとぉ!なんて狼那らしく無い。
私達は狼那の後について迷宮へと向かった。
「うぅ、葵姉様怖いです。」
「楓姉さんそんなくっついていたら危ないわ。
私達は前列だし。」
「大丈夫だよ。お母さんと一緒に練習したでしょ?
学んだことを忘れずに、ね。」
三姉妹がそう言ってお互いを励まし合う。
仲も良くチームワークも心配は無さそうだ。
「今回行く迷宮は
昔この国を治めていた武家の大きな屋敷で今では鬼の住みかになっています。
ここの鬼なら強くもありませんし良い初陣になるでしょう。」
狼那がそう言って指差す先には白い壁に赤い瓦屋根の大きな屋敷が建っていた。
屋敷の門には鶴の像があり、扉は鶴が翼を広げたような形をしている。
鶴好きの武家の家なのだろうか?
「やぁ、ここ鶴眼ノ宮は昔この地を治めていた武家の屋敷だ。
こんな辺境を治める物好きが君たち以外にもいるなんて驚きだろう?
でもその武家は滅びた。
それも帝から打ち首されてな。
それで恨まない訳が無い。
ここには帝を恨み鬼となった武家の当主がいるらしいぜ。
それじゃあ、頑張りなよ。」
黄川人がふらっとやって来てこの迷宮の説明をするとまたふらっと帰って行く。
ええっと、あれは?
「黄川人様はあぁして気が向いた時にその迷宮の話をしてくださるのです。
これからも迷宮攻略の際に会うことはあるでしょうね。」
狼那がそう言って微笑む。
「帝を恨む鬼かぁ。」
「あ、葵姉様。は、離れないで下さいね。」
「帝を恨む鬼ね。
今の私達で倒せるのかしら。」
3人が口々に言った。
少しのんびりや屋だけどやるときはしっかりやる長女の葵。
怖がりで葵にくっつきっぱなしな次女の楓。
しっかりもので冷静な三女の椿。
この2ヶ月で3人の性格や癖もだいたい掴めてきた。
「行きましょうか。」
私が言うと三姉妹が声を揃えて元気に「はい!」と返事をする。
「ここから先は当主様がご先導下さい。鬼と逃げるか戦うか、先へ進むか留まるかの判断もお任せします。
ただ、危険でしたら私の方から撤退の音頭を取らせて頂きますので。」
狼那がそう言って真面目な顔になる。
いつも微笑んでいて優しい狼那とはがらっと気配が変わった。
いわゆる戦闘モードと言うやつなのだろう。
「それじゃ、行くよ。」
私がそう言って屋敷の門の扉を開く。
少し先に屋敷の入り口が見えるがその前には鬼がいた。
「餓鬼3体と旗振り大将ですか。初戦には丁度良い相手かと。」
狼那が言った。
「お母さん、前列を凪払うか、防御、後列に下がって餓鬼1体を斬るか、どうする?」
葵が言った。
進言を3つ程と狼那が言っていたが葵はそれをしっかり守って3つの進言を出してくれた。
「敵は全員前列だから凪払って!私も続くから!」
葵が1番に駆け出して行って餓鬼と旗振り大将を凪払った。
もちろん、それで倒せるほど甘くは無い。
私も続けて凪払う。
「私は後列に下がって餓鬼を突くか防御、前列のまま餓鬼を突くか。お母さんどうしよう。」
「椿は後列に下がって餓鬼をお願い!」
椿も続けて進言をしてくる。
椿が後列から槍で餓鬼1体を突き刺すと餓鬼が黒い煙になって消えた。
やっと餓鬼1体か。
「えと、前列に出て敵全体を攻撃か、後列のまま敵前列を攻撃か防御、お母様どれが良いかな?」
楓が言った。
今回楓には散弾を持たせている。
「楓は後列のまま撃って!」
私は指示を出すと楓が後列から大筒を放つ。
楓の攻撃で餓鬼1体が倒れた。
残るは餓鬼1体と旗振り大将だけだ。
私は狼那の方をチラッと見た。
「私は当主様のご指示とは別に動かせて頂きます。」
そう言って狼那が札を取り出して真上に投げると札が大剣に変わり大剣が降ってきた。
狼那の得物は大剣らしい。
「では、これで餓鬼は終わりですね。」
そう言って狼那が残った餓鬼に止めをさした。
「これでとどめ!」
私が残った旗振り大将を切り払う。
旗振り大将も煙になって消えると狼那の持っていたおみくじの箱の様なからくりから薬が1つとお金が80両出てきた。
これは?
「これは戦利品スロット。
鬼との戦闘に入るとスロットが回り、鬼を倒すと止まったアイテムやお金を獲得できる道具です。今回は若葉の丸薬1つと40両2つに止まったのでこうしてアイテムとお金が出てきたのです。」
狼那が言った。
そう言えば訓練の時も鬼を討てば戦利品が手に入るって言っていたな。
これのことなのか。
見事初陣の初戦闘を勝利で飾った私達は更に奥へと進むのだった。
*キャラクター紹介*
神薙 葵(あおい)
神薙家 葵家系
女 2ヶ月
職業:薙刀士
家系
母 柊 女薙刀士
父 黄川人 火男神
夫 ???
子 ???
三姉妹の長女で少しのんびり屋だがちゃんとお姉ちゃんをしており三姉妹を纏め上げている。
基本的には一歩後ろから妹たちを見守る様なスタンスであり、自分が先頭をきる事は少ない。
薙刀士として母である柊に師事しており他の2人よりも柊と共にいる時間は長い。
また、戦闘の時は先陣をきって突っ込むがちゃんと計算して突っ込んでいる。
柊と共に作戦立案の練習もしたりと次期当主に一番近い存在。
結構マメな性格で毎日朝起きた時に布団を片付け部屋の掃除をしてから1日を始める。
神薙 楓(かえで)
神薙家 楓家系
女 2ヶ月
職業:大筒士
家系
母 柊 女薙刀士
父 黄川人 火男神
夫 ???
子 ???
怖がりで人見知りな次女でいつも葵の後ろに隠れるのが定位置。
大筒士としての才能はかなり高く、大筒の扱いは狼那や黄川人も驚くレベル。
訓練では走りながら撃ったり三角飛びをしてみせたりと中々にアグレッシブに動いて見せた。
運動神経は三姉妹で一番良い。
しいたけが苦手で残しては狼那に怒られている。
神薙 椿(つばき)
神薙家 椿家系
女 2ヶ月
職業:槍使い
家系
母 柊 女薙刀士
父 黄川人 火男神
夫 ???
子 ???
三姉妹の三女。冷静で物静かだが三姉妹では一番面倒見が良い。
楓の事を気にしており訓練中も良く後列に下がっていた。
飲み込みはかなり早いタイプで何回かの練習で及第点を貰える程。
たった2ヶ月の訓練で驚くほど槍の扱いが上手くなった。
可愛いものが好きだが恥ずかしくて表には出さない。