やはり俺が黒の組織に居るのは間違っている。 作:ひよっこ召喚士
昨日と違って私服で東京都を歩き回った
自分で立てた予定を順調にこなしていき
午前中からおやつ時の予定を終わらした
ここから移動に少しだけ時間を取られる
次に向かうのは米花町という危険区域だ
何かと事件が多くて犯罪率の高めの街で
警察などの警戒も厳しくなってるからな
そこには東都環状線とやらで行ける様だ
米花町までは駅数があるので快速に乗る
これなら十六時までには到着出来そうだ
あまり来ない場所の公共交通機関は迷う
千葉ならば迷うことなんてあり得ないし
車ならカーナビがあるから楽なんたがな
乗り換え案内もわかりやすくなってくれ
そんな愚痴を溢してる内に緑台まで来た
次が米花町だよなと外の案内で確認する
扉付近を見ると駆け込み乗車が目に入る
「ぎりぎり間に合いましたねぇ」
「今日はついてる日なのよ」
注意なんてする気はないが少し騒々しい
だがそれ以上に厄介な騒動が舞い込んだ
「スピードを上げた?」
駅と駅との距離はなんとなく把握してる
半ばも過ぎたのにスピードが上がってる
「なぁこの電車おかしくないか?」
「何がおかしいの元太くん」
「だってよう。もうすぐ米花駅なのにだんだんスピードが速くなってんぜ」
子供でさえも異常事態に気付き始めてる
何か起きたかと疑ってると確定する声が
『お客様にお報せします。緊急事態発生のためこの電車は次の米花駅を通過いたします』
車内アナウンスが流れ緊急事態を報せる
そしてそのまま停車駅を通過していった
また何かしらの事件に巻き込まれた様だ
『繰り返します。この電車はしばらくの間、駅には止まらずに走行いたします。なお車内に不審物を見つけましたら絶対に手を触れずに車掌までお知らせください』
こりゃあテロ事件か、爆弾あたりだろう
この車内には怪しい物は見当たらねぇが
適当に探した所で見つかるとも思えねぇ
「爆弾?!」
「えっ、やっぱり?!」
「じゃああたし達死んじゃうの……」
どうやらあの子供達は何か知ってそうだ
俺は自分の席から立ち上がり歩き出した
手に持ってるのはなんらかの通信機器か
子供に関わりたくないが仕方ないだろう
そっと気配を消して俺は近付いて行った
「コナンくん……」
「くそー、コナンだけに任しておけるか!!俺達も頑張ろうぜ!!こんなときこそ少年探偵団の出番だ!!」
「少年…」
「探偵団…そうですね。爆弾は車内にあるみたいですから」
「おーし!!少年探偵団出発!!」
「「おおー!!」」
あまり乗客はいないが小声にしておけよ
パニックを起こされれば面倒になるだろ
幸い周りで聴いてる奴はいなさそうだな
その事に安堵しながら子供の横に立つと
ヒョイッと嬢ちゃんから通信機をもらう
「あっ?!なにするの?!」
「おい兄ちゃん。なにしてんだ?!」
「探偵バッチを返してください」
『おい、何があった?!おい、お前たち!!』
「少し借りるだけだ。爆弾の場所に関する情報を寄越せ」
『あんたは誰だ?!子供達に何もしてないだろうな?!』
こんな状況で感情的になっても意味ない
少しは落ち着いて話したらどうなんだか
といっても声からして相手も子供だろう
それならば慌てふためいても仕方ないか
とりあえず大人に変わるように伝えよう
「耳が良いだけの乗客だよ。詳しい事を聞いとこうと借りてるだけだ。もう一度言うが情報を寄越すか、大人に代われ、この後も予定があるんだよ」
『一般人に情報を渡せるわけねぇだろうが?!何を考えてんだ手前は?!』
大人には代わったようだが話は通じない
警察関係に働きかけるのは無理だからな
どうにか口先だけで聞き出す必要がある
「情報がないなら俺も死にたくないから手当たり次第探させてもらう。その結果、爆弾について他の乗客に知られても関与しないぞ」
脅しに近い形になったが問題ないだろう
この通信機器には録音機能はついてない
強めな言い方をした所で証拠は残らない
『何を考えているんだ そんな事すれば乗客がパニックになるぞ?! 子供達は本当に無事なんじゃな? 話すしかないんじゃ』
向こうの会話がごちゃごちゃに聞こえる
とっとと決めてくれると助かるんだがな
『余計な事はしてくれるなよ。勝手に動いたらしょっぴいてやるからな!!』
騒ぎを早々に大きくする事を嫌った様だ
注意と共に爆弾に関する情報が話される
なるほど意外と分かり易い条件だったな
・十六時以降に起動する
・時速六十km以下になると爆発
・日没になっても爆発
・爆弾の場所は「☓☓の☓」
・☓には漢字が一文字ずつ
日没という時点で日照センサーは確定で
速度が関わるならば電車の影が関係する
それで☓☓の☓となれば入る漢字も簡単だ
「線路の間だろ。電車を直ぐに別の線に移して停めてしまえ」
言い切るだけ言って通信機を少女に返す
何やら向こうで叫んでいるが関係は無い
少なからず騒ついている車内をすり抜け
子供達からも姿を隠して停車の時を待つ
時間が勿体ないので手仕事を進めておく
携帯電話も弄くって連絡まで済ませると
電車がスピードを落として停まり始めた
警察の保護も取材に捕まるのも面倒だな
跡を残したくはないので直ぐに離脱する
人目を避けつつ駅周辺から距離をとって
さっきの連絡で用意させた足に乗り込む
運転席には見慣れた面が既に座っていた
「なんでここまで来てんだよ
相変わらず胡散臭いお面を張り付かせて
乗り込んだそばから無言で車を走らせる
いったい何のつもりなんだかエセ優男が
「足を用意させてると情報を掴みましたので出迎えてあげようという親切心ですよ。数少ない同期ですからね」
「数少ない同期つっても
一緒にコードネームを貰った連中なんて
もう誰一人として組織に残ってないだろ
「だからこそですよ」
その笑顔は取り入る気満々の表情だろう
ベルモットにずっと付いてれば楽なのに
なんで俺にまでこいつは付きまとうのか
行動の考えは読めるがその先は分からん
一応と頭に付くが身内の筈なのに厄介だ
それでも用事の一つは先に済ませられる
俺は記録媒体をダッシュボードに置いた
「これは?」
「お前が可能ならって頼んでたデータだよ。いらねぇなら持って帰るぞ」
そんなに苦労はしてないがなんか癪だし
渡さなくて良いならこの場で叩き割るぞ
「いえいえ、こんなにはやくに貰えると思っていなかっただけですよ。ありがたくいただきます」
戦闘も普通に行えるがこいつは情報屋だ
情報屋がなぜ俺に情報を求めるのかって
この情報が探りに入る前に必要だからだ
身体能力を活かして潜入して工作したり
その面を利用してロミトラを仕掛けたり
何でも器用にこなす腕でハッキングなど
色々とやっていると噂には聞いているが
当然だが事前の準備は必要になってくる
それも自分でやるもんだが場所が場所だ
千葉は俺のホームと言って過言ではない
たまにしか来ない連中よりも動ける訳だ
そして場所以外にももう一つ理由がある
必要とする情報の中に極めて狭いモノが
ターゲットに付随して必要なんだろうが
たった一人、一個人の情報も求められた
その個人を調べるのに俺は丁度良かった
「こっちの企業に食い込むつもりらしいが、
他の情報はこっちの犯罪組織の動き方や
企業の力関係や有力者の家族関係などだ
犯罪組織では一つ面白いところがあって
色々な物の売買を一部取り仕切っており
流れを誤魔化す為の店舗が置かれてるが
普通にバイトが出入りしてる店なんかも
責任者クラスに一人は息がかかっていた
やってるのは商品の運びを誤魔化したり
ちょっとした資金確保に洗浄当たりだが
後ろ二つは微々たるものでついで程度だ
話がずれたが企業の情報で予測は可能で
こいつのやりたい事は大体は分かってた
雪ノ下は地元の名士で雪ノ下建設も大手
千葉内で上位の方だし親の仕事が仕事だ
関わりが持てたならやりやすいだろうが
あれ個人に関わる価値なんてないだろう
接触しても怪しまれて終わるのがオチだ
これは同級生を庇って言ってる訳でなく
極めて客観的、業務的に判断した答えだ
「いえ、彼女自身に用件はないですよ。それに雪ノ下建設だけに狙いを付けてる訳でもないですしね。ただ、少しばかり警戒しないといけない相手がターゲット層に居ましてね」
既にパーティに出て顔繋ぎを始めており
そこで女性をメインに話掛けていた所に
ボロの出せない面倒な相手が居たそうだ
年齢の割に在り方が完成し切っていたと
あぁ、なるほど
そりゃ厄介とまではいかないがやり辛い
と言っても相手はあくまで一般人だから
やり方は幾らでもあるし情報もその為か
「貴方の仕事はどうなりそうですが?」
「予定の一つは今終わった。もう一つはさっき巻き込まれた件で必要なくなった」
かなり杜撰な犯行である事から分かるが
爆薬と犯罪組織は関わっていないからな
やり口から何かへの恨みを強く感じたし
恐らく私怨による個人によっての犯行だ
大量の爆薬の動きとなると警戒は必要だ
抗争目的なら詳細を掴みたかった訳だが
こうなれば探った所で損も得も無いだろ
別に面子も関係無いし報復の必要も無し
正直こっから先の予定はもうなくなった
辻褄を合わせる為に夜には帰路に着くが
何かしたい事もパッと思い付きもしない
そういう訳で夜まではフリーだと伝える
何かしら仕事があるなら手伝い位はする
そういった組織的な意味で言ったのだが
「それでしたらこれは如何ですか?」
何気なく差し出してきたのは長方形の紙
今更ながら運転程度では何も言わないが
俺にいったい何を勧め様としてるんだか
「映画のギフト券?」
本当になんつう物を渡しにきているんだ
考えが分からなくて困惑が頭を占めてる
よく見てみると二枚が重なっている様だ
これから二人で見に行く様な仲ではなく
一人で二回見てこいと言うのでなければ
「米花シティービルで僕の代わりに一人の女性の相手をして欲しいんですよ」
ロミトラをさせるなら変装が要るんだが
まず専門じゃないしお前レベルは無理だ
情報を引き出すやり方は揺さぶりが主だ
優しい言葉掛けなんて物は吐き気がする
流石に頼まれてる内容が分野違いだろと
やんわりと否定するが内容が違うらしい
「良いとこのお嬢さんなんですが、周りが少々きな臭く探ろうと相手をしていたら更に関係を持とうと踏み込んできまして……少し貴方から話して来てください」
足掛かりにしてたら惚れられちまったと
縁を切るために俺に脅しを掛けて来いと
チケットは相手への合図兼代理の証拠か
嫌な役だけを押し付けてる自覚はあるか
お前も凄めばそれなりに迫力あるだろう
「女性陣に頼めばどう拗れるか分かりませんし、他の男性陣だと面倒だから殺せといった思考になりそうでして……」
適度に相手をしてくれるのが俺だけだと
訊いとくがお前は他に仕事があるんだな
念を押して確認すると肯定する様に頷く
それなら自分から言った手前引き受ける
詰まらねぇ嘘付きにはなりたくねぇしな
「ありがとうございます」
他に仕事があるというのは本当の様だし
感謝の言葉にも嘘の気配は感じられない
目的以外の所は何処か素直だよなコイツ
だから胡散臭い以上に
証拠なんてねぇから詰める真似はしない
それでも俺は疑うのを辞めることはない
コイツからは
バーボンを足にしてビルまでやってきた
相手の情報は粗方聞いており覚えている
顔については写真も見たので問題はない
辺りを軽く見渡すだけで簡単に見つかる
米花シネマワン周辺の椅子に座っている
元ターゲットであろう女性の姿があった
「
「えっ、なんで私の名前を。まさか家の事を知って?!」
欠けてると思ったが危機意識はある様だ
バーボンにわざわざ近付く相手だからな
てっきり夢見がち女かと思ってたんだが
流石に家が家だから危険はあるのだろう
反応速度は悪くなく護身の心得はあるな
足運びが何かしら習ってた奴の動き方だ
まぁこれ位ならば危険視するまでもない
だが変な誤解のまま騒ぎになれば面倒だ
「はぁ……お前の待ち合わせ相手の代理だ」
そう溢してその証拠を示すと相手は黙る
ポケットから取り出した二枚のチケット
意表を突かれたのか動きが停止している
数十秒待つと呑み込めたのか口を開いた
「彼の…?彼はいったいなんで来ないんですか?」
来ない時点で脈がないんだと気付いとけ
一般人の普通の奴ってこんな物だったか
鋭くなってから普通の感覚をもう忘れた
空気も感情も読めない状況が分からない
未知の感情を浴びるのが怖くて仕方ない
「こういう事だ……アイツに近付こうなんて思うんじゃねぇ。火傷程度ではすまねぇぞ」
ネタバラシをする様に顔を近付け睨むと
低めの声と共に殺気を諸にぶつけてやる
「ヒィッ?!」
恐怖に顔が青ざめて身体が膠着し震える
稽古で殺気を浴びる事なんてないだろう
殺し殺される世界の空気には耐えれまい
思う様に動かないのか声も蚊の様に細い
周りに聴かれる心配はこれならないだろ
それに少し俺の見た目も弄っているから
少なくとも不審者には見えない姿の筈だ
ファッションなんかも無理矢理仕込まれ
流行とかも今では把握しているぐらいだ
周囲にも問題なく溶け込めているだろう
さて上下関係は分からせる事が出来てる
後は口を閉ざすように言い聞かせるだけ
そう考えていると嫌な感覚が身体に走る
此処に居てはまずいと警鐘が鳴り響いた
だが次の瞬間に爆風と熱が辺りに広がる
俺は咄嗟に体を動かし身を守ろうとした
豪快な崩落音を最後に俺の意識は潰えた
『1』
八幡「エンジェルと付く店はほとんど黒だった」
??『えっ?!』
それとなく原作よりも危険度が増している方が1名……次のFile5で登場予定です。
という事で映画を挟み込んで見ましたが、まだコナンくん自体と接触がないのでメインには関わらないでどちらかという被害を受ける側です。
そのうちコナンくんと出会ったらもっとメインよりで登場する様にもなるかもしれませんが、今は裏でこんな事も起きてたよ的なサブストーリーな感じです。
八幡が接触した女性はオリキャラです。俺ガイルにならって名前は神奈川県の地名から貰いました。読み方は名探偵コナン側と繋がりを作るために変えちゃったけど。まぁ、詳しい設定についてはそのうち出るかと。
先ほどいった通り名探偵コナンのキャラとの関連性も用意しましたが、家柄とかそこいらへんは捏造というかオリジナルです。
そして触れるのが遅いですがバーボン登場です。ちょっと無理矢理ですが八幡ことフィーヌとライ、スコッチ、バーボンの幹部就任を同時期に設定しました。
彼らとの関わりは書けるか分からないけどある程度考えています。プロットには起こしてないけど。これは気が向いたらとか以前に書くとしてもまだまだ先ですね。
とまぁ後書きで喋りすぎてもつまらないのでこれくらいにして、いつもの挨拶でさようなら。
読んでくれている方々に多大なる感謝を。