やはり俺が黒の組織に居るのは間違っている。   作:ひよっこ召喚士

14 / 39
腐り目:File.4 Page.2


 

「……?!………!!」

 

何処か遠くで叫んでる声が聴こえた

 

焦りと不安と後はなんだ…分からん

 

だけど何処か懐かしい感覚を覚える

 

意識した所で衝撃的な痛みが走った

 

「く……?!……はぁはぁ」

 

「……良かった目を覚まされたんですね」

 

声の主は誰だったか頭が回らねぇな

 

此処は何処で俺は何をしていたんだ

 

ひたすらに遡ってでも思い起こさせ

 

数秒後やっと現状に脳が追い付いた

 

「大丈夫ですか?」

 

ずっと黙り込んでたから不安な表情

 

それを浮かべてるのは俺が脅した奴

 

寒川幸というちょっと裕福な一般人

 

ああそうだ俺がこいつを投げたんだ

なんでそんな事をしてしまったんだ

爆風の煽りを受け辛い壁際へ向けて

あぁ前にも似たような事があったな

次々落下してくる瓦礫も蹴り飛ばし

あの時は助けない方が良かったのに

その直後に横から飛んで来た何かが

それなのに身体が勝手に動いたんだ

頭に直撃して俺は意識を失ったんだ

 

傷が浅い事から硬いものではないな

 

痛みは少し酷いが止血すれば死なん

 

頭以外の状態はどうなってるか視る

 

熱風が吹いて火傷が少しだがあるな

 

骨は折れてないし動きに問題は無い

 

火傷程度じゃすまねぇと脅した直後

 

爆発に巻き込まれるとは笑えねぇな

 

自嘲しているとか細い声が耳に届く

 

……なんで私を助けたんですか?(『……なんで私を助けたのよ?』)

そんなの俺が教えて欲しいくらいだ

全く似てないのにダブって聴こえた

 

あん時も意識した訳じゃないだろう

 

うるせぇ助けたつもりなんかねぇよ

俺に誰かを助ける事なんて出来ない

自己満足にも満たない愚かな行為だ

手段を選ぶ事なんてなくなったのに

そんな高尚な行動へと置き換えるな

未だ道を選べると思い込んだ結果だ

「……それでも私は生きてます。だから……」

 

 

ありがとう(『助かったわ』)

 

 

礼をするなよ言葉にしてくれるなよ

 

そんな想い(重い)は受け取ってはいけない

 

どうせまた囚われるだけなんだから

 

頭を回せ、思考を早く巡らせるんだ

 

俺がやるべき事だけをやってしまえ

 

既に最低限だが手当は済ませてある

 

派手に動かなければ問題はあるまい

 

建物の構造を思い浮かべ立ち上がる

 

「何処へ行くんですか?」

 

俺は何も言わずにそのまま歩き出す

 

追いかけてくる足音を無視したまま

 

荒れ果てたビルの中の探索を始めた

 

最初の爆発では確実に殺せはしない

 

あれは恐らく分断させる為の仕掛け

 

それならば本命はホールの方になる

 

少し離れていた為にホールとは遠い

 

解除に向かうのはリスキー過ぎるな

 

間に合うか分からずに向かうなんて

 

そんな奴がいたらよほどの馬鹿だな

 

ビルの上部なので逃げ道も限られる

 

何よりこの騒動で下だって騒がしい

 

派手な事をして捉えられても駄目だ

 

通路自体は崩落してるがいけるか?

 

証拠は残せないので道具は使えない

 

このビルは天井までそんな高くない

 

階高で考えても五メートルちょっと

 

着地をミスらない限り降りれる高さ

 

そこまで考えた所で足音を思い出す

 

一人なら余裕で下へ降りれるだろう

 

一階まで跳び下り続ける訳じゃない

 

ある程度降りれば無事な道も増える

 

後は人目を避けて離れるのは得意だ

 

二人となると建物への負担も大きい

 

着地地点を見誤れば崩落して終わる

 

小説やアニメの世界でないのだから

 

落下してく足場から跳び移るなんて

 

妄想でのみ許される真似は出来ない

 

違うなぜ俺はこいつを勘定にいれた

 

一人でとっとと降りれば良いだろう

 

こいつを見張っておく必要性もない

 

この騒動で死んでてもおかしくない

 

不安ならこの場で殺しても解決する

 

懐の拳銃を取り出して引き金を引く

 

それだけで済む至極簡単な話なのに

 

何故頭を必死に回しているんだ俺は

 

感情と思考と身体の全てが別に動き

 

導き出したのはアウトドアショップ

 

そこの登山用品からピッケルを拾い

 

上手く使う為に手袋ももらっていく

 

他に必要な物を幾つか急いで見繕い

 

ロープとヘルメットを寒川に渡した

 

ついでとばかりに靴も変えておこう

 

履いてた方は火を着け瓦礫に投げる

 

瓦礫の山ならば延焼はしないだろう

 

持ち合わせがないし普通に盗みだが

 

店も半壊していて気付かれないだろ

 

勝手に持ち出した物を渡された方は

 

なんとも言えない表情を浮かべてる

 

だが緊急事態と割り切ったのだろう

 

「ヘルメットは被るんですよね。このロープは?」

 

降りる時に使うのは分かってる様だ

 

しかしこの辺りに結べる場所はなく

 

結べたとしても命は預けたくはない

 

ロープは落下防止の為に持ってきた

 

俺が寒川を背負ってここを降りてく

 

勢いは壁にピッケルを刺して抑える

 

そうすりゃそこまで負担なくいける

 

失敗した時も脱臼覚悟で引っ掛けて

 

ぶら下がる位はまぁ出来なくはない

 

口が裂けても安全とは言い切れない

 

「私一人では降りれないのでお願いします」

 

それでも寒川は直ぐに了承を示した

 

他人を直ぐに信じてみせた事に驚く

 

それも命を預けるに等しい行為でだ

理解らない判らないわかるわけない

だが止まっているだけの余裕はない

 

軽く跳ね固定がずれないのを確かめ

 

穴の縁にいき無事な足場を見極めて

 

少し勢いをつけると下へ飛び降りた

 

初めの足場まではそう遠くなかった

 

身体を反らした反動だけで十分届く

 

そして着地の瞬間にその衝撃を逃す

 

握力を強め崩落に備えるが何もない

 

問題なく降りることが出来た様だな

 

直ぐ上がボロいから予測はしてたが

 

この階も瓦礫が多く通路は使えない

 

丈夫に作られてる非常階段があれど

 

そこまで辿り着かなければ役立たず

 

いや非常階段は警察や救急が使う筈

 

鉢合わせたら面倒になるに違いない

 

もし行けても使わない可能性が高い

 

あぁ寒川を先に逃がす事は出来たか

 

()()()なんて語る暇あるなら進めよ

何回夢を見たってそれは有り得ない

無駄な事ばかりして俺らしくもない

 

今回ばかりは頭が回る気がしねぇな

 

おそらく血が足りてねぇんだろうな

 

集中してないとふらつきそうになる

 

違うそうじゃない意識せず動き出せ

 

着地点だけを見据えて降り続けよう

 

そうして一つ二つと順々に降りてく

 

その途中で降りる事に集中し過ぎた

 

俺にはぶつからないが寒川に当たる

 

そう気付いた瞬間には体勢を崩して

 

跳ぶ予定のコースを無理矢理変える

 

勿論上手く着地出来る訳はなかった

 

不安定な床が崩れてそのまま落ちる

 

なんとかまだ無事な段階で壁を蹴り

 

ギリギリだが壁まで跳んで腕を振る

 

ガキンと音が鳴りピッケルが刺さる

 

そして片腕で人間二人の重さを受け

 

肩が悲鳴をあげそれでも力を込めて

 

もう片方の腕を伸ばして姿勢を直し

 

予定より下の階へと着地してみせた

 

その代償として肩が外れ傷も開いた

 

さらに頭から血が流れて顔を伝った

 

「大丈夫ですか?!」

 

身体が強張り腕の力も強くなったが

 

悲鳴もなく耐えた寒川が声を荒げる

 

「・・・・・・・・」

 

自分が何言ってるのかも分からない

 

視界を確保出来てるのが奇跡である

 

辺りをまた確認すると無事な通路が

 

館内の構造を思いだすと階段がある

 

向かうと罅はあるが形は残っていた

 

跳びはねたりしなければ十分使える

 

寒川を下ろしてそのまま降っていく

 

幸いにも途中で人と出くわす事なく

 

一階まで降りきりビルから出てきた

 

そして警察の包囲をなんとか抜けて

 

とうに限界だった身体が横になった

 

「大丈夫ですか?!きゅ、救急車を」

 

携帯端末へ伸ばす手を鷲掴み止める

 

持ち物的にも状況的にも不味すぎる

 

救急車だけは呼んでくれるなと頼む

 

組織の人間を呼ぶにも俺は動けない

 

手さえ動けば俺の端末を使えるのに

 

どんどん朦朧としていく意識の中で

 

今日中に千葉へ帰る筈だったのにと

 

考えた所で俺の意識は呑み込まれた





『10』

バーボンとオリキャラである寒川さんの心情を入れようかと思ってたけど書いてみたらこれ違うなと思って辞めた。

色々と布石にしようかとしてたんだけど今じゃねえなって要素の方が多かった。

そのため今回話脱出までの流れだけとなりました。そして仕事でもないのにボロボロになる八幡くんおいたわしや。

次はコナン側の視点を久々に入れてFile4は終わりかな。そしてFile5から千葉へと戻ります。

金曜に職場体験からの仕事の前準備、土曜の午前中は準備した仕事をこなして電車の爆弾に巻き込まれ、ビルの爆破に巻き込まれて、日曜休んだとして月曜から登校かぁ……これが黒の(ブラックな)組織かぁ……(なお今回一般犯罪者(劇場版)の巻き添え喰らっただけというね)

少しずつ書いてるのでお待ちください。
それではいつもの挨拶でさようなら。
読んでくれている方々に多大なる感謝を。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。